佐渡山  1827.6m        御巣鷹山   2046m      黒姫山    2053m    


   
  2004.4.4  


   雪     単独       スキー      戸隠大橋より周回      行動時間:10H52M


@大橋3:29→(164M)→A佐渡山6:13〜22→(238M)→B御巣鷹山10:20〜32→(108M)→C黒姫山12:20〜39→(84M)→D林道に乗る14:03→(18M)→E大橋14:21



 雪の為、あまり撮影していません

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@大橋出発。雪の降りが強い。 佐渡山の尾根に取り付く 尾根途中。周囲全てが白くなっていた。 少し視界が開け、佐渡山が見えるようになった。
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後半は佐渡山へのたおやかな尾根。 A佐渡山山頂。あいにく展望無し。 B御巣鷹山山頂 B赤いテープを残す(左)
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黒姫山へと登って行く。 C黒姫山。祠の屋根が顔を出している。 C山頂から下山。 1893高点東から進路を変える。
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1485高点付近。  登山口  D林道に乗る。  E大橋に戻る。林道側の雪の山(除雪跡) 


 

 北信五岳に数えられる黒姫山も気になりつついた場所である。そしてその北側にある小黒姫山(御巣鷹山)も抱き合わせで登りたい。となるともう雪のある時に行くしかない。

 

 家を23:30出発、上信越道を使って戸隠の大橋には2:00に到着する。除雪された駐車余地には既に2台の車が停まって(泊まって)いた。生憎こちらは布団が無いので、エンジンを掛けながらの仮眠となるため少し場所を移して車道路肩で寝る。

 夢の国から現世に戻り、目を開くと3時であった。相変わらず雪は降り続いている。あまり気乗りがしない天気だが、当たって砕けろ精神で行こうと決める。急いで用意をしてスキーを履いて3:29スタート。

 

 どこが林道の入り口なのかと思ったら、駐車スペースの雪が高く積まれた先がそうだった。多くのトレースが残っており、それに従う。「大橋支流」の標識を左に見てさらに先に進む。その先分岐で本来は右に行かねばならないのだが、ヘッドランプで下を向いてばかりいたので、そのままスキートレースに従ってしまった。何も違和感なく、自分なりに適当に進んで行った。左に谷がありその流れは林道脇の谷だと思い込んでいた。しかし実際は、その西にある尾根への斜面を登っていた。地形図の等高線からして、やけに急なのでおかしいとは感じていたが、積雪時はこんなものだろうと思い込んでいた。スキートレールは上の方まで続く、斜面の登りが終わり、尾根に乗り上げる。ここは右からから左へ上がっている尾根であった。新雪の下はアイスバーンでシールが利かない。クトーを着け、その刃を食い込ませながら行くのだが、クトーを着けるとヒールサポートが使えない。少し急斜面では脹脛を目いっぱい伸ばして登る羽目になった。それでも何とか斜面を駆け上がる。

 右に大きな谷が見え、まだこの時も場所が判らなかった。判ろうと努力しなかったとも言える。進むに従って雪庇のある見事な稜線が見え、その先に円錐形のピークが見えた。訳もわからぬままそのピークに立った6:13。出発から3時間ほど、予定していた時間であった。ここが黒姫かと思い込んだが、地形がどうも違う。残雪期ルートを歩くとこんな上がり方をするのかと思ったりもしたが、どうも違う。ここで初めて地図を開き確認する。なんとここが佐渡山なのであった。流石に苦笑いであった。林道を歩いているつもりが、いつしか沢を跨いで居たようで、そこでの思い込みがいけなかったようだ。あとは降雪が酷く、地図と地形を全く合わせなかった。一番はトレースに従ってしまったのだ要因とも言える。いい経験となった。それでも予期せぬ1座が踏めたことになった。ただ目標としている黒姫山側へは、余計な時間を取られることになる。更なる気合を入れねばならなかった。天気が良ければ最高の展望があるに違いない。この時期の山頂部には、殆ど木が無いのであった。

 

 早くにGPSを出せば良かったのだろうが、ここでスイッチを入れると、黒姫山まで2.1キロと出た。視界が無く、その方向には何も見えず。下り始めは尾根を読みきれず、東に進んでいるつもりがぐるっとまわって往路の自分のトレースを下っていた。少し登り返し、10分ほどのロスタイム。もう一度佐渡山ピークから行きべき方向を見る。視界が全く得られず、地図とコンパスは放せない。東に下り、今度は次ぎのピークに立った。たぶん1738高点だったはずだ。ここから尾根が南北に分かれるのだが、北の方が歩きやすく、その方向に行く。

 降りついた最低鞍部は大ダルミと呼ばれる夏道のある通過点。広い平原をまたぎ斜面に取り付く。途中からどうにもスキーでは這い上がれないようになり、アイゼンに切り替える。スキーで九十九折を切ってきた今の今を思うと、直登を出来る事がこんなに楽なのかと実感する。やはり自分はスキーには向いていないのか、とも思ったりした。急斜面に喘ぎながら数歩つつ高度を上げる。

 登り上げた所はしらたま平から伸びる尾根上であった。途中にマーキングも散見できた。こうなると黒姫に行った方が早いようだが、時計を見ると十分余裕がある。もっと雪と戯れようと、進路を御巣鷹山に決め斜面を一度下る。鞍部まで下りるとそこには夏道があるはずであったが、さすがにこの時期はその影も形も無い。再び斜面を這い上がる。一番きつい斜面を選んでしまったようで、かなりの勾配である。やっとやっと足を上げながら、何とか上部に這い上がれた時はホッとした。

 御巣鷹山の山頂部は広く、その中をナビに従いながら高みを探し出す。何か標識でもないかと探したが皆無。10:20山頂到着。無線を楽しみ、最後に赤の絶縁テープを立ち木に巻いた。10:32下山。コンパスをあわせ、今度は東に向かう、黒姫の北尾根を利用すべく、一番なだらかそうな稜線を狙う。下の平原に降り立つと、向かいの斜面はまたなかなかの勾配である。今日は何度このような場所を通過したことか、それでもここが最後と気合を入れる。稜線の岩場に樹木(松)がはびこる場所に登り上げた。高度計を見ると2020mほどを指していた。佐渡山でその居場所を誤解して間違った標高で補正してしまっていた。その影響だった。もうじきかと思ってもなかなか着かない。アップダウンを何度も繰り返す。フカフカの雪、硬い雪、そんな中を足を置く場所を選びながら行く。

 12:20黒姫山山頂。何も標識はなく、雪の上にちょこんと祠の屋根が出ていた。これが無ければどこがピークなのか確認できなかった。それでもトレースが集まっており、それによりここがぼんやり頂上だと判る。
驚いた事にこの悪天の中、他にも登って来た方が居た。下山の路側を見るとガスの中に一人の姿があった。5分後その若者は上がってきた、寡黙な感じで猛者の風貌があった。少ない会話を交わし、12:39下山。

 下り勾配なのでスキーを着けてもいいようであったが、あまりにも細かいアップダウンが多い。夏道の分岐点までアイゼンで下り、そこからスキーを着けた。用意をしているうちに先ほどの若者は先を降りて行った。スキーを着けて滑り降りるが、彼になかなか追いつかない。恥ずかしながら、こちらも疲労のためそんなに長距離が滑れないのであった。何度も休みながら高度を下げる。板はワックスを塗ってきたので、ことのほか滑る。トレースがなかったらどこを降りたらいいか判らなかったが、今回は、若者のトレースに助けられた。

 14:01登山口と書かれた林道出合。14:03往路にルートを左にとってしまった分岐が確認できた。この時しっかり判ったが、往路では全く気がつかなかった。あとはなだらかな林道を太ももの痛みをこらえながら惰性で下りる。長いと思っていた林道は、快適に滑れアッという間だった。

 14:21下山完了。スキーのおかげで下山速度は増すが、やはり私は歩いた方が早いようである。今回は思わぬルートミスで佐渡山が踏めた。周りが見えない中でのルートファインディング、それからトラブル時の落ち着き等々、良い勉強になった。

軌跡データは残していない時であり、大まかに書いてあります事、ご了承願います。
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