大凪山 2079m 餓鬼岳 2647.2m 餓鬼のコブ 2508m
唐沢岳 2632.4m
2004.7.18
雨のち曇り 単独 白沢登山口より 行動時間:14H4M
・駐車余地4:04→(2M
)→@登山口4:06→(8M)→A林道終点4:14→(61M)→B魚止ノ滝5:15→(28M)→C最終水場5:43→(90M)→D大凪山7:13〜26→(123M)→E餓鬼岳小屋9:29→(6M)→F餓鬼岳9:35〜50→(123M)→G唐沢岳11:53〜12:17→(77M)→H餓鬼のコブ13:34〜13:40→(38M)→Iトラバース道分岐14:18→(10M)→J餓鬼岳小屋帰り14:28〜36→(92M)→K大凪山帰り16:08→(112M)→L林道終点18:00→(6M)→M登山口18:06→(2M )→N駐車余地18:08
@白沢登山口 | A林道終点 | 最初の橋 | 二番目の橋。設置したて。 |
三つ目の橋 | 紅葉ノ滝 | 五つ目の橋 | B魚止ノ滝 |
C最終水場 | D大凪山標柱ポイント | 途中から有明山(南)側。 | 小屋まで10分前。 |
E餓鬼岳小屋 | F餓鬼岳 | F餓鬼岳三角点 | F餓鬼岳から唐沢岳 |
F餓鬼岳からケンズリ側。稜線を東側は雲が湧き上がる。 | F餓鬼岳から唐沢岳側への道。 | 餓鬼のコブ手前鞍部に下り込む辺りから見る唐沢岳。 | 途中で崩落地を見下ろす。 |
唐沢岳の南側直下。 | G唐沢岳 | G三角点は周囲の石と同化している。 | G唐沢岳の北側の峰。 |
G唐沢岳からケンズリ側。 | G唐沢岳から七倉ダム(辛うじて写っている)を見下ろす。 | G龍神湖側。 | G山頂一帯はコマクサが覆う。 |
途中から鍬ノ峰側。 | 登山道は稜線から外れ東側斜面を巻く場所もある。 | H餓鬼のコブで撮影を忘れ、餓鬼岳側からズーム撮影。 | 2620m峰?だったか・・ |
途中から大町を見下ろす。 | 稜線から餓鬼岳。 | ケンズリ。相変わらず東側は雲が沸き立つ。 | I山頂へ向く道とトラバース道との分岐 |
J餓鬼岳小屋帰り | これより百曲り | K大凪山帰り | L林道終点の様子。 |
M登山口まで戻る。 | N駐車の様子。 |
現地登山口に到着すると既に10数台の車が止まっていた。やはりハイシーズンともなると人気の場所である。雨も降り続いていたので、夜明けを待つことにし仮眠を取る。車体にはうるさいほどに雨粒が当たり、寝ていると言うよりは意識を保ちながら横になっていたのが正解。
夜明けが近くなるが相変わらず雨は降り続く。今日は長駆でもありヘッドランプは軽い物を選択した。登山口をスタートする。この登山口は鍬ノ峰登山の時に見ていたのですぐに判った。林道入口には木を寝かせて車が入れないようにしてあった。雨の為、流れの出来た林道を歩いてゆく。ほどなくして目の前に植林地が開ける。この付近はこのような場所が多いようで、先の鍬ノ峰でもそうであった。この先に登山口と書かれた標柱が再びあり、林道はそこで止まっていた。四駆なら楽に入ってこれる場所であるが、入らせないのが林業の邪魔になるためだろうか。
登山口と書かれた所から左に進み沢に下りる。ここから沢を縫うように登山道が続く。雨に濡れた橋はとても滑りやすく、一歩一歩にかなり気を使った。橋は大概、定員が3人〜5人とあった。一見華奢な橋に見えたが、強度的には十分なのだろう。雨の流れが沢を濁らせながら流れている。4つほど橋をこなす。沢筋の道はアップダウンが軽くあり、帰りも同じほど時間がかかりそうであった。滝が右側に見えた。これが紅葉の滝である。この辺りから登山道は山腹のトラバース道となり、鎖やステップが付けられている場所となる。滝の全容は残念ながら葉が落ちる時期で無いと見ることが出来ない。この先も同じように木の階段や鎖場などが続くが、これといって危険な感じはしない。
5つ目の橋を渡り、少し滑りやすい岩場を通過すると、川の音が大きくなるのが判る。ここで魚止めの滝に出合う。落差もそこそこあり見応えもある。もう少し周辺が見晴らしの良い場所があればと思うのだが、自然の造形美に欲を言っては罰が当る。滝を右に見ながら登山道は左に行く。尾根を一つまたぐと、再び沢に出る。ここが最後の水場かと誤解したが、この先に標柱の立つ真の水場があった。でもこの日は雨水が混じり濁っていた。
登山道は左右に振りながら進み尾根をまたぐ。涸れ沢になりそこを詰めると左に大きく巻く新道となり、尾根に取り付き高みに上がるとそこが大凪山であった。標柱のある場所は最高点ではないらしく、最高点側へ足を進める。そして山頂部でトランシーバーを握っていたら、登山道を下山者が通過して行くのが見えた。大凪山を出発し2235高点を過ぎると百曲りと呼ばれる九十九折が始まる。消えかけた標識の文字でその場所が示してあった。百曲りと言っても意外や歩きやすい道であった。途中、山頂まであと30分の文字がある。もう近い、がしかし予定では小屋までを4.5時間を見越していたのに比べるとはるかにかかってしまっている。足が遅いのであるが、雨で滑りやすかったせいにしよう。
下から見上げるとプレハブが見え人工物の確認が出来る。喜び勇んで歩き上げると、そこが餓鬼岳小屋があった。古い造りで、北アルプスの中でも貴重な存在である。泊り客を送り出して、厨房で洗い物をしている様子が登山道から見えていた。すぐさま本峰へ向かい、ほんの僅かな登りで餓鬼岳の山頂到着。標柱はあるものの字が消えていて、何も山頂を表す文字表記は無かった。少し腰を下ろして休憩とする。この時にザックカバーをはずしたのが原因で、強風の為どこかに飛ばされてしまった。気がついた時はあとの祭りで、少し天気が回復傾向にあったのは幸いであった。展望は何とかあるが、主稜線側は雲の中に入っていた。目の前に目指す唐沢岳が見える。手がすぐに届きそうに見えるのだが、そう見えるほど歩きは長いもの。
ハイマツの中の道を歩き出す。餓鬼岳の西峰から一気に下る。相対する峰が餓鬼のコブで、地図からは登山道から少し外れるように見ていたが殆ど通過点であった。大きく下り登り上げる。トラバース道、アップダウン、それなりに一山登る感じである。思いのほか入山者がいる。こんなに人気があるのかと思うほどに人が入っていた。道は迷う事は無く歩きやすい。がしかし、山頂が近づくにつれ岩場のルートも出てきた。腕力で這い上がらねばならない所もある。直下に来て今度は砂礫の道。さらには辺りはコマクサの群落である。案内ペンキがそれらを除けるように書かれているのだが、かなり踏まれてしまって居るようであった。
唐沢岳山頂。一番西側に標柱は位置している。風が強く、風除けにピーク東側にある窪地に隠れたが、そこの中をより一層の風が巻いていた。雨は上がったのだが寒くて雨具が脱げない状況であった。今日は珍しくオレンジジュースを持ち上げてきた。ジュース類を持つ事は稀なのだが、120円のジュースが500円ほどに品質が上がったように感じる美味さであった。一通りの儀式を終え、山頂の展望を楽しんで唐沢岳を後にする。次はいつ来るだろうか、そんな事を思いつつ足を進める。次回はゆっくりと小屋泊まりで来たいものである。昨今は時間の無い中での登行が続いている。でも当分このままだろう。
下りだしたら直下ですれ違った5人の男女のパーティーがまだそこに居た。なんともゆっくり。話を聞くと新ハイキングの仲良しメンバーらしい。山の話を中心に、笑いを交えながら闊歩していた。御仁らは今日も小屋泊まりらしいが、こちらは日帰りの強行登山。好対照であった。数分立ち話して先を急ぐ。追い抜いて暫くすると後から黄色い声が聞こえてきた。最初何を言っているのか判らず、よく聞き直すと、私の名前(苗字)を皆で叫んでいた。なにか忘れ物をしたのを呼び止める声ではなく、まさしく数人での黄色い声であった。恥ずかしいやら何やらで「止めてください」と叫ぶのさえ恥ずかしく、そそくさと足を進め、折角の餓鬼のコブも動揺しており写真撮影を忘れるほどであった。早く見えない場所に入ってしまおうと、鞍部への下降を急ぐ。この時を機に山で名前を名乗るのは止めようと決意した。
餓鬼岳西峰への登り上げはきつい。滑りやすい上にぬかるんだ場所もある。でもここさえ越えればあとは楽である。そして途中から小屋への近道を利用する。本当に近くなっているのかと疑いたくなるような道であったが、何とか小屋の裏側へ出た。そこはちょうどトイレの所であった。かなり匂いがするのであるが、このトイレの処理はどうしているのだろうか。小屋は中も外も賑やかであった。景色を楽しみながら誇らしげに説明する者。私にとってはこれがとっても嫌なのである。極力静かに展望を楽しみたい。500円のビールを買い飲み干す。と言いたいところだが、美味しく飲めるのは半分まで、もう半分はやっと飲んだ感じであった。
小屋から下山(14:36)。この時間なら明るいうちに下までたどり着けるとふんだ。暗くなっても降りなければならないので、まーどうでもいいことでもある。降りて行くと続々と登って来ていた。ゆっくりスタートの人はこんな時間に上がってくるのだろう。百曲がりは下山には好都合で、九十九折は足に優しい。目の前にピークが見えているのだが、大凪山までが長い。幾つもポコポコとアップダウンをこなし、やっとの事で大凪山に到着。小屋から1時間半。だんだんと疲労が・・・。ここから滑りやすい樹林帯尾根の下降になる。ちょうど魚止めの滝のところで、唐沢岳に向かう途中ですれ違った二人のパーティーを追い越す。だいぶお疲れの様子で、足がなかなか前に出ていないようでもあった。復路は梯子や橋も乾いていた為に、それなりのスピードで通過できた。最後に林道に出る手前の沢を利用して靴と雨具を洗い、林道終点に登り上げる。なんとか明るいうちに降りられた。あとは林道を下るだけ。
登山口に降り立つ。その先の駐車余地は数台が入れ替わっていたものの総数は変らなかった。朝の雨が日中も続いていたら、もう数時間余計にかかったであろう。
母さん、僕のあのザックカバー、どうしたんでせうね?
ええ、夏、餓鬼岳の山頂で
谷底へ落としたあのザックカバーですよ。
母さん、あれは好きなザックカバーでしたよ、
僕はあのときずいぶんくやしかった、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
GPSで軌跡データを取って居ない頃なので、地図上の軌跡はおおまかです。