福地山 1671.7m
2009.8.9(日)
曇り 単独 朝市前の登山口から入山、帰りは南の林道側に降りる。 行動時間:3H9M
@駐車場(登山口)9:38→(3M)→A最初の分岐9:41→(19M)→B東屋10:01→(34M)→C尾根(谷川)コース分岐10:35→(10M)→D憮然平10:45→(22M)→E第二展望台分岐11:07→(6M)→F第三展望台11:13→(22M)→G福地山11:35〜51→(27M)→H谷川コース東屋12:18→(4M)→I谷川(尾根)コース分岐12:22→(23M)→J林道出合12:45→(2M)→K駐車場12:47
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@温泉地内の駐車スペース。登山口南のカーブの場所。 | @登山口。この南に水が出ているので汲んで上がろう。 | A最初の分岐。 | B東屋 |
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B東屋前。表示通りにサルやカモシカに遭遇。 | 登山道は広く歩き易い。 | C尾根コースと谷川コースの分岐。往路は尾根コースへ。 | 第一展望台から。 |
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D憮然平 | 途中から急登コースへ。 | これまでの登山道に比べると狭いが、一般的な登山道幅。 | E第二展望台。ここで谷川ルートと合流。 |
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F第三展望台。 | 頂上直下の真っ白いガクアジサイ。 | G福地山山頂。かなり広い場所。 | G大きな標柱が立つ。 |
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G一番の高みに三等三角点が鎮座。 | G三角点前。後ろは穂高側。 | G笠ヶ岳が見事。 | G穂高側の展望。一瞬大槍も見えた。 |
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下山途中から福地温泉を見下ろす。 | 途中から焼岳が顔を出した。 | H谷川コースの東屋。 | I谷川コースと尾根コースの分岐。 |
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Jダート林道に出合う。 | ダート林道を降り、舗装林道に乗る。 | 左の場所から山側を見る。中央に杖が3本立てかけてある。歩いてきたのは右側から。 | K駐車スペースに戻る。 |
新穂高から小槍を目指したが、天候悪化により滝谷で引き返してきた。このまま帰っては勿体無いと他の山を探すのだが、新穂高周辺で登っていないと言えば中崎山。ここなら右俣林道を下山しながら取り付けるので適当とも思ったが、“いや待てよ、福地山も・・・”と付近の山を思い出した。ここは地形図には山名は載らず、さらには山名事典にも掲載は無い。そんな中、近年発行のエアリアにはコース情報が表記され、少し以前のエアリアには「崩岩」として載せられていた。
新穂高から、栃尾温泉、新平湯温泉と経由し、次が栃尾温泉で平湯側に進みながら道標に従い右折する。温泉地内は流石夏休みと言えよう人の入りがあり、何処の旅館前も賑やかであった。登山口は何処なのかと探しながら行くと、右(西)側を注意してゆくと歴史展示館と言うのがあり、その横が登山口であった。この歴史展示館は、車で突っ込んでみたが、現在は物置小屋になっているようであった。車を何処に停めて良いか判らず、道向かいの旅館の女将に聞く。すると朝市用の南側の駐車場と、さらに南に行った先のカーブの場所で駐車可との事であった。朝市のお客が居るので、なるべくならカーブの場所でと付け加えられた。カーブの場所には消防の詰所らしき建物があり、その東西に駐車スペースがある。しかし地元の人も使っている様で、何処がビジター用に確保されているのか判らなかった。見た感じ、朝市用と言われた方が停め易い様に思えた。ザックの中のギア類を全てだし、雨具だけ持ってスタートとなる。
登山口の横には休憩所があり、中を覗くと登山者用の駐車場(女将が言ったとおり)が書き示してあった。これは、中に書いてあったのではよく判らない、外に書いておいて欲しかった。この建物の南には水受けがあり、水が出ている。山中には水場は皆無なので、必要な人はここで汲まねばならない。私は“山中にもあるだろう”などと安易に入ってしまい、蒸し暑い中、ちょっと水不足を味わった。
さて登山口から階段を上がると、すぐに最初の分岐がある。新しい標識で「化石遊歩道」と書いてあり、その道を右に見ながら左の道を進んで行く。道の脇には流れがあり、白く濁った水が流れていた。雨量が多いので山水が濁っているのかと思ったが、それにしてはちと色が違う。もしや温泉か・・・手を入れて確かめなかったので真相は判らない。道は至極立派で、軽トラか軽四駆なら伝えそうな道幅が設けられていた。先ほどの分岐から100mほど南に進むと、そこでダート林道と出合う。しかしこれまでの道はそこから鋭角に曲がっており、ダート林道が進路ではない事はすぐに判る。この先も登山道は相変わらずの道幅で緩やかな勾配で、何度も九十九折を繰り返しながら上がって行く。登山道の上には、この時期沢山のサワグルミの実が落ちている。持ち帰って土に埋めておいたら、美味しく食べられそうな、そんな大きなものが多かった。
ひとしきり九十九折を登ると、少し展望が開ける場所に出る。そこには立派な東屋が建っていた。これほど管理された道とは思わず、目の当たりにして意外であった。東屋から僅か先には「獣出没注意」の大きな標柱もある。ただこの標柱は齧られた痕は無く、大きな獣は居ないようにも思えた。この先も良すぎるほどの登山道で、超一級の道とも言える。
東屋から30分ほど進むと、尾根コースと谷コースの分岐となる。右には穂高があり(このときはガスの中)、より展望が有る方と右側の尾根コースに進んで行く。途中に第一展望台と名付けられた場所があるが、確かに穂高側の展望が良い場所になっていた。もしスカッと晴れていたら、さぞかし気持ちよく歩けるだろうと思えた。この尾根道は憮然平で谷川ルートと合流する。ここには篠原憮然さんの石造があり、じっと南を見据えていた。無知な私は、この時を機に憮然さんの功績を知るのだった。石造に軽く頭を下げて先を急ぐ。ここから7分ほど足を進めると、本道から細い枝道が山手側に上がっており、それを「尾根道」として分岐標識が建っていた。ここは右手の尾根道に入る。それにしてもいくつもの道が入り乱れている。里山らしいといえばそれまでだが、これほどに道がある山とは・・・。地図には載らないが、地元では昔から登られた山と言う事になる。伝ったこの尾根道は急登とあるが、さほど苦も無く上がって行ける。途中痩せた場所や木の根が張るような場所もあり、単調なこれまでの登路に対し、ちょっとしたバラエティーに富んだ山歩きとなる。このルートも第二展望台の場所で、本道と合流する。
合流した先で再び分岐になる。ここには道標が無いので高い方を目指すべく左側の道を行くが、右の道はどうやらこの先のピークの、巻き道のようであった。そしてこの先のピーク(1559高点)が第三展望台と名付けられ、立派な標柱が鎮座していた。山頂へは緩やかに下り込み、僅かにアップダウンをする。すると前からご夫婦らしいハイカーがやってきた。内心“こんなところで”と思ったのだが、天気もあまり優れないし、ましてやここはマイナーピーク、人が入っているとは思わなかった。たぶん向こうも同じ事を思っただろう。これまであった足跡は、このご夫妻のものと納得。「もうすぐ山頂です」と声をかけられ、すれ違う。それにしてもこの日はかなりのザトウムシが出ていた。色とりどりの固体が登山道上を歩いており、時折止まって観察しながら、その動きと色を楽しんでいた。
登山道脇にガクアジサイの白い花が見えてくると山頂も近い。最後は穂高側から巻き込むように山頂に到着する。狭い場所かと思ったそこは、かなり広い場所で、下草が刈られ手を加えられた範囲も広い。三角点はその最高部にあり、その周囲にベンチのような丸太が横たわっていた。テン場に適する平坦地もあり、冬にテントを持って上がったならば、奥穂や笠、槍などのモルゲンロートを撮るには最高の場所に思えた。この日はその方行はガスのなのだが、少し待っているとガスの切れ間があり、そこから槍が見えたり、笠が見えたりしていた。大木場ノ辻も目の前にあり、登頂時の向こうから見た記憶が甦る。まさしくここは穂高の展望台的場所である。今の夏の時期が一番不適なのかもしれないが、春も秋も冬も適期であろう。雲(ガス)の流れを見ながら、賞味期限切れのヤキソバパンを齧る。それでも美味い。トランシーバーを握ったが、全く応答は無く、寂しくザックに仕舞い込む。
下山。道が緩やかなので大股で闊歩して下る。第三展望台のピークは通らずに、手前から左に道を進み、第二展望台の前に出る。ここからは往路の尾根コースに対しての谷川コースを辿るように南側の道に進む。するとこちらにはサルの集団がおり、赤い顔が樹木の上から私を見下ろしていた。サルはやや凶暴な場合があるので、細心の注意で通過して行く。するとこちらのルートにも大きな東屋があった。往路の東屋が展望東屋とするならば、ここは涼やかな東屋であった。そして尾根コースと谷(川)コースとの合流点に着き、ここから緩やかな九十九折を降りてゆく。途中に沢山落ちていたサワグルミを拾おうかとも思ったが、地元でこれを楽しみにして居る方もおるのではと、拾わずに通過。
ダート林道との出合では、登山口の方には進まず、ダート林道を伝ってみた。30mほど東進してから90度方向を南に変える。すぐ東側には温泉地内に繋がる舗装林道があり、50mほど下ったらその道と合流した。ここには道標は無く、今ほど伝ってきた道には本道(林道)から少し入った場所に杖が3本立てかけられていた。それから伝ってきた道とは逆方向にも道が上がっていた。この逆方向へ行く道が、地形図上の化石産地への道なのかも。林道を北に下って行くと、そこはちょうど温泉地内のカーブの場所で、目の前が駐車場であった。
展望のとても良い山であり、そう時間もかからないので、穂高の帰りにおまけで登るのもアリかと思う。今回乗鞍岳が全くのガスの中だったのだが、ルート途中には「乗鞍岳展望台」と書かれた場所があるほどであり、穂高側と併せて楽しめるようである。1559高点の北側に長いビニールホースが荷揚げしてあった。これは憶測だが、もしかしたら何処からか沢水を引いて水場を設けるのかもしれない。