前白根山 2373m
白根隠山 2410m 白檜岳 2394m
錫ヶ岳 2388m 外山 2204m
2004.3.27
晴れ(深夜雪)
単独(前白根付近まで同行者あり) 湯元スキー場より 行動時間:14H3M
@湯元スキー場駐車場3:08→(140M)→A外山直下(湯元への下降点)5:28→(66M)→B前白根山6:34→(68M)→C白根隠山7:42→(30M)→D白檜岳8:12〜21→(58M)→E錫の水場9:19→(72M)→F錫ヶ岳10:31〜49→(35M)→G錫の水場11:24→(120M)→H白檜岳13:24→(37M)→I白根隠山14:01〜14→(45M)→J前白根山14:59→(37M)→K湯元への下降点15:36→(12M)→L外山15:48〜16:03→(4M)→K湯元への下降点三度16:07〜15→(28M)→Mリフト頂上駅16:43→(28M)→N駐車場17:11
@雪の降る中スタート。 | A外山下の指示標柱。 | 前白根山手前から。 | B前白根山 |
観測小屋 | C白根隠山から白根山。 | C白根隠山から錫ヶ岳側。 | 白檜岳北側から。 |
D白檜岳山頂。 | D白檜岳から東側。 | D白檜岳から白根隠山側。 | D白檜岳から白根山。 |
白檜岳から西側の稜線。 | E錫の水場への下降点。 | F錫ヶ岳。山部3Dを掘り出す。 | F錫ヶ岳から中禅寺湖方面。 |
F錫ヶ岳から白檜山側。 | F山頂部の様子。 | G錫の水場下降点にも3D標識がかかる。 | H白檜岳には、山部さんの初期型の標識がかかる。 |
I白根隠山から前白根山側。 | 途中から五色沼。 | 避難小屋への下降点。 | J前白根山帰り。 |
K外山下下降点。 | L外山。達筆標識がかかる。 | Mリフト頂上駅。 | N駐車場に到着。 |
家を11:30に出発。大間々、足尾と経由して日光に入る。そして湯元スキー場には2:15到着。僅かに仮眠をとり、2:40目を覚まし用意をする。今日の装備はスノーシュー、ピッケル、ストックとした。
3:08スキー場駐車場スタート。嫌な事に物凄い暴風である。高気圧が近づいているのは確かなので、好天になることを望みつつ歩く。そうでなければ撤退にしたいほどの荒れた天候であった。スキー場内を歩くのだが、暗くて何処をどのように歩いているのか判らなかった。時折見えるリフトもどう繋がっているのか。同行のN氏の導きに従い、途中から南側の斜面に取り付く。しかし取り付きの尾根が、行くべき尾根より一つ手前だったようで、かなりの急勾配を這い上がってゆく。場所が判らず不安になっていると、途中からリフトが上に見え、地形図と照らし合わせ現在地が確認できた。リフト頂上駅を右に見ながら上を目指す。するとマーキングが見えるようになってきた。どうやら夏道の上を歩いているようだった。傾斜がきつく、雪面が凍っており、途中からアイゼンを装着。しかしN氏は手が悴んで動かないようだった。この辺りから氏の様子がおかしかった。相変わらず強風は吹いていた。
5:28外山直下の下降点分岐到着。これで尾根に出たようだ。夜も白み始めヘッドランプは収納する。雪の上を歩こうかと南側に行くが、雪が軟らかくつぼ足を強いられる。結局夏道のマーキングに従い進むことにする。大きくアップダウンがあり、次のピークが前白根山だった。ちょうど朝日が白根山に当たり、きれいな風景であった。
6:43前白根岳山頂。風が強く少し南に避けて休憩をとった。N氏にお湯を差し出すが、持てずに落としてしまった。どうした事か、よほど調子が悪いのか。5分ほど休憩し歩き出す。ガレた斜面をアイゼンをガリガリ言わせながら降りる。少し後からN氏が来るが、次第に離れ出していた。暫く進んだところで呼び戻され、氏はここでリタイヤすると言う。同行である以上、本来なら自分も戻るべきであるが、N氏の厚意で別行動とさせてもらった。暴風の中、双方が反対に歩き出す。N氏は大丈夫か、何度もその背中を振り返りながら進んだ。この先一人で行けるものか、未知の領域であり頭の中にいろんな事が浮かび上がる。白根側斜面には雪が少ない。その様子から、いつも風が強い事を示しているようであった。
二つ目のピークの場所に観測小屋らしいトタン板の屋根が見えた。何の観測に使っているのか判らないのだが、ソーラーパネルが取り付けられていた。先を急ぐ。次の白根隠山到着すると、ここに来てやっと錫ヶ岳の姿が確認できた。長い長い白い尾根が先に続いている。荒れた天気が治まり天気が回復したせいもあるが、錫ヶ岳が近いようにも見える。ここは地形図ではガレ場マークが入っている。しかし現地では何も問題なく通過できた。尾根上は少し岩場があるが、南側は比較的楽な斜面であった。この次のピークは少々岩場のあるピーク。ここを越えると雪は一気に軟らかくなった。つぼ足では埒が明かなくなり、スノーシューに切り替えた。切り替えると見事に楽になった。道具は道具であると体感する。ウソのように雪面の上を滑るように歩けるようになった。
2394ピークが白桧岳。だらっとした大きな山頂だった。錫が岳を見るとその手前には、まだまだいくつものピークが見える。ここは360度のパノラマであるが、そんなに景色を楽しんでいる余裕は無い。下降開始、せっかく登り上げたものを下るのはもったいない。しかし到達するにはこの行動を何度も繰り返さねばならない。山登りとは試練である。
2296ピークからがややこしい樹林帯になる。日の光もあまり射さない暗い場所が続く。時折あるマーキングが頼りなのだが、それも雪の下となっているようだ。勘を頼りに先に進むと、何とかその暗いエリアを通過できたようだ。するとなにやら標識の賑やかな場所に出る。ここが錫の水場であった。北側に1分ほど下ると水が出ているらしいが、この時期はどうだろうか。日頃水を欲するタイプで無いのでそのまま通過。この次ぎのピークを越え、錫が岳を目の前に最低鞍部に来た。さてここから登り一辺倒。目的地が目の前にある訳で、俄然やる気が沸いてくる。少し斜面がきつくなりスノーシューでは難儀したが、斜めにステップを切りながら進んで行った。
樹林帯を抜けそこが山頂かと思ったら、まだまだ先は長い。密生した斜面を木々を分けながら進む。そして完全に空が明ける。しかし山名板が見当たらない。不安になりながら南側を見ると、そこに白い板が見えた。やっと到着錫ヶ岳。歩き出しから7時間半。久しぶりのハードな行軍となった。白い標識の下にも標識があり、雪から掘り出すと、それは山部さんの標識であった。東側が開けており、富士山や白根山方面が見える。他の方角は完全に樹木に遮られている。ゆっくりと腰を下ろしたいところだが、トランシーバーを握るとワンサカと声が掛かった。すぐに終わらず、結局10分くらい儀式に費やした。そして座って腰を落ち着かせる事も無く、儀式を終えすぐに下山となる。普通なら下山は楽であるが、このルートは登って来たのと同じだけアップダウンが待っている。楽という言葉は無いに等しい。唯一錫ヶ岳から鞍部に向けての下降はスキーに適していると思ったが、他の場所は全く向いていない。帰りは案の定だいぶ雪が緩んできた。たいして時間経過をしてないのだが、太陽光は容赦なく雪を溶かしていた。
白桧岳まで戻ると、やっとここまで着いたと言う感じであった。自分のトレースを辿ればいいので、ルートファインディングに関しては負担は無いのだが、ただただ疲れていた。ゆっくりゆっくり、一歩一歩と足を進める。そして白根隠山到着。ここの南側斜面は土の出ている所を避け、雪を拾うように進む。ここまで来ればこの先は緩いアップダウンのみ。後ろを振り返り錫が岳までの尾根を見る。一本に続く自分のトレースは、登頂の証のように見え、感無量であった。白根山を見ると斜面にスキーのシュプールが描かれている。折り重なる数名のシュプールに、さぞ気持ちよい滑りが出来たのだろう。
観測小屋の辺りで前白根山に登山者が居るのが見えた。だんだんと近づくと数人のパーティーと判る。避難小屋への分岐を過ぎ、一つアップダウンをこなすと前白根への登りとなる。ここは起伏の多い暴れた雪面で、スノーシューには酷な斜面であった。途中で先ほど見えた方々と擦れ違った。「雪が緩く、錫ヶ岳に行くならカンジキが必要ですよ」と告げたが、どうやら彼らは白根山が目的だったようだ。前白根山を越えると、そこには何人ものトレースがつけられていた。残雪期の白根山人気をそこから見て取れる。トレースの上はスノーシューでは歩き難いので、脇の新しい雪の上にトレースをつけた。進行方向には大きく外山が見える。だいぶ疲れており、ほんの僅かな登り返しも辛い時間帯となっていた。外山は端折るかとも思った。しかし、スキー場からの急斜面を再び登る事を考えたら、今回登っておくのが省力である。
直下の分岐にザックをデポして外山に向かう。いくつかのマーキングが散見出来、特に難しい所は無く外山到着。そこには達筆標識が待っていた。山部さんの標識もあるかと思ったが、ここには無かった。のんびりとトランシーバーを握り、足は休ませ口を働かす。10分ほど滞在し、下山となる。
下降点にてスノーシューを外しアイゼンを装着。こんなに急だったかと思うくらい下りは急であった。途中アイゼントラブルで外れてしまった。がしかし、ベルト式のおかげで外れ方が少量で済んだ。これがワンタッチだったらいっぺんに外れてしまい、危険箇所であったら大惨事である。アイゼンに物を言わせて闊歩する。あまり堅い斜面は膝に負担がくる。そうならないように新しい雪の上を選びながら高度を下げる。
16:43リフト頂上駅。もうスキー場も終了時間。ちょうど最後の作業員が下りて行った所だった。その左側の斜面を下る。ここもなかなかの急斜面であった。下の緩斜面ではまだスキーヤーやボーダーが滑っていた。アイゼンでスキー場内を歩くのは忍びない感じもあったが、誰からも文句はなさそうなのでそのままの足で場内を下った。朝方通過した場所は、結局どこだか全く判らず。ゲレンデに従い下に降りた。途中ボーダーの板が流れてしまい、かなりの加速をつけて自分の所に滑り降りてきた。それを上手くストックでブロックし、停止させる。我ながらとっさの運動能力の高さに・・・。
17:11駐車場到着。フロントガラスには、料金を払ってくださいとの趣旨の張り紙がされていた。どこに払えばいいのか、受付ブースも終わっており、申し訳ないが無銭駐車となった。17:45出発。家には20:00到着。
軌跡を保存していない頃であり、表示している軌跡は大まかに書いてあります。
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