小槍敗退(滝谷まで)         

 
 2009.8.9(日)   


   曇りのち雨      単独(復路同行者あり)       新穂高から         行動時間5M


@新穂高無料駐車場4:04→(28M)→A小鍋谷ゲート4:32→(31M)→B新穂平5:03→(41M)→C白出沢5:44→(59M)→D滝谷6:43→(85M)→E新穂平8:08〜24→(18M)→F小鍋谷8:42→(22M)→G駐車場9:04


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@駐車場をスタート。 A小鍋谷ゲート。 B新穂平通過。 C白出沢。
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タマガワホトトギスが乱れ咲き。 D滝谷に到着。ここで斥候隊と合流、下山を決定。 E新穂平に居た熊。 E新穂平避難小屋。まだ時間的に早く、調理はしていただけなかった。
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F小鍋谷帰り。 G駐車場に戻る。路肩駐車で凄い事に・・・。


 
 前日16時頃に旧村営駐車場に入る。そこには凄い数の車があり、路肩も埋め尽くされていた。ガードマンに空き情報を聞くと、日帰りの方も居り、ちらほらと空いた駐車スペースもあるようであり、突っ込んで行く。すると幸いにも一番上の駐車場に停める事ができた。ビールを煽りつつ、ソーセージを焼きながら独り宴会。明日の前哨戦でもあった。

 
 その夜は酷い雨となった。バケツをひっくり返したような雨量で、山中でのテン泊者はさぞ酷いだろう。そんな事を思いながらうつらうつらしていた。深夜、日が変わっても雨は止まず、車の屋根を雨は叩いていた。予報ではこの日の昼頃は少し回復傾向にあり、その短時間を狙って小槍にアプローチをする計画としていた。既に今日ザイルを共にするI氏は槍平まで入っており、昼頃槍ヶ岳山荘前で落ち合う予定であった。

 
 3時。濡れたフロントガラス越しに出発するヘッドライトが3つ見えた。槍を狙うのか、笠か、この時間にスタートだとおそらく日帰り組みだろう。外は小雨のようで、雨具を着込んでのスタートのようであった。こちらもゆっくりと準備をしだす。装備品を一つ一つ確認するようにザックに詰めてゆく。狙う場所が場所だけに、一つ道具が無いだけで到達出来ない事も有り得るからだった。ギア類の荷揚げは、私が受け持ったので、その為の責任もあるのであった。

 
 4時を少し回りスタートを切る。流石に夏休み、有料駐車場の方も幾分か埋まっている。右股をどんどん詰めて行く。ここをひと月のスパンで歩くのは珍しい。前回の天候悪化での敗退もあり、今日こそはと祈るような気持ちで歩いてゆく。雨は軽く衣服を濡らす程度で、目指す高みはしっかりと稜線が見えていた。「いけるかも」と内心思うのだが、上の方はまだ判らない。

 
 白出沢では水量も少なく、前日の雨は、歩くのを邪魔する事は無かった。次のチビ谷を通過し、前回難儀した滝谷に到着すると、前の方から見慣れた男性が苦笑いでやってきた。そして「ダメです」と・・・。I氏は槍平から4時半発で上を目指したが、2300m付近まで上がって天気状態に見切りをつけた様だ。無理をして突っ込んでも良い事は無く、サッと引けるのも岩屋の流儀。私もサッと踵を返す事になった。実はこの日までに計画したのは3度目であり、今回が3度目の正直だったのだが、完全にフラれてしまった。こうなると次回はあいまいな天気を避けて、数日好天予報の時で狙いたい。現地入りベースでは、次回を3度目の正直としたいが、計画上では4度目であり、そろそろ踏まないと・・・。

 
 I氏と語らいながら前後しつつ戻ってゆく。白出沢まで戻ると、本格的にパラパラと降り出してきた。降り出してくると現金なもので、引き返して正解と思えてしまう。傘を片手に林道を戻る。穂高平で軽く休憩をし、スタートから5時間ほどで駐車場に戻ってきた。まあ長い山屋人生の中では、こんな経験も必要である。

 
 次回の登頂を堅く約束してI氏と別れる。

 

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