檜高山  1932.2m    袴越山   2042m    赤安山  2050.7m   兵衛山   2063.8m    

   黒岩山  2162.8m    鬼怒沼山  2140.8m  物見山 2113m

  
  2004.5.3  


   晴れのち曇り    単独   大清水を基点に周回   行動時間:17H27M


@大清水23:53→(49M)→A三平橋0:42→(62M)→B三平峠1:44→(35M)→Cビジターセンター2:19→(51M)→D檜高山3:10〜30→(112M)→E袴越山5:22〜37→(189M)→F孫兵衛山8:46〜57→(108M)→G黒岩山10:45〜54→(170M)→H鬼怒沼山13:44〜55→(67M)→I物見山15:02〜17→(94M)→J林道出合16:51→(29M)→K大清水17:20


cyuusyajyou.jpg  sanpeibashi.jpg  sanpeitouge.jpg  biinta-.jpg 
@駐車場出発。こんな写真ですみません。 A三平橋登山道入口。 A三平峠 Cビジターセンター。
hidakayama.jpg  denpatukinen.jpg  hakamagoshi1.jpg  hakamagoshi.jpg 
D檜高山三角点。 電発記念碑。 E袴越山。 E黄色い絶縁テープを残した。
akayasuyama.jpg  akayasuyama2.jpg  magobee.jpg  mago2.jpg 
F赤安山 Fピンクのリボンが付けられていた。 G孫兵衛山。M大の標識が眩しい。 Gあまり山頂らしくない肩的な場所。
magokarakuroiwa.jpg  kuroiwaganpou.jpg  ganpou.jpg  cyuuourei.jpg 
孫兵衛側から黒岩山側。 黒岩山の岩峰群に突入。 岩を乗り越え、溝をすり抜け。 黒岩山中央嶺のM大の標識。
cyuuouryoukarasankaku.jpg  kuroiwataxtupitu.jpg  kuroiwasankaku.jpg  kuroiwa3d.jpg 
中央嶺側から三角点峰。 G黒岩山の達筆標識。 G黒岩山三角点。 G黒岩山の山部3D
sankakutenkara.jpg  kuroiwahiuchi.jpg  kinunumayamabe.jpg  kinunuma2.jpg 
G三角点峰から中央嶺側。  G黒岩山から燧ケ岳側。  H鬼怒沼山の山部3D。  Hこの標識も新しい。 
kinunuma3.jpg  monomiyamamlq.jpg  monomiyamameiji.jpg  monomiyama3d.jpg 
Hさらにはここにも。  I物見山。珍しいMLQの金属標識。  IM大のものも。  I物見山の山部3D。 
yuzawa.jpg  rindoudeai.jpg  ooshimizubashi.jpg  cyuusyajyoukaeri.jpg 
湯沢を渡る。  J林道出合。  大清水橋。  K駐車場到着。 


 

 家を21:30に出る。下道を使い、現地大清水駐車場に23:30に到着。駐車場には15台ほどが既に停まっていた。

 

 すぐさま用意をして、23:53林道を歩き出す。今日は外気温が高くさほど寒くない。残雪の量も少なく、昨年とは大違いの感じであった。それらは上に進むにつれて鮮明になった。三平橋通過。小屋があるがまだ営業はしていないようであった。木道がはっきり出ている。水場を過ぎて九十九折のところでさえ木道であった。三平峠通過。いくつもの足跡がついており、しっかりとしたトレースがあった。それに伝わり三平下へ、ここで小休止。この辺りの施設もまだ雪囲いが取れておらず、冬の装いであった。

 

 長蔵小屋を目指す、湖畔のトレースは幅広く無数についていた。時折小川の渡渉もあるので慎重に歩かねばならなかった。そして目の前に煌々とした明かりが見え出す。長蔵小屋である。通年営業だったか、周辺のいくつもの建物から明かりがこぼれていた。その一番奥の建物の脇を通り檜高山を目指す。コンパスで行くべき方向を定め歩き出す。斜面途中に建物が見えたのだが、バンガローだったのかもしれない。緩やかな傾斜が続く。地図を見てもこの辺りは等高線は緩い。ゆっくりと足を上げて行き、難なく檜高山到着。標柱を従えて三角点がぴょこんと顔を出していた。小休止の後、先を目指す。

 この先もコンパスを定めて進んだのだが、途中にトレースがあり、それにより迷う。伝うといったん決めた方向から逆を向いてしまった。耳から来る情報は水の流れの音、ニゴリ沢から流れる音だろう。だんだん近寄ると大きくなる。完全に違う。再び反対側を向き歩き出す。迷っているうちに夜が白み始め辺りが見えるようになってくる。計画段階ではこんな所で迷う予定ではなかったが、まんまとトレースに惑わされた。どこに向けたものだったのか。

 4:10湿原に到着10分ほどで降りられるところを40分もかかってしまった。湿原の所にはうっすらとトレースがあった。そして進むべき方向には送電線が見えていた。先ほどとうって変わって目標物がたくさんある。地図を見て送電線鉄塔の位置を読み取る。確かにトレースはその一基に向かっている。間違いない。少し迷走しているようでもあるが伝って行くと発電記念碑のところに出た。標識があり、後にも先にも案内標識があったのは、ここだけであった。ここで再び休憩し、少し潜るようになったのでワカンジキを装着。今回はこの効果かとても歩きやすかった。歩きやすさに浮かれていると、なにか手持ち無沙汰な事に気がついた。休憩地にストックを忘れてきたのである。2分ほどのロスタイムとなる。

 袴越山は、地形図で読み取るよりは細長い。山頂かと思ったらニセピークで、そこから150mほど進んだ先が最高点のようであった。山名標識も何も無くさびしいピークで、立ち木に黄色の絶縁テープを残す。小休止してトレースを少し戻り、途中から東に進む。少し急峻なので降りやすい場所を選びながら下る。そして鞍部到着。夏場なら赤安清水という水場があるのだが、この時期では何もあるわけもなし、この先は小ピークが点在し、雪の切れる場所も出てきた。地形図をにらみながら、高度計を見ながら点在する小ピークの中から赤安山本峰を探す。そこだと思われる所には、赤いマーキングがされていた。少し水分補給。今回は少し水分補給量が多い。調子が悪いのかどうか、最後まで行き着いてみないと判らない。
 

 この先、進路がやや複雑になってきた。尾根をはずさないように地形図とコンパスが欠かせない。そして孫兵衛山への最短ルートも模索していた。思い通りに行けるかどうかというのも問題ではあるが、高度計を見ながら歩き、2019ピークの手前で、北側にトラバースを始めた。ここは小さな谷が3本くらいあるだけで特に問題はなかった。進行方向先に白い平原が現れた。花沼湿原であった。それはすばらし場所で、日が差した時には天国に居るかのようであった。この先で主尾根に乗る。アップダウンが多く、先に進む事が萎えるが、気を引き締めて進む。歩きながら、目の前のどちらの峰にアプローチするか決め兼ねていた。トラバースして直接行こうかとも思ったのだが、本峰へは少し高度を下げねばならないので、東峰経由で上がった方が楽だと判断した。ゆっくりとザラメ雪にステップを刻む。東峰に登り上げ、次に本方へと西に進む。だんだんと山頂が近くなるに連れて、自分の中から嬉しさとともに達成感が湧き出してくる。

 孫兵衛山到着。山頂ではM大の標識が出迎えてくれた。展望は何も得られないが、感無量。本来なら大休止といきたいところだが、最終到達地点であれどここは通過点であった。少し呼吸を整えるくらいで下山となる。天候もよく目指す山が良く見える。これがガスでもかかっていたらまず心細くて進めないだろう。その要素は、今回ここまでに、よく判断ミスをしているからであった。

 

 好天の下、黒岩新道を南に闊歩する。左に広い景色を見ながら目の前の岩山を目指す。アップダウンが数回あるのだが、この日はなんとも軽快で疲れないのである。ここまでで約9時間歩いているのだが、そんなに歩いている感じはしない。9:08岩峰の直下に来た。見ているだけでは前に進まない。どうにかして進路を見出さねばならない。まっすぐはまず無理なので、やや東にトラバースしながらステップを刻む。ピッケルがあればこんなにハラハラはしなくともすむような場所だが、今回はあいにく持ち合わせていない。何とか通過し上の安全地帯に。思い込みでここが三県境とばかり思っていたが、実際は北峰であった。途中にもいくつも岩峰もあり、どこがどこだかわからぬまま手当たり次第に駆け上がった。途中間違えて東に下りそうになったが、今日は視界があるので間違えに気がつく。方向修正し、正規の尾根を進む。すると今度のピークには、M大学ワンダーフォーゲル部の「中央峰」と書かれた標識があった。憶測するに、ここが三県境なのであろう。倒木にも同じような標識が付けられていた。目指すピークは目の前である。雪の溜まり方によってのアップダウンが多い。最後はキックステップで上に。

 黒岩山山頂。ここまでに途中20分ほどは迷った感じになる。山頂には、山部3Dと達筆標識があった。大展望を楽しみながら大休止。ここまで来て、やっと後は下るだけと思った。しかし気を抜くとしっぺ返しがくるもので、実際辛いのはこの先であった。休憩の後下山となる。マーキングがあるものの2つまでは見つかったがその先が見つからなかった。行くべき山は判っているので、その方向を見据えて適当に下る。少し降りすぎると、次ぎの登り返しが辛い。太ももに堪える大きなアップダウンが3度ほど続く。左の下には林道が見える。おそらく奥鬼怒林道である。

 

 トンネルの上からやや尾根は左に曲がる。それと同時に大きく高度を下げる。これは図面を読み取っていなかった。簡単な尾根続きと思っていたが、現地は急降下であった。考える余地は無く進むしかない。夏道がところどころ出ていたが、筋肉の使い方が変わるので、なるべく雪に伝わるように進んだ。それでも最低鞍部近くは完全に雪が切れ、夏道に乗る。さて登り返し。これもかなりきつい勾配である。夏道を右に見ながら雪の上ににキックしてゆく。何とか登り上げ、当初は見える左側が本峰だと思っていた。しかし実際は右手方向であり、少し登り上げると鬼怒沼山山頂であった。山頂標識が3つもあり、それの全てが立派であった。予定していた時間ではあるが、黒岩山に居る時は、この間の行程をなめてかかっていた。先を急がねばならない、小休止の後急いで出発。夕暮れ前には駐車場に戻りたい。

 

 再び迷走が始まる。目の前に見える2峰の間を通るように夏道はある。そのようにトラバースしながら進み鞍部に出たが、いつまでたっても平原が見えてこない、急峻の谷がそこにあるのである。足を止め、なんども地図を見返し現地を探る。でも現地は地形の判断が出来るような場所でなく、かなり心細くなる。そこで左側を見ると稜線の空が開けている。登り上げてもたいした疲労は無いだろうと駆け上がる。するとそこに鬼怒沼の平原があった。これで一安心。と思った矢先、またまた判らなくなった。付近は、地図上の道がどうも低い所を通っているようである。左側の尾根が高くなり、それを見ながら下がってゆく、このまま行くと谷底?と、再び登り上げが始まる。小さな補正で済んだが、今日はこのような補正が何度も重なっている。運がいいのか、コース取りが悪いのか。

 物見山は県境稜線の南の尾根を利用した。しかし南側斜面はどこも雪解けが早く、ブッシュが出ている。それらを避けながら高度を上げる。そして物見山到着。ここも標識で賑やかであった。珍しくMLQの金属標識も残っていた。日も陰り始め、時計が気になる。ゆっくりと休みたい状況だが、空の様子もいまいち、展望も無く刻々と暗くなっているようであった。ここも慎重にルートを見る。何せ標識が無い。保証するものが無いのはとても怖いのである。何度も地図を見直して尾根を下る。尾根に付けられた道はとても急であった。さらに雪が乗り気が抜けない。カンジキはこの山頂ではずしたので、グリップは踵で効かせる。ずり落ちる事数回。気はあせり、前のめりになっているのが判る。それととても道が判り難い。雪で完全に消されてしまっているのである。実際は忠実に尾根上に通っているのだが、現地の積雪状態は、尾根をはずした右側斜面を降りたくもなる。

 湯沢の渡渉。段違いになった丸木橋を渡る。その上流に大木が渡してあるが
、これはなかなか難しそう。下流にももう一本渡してあった。もう下りなので濡れても知れた距離、滑りやすい丸太をそれこそ水没覚悟で渡って行く。対岸では、少し駆け上がり登山道上に乗る。ここにも案内看板は無い。道に従い進むともう少し広い道に出た。右に湯沢、左は笹薮である。どんどん高度を下げてゆくと、こんもりと石が詰まれた鉱山跡を見る。ここから広い林道が続く。車が入っていいのか轍もある。ここには大清水まで1.2キロとの標識があったが、実際歩いてみるともう少し長いような気がした。

 大清水橋を渡る。目の前には尾瀬を楽しみに来た観光客がたくさん居た。その中をフル装備の格好ですり抜けてゆく。無骨な自分に酔っているのか少しだけ優越感が味わえる。観光客にしてみれば、小汚い格好でと思っているだろう。そして駐車場に到着。しめて17時間半。今回は、バナナを主食に、ウィダーなどとクエン酸入りの飲料を持った。途中10時間ほどは全く疲れ無しであった。次回もこういきたいものである。車に乗ると睡魔が襲い、何度も休憩をとりながら下道を進む。家には21:00到着。居眠り運転であったので、途中の記憶がほとんど無い。

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