黒負山(黒倉山)   2069.9m            
   

 2009.2.7(土)   


   晴れのち雪(雨)     単独    スキー    林道山之坊線入口より     行動時間:10H29M


@林道山之坊線入口4:49→(13M)→A大所側第二発電所への分岐5:02→(23M)→・導水管5:25→(60M)→B橋6:25→(8M)→C林道分岐6:33〜35→(59M)→D林道終点7:34→(54M)→E1102高点8:28→(71M)→F1309高点9:39→(92M)→G1653高点11:11→(106M)→H黒負山12:57〜13:24→(12M)→I1653高点帰り13:36→(76M)→J1102南側14:52→(26M)→K林道分岐帰り15:18→(3M)→L橋15:21〜32 →(35M)→Mスノーシェッド16:07→(35M)→N第二発電所導水管16:42→(36M)→O林道入口17:18


 
rindouiriguchi.jpg  hatuednsyobunki.jpg  hashi.jpg  rindoubunki.jpg 
@木地屋地区手前、林道山之坊線入口。 A大所川第二発電所への分岐。 B橋 C林道分岐。右側から登って来た。
jyurin.jpg  tocyuukara.jpg  rindousyuuten.jpg  syuutenkara.jpg 
途中の植林帯の中。林道が判り辛い場所も多い。 途中から見る主稜線側。 D林道終点。 D林道終点からの斜面。
tore-ru.jpg  syamen.jpg  1102.jpg  1102karasancyou.jpg 
林道終点から登って来た斜面。 斜面上部。 E1102高点。こんもりとしたピーク。 E1102高点から見る山頂側。
1240hukin.jpg  nijyuusanryou.jpg  tocyukara3.jpg  1309.jpg 
1240m付近の複雑地形。 二重山稜の北側を進む。撮影側は南側の尾根。 途中から主稜線。雪煙が上がっているのが見える。 F1309高点。
1309kara.jpg  penki.jpg  1600kara.jpg  1550kara.jpg 
F1309高点から見る山頂側。 1309高点の西側鞍部の先にある赤ペンキ。 1550m付近から振り返る。 1550m付近から山頂側。
1653kara.jpg  tore-rutoamakazari.jpg  setuen.jpg  gorinyama.jpg 
G1653高点から山頂側。 G1653高点から登って来た斜面。 もうすぐ山頂。雪煙に巻かれながらの登行。 H黒負山から五輪山と長栂山。
amakazari.jpg  nakamatayama.jpg  kuroiwadairagawa.jpg  ita.jpg 
H雨飾山方面。 H中俣山側。 H黒岩平側。 H今日もフリーライド・オフ・リミッツ+ピュアパフォーマンス。
syupu-ru2.jpg  syupu-ru4.jpg  kaitekina.jpg  tore-ruto.jpg 
山頂からの滑降シュプール。 快適!  すばらしいバーンが続く。 これぞ山スキー。
1653kaeri.jpg  1500kara.jpg  1102minami.jpg  bunkikaeri.jpg 
I1653付近帰り。 1500m付近から下界。  J1102高点南から植樹帯を目指して東側に滑り降りる。  K林道分岐帰り。 
bunkikara.jpg  hashikaeri.jpg  kawatorindou.jpg  snowshexdo.jpg 
K林道分岐から見る大所川に架かる橋。  L橋に到着。  大所川と林道が接近する場所は、このような雪の押出しが連続する。  Mスノーシェッド付近の様子。 
dousuikan.jpg  deguchi.jpg  rocyuu.jpg   
N導水管通過。  O林道入口の様子(林道側から見ている)。  O路上駐車の様子。   


  

  

 浅間山が久しぶりに噴火をした。警戒レベル3の規制と聞き、地図で半径4キロの円を描いてみた。すると西側にある黒斑山も規制対象範囲内であり、お手軽な登山対象の場所であったが登れなくなってしまった。そんな事をしているうちに、まだ踏んでいないあの黒負山(くろふやま)を気付かせてしまう事となった。噴火がもう少し春寄りなら、黒負山も適期なのだろうが、現在は残雪期より厳冬期寄りである。雪が柔らかいだろうし、道具の選択もさることながら、根性が続くかどうかの問題もある。でも思いたったら行かないと収まらない性質であり、モチベーションを上げに上げて挑む事とした。

 
 ここは既にMLQが踏んで、明細な奮闘記録が残されている。氏は黒負山だけでなく、なんと五輪山まで足を伸ばしているのだから驚きモノである。勾配を加味すると片道12キロほどを残雪期に往復している。さすがMLQと言えよう。この時期だとまず同じようには歩けないだろうが、先人の記録を2度3度読み込んでしっかりと頭に叩き込んだ。そうルートは同じ尾根を辿る事とした。今の時期に山頂を踏むには選択肢は同じルートしか見出せない。さらには抱き合わせで丸倉山も踏みたいところであるが、丸倉山山頂から林道側を見ると、どの斜面も等高線が密であり、少し時期が早いとしてこちらは予定には入れない事とした。

 
 0:50家を出る。空には星が出ており、今日一日の好天を予告しているようにも見えた。三才山トンネル手前のセブンで、トンネルの割引チケットといつものヤキソバパンを仕入れる。そして松本に下り、19号、147号、148号と繋いで糸魚川に向かう。木崎湖の湖面に反射する月明かりを浴びながらハンドルを握る。道中トラックが非常に少ない。物流がそのまま景気を現しているようであった。小谷温泉への分岐を右に見て、暫く行くと姫川温泉エリアに入る。平岩駅に向かうように右折して旧道を南に向かう。そして蓮華温泉の道標に導かれ右折し、山道を登って行く。道の両側の雪を見ると、これまで来ている中で一番少ないように見えていた。今年は雪が少ないのか・・・。林道歩きがあるので、雪の有無で進度が変わってくるのだが、どう出るか予想が付かなかった。大所地区を過ぎ、木地屋地区へ向かう九十九折の途中から取り付く林道の山之坊線が始まっている。路肩にはちょうどすれ違い用に設けた除雪帯があり、村民にはご迷惑だったろうが、そこに停めさせて頂く。


 今日はと言うより、今日もスキーでハイクアップする事とした。今の時期だと今日の場所はスキーでなければ届かない場所でもある。もっとも、大人数でトップを入れ替わりながら行けば届くだろうが、私は常々単独であり仲間も居ない。4:49板を履いて林道入口をスタートする。車の外気温計を見ながら来ているので既に判っているのだが、気温が高い。スタート時でマイナス1度。その影響か林道の残雪も予想以上に沈む。「これは届かないかも」と、歩き出しから弱気な思いも出ていた。林道を先に行くカモシカの足跡を追いながらトレールを付けて行く。林道には時折水の流れが横切っており、水没しないよう山手側の雪を繋げて、高巻しながら回避してゆく。右下のモーターの唸り音が大きく聞こえてくると、そこに大所川第二発電所へ下る道の分岐が現れた。地形図で場所を確認するが、目指す山頂を見ると、まだ十分の一も歩いていない。またまた「今日は届かないかも」となる。


 この先、林道を雪に繋がって行けるのはいいが、山手側からの雪の押出しが非常に多い。暗くて谷側が見えないのもあり、落ちては一巻の終わりと、一歩一歩を慎重にデブリの上をトラバースして行く。第二発電所の導水管の場所も大きな唸り音がしていた。ここに至るまでは少し登り勾配であったが、この先は水平もしくは緩やかにアップダウンがあった。これは帰りにスキーにならない事を意味している。もっとも、押出しが多すぎてシールを外せない事もあるが、この林道は滑る林道ではなく、歩く林道との位置付けとなって行った。この林道で唯一雪が無いのはスノーシェッドの中で、土が出ているがバリバリに凍った氷で覆われていた。奥地に進むにつれてますます押し出し箇所が多い。そこのトラバース回数を重ねる毎に、だんだんと登頂意欲が削がれていくような感じもしていた。それでも一歩一歩が積み重ねとなり、川面と林道の高度が近くなり、スタート地点から4.1キロにある最初の目標点の橋が近くなっている事が伺えてくる。谷が狭くなり、右に大きく曲がってゆくのだが、その巻き始めの辺りに大量のデブリが有り林道が進めず、少し川岸の平坦地を進んで途中から林道に上がって行く。林道に戻った先も大きな石混じりのデブリがある。山手側の崩れやすい斜面を睨みながら進んで行く。


 林道入口から約1.5時間、大所川を跨ぐ橋に到着した。雪により橋の名前は読めない。欄干より1mほど高い位置に雪面があり、その中央をゆっくりと渡って行く。雪が崩れることは無いのだが、下を流れる川の轟音もあって、恐る恐る渡ったのが本音である。渡りきり右側にターンして九十九折を行くと、この先で枝林道が右側に入っていた。橋からここまでの道は、MLQが指摘している通り、地形図とは違っている部分である。ただ護岸工事がされた形跡があり、以前は地形図の通りだったのかもしれない。枝林道は何度も九十九折を繰り返しながら上がってゆく。林道上は非常に獣の足跡が多く、こちらを見ながら上がっているようなサルの新しい足跡が先を登って行っていた。緩やかに切られた道は、杉の植林帯の中を縫うように進んでいた。時折ショートカットしたが、乗って伝った方が楽であり、雪に埋もれた林道を探すように進んで行く。高度を上げて行くのと比例して、だんだんと沈み込み量が増してゆく。まだまだ先は長い中、進度が上がらないもがくような行脚が続く。林道の終点はほぼ地形図通りの場所に有り、見上げるとこの先のブナには沢山のヤドリギが見えていた。植林斜面を暫く登り、途中ひどく潜る為にすぐに北側のブナの生える斜面の中に入る。ここまで上がってくると後立山の主稜線がくっきりと見えていた。


 ブナ林の中を大きなターンをしながら高度を上げてゆく。MLQが遭遇した熊の事もあり、ヤドリギが動きはしないかと、遠くの黒い塊まで良く見ながら足を上げてゆく。ただ春の目覚めにはまだ時間が有り、熊も寝ているであろうとは思っていた。橋から登り上げて来ているのだが、時間ばかりが経過し、なかなか高度を稼がない。1102高点までは楽に上がれるだろうと思っていた事もあるのだが、この進度に作戦を変更し、黒負山を目指すものの、途中にある高点で目標を切り分け「行けるところまで」と進む事にした。高度を上げて行くとどこからか硬いバーンになり、足を上げやすくなるだろうと願い進んでゆくのだが、思いに反して依然と深い雪が続いていた。


 1102高点はこんもりとした顕著なピークであった。展望もよく、ここが到達点なら幸せなのに・・・。振り返ると、大所川の流れがかなり下に見えていた。さらに高く上がればもっとすばらしい展望が・・・。周囲の展望の良さを糧にして高みを目指す。朝日岳側を見ると稜線の山々からは雪煙が青い空に上がっている。穏やかに見えるが、かなり稜線は荒れているように見えた。黒負山はどうなのだろうか、今日は踏ませてもらえるのだろうか。尾根上には大木が目立つようになり、それを左右に除ける様に進んでゆく。1240m付近からニ重山稜となり少し北側を気にして進んだ方がいい。南側の尾根でも特に問題はないが、北側の尾根の方がすんなりと進んでゆける。少し地形の起伏があり、ガスのかかったときは注意する場所であろう。

 朝日を左側から受けて、尾根上のサンカンスギの大木を縫うように進んで行く。ここはややアップダウンがあるので、帰りに通る場合はシールを着ける事になるだろう。左右を見ながら尾根を回避できるルートを探るが、林道側に降りてしまう方法は、林道が雪で埋まってしまい、まともに通れるか判らない。反対のヨグラ沢も深そうな沢で、大所川との出合で上手く飛び出せるかの保証はない。となるとやはり帰りもこの尾根となる。進む先には尾根上の第二チェックポイントと言えよう1309高点が待っている。ここも少し二重山稜っぽい地形であるが、その谷にあたる中央部を進んで高点に立った。黒負山側を見ると、まだまだ高い位置に山頂がある。標高差残り760mほど。その数字からもまだ距離はある。ここでリセットとばかりに気合を入れ直し足を進めてゆく。


 1309高点からはいったん緩やかに下り込み、最低暗部からは少し急上昇気味な斜面が待っていた。少しエッジを効かせて登るような場所も有り、大きなターンを繰り返しながら上がっていく。すると斜面に林立するブナに赤ペンキの丸印が付いている場所があった。ここまでに至るまでに無かったのだが、見落としていたのか、または沢を詰めて鞍部まで上がった方のものなのか・・・。赤ペンキは乱打されておらず、かなり広い間隔でいくつか見ることが出来た。悪天でなく好天の中に歩いていたと思われる。最初のやや急な斜面が終わると、その先は広大な尾根が先に続いていた。聖山から続いてくる尾根も右側に綺麗に見えていた。隙あらば踏もうと思っているので、行けそうな尾根かしっかり目に焼きつけつつ足を上げてゆく。相変わらずジグザクを切りながら高度を上げる。少し帰りのシュプールを気にして、それの邪魔をしない位置に刻むよう事前に配慮する。


 1500mを越え振り返ると、先程居た1309高点がはるか下に見えていた。さらに先に目の照準を定めると、大所川の東側にある送電線鉄塔ピークも小さく見える。良くぞ歩いたと自分を褒めてあげたいほどであった。1653高点はパッとしない通過点で顕著な高みはない。残り標高差400mほど。しかしよく目を凝らすと山頂部には雪煙が上がっている。予期していたがこちらも上の方は風が強いようだ。時計を見ると11時に近い。もう目と鼻の先の場所に居るのだが、上部で風に煽られれば牛歩となる。さて何時に着くやら。時折下界を振り返りながら行く。後ろからは我がトレールが、深い刻みとなってしっかりと付いて来ていた。


 1900mを超える。とうとう強風域に入ってきた。風に雪が飛ばされ、クラストした雪面も出ている場所もあった。大きな雪庇が南側にできており、注意しつつ硬い雪を選びながら進んで行く。風は数十秒風が吹いては数秒止まる繰り返しで、その都度耐風姿勢をとりながら進まねばならなかった。前を向けず下を俯き、雨具の風防を剥ぎ取らんばかりの風に対し、手で押えながら居た。風の止む間に5歩6歩進んでは風の合間を待つようなそんな繰り返しだった。最後の試練と思い、自然に付き合いつつ自分の信念を貫く。


 歩き出しから8時間が経過し、やっとのことで黒負山山頂到着。それはすばらしい大展望が待っていた。北側は少し雪が固まっているが、南側はふかふかの雪で、これが風に巻かれて舞っていたのである。スキーをはずして山頂に立ち、さて撮影と構えたとたん強い風に煽られて、片方の板が北側に滑り落ちて行ってしまった。ハッと背筋が寒くなるような気持ちであった。すぐに「帰れなくなる」と電気が走ったような状況となった。ゆっくりと流れ落ちて行く板を、スローモーションを見ているかのように眺めていた。あー
これで滑り降りるのは無理だ・・・。すると板の流れてゆく先にシラビソがあり、うまい事そこで止まってくれた。まだツイている、自然は味方をしてくれた。二本目の板が落ちないように横にしてから、斜面を板を取りに降りて行く。板を止めてくれたシラビソの下は、永延と長い雪の斜面で、ここで引っかからなかったら数百メートル滑り落ちて行ってしまっただろう。なにせ自然に助けられた感じで、よりいっそう自然を大事にせねばならないと感じるのであった。

 再び山頂に戻り、ゆっくりと大展望を楽しむ。MLQはここから五輪山を踏んできている。見るとなだらかな気持ちよさそうな尾根だが、ここまでの雪の状態を体験しているので、行って来るには3.5時間とか4時間かかりそうであった。それにしても壮大な景色である。おそらくここからの景色を見ている人は一握りであろう。と
思うと途中で諦めずに頑張って来て良かったと思う。グローブをしていても手が悴みそうな中、焼きそばパンの時間となる。アイゼンに押されて潰れているかと思ったが、きれいなふかふかの状態でザックから出てきた。白湯を飲みながら至福の時間であった。時折やってくる雪のシャワーを浴びながら、再び来ることが無いであろう場所からの展望を楽しむ。下山準備は先程の板の滑落があるので慎重を極めた。シールも飛ばされないよう外したらすぐにザックに放り込む。そのシールを外した板も滑り落ちないよう裏返しにする。こんなに神経を使ったのは久しぶりであった。それでも雪の上のスキー板は、風でバタバタと暴れていた。


 さあ滑走開始。一気に滑り降りるのだが、こんなに上手くなったのかと思えるほどに板のコントロールが出来ていた。全ては地形と雪質によるものなのだが、滑ってはシュプールを見上げて、何度も自己陶酔している自分が居た。しかし8時間の登りは、足にかなりの疲労をもたらしており、滑り降りるにも大変であった。それでも大展望を見ながらの滑降はこんなに気持ち良いものは無い。パウダースノーを独り占めしながらシュプールを刻んで降りてゆく。この先の1309高点へは登り返さねばならなので、往路では尾根通しの通過を思ったが、これほどに滑れてくると、このまま滑って通過したい欲が出てきた。そして北のヨグラ沢側に逃げて巻こうとチャレンジしてみた。しかし雪がフカフカで、角度のないトラバースでは板が滑ってくれず、結局再びシールを着けて辿って来たトレールに沿うようにルートを修正する事となった。ここはギャンブルせず、素直に地形に従って戻った方が良いようだ。しばらくシールを着けたまま登下降をし、1102高点を手前にして、右(東)側の斜面に滑り降りる。この斜面も滑りやすい斜面で、下の方に植樹帯も見えているので、それを狙って進路を決めてゆく。植樹帯の中は起伏が多いが、木と木の感覚は適当にあり、すり抜けるように滑り降りてゆく。途中で往路のトレールが下の方に見え、最後のパウダー斜面を雪を舞い上げながら一気下ってゆく。


 林道に乗ったら、ここは自分のトレール上が踏み固められ滑りやすく、林道に沿うように下って行った。往路私が通過した跡に、多くの獣が通ったようで、トレールの上に転々と足跡が残っていた。分岐を経て橋に降り立つ。ここで再びシールを張り、少し大休止。あとは林道の水平歩行のみ。気を緩めるわけにはいかないが、ここまでくればと言った状態であった。往路のトレールは日に照らされてほとんどは消えていた。この辺りで急に空模様が怪しくなり、雪が降り出してきていた。どうやら良い時間に降りてきたようだ。降雪と共に急激に気温が低下してきていた。雪は次第に雨になり上着を濡らしてゆく。まあここまでくれば濡れようが濡れまいがどうでもいい事であった。途中の雪の押し出しは、往路より増えている箇所も見られ、やはり通過には注意が必要にも見て取れた。


 スノーシェッドの中の雪は解けており、やはり今日は気温が高かったようである。少しシールを汚しながら通過してゆく。往路では見えなった大所川の深いブルーが下の方に見える。そしてその西側の山肌には、雪解けの滝がいくつも見える。言うなれば滝だらけと言った感じであった。そして良く見ると対岸にも道があったようで、こちらの道と同じ高さの場所に一本の雪の積層した筋が見えていた。発電所開発の道だろうか。完全に廃道化していた。第二発電所の導水管を通過し、その発電所への分岐を左に見るともうゴールも近い。この辺りからは下り勾配なのでシールは外せるのだが、この先に一箇所流れが出ている場所があり、越える為にはシールの力を借りる場所がある。1mほどの流れを大股で跨ぎ、ラストラン。


 林道入口に到着。無事山行を終えた。もう少し危ない場所が出てくるかと思ったが、意外や安全なルートであったと思う。1102高点までが時間がかかり、少し後ろ向きな気持ちになったが、何とか登頂に至った。素晴しいスキー滑降もあり、登っていても楽しい山であった。あの斜面ならスキーをしにもう一度上がっても良いと思ってしまう。私にとって適当な上級ゲレンデであったのだった。
 
 全身に程よい筋肉痛を感じながら、車に乗り込む・・・。

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