三峰山(宮室山・冨士浅間山)   616m            
   

 2009.3.22(日)   


   晴れ     単独       林道中ノ萱線途中より     行動時間:1H19M


@林道中ノ萱線支線入口9:04→(10M)→・丸太橋9:14→(2M)→A林道終点?9:16→(13M)→B南西尾根に乗る9:29→(7M)→C三峰山9:36〜10:05→(9M)→D丸太橋手前で林道に乗る10:14→(9M)→E中ノ萱林道に降り立つ10:23


 
iruguchi.jpg  nakanokaya.jpg  damu.jpg  shisenniriguchi.jpg 
本道から林道中ノ萱線への入口。 林道を入ると左側にこの標識が立てかけてある。 木戸沢砂防ダム。 @中ノ萱線からの支線入口。
houraku.jpg  entei.jpg  tatekake.jpg  syamen.jpg 
林道途中は崩落しており補修してある。軽四しか通れない。 沢途中の砂防堰堤。林道には伐採跡が見える。 A車が入れる林道終点地。製材した木が2枚立てかけてあった。 杉の植林斜面を上がって行く。
one.jpg  onesyamen.jpg  nise.jpg  sancyou.jpg 
B南西尾根に乗る。 山頂に向けて急登がある。 手前にニセピークがあり、その奥が山頂。 C山頂部を下から見上げる。
hyoushiki.jpg  hokora.jpg  higashigawa.jpg  kitagawa.jpg 
C立派な標識もあった。 C宮室地区の大きな祠が鎮座。 C山頂から東側尾根。 C山頂から北側尾根。こちらに踏み跡が降りていた。
uragaki.jpg  rindougouryu.jpg  shiseniriguchi.jpg  cyuusya.jpg 
C山名板の裏書。  D林道に合流。先の方に丸太橋も見える。  E中ノ萱林道に戻る。  E支線入口付近から見る駐車スペース。 


  

 膝の不調により休養日にしていたのだが、前日の治癒山行が功を奏して、山に行きたい気持ちが起こるほどに回復していた。三連休の最終日、飽きもせずもう一座狙う事とした。

 

 この三峰山は、エアリアマップの「西上州」の中でも、マイナー中のマイナーピークであろう。里山であり低山でもあり、あまり目を向けられない場所である。ただ、いつも下を通る時、その見事な円錐形に見とれていた。魅力的ないつか登ろうと思っていた場所でもあった。そんな私も下仁田町と南牧村の未踏の山は残り2座となった。ここを登ってしまうと残り1座。なにか少し勿体無いような、名残惜しいような気もしながら足を向ける事となった。

 

 山頂を狙うに際しアプローチは西からと東からが選べるが、ここは林道が中腹まで上がっている西側を選択した。中ノ萱地区からの「林道 中ノ萱線」を利用するのだが、これが現地では入り口が判りずらい。一度、有恒鉱業(コンクリート会社)まで行き過ぎて引き返し、注意しながら戻ると東側に入る舗装路があった。入ってすぐ左側に「林道 中ノ萱線」と書かれた標識が石垣に立てかけてあるので、これにより間違いないと判断できた。細い道を上がって行くと、九十九折を経て大きなダム堰堤を越えてゆく。どうもこの堰堤の工事により、地形図の道とはルートが違っているようであった。ここの沢は「木戸賀沢」と言うようだが、今伝っているのは左岸で、さらに右岸にも旧道らしき道が見えていた。そしてその右岸の道と左岸の道が合流する辺りに白い軽トラが停まっていた。“こんな場所で何を”と思っていたら、周囲から甲高い2サイクルエンジンの音が聞こえてきていた。どうやら林業関係者が伐採作業をしているようであった。林道をそのまま進むと、沢の左岸側にはおびただしい伐採跡が見られた。凄い労働の痕跡と、日曜日でも働いている方に対し、頭が下がる思いであった。

 林道は合流点から右岸移り、沢を詰めるように伸びて行っていた。ここから80mほど進むと、枝道が東側に入っていた。そこを左に見て進むと、その先でユーターン可能な広見があった。三峰山を目指すには、先ほどの枝道が適当そうで、広見でユーターンして、そこに停めさせてもらった。ここは私が停めてしまうと、他の方はユーターン出来なくなる。やや後ろめたいのだが、下は林業関係者の車があるし、ここしかなく・・・。

 

 車の場所から少し下って枝道に入って行く。コンクリート舗装されているが、ここはかなり急勾配である。途中でダートになり、谷側への崩落箇所もあり、軽トラ限定の場所のようであった。最近伝った轍もあり、今でも使われている道と判断できた。左岸側の道で、左に沢の流れを見下ろしながら足を上げてゆく。するとこちらでも伐採作業があったようで、緑緑した杉が枝打ちされて、周囲に散乱している状態であった。砂防堰堤もあり、その横を道は続いている。

 

 暫く行くと小さな沢を丸太4本で構成されている橋で渡り、その先で林道終点の目印のように、製材加工された木が2本立てかけてあった。ここから先も沢伝いに行けるのだが、東側に上流は向いており、この付近から北側の尾根に取り付く。尾根斜面は微かではあるが林業関係者の杣道が見られた。しかしあまり歩き易くなく、結局西側に降りて谷部を詰めてゆく。谷斜面も急ではあるが足許を邪魔するものがなく歩き易い。そして三峰山から南西に派生する尾根に乗り上げる。ここにはちょうど「休猟区」の標識があった。そして最後の登り。東側に急峻を上がって行くと、手前にニセピークがあり、その奥に山頂があった。

 

 山頂を手前にして下から見上げると、山頂部に何か見える。近付いて行くとそれは大きな石の祠があった。これだけ大きいものは久しぶりで、見応えがある。これだけでも驚いたのだが、さらにはアルミの山名板も設置してあった。マイナーピークであり、静かな何も無い山頂を思っていたのだが、意外な展開であった。そしてその山名板の裏には、ここは「三峰山」の名前は間違っているとの文言が、理由を添えて書き綴ってあった。これは私のように知らずに三峰山と登ってくる者に対してはありがたい。がしかし既に市販されている地図などにも表記してあり、出版社にも連絡は出来ているのか、と思ってしまった。標識はともかく、すばらしく円錐形の山頂で、360度、どの方角を見下ろしても自分の位置を中心に斜面がなだらかに下りて行っている。展望こそ無いが、なかなか居心地の良い場所であり、これでセミでも鳴いていたら、夏場でも長居してしまいそうな場所であった。先ほどの標識の裏に書かれた言葉によると、宮室地区の浅間神社の奥社的存在の場所らしい。確かに北側の尾根には踏み跡が降りていて、北尾根側がメインルートのようでもあった。祠を見ると「昭和15年4月28日 宮室氏子」とある。この山は昔から宮室地区の人によって守られてきた山のようである。標識は地元の方が設置したようであり、レタリングも味があり見栄えがする。裏書にも頷け、山名の部分は少し私の方からも上流にアピールしておきたいと思えた。低山ではあるがトランシーバーからは房総方面からの声も入ってきていた。

 

 下山は南西に尾根伝いに下り、丸太橋の場所で往路と合流した。下って行くと斜面が動いた。それはサルであった。群れではなかったが、大きなサルがこちらを警戒しながら斜面を上がってゆく姿があった。チェーンソーのエンジン音が近くで唸りを上げているのだが、こんな近くの場所に野生動物がおり、里山での人間と動物の共存する微笑ましい様子が伺えた。

chizu1.jpg

 chizu2.jpg

   

                       戻る