中原山    1968.8m        

 
 2010.07.25(日)   


  晴れ    同行者あり       「マイカー規制中」:鳩待峠から時計回りに周回          行動時間6H3M


@戸倉第一駐車場6:35→(25M)→A鳩待峠7:00→(47M)→B山ノ鼻7:47〜54→(33M)→C中田代三叉路8:27→(27M)→D竜宮十字路8:54〜9:02→(90M)→E富士見田代10:32→(25M)→F中原山10:57〜59→(69M)→G鳩待峠12:08〜17→(21M)→H戸倉12:38


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@戸倉第一駐車場からバスに乗り・・・。 A鳩待峠到着。 A鳩待峠から尾瀬ヶ原へ。 雨に濡れた登山道は滑り・・・。
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涼やかな登山道(振り返る) 川上川を橋で渡ると、その先が山ノ鼻。 B山ノ鼻。各休憩所は大賑わい。 B山ノ鼻周辺はオゼヌマアザミが咲き誇る。
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さあ湿原の木道歩き。 コオニユリ 流れの中には魚影も見え。 至仏山を振り返る。
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ネジバナと池 水面に浮いた水草が美しく・・・。 キンコウカが乱れ咲き ナガバナモウセンゴケ
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逆さ燧 水鳥が居たり・・・。 小川の中はバイカモが。 C中田代三叉路。休憩者で賑わう。
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中央が景鶴山、その右が与作岳。 ニッコウキスゲの群落も。 D竜宮十字路。 D今日も持ち込んだヤキソバパン。
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残念、アトピン。トキソウ。 長沢新道の竜宮寄りの様子。 長い階段があったり。 斜面が緩やかになると、木道が続く。
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「土場」 富士見田代の池 E富士見田代。ここから「鳩待通り」へ。  刈り払いしたての登山道。
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これぞ雲上の道。  ヒオウギアヤメの群落。 ワタスゲもひらひらと舞い アヤメ平通過。
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アヤメ平の休憩所を振り返る。後ろは燧ケ岳。 アヤメ平の高層湿原。  タテヤマリンドウ。今日は悉くピンボケ。  もうすぐ中原山。 
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F中原山標柱。 中原山の西側休憩場より。後ろは中原山。  サワラン  横田代通過。 
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登山道脇には、補修資材がかなりの量見られる。  G鳩待峠到着。この先の階段には、日影を求めた観光客が群れていた。  G賑わう鳩待峠。  H戸倉第一駐車場に戻る。 


 
 これまで尾瀬には6度くらい入ったろうか、その全てで雪のある残雪期の行動であった。そう、歌に謡われるような「夏」に出向いたことが無かったのだった。それには、賑やかな観光地を避けていた部分もあるのだが、話の種には一度行っておかねばならない。思い立ったらサッと計画に入る。

 
 同行者の要望もあり、「沼」でなく「湿原」の方への計画とする。たまたまだが、地形図にも山名事典にも載らない「中原山」へ行かねばならない個人的な用事(意味深?)もあり、湿原から長沢新道、鳩待通りを伝う時計回りのコースが出来上がった。折角の湿原散策であり、これでもかと尾瀬ヶ原内を歩き回ろうかとも思っていたが、人の多さを危惧して、半分は高層湿原側のコースを入れたかったのもある。

 
 調べると、戸倉からは4時には始発のバスが出ているようだ。この時期はマイカー規制中。アプローチの足はバスかタクシーとなる。面倒くさいが自然保護のためなら従うしかない。4:30家を出て、関越道を飛ばしてゆく。前日は法事で、当然のようにその後はお酒が入った。6時間ほど呑んでいたろうか、頭が重い・・・。沼田で降りて、椎坂峠を越えて吹割ノ滝の前に行く。早朝ではあるが、既に呼び込みの方が・・・。この呼び込み、もうここの文化に落ち着いたのだろうが、一掃して違うシステムにして欲しいと願う。見ていて悲しくなるのであった。鎌田の交差点で日光へ行く道と判れ、片品温泉郷を経て現地入りする。久しぶりの戸倉。大きな駐車場が出来、川向には立派な温泉施設もお目見えしていた。当然のように、どんどんと鳩待峠に向けてピストン輸送が行われていた。のんびりを決め込んでいたが、周りがせかせかと動いていると、こちらも感化される。有料駐車場に突っ込むが、ほぼ7割は埋まっていた。流石ハイシーズン。軽くザックに食料を詰め、登山靴に足を入れる。しかし左足が入らない。先だっての滑落で、ちょっと足が浮腫んでいるのであった。無理やり押し込み、何とか形となる。券売機に900円をつぎ込んでチケットを購入し、バスに乗り込む。中はギュウギュウ詰め。芦安から広河原に向かうバスのように、膝の上にザックが乗る。我がザックだけやけにでかい。やはりここはピクニックの場所なのか・・・。

 
 バスに揺られて登ってゆくと、気持ちよくなってウトウト・・・。気持ちよくなってというのは、前夜の酒が尾を引いていると言う意味を含む。そして鳩待峠に到着すると、既に150名ほどが蠢いていた。マイカー規制であっても大型バスは入って来れる。よって大きな団体の姿がいくつもそこにあるのであった。緩く結んでいた靴紐を、急いで硬く縛り、尾瀬ヶ原の方へスタートを切る。夜の雨が周囲を濡らし、しっかりした石畳の階段も、滑りやすいものとなっていた。観光地らしく、登山者とは違うピクニック装備の観光客の姿が見える。往々に靴は新しく、服装も簡易的に山屋寄りのデザインを選んでいるのが判る。そしてほとんどの人の手にはカメラが握られている。それが携帯のカメラであったりするのだが、こんなカメラが好きな民族は他に居ないのではないかと思えてしまう。川上川に沿う散策路は、涼やかで気持ちがいい。以前はカチコチの中、ここをアイゼンで歩いていた。それを思うとウソのような歩き易さであった。

 
 川上川の小川のような流れを木橋で渡ると、その先が山ノ鼻であった。テント場には、数張りのテント。そう言えば、大ザックですれ違うファミリーも多かった。ここでテントを張った方も居たのだろう。ビジターセンターの前では美味しそうにビールを煽っている人が居る。まだ8時前、でもここは特別だからそれら全てが絵になる。西側からはデンとした至仏山がこちらを見下ろしている。登山禁止になった年は気になったが、それ以降解禁になった時を知らなかった。やや大きめなザックを背負ったハイカーが、西に向かって行った。その至仏山に背を向けるように尾瀬ヶ原の中に東進して行く。右手にある各ロッジの前では、ゆったりと佇む観光客の姿がある。まるで時間が止まったように見えるのだった。

 
 湿原の木道を行く。ニッコウキスゲやコオニユリが最初に出迎えてくれる。小川を覗くと魚影も見え、彼らも全く逃げる気配が無い。ここでは動植物と人間が共存していると思えるのだった。コツコツといういい響きが足元から聞こえる。絶対音感のある人なら、すぐに音符に記せるのだろうが、私にはそれは無理。でも木琴を叩いているような、足を乗せる木によっても音が違い、なんとも耳心地いい。人工的な音ではあるが、自然味のある音。湿原を渡る風は気持ちよく涼やか。こうなるともう完璧である。「夏の思い出」の歌詞が自然と口ずさめるシチュエーションとなる。ただ歌の中には水芭蕉が登場している。この時期は、もう水芭蕉は大きな実を付けている。このことから、初夏も初夏、春に近いあたりでの作詞と読み取る。

 
 正面に燧ケ岳を見ながらテクテクと進む。すれ違う人もかなり多く、人種も多種多様。なかにはカメラクルーのような団体が居り、尾瀬の自然を撮り、テレビ製作をしているような方も居られた。左前方には与作岳が見え、さらに進むと景鶴山がその手前に見えてくる。尾瀬の名峰ではあるが、その山頂と湿原との標高差は600mほど、木道から見上げると、里山くらいにしか見えないのであった。木道脇を見ると、赤くツンツンと上を向いた奇妙な草が見えた。食虫植物のナガバナモウセンゴケであった。奇妙がとても微笑ましく見えるのであった。


 中田代三叉路では、ヨッピ川の方へ進む人が多い。湿原を時計回りに周ると言うことだろうか。この事により、かなりこの先の木道の上は空間が出来ていい感じ。理想的な尾瀬の風景となった。全く人が居ないのも寂しいし、居すぎても・・・勝手なもんである。少し歩調を緩め、広い範囲を見渡すように歩いて行く。前の方に黄色い絨毯の様な景色が見える。ニッコウキスゲの群落であった。やや終わり花ではあるが、その山吹色は周囲の緑に映え見事であった。下田代でキャンプしてきたのか、大ザックを背負った親子連れがすれ違う。小学生だろう子供は、とても自信に満ちた表情をしていた。見ているこちらも嬉しくなる。


 竜宮十字路で小休止。ここからは静かな長沢新道の方へ進んで行く。見ていても、向こうから来る人も、進んでゆく人も皆無。周囲をメタリップブルーのトンボが舞っている。それらが湿原の草に止まる、そしてまた飛び立つ。これら一部始終を目で追っているのが楽しかった。湿原とヤキソバパンのコラボレーションはどんなものかと持ち込んだが、湿原での味は平地の味と同じであった。やはりガツガツ歩いた後でないと、旨味が出てこないのかも。さあ南進が始まる。こちらも快適な木道が続き、「
H22」の焼印がある、今年の整備作業の跡も見られた。その木道が終わるとブナの中の登り。長沢の流れの音が常にあり、それに伴い周囲空気もひんやりとしている。じつは、尾瀬であり、日差しから逃げる場所は無いだろうと思ってきていた。でもこのルートは、終始日影のような、夏向きなルートであった。東電の管理がよく、階段、崩落地等、ハイカーに気遣う配慮がたくさんされていた。あまりにも人工的なので、ちとそこは気になったが、場所は尾瀬、自然を守る為の配慮と理解する。


 土場休憩所通過。この先も緩やかな地形に木道が続く。すると前の方から賑やかな声が・・・。今までが静かだったので、この声に幾分ホッとする。そこには、12名ほどのパーティーが休憩していた。この後、次々とパーティーがすれ違うようになる。「鳩待通り」を抜けてきた方なのか・・・富士見峠が近くなり、俄然ハイカーの数が増してきていた。先ほどまでの静けさはなんだったのか・・・たまたまだったようだ。そして富士見田代の池に飛び出す。静かな水面に、空が映し出される。この鏡絵が見えただけでも、来て良かったと思えるのであった。計画段階では、富士見平に降りてしまい、バスで戻る案もあった。でもこれでは「山」がひとつも入らない。当然のように分岐からは「鳩待通り」の方へ踏み入れて行く。この分岐からの木道周辺は、富士見小屋の方の作業だろう刈り払いがされており、50mほど新しい草が散乱していた。この分岐からあやめ平へ向かうしばらくが、空中散歩と思えるようなルートで気持ちがいい。木道が、あたかも天国へ向かう道のように思え、そのまま空の上まで行ってしまうのでは、そんな気持ちにさせてくれていた。コツコツと登山靴を響かせ歩いてゆく。周囲では野草を撫でる風の音。そして野鳥の声。さらには涼やかな空気。これで気持ちよくないはずが無い。ワタスゲが白い種をなびかせ、その下の方には小さなサワランの姿も見える。


 アヤメ平の休憩所は大賑わいで通過。標識を撮影しようにも、各人自分の休憩で精一杯のようで周りを気にしていない、これも観光地らしい部分だろう。高層湿原の水面を愛でながら足を進める。キンコウカやタテヤマリンドウが足元で微笑む。この高所にして、水を湛えた湿地(池)が周囲に見える。そこに青空が写り、緑の中にブルーが映える。さあもう少しで中原山。西進して行くと、手前にそれらしい場所があり、二度三度ぬか喜びしながら通過して行く。ダラットした山頂部で、その西の端の方に標識が立っていた。


 中原山到着。登頂と表現するには微妙な通過点。特にスペースを設けてなく、山頂で休憩、そんな気にもならないような場所であった。そして私としたことが、この時、三角点を見ずに通過してしまった。途中まで探す事を思っていたのだが、現地では別の事が頭にあったようだ。あまりガツガツしていないピクニック気分に、いつものような獲物を捕らえるような緊張感が無かったとも言い切れる。西側に下って行くと、すぐ下にある休憩場で、気持ちよくビールを飲んでいる7名のパーティーが居た。羨ましいほどに気持ち良さそうに見えた。老若男女、すれ違う人はかなり多い。「やはり尾瀬、すげーなー」となるのだった。横田代を過ぎ、樹林帯の中に入ると、ルート上は朽ちた木道が目立つ、ただし、流石の東電、改修用の資材がここかしこに置かれてあった。降ろしたばかりのようで、ワイヤーやスリングがかかったままの物がほとんど。この資材を見て、さらに驚く。狭いスペースにピンポイントで降ろしてあるのである。地上とヘリとでの連帯がすばらしいのと、たくさんの作業をこなし、慣れているふうが感じられた。

鳩待峠が近くなると、バスのエンジン音が谷あいに聞こえだす。時計はそろそろ12時。半日で十二分に遊べた事になった。ただ鳩待峠に行くには抵抗があった。それは人。この暑さに、予想される人ごみを思うと、このまま着かない方が良いのではないかとも思えていた。それでも足は自然と動く。そして先の方に明るさが見え、人工物が見え出した。それは売店であるのだが、その脇に続く登山道には、日影を求めて涼む観光客がわんさかと座っている。「うわ〜っ」やっぱり・・・。なんのやっぱりなのかは微妙だが、無節操な無法地帯の様子に、迷惑そうにその間をすり抜け降りて行く。
 
 日差しのあるバス停側には、300名ほど居ただろうか、尾瀬ヶ原の散策を終えて、軽食を楽しんでいる姿があった。飛ぶようにアイスクリームが売れ、殿方がビールを飲む姿がある。すぐにこの場を離れようと、バスの時間を見ると、30分以上待たねばならなかった。そのバスを見ている私の目を、目ざとく見つけるのがタクシー屋で、「こちらは早くに出ますよ」と言ってくる。「何人集まれば出るのですか」と聞くと、「適当に集まったら出ます」と言う。全く答えになっていない。「チケットを買うにはどうすればいいのですか」と問うと、売店を無言で指をさす。そこには、「バス・タクシー乗車券」と書かれた売り場があった。この時まで、バスとタクシーが同料金(共通チケット)とは知らなかった。タクシーの方が乗り心地がいいだろうから、これはありがたいと思って乗り込むが、その思いに反して、乗った運転手は急ブレーキ連発で乗り心地悪い事・・・。会話した時に人間性が判ったが、なんとも客商売の人として・・・。ザックを荷台に乗せる時も、「狭いから上手に載せてください」と・・・乗務員はドアを閉めるだけであった。折角の尾瀬が、ちょっとだけ寂しく思えた。頑張れ片品村!!


 暑い暑い戸倉の駐車場に到着。タクシーの件は別とすれば、最高に楽しく尾瀬を歩いてこられた。そして人を引き寄せる尾瀬の自然の美しさを体感。次回はまた違った表情を見に、秋ごろに行ってみようか。

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