日影沢（山名）が早くに終了したので、もう１座狙える時間が出来た。しかし今日は１８時から地域の会合が入っており、それまでに帰らねばならない。近くの辰ヶ峰はそこそこの高さがあり魅力なのだが、後半戦の対象場所にするには、その高さ分の時間がかかり過ぎる。ここはもっと短時間で狙える城山を踏むことにした。

　国道３６１号が開田高原で大きく北に突起している。その先端部の東側に城山は位置する。地形図には幾重にも登路が描かれており、付近は昔からの峠道だったようだ。３６１号の突起部分に車を止めて、と思っていたのだが、現地はそこから車の通れる道幅で上にあがっていた。入り口こそダートだがすぐに舗装された路面となり、それに伝うようにこの先の分岐を左に入ると、そこには別荘らしき建物があった。道はそのまま先に続いているのだが、車が入れるのはここまで。その先は深い雪が乗っていた。誰も来ないだろうと、この別荘地脇の道の真ん中に駐車する。

　雪を被った道を伝って行くと、右側に小さな堰堤があり、その手前で小さな橋で右岸に移る。そのまま谷を詰めるように道は進んで行き、途中から斜面へ登り始める。この登り始める辺りに沢に沿うような道幅があるが、これはその先の方で行き止まりになっているようであった。九十九折の道はなだらかでとても歩きやすい。大きな九十九折なので、城山に対して背を向けて歩く場面もあり、この道を伝って、果たして合っているのか否かの疑問符を持ちながら歩いていた。すると上部の少し薄暗い樹林の中に「旧飛騨街道」と書かれた表示があった。どうやら道は間違っていないようだ。入口からここまでに道標は全く無いので、この表示に少し安堵する。標識の場所から緩やかに右にカーブして行くと、その先が峠となっており、四方に道が分かれていた。ここが西野峠かと思ったが、真の西の峠は、この北側にあるようであった。分岐標識を見ると南側を指して「城山展望台まで３７０ｍ」とあった。

　南に進んで行くと、山頂を前にしてルートは東側にトラバースして行く。そして東側の尾根に乗り上げると、そこから細かい階段が切られ、山頂まで続いていた。山頂の入り口には大ぶりな鳥居があり、そこを潜ると広い平らな山頂が待っていた。西側には丸太のベンチが並べられ、そこからの御嶽山の展望は素晴しい。鳥居側からは中央アルプスが望め、西側と南側に開けた山頂であった。大きな赤松も生え、これが見栄えのする山頂のアクセントとなっていた。解説板もあり、そこには狼煙台であったと記録してあった。山頂部中央には南北に並ぶように祠や石像が安置されていた。山の名前からも現地からも、城が在った事を感じさせる場所であった。

　下山は東側には下らずに、直接北側に下ってみた。尾根上には刃物痕が沢山見られるが、道として明瞭な幅があるわけではなかった。もっとも雪が乗っているので、はっきりとは言い切れないが・・・。そして尾根を降りきり往路のトレースに乗る。峠からは少しスピードを上げて降りてみる。雪が程よいブレーキになり、ぐいぐいと往路の足跡を跨ぎ越して行く。天気は殆ど安定状態。時間に猶予があればもう少し遊びたいところであるが、今日はここで終了。別荘宅脇に戻り、一路我が家へ。