毛無山 1500.1m 十二ヶ岳 1683m 金山 1686m 節刀ヶ岳 1736.4m
鬼ヶ岳 1738m 鍵掛 1589m 王岳 1623.4m
2004.2.14
晴れ 単独 文化洞トンネル脇から入山、西湖西岸の根場地区に下り、北岸道路を戻る。 行動時間:11H35M
@文化洞トンネル登山口2:45→(98M)→A毛無山4:23〜45→(115M)→B十二ヶ岳6:40〜58→(46M)→C金山7:44〜8:01→(10M)→D節刀ヶ岳8:11〜37→(15M)→E金山再び8:52→(33M)→F鬼ヶ岳9:25〜42→(9M)→G雪頭ヶ岳9:51〜53→(12M)→H鬼ヶ岳再び10:05→(53M)→I鍵掛峠10:58→(19M)→・鍵掛11:17〜22→(45M)→J王岳12:07〜33→(72M)→・根場民宿バス停13:45→(45M)→・文化洞トンネル14:30
@文化洞トンネル脇から入山。 | 最初の分岐 | A毛無山 | A毛無山三角点 |
途中の鎖場。 | 雪の乗った吊橋。 | B十二ヶ岳 | C金山 |
C金山から富士山。 | D節刀ヶ岳 | D節刀ヶ岳から富士山。 | D節刀ヶ岳から十二ヶ岳。 |
D節刀ヶ岳の三角点。 | E金山再び。 | F鬼ヶ岳 | G雪頭ヶ岳から鬼ヶ岳。 |
H鬼ヶ岳再び。 | I鍵掛峠。 | J王岳 | J王岳三角点。 |
J王岳から河口湖。 | 堰堤の中の登山道。 | 作業中の林道途中に出た。 | 林道から見る堰堤。正面の谷に絡む様に道がある。 |
家を22時出発。野辺山を越えるか雁坂峠を越えるか迷ったが、距離を考えると雁坂となった。最近体力が無くなったのか、途中で眠くなり仮眠を何度かとった。雁坂峠の軽四の通行料金は550円。塩山の町を地図を何度も見ながら通過、20号線を見つけてからは、標識に従い御坂方面へ。途中、御坂トンネルに近づくに連れて雪の降りが強くなってきた。思いもよらぬ降雪にやや意気消沈。峠を越えて河口湖畔を西に進み、西湖の畔へ。そして目指す文化洞トンネルを目の前にすると、その横に十二ヶ岳への登山口標識があった。調査のためにトンネルを越えてその先にある看板を見る。やはり登山口はさっきの所で間違いは無い。戻って空き地に駐車し、少し仮眠をすることにした(2:00)。
うとうとしながら目を覚ます。外の雪は止んでおり、出発の意欲も湧いてきた。そして装備を固めいざ出発。標識の左側に広い道が上がっており、一段上がるとまた広い場所があった。もしかしたら通常はここに車を止めるのかもと思った。そこには古いトンネルがあり入り口はコンクリートで固められていた。登山道はこのトンネルを左に見た奥にあり、緩やかに道は上がっていた。少し滑りやすい道で、靴がグリップせず難儀する。僅かに歩くと三方分山との分岐があり、ここを右に進む。相変わらず緩やかで、木々に乗った雪だろう、風に吹かれて舞い降りて来ていた。暫くは眼下の町の明かりを見ながらの登山であった。
長浜集落への分岐を通過すると、やや勾配がきつくなる。山頂が近い合図のようであり、頑張って駆け上がると、しばしで毛無山に到着する。赤いポストがあり、そこには記帳ノートが入っているらしかった。無線をするのに手袋を外すと、凍傷になるのではと思うほどに悴んだ。さてここから稜線歩きで、一ヶ岳から順に白地に青字の標識が続く。雪が乗り、その下の凍った部分が見えず何度も転ぶ羽目になる。アイゼンを着けるほどでもないので、着けずに我慢するが、まめに着け外しした方が良かったのかもしれない。ロープを垂らした急斜面が現れてから、しばしこのような場所が多くなった。ロープを握るが全くと言っていいほどに手がグリップしないのである。どうしたらいいか悩むが、適当な解決策が無かった。伝わりながら最大限の握力を使い下る。足の方もたいしたトラクションが掛けられない。慎重に事故を起こさぬように下る。下りきって上を見ると、たいした事が無い斜面なのである。いつもそんなもんである。さてこの後につり橋がある。つり橋の下は5mほど。落ちても大丈夫そうだが両側が切れ落ちていて、視覚的怖さは伴う。つり橋はワイヤーで吊られ、足の踏み場は並列に二本延びた板切れであった。雪が乗り滑り易い、両腕でしっかりワイヤーを掴み牛歩状態。ストックを持っていたのが、ここではそれがとても邪魔になった。対岸に渡ってから、再び長い鎖場が現れた。登り勾配であったが、これが下りだったらこの気象条件では、握力が持たなかっただろう。登り利用で正解。ロープでなく鎖の場所もあり、それを掴むのだが、手袋がくっついてしまい剥がすのに大変。やはりオーバーグローブをした方が良い様であった。
鎖場を通過し、傾斜が緩やかになるとその先に十二ヶ岳があった。祠が二つあり、傍らに山梨100名山の標柱が立っていた。しばらく休憩を兼ねた無線タイムとなった。スイッチを押す悴んだ親指は、時折脳の指令を受け付けていなかった。次は金山に向かう。ここまで来たら難しい場所は無いのかと思ったのだが、この先も数箇所危険な場所があった。天候が回復し月が見え、富士山も顔を出していた。辺りのガスもだんだん引いてゆき、好天の兆しが見えた。何度も尻餅をつきながら金山に到着。右が黒岳方面、左が鬼岳方面。背中に富士山であった。無線で時間がとられ、急いで右側の道に進む。偽ピークが一つありその先が節刀ヶ岳であった。紹介地図通り10分で到着。ここにも山梨100名山の標柱があった。少し体力が落ちているのか、今日は足が前に出ない感じがしていた。南アルプス側の展望も良く、白い頂の峰々が見事であった。来た道を戻る。
再び金山。そのまま通過する。先の山頂に岩が見える山がある。そこがどうも鬼岳のようであった。一度下り、軽くアップダウンして鬼岳に着いた。最高点には標識が無く、少し南側に分岐道標と一緒に山頂を示していた。山頂にある岩は特徴があり、大きなものであった。ここから今まで歩いてきた稜線を眺めると、既に十二ヶ岳などは遠くに見えていた。折角なので雪頭ヶ岳にも向かう。途中のはしごの場所でザックをデポし、空荷で行く。山頂はすぐであった。
雪頭ヶ岳。ここからの富士山の眺望は、最高であった。じっくり眺めたい所であったが、このピークは計画外の場所であり、すぐに戻る。この辺りから足が極端に重くなった。訓練不足であるのと、先週に一ヶ月ぶりに歩いた、その疲れがまだ残っているようであった。鬼岳の分岐を左に進み、鍵掛峠を目指す。途中にいくつものピークを越える。この先か、この先かと期待しながら歩くのだが、峠はなかなか遠く、ほどほど疲れた頃、やっと峠を通過。当初の計画では再びここへ戻って来なければならなく、ザックをデポしようかとも思ったが、この先何があるか判らない、単独行だから尚更注意と背負って向かう。
この辺りから積雪量が減ってきていた。周辺気温が違うのか、防寒具を着ている事が負担になるほどに熱くなってきた。それでも南から吹き上げてくる風はかなり冷たい。鍵掛峠からはトレースが続いていた。どうやら先行者がいるらしい。時間的にも上がっていておかしくない。どこで出会うかと急いで追いかけるが、先は長くアップダウンもきつい。途中に鍵掛のピークがあるが、ここは殆ど通過点のように過ぎてしまいそうな場所であった。ただ展望尾根と言えよう場所で、流麗な富士を眺めるには最高であった。雪が無いと、こんなに歩きやすいものかと闊歩して足を進める。先に見えていた偽ピークに上がると、王岳までは残すは一つ。近づくピークに喜びが隠し切れず、足早になる。
12:07王岳山頂到着。ここからの展望が最高で、標柱もそれらを邪魔しない場所に建てられていた。眼下の湖群。目の前に富士山。開けた山頂であり、20人ほどはゆっくり出来る場所であった。この山頂の西に進むと何か小さな木片が木に架かっていた。読むと「根場民宿へ下山道あり15.10.15」と書いてあった。そのまま理解すれば、登山道があるという事である。それも出来たての・・・。情報が無いのでまともに喜べないのだが、実際に有るとすれば、鍵掛峠までのアップダウンを避けられ、1時間の短縮になる。それも下山を予定していた根場民宿にそのまま下りられるのであるから言うことは無い。休憩し無線を楽しみ、12:33山頂を後にした。
当然進む方向は西側である。少し進むとすぐに左に道は下っていた。しばらく九十九折を繰り返し、その後は尾根に乗り、そしてまた尾根を離れ、斜面を九十九折に下りて行く。途中に一切標識が無いので不安であるが、辿って行くとルートは沢沿いの道になり、高度を下げてゆくと、目の前に堰堤が見えてくる。その先に林道が見え、ホッとする。がしかし、降り付いた場所は堰堤の右岸で、ここで登山道は消えてしまっていた。堰堤の中央に黄色い標識で「登山道」と書かれているがどこを通っているのか判らない。適当に左岸に移る。うっすらと崖に道があり、崩れやすい斜面を駆け上がると、ルートに戻ったようで道があった。この道も途中がとてもややこしい、はっきりしていないのである。しかし進む方向は見えており、何となく足を運べた。そして降り立った所は、林道のカーブの所。斜面には木でステップが切られていた。ここには標識も何も無いので知らない人はまず見つけることは無理だろう。入り口が判っても進めるかどうか・・・。
林道は地形図の破線で描かれた道であった。沢を跨ぎ右岸に移る。そしてしばらくすると下の集落に降りた。最初に別荘のような家が見え、先に進むと民家も現れてきた。橋を渡り、川の丁字路を右折し道なりに進むと、そこが西湖の畔の外周道路であった。根場民宿バス停に行き、路線時間を見ると1時間以上は待たねばならない。バスで楽をしたかったが、元来待つ事が嫌いなので、すぐさま歩き始めた。道路には路側帯がほとんど無いので、脇を通る車が心配でならなかった。特に左カーブの時などは、どうしようもなかった。路肩の側溝に溜まった空き缶と枯葉を見ながら湖の波の音を聞く。途中いくつものバス停を経る。それから目に付く自動販売機に1000円を入れるのだが、電気が通っていないのだろう受け付けてくれない。根場から車まで、三分の二ほど進んだところでやっとジュースが買えた。その甘さは至福の味だった。道はだんだん狭くなり、見慣れた場所が目に前に現れた。深夜に到着した時に見た案内看板だった。その先にトンネルはあり、14:30車に到着。すると現地では土木工事をしていた。自分の車が工事を邪魔していたように感じ、記録撮影を忘れたまま急いで車を走らせてしまった。