雁坂嶺   2289.2m          東破風山      2280m       破風山   2317.7m  
 
 
 2004.1.10   


   晴れ       単独      下山豆焼橋から        行動時間:13H52M


@出会いの丘0:48→(5M)→A豆焼橋口0:53→(24M)→B林道終点1:17→(244M)→C雁坂小屋5:21〜26→(22M)→D雁坂峠5:48〜53→(57M)→E雁坂嶺6:50〜7:00→(63M)→F東破風山8:03→(32M)→G破風山8:35〜9:04→(20M)→H東破風山帰り9:24〜37→(55M)→I雁坂嶺帰り10:32〜45→(15M)→J雁坂峠帰り11:00〜20→(175M)→K林道に降り立つ14:15→(18M)→L下山豆焼橋14:33→(7M)→M出会いの丘14:40


deainooka.jpg  mameyakibashi.jpg  rindousyuuten.jpg  karisakagoya.jpg 
@駐車場は出会いの丘。 Aトンネル脇の豆焼橋の袂。 B林道終点から山道に。 C雁坂小屋通過。
karisakatouge.jpg  karisakarei.jpg  karisakareisankaku.jpg  higashihahu.jpg 
D雁坂峠 E雁坂嶺  E雁坂嶺三角点。 F東破風山
nishihahu.jpg  nishihahunishi.jpg  nishihahukara.jpg  nishihahubushin.jpg 
G破風山 G手前に赤く塗られた三角点 G破風山から鶏冠尾根と、奥に金峰山。 G武信白岩山側。
nishihahuakazawa.jpg  higashihahuhutatabi.jpg  torotocyuusankaku.jpg  higashihahukarisaka.jpg 
G赤沢山側。  H東破風山帰り。 登山道途中に立っていた三角点の補助標柱。 途中から雁坂嶺を見上げる。
karisakareikaeri.jpg  tougekarasuisyou.jpg  tougekarakinpu.jpg  sandaitouge.jpg 
I雁坂嶺帰り。 J雁坂峠から水晶山側。 J雁坂峠から金峰山側。   J峠から雁坂嶺への笹尾根。
koyahutatabi.jpg  koyanaibu.jpg  toraba-su.jpg  kuroiwabunki.jpg 
雁坂小屋全景。 小屋内部。 危険箇所は慎重に通過。 展望台への分岐。
rindougezan.jpg  shimoyamamameyaki.jpg  deaikaeri.jpg   
K林道終点から登山道側。 L豆焼橋まで戻る。 M閑散とした出会いの丘   


深夜22時に家を出る。珍しく眠くて途中で2度ほど仮眠を取る。現地登山口に着いたのが0時を回っていた。豆焼橋口にはチェーンがかかっており車の進入は無理であった。しかし3つあるポールのうち一つは、簡単に沈ませることが出来た。他二つも同様に出来るらしかったが、安全策をとり出会いの丘まで車を戻し広い駐車場に駐車した。他には2台あるだけで閑散としていた。

 0:48スタート。
豆焼橋を渡り林道に入る。10センチほどに積もった雪が林道を覆っていた。すぐにトンネルの電源管理?の小屋が左にある。ここまでは乗用車の轍があった。その先も轍が続いているものの、それは軽トラのようであった。林道を伝わり行き着いた終点の広見は、車が30台ほど停められる場所であった。登山口はこの奥にあり、登山道の方向を道標が道を示していた。

登山道は落ち葉と雪混じりの道であった。トラバース道の後、九十九折になり再び南へのトラバース道。ここを過ぎると休憩場がありベンチがある。この先も長い長いトラバース道が続く。雪があり歩き辛いのと凍っている所を慎重に足を運ばねばならないので、思ったほどペースがあげられない。上部に行くと丸太組の橋などがあり、気を許せない場所もある。今回は、いつになく眠くてしょうがなかった。それにより歩きながら寝ている状態が多かった。何度となく滑ってはハッと気がついて正気に戻った。それといまひとつモチベーションが上がらず、気力がついて来ない。珍しい事だが、すぐにでも帰りたい気持ちにもなった。こんな気持ちになる事は今までになかったのだが、どうした事か。自分の中で何かが変わってきている気がした。それでも機械のように体は前に進む。こればかりは体と脳とは別行動をとるらしい。いやいやながらも足任せで高度を上げて行った。

 歩いても歩いても着かない長い道のりであった。それでも上部で道がなだらかになった辺りで何か施設が見え出した。百葉箱の所を経て雁坂小屋に着いた。ヘッドライトで中を見るが、誰も居ないようで人気は無い。代わりにどこからか鹿の鳴き声がしていた。ここから登山道にはトレースが現れた。トレースと言っても12本の爪の硬い跡だった。

 雁坂峠到着。有名な峠だけあって、立派な標柱があった。これらは派手過ぎずちょうど良い人工物であった。流石に標高が上がると気温は低下している。持ち上げたお湯がありがたかった。この時期のテルモスは大切なアイテムである。5分ほど休んで西進した。
登山道は雪が無く少し乾いている所もあったが、その矢先に急に雪深くなった。道を外さなければ雪は締まっているが、外せばつぼ足状態であった。先に行っている人の爪の痕を辿っているのだが、アイゼンを着けるのは正解のようで、かなり足許が滑る。それでも我慢してそのまま上がって行った。

 思いのほか時間がかかり雁坂嶺到着。ベンチに腰を下ろし休憩。と同時に輪カンジキを装着した。これがこの先の雪に対し吉と出るか凶と出るかは・・・。あまりこのエリアでのカンジキは見ないので、まずアイゼンの方が適当なのだろうとは思った。ただ、北陸で暫く歩いて来た私には、カンジキに慣れ親しんでいるのであった。夜も明けきり、周囲の山々を見ながら快適に足を進めて行く。

 
 東破風山は地形図には示されない山だが、日本山名事典に掲載され、一応目指していた1座となる。三角点が山頂の東斜面にあり、ちょっとこの設置は珍しい場所と言えようか。三角点は雪に埋もれ見えなかったが、補助標柱がその場所を示していた。トレースに乗って足を進めてゆくと山頂に到着。行政の大き過ぎるのではないかと思える標柱が待っていた。モチベーションが低い日で、ここまででけっこうに疲れていた。この先の破風山は、後で甲武信岳の方から狙おうかなどと弱気な思いも出てきていた。しかし、ここまで来て踏んで行くのと、再度西から入るのとでは、大きな労力の差が有り、時間も大きく違う。やはりここは踏んでゆく事とした。

 「サクサク」と言うより「ガリッ」とか「ギュッ」と言った音をさせながら雪を踏みつけてゆく。トレースの主はどう行動したのか。今日はおかげで楽をさせてもらっている。無ければつぼ足であるから・・・。これまで同様にシラビソ樹林の尾根を行くと、破風山が近くなると少し露岩の出ている場所が多くなってくる。展望が良い場所が山頂なのかと期待して登ったが、山頂に到着すると、そこは展望の無い場所であった。少し西側に進んで金峰山側が見える場所に出る。一旦見えればそこは高所。素晴らしい展望であった。山頂の東側に戻っても展望の良い場所はある。今日はここが最終地、少し長い休憩を取ってから、自分のトレースを拾って戻って行く。

 指先がジンジンとしている。ちょっと休憩が長すぎたようだ。血の巡りを良くさせる為にガツガツと歩く。メジャールートなので、どなたかと行き会うかと思っているが、稜線上はいつまでたっても静かなままであった。往路は東破風山は素通りだったので、帰りはここでトランシーバーを握る。交信に集中しながら、足許は無意識のうちに踏み固められていった。寒さ対策で体が自然と動いていたようであった。時折シカの集団がドドドと動いている。視覚には見えないが、耳から聞こえる動きであった。再び斜面途中の三角点補助標柱を見ながら雁坂峠に向けて戻って行く。

 雁坂嶺を越えて雁坂峠に戻ると、四組ほどのパーティーが居られた。それでも総勢9名ほどだったか、快晴の下で峠からの展望を各々楽しんでいるようであり、天候同様に皆の顔は晴れ晴れしていた。眺望のいいのは南側であり、眺めているとその方向へ一人のハイカーが下って行った。料金所の所からピストンなのだろう。日差しも強くなり、少し長めの休憩を取った。それほどに気持ちよかったのであった。

 ほどほど休んだとところで、さあ下山。南側が陽なら北側は陰。少し陰った北側に足を降りして行く。小屋の辺りにも数名が休憩していた。しかし中に入っている人は居なかった。黒岩尾根側には私のトレースしかなく、今日の黒岩尾根ルートは静山山行となった。下山しながら「黒岩」と「八丁頭」が気になったが、この時は薮を分ける元気が無く、そのまま登山道を降りて行った。また訪れるチャンスを残した形となった。まだ日が高い時間だが、夕方を思わせる暗い山道であった。展望もあまり無いので、雪に注意しながら坦々と足を出してゆく。

 林道に降り立つと、殆ど降りたも同然。その林道に沿って戻ってゆくと、新しい轍が付けられていた。猟師なのだろうか。豆焼橋の所に出ると、雁坂トンネルから出てきた車、これから向かう車が速いスピードで目の前を通り過ぎてゆく。山でのんびりしていたので、下界のスピードに目が慣れるまで少しタイムラグがあった。橋を渡って出会いの丘に戻る。なぜかここは出発時同様に閑散としている。おかげでひと目を気にせず着替えが出来、その点ではありがたく・・・。

 雪の少ない場所であり、冬のこの時期でもあまり苦も無く歩ける場所であった。雪の量は一概には言えないが、まあ平均をとっても少ないように思う。またいつか、のんびりと歩きたい。

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