長峰   780m          大岳     1432.4m         中津又山       1388m
  

 2010.02.13(土)   


  曇りのち晴れ(上層はガス)     単独     二分地区除雪終点から     行動時間7H22M


@除雪終点6:41→(120M)→A長峰8:41〜43→(10M)→B保久礼小屋8:53→(50M)→Cキビタキ小屋9:43〜50→(80M)→D大岳11:10〜14→(4M)→・大岳南斜面11:18→(7M)→・大岳再び11:25→(26M)→E中津又山11:51〜12:04→(19M)→F大岳三度12:23〜34→(24M)→Gキビタキ小屋帰り12:58→(12M)→H保久礼小屋帰り13:10→(13M)→I長峰帰り13:23→(40M)→J林道除雪終点14:03


jyosetusyuuten.jpg  oohirakara.jpg  tozandoutani.jpg  ushirogawa.jpg 
@二分地区の先、林道除雪終点地。駐車スペースは8台ほど。 大平地区から見る守門岳方面。 林道が終わり、谷の中の登山道に入って行く。 谷部に入り降り返る。
sankakuten.jpg  nagamine.jpg  nagaminekaraootake.jpg  kakoutenkara.jpg 
長峰三角点ポイント A長峰(日本山名事典ピーク) A長峰から見る大岳側 長峰東側から保久礼小屋へ緩やかに下って行く。
hoxtukure.jpg  kibitakikoya.jpg  kibitakinoue.jpg  1070.jpg 
B保久礼小屋。この時期に利用は無理のよう。 Cキビタキ小屋も僅かに屋根の姿が見えるのみ。 キビタキ小屋から上の斜面。 1070m付近。無垢の尾根。
1070ushiro.jpg  1120.jpg  1120karaushiro.jpg  1120minami.jpg 
1070m付近から降り返る。 1120m付近 1120m付近から麓側。 1120m付近から南側。
1330.jpg  ootake.jpg  anbu.jpg  nakatumata.jpg 
1330m付近から大岳。 D大岳山頂。積雪時の最高所は雪庇の上なので、注意。守門岳を狙うがガスに阻まれ中止。 中津又山と大岳との最低鞍部。雪庇が大きく落ちていた。 E中津又山。こちらも東側に寄り過ぎると危ない。
higasasu.jpg  tore-ru.jpg  nakatumatakaranishi.jpg  sextupi2.jpg 
E中津又から大岳側。 E雪庇をアップすると、その上を伝う我がトレールが見られる。通過時はガスで見えていない。 E中津又山から西側。 Eガスの晴れ間を狙って何度もカメラを構える。
tore-su.jpg  ootakenimodoru.jpg  haika.jpg  kibitakikaeri.jpg 
往路のトレールに乗って大岳に戻ってゆく。 F三度大岳に。シールを外して滑走開始。 途中で登ってくるスキーハイカーと行き会う。中央に見える黒い点は、雪洞を掘っているパーティー。 Gキビタキ小屋帰り。
kibitakishita.jpg  hoxtukurekaeri.jpg  nagaminehigashi.jpg  nagaminehigashikaranansei.jpg 
キビタキ小屋から下の斜面。 H尾根側から見る保久礼小屋。  保久礼小屋の西側鞍部から、長峰に登り返して行く。 途中から南西側の眺望。 
nagaminekaeri.jpg  rindounoue.jpg  jyosetusyuutenkaeri.jpg   
I長峰帰り。緩やかなアップダウンが多く、だいぶ西に寄ってからシールを外す。 ショートカット尾根の上から下山側を見下ろす。中央の針葉樹林帯の中を突っ切ってゆく。  J林道除雪終点に到着。 


 

 前週は岩登りを楽しんだので、今回は季節柄のスキー山行とした。目指すは守門岳。その耳心地のいい山名にずっと惹かれていたのだが、ここは四季を通じて賑わう場所。静山を求めて流離う私にとっては、出向くタイミングをどうしようかと迷っていた場所でもあった。無積雪期の賑わいは周知の事。ましてや今の時期も沢山のスキーヤーが入るようであり、ほとんどこの山にとっての空白期間は無いように思えていた。さすが200名山と言えようか。標高もそう高くは無く、手ごろに登れる山であるからだろう。そして適当なスキーコースがいくつもあり、登りやすく、滑りやすい場所のようであった。

 
 三条市と魚沼市との境界となるこの守門岳山塊、日本山名事典に載るピークは5つ見出せる。北から中津又山、大岳、青雲岳、そして最高峰の守門岳、さらにその東に袴越とある。最高峰まではスキーでいいだろうが、袴越がちと引っかかった。狭稜であり、小ピークが連なっており、僅かに500m強だが、そこは真剣勝負の場所に思えていた。いつものスキー装備に加え、12本爪、重量型のピッケルを装備に入れた。あとは入山を二分地区からとしたので、必然的に東斜面の登りとなる。朝からの日差しを受ける場所であり、上部はクラストしていると予想できた。スキー用のクトーもディアミールにセットする。

 
 1:20出発。すぐに関越道に乗り小出ICを目指す。流れを作るのはトラッカーとスキーヤーの車。少し靄った視界の中に、テールランプが見えていた。今日はあまり天気は良くない。車窓からの視界が、そのまま山での視界を占っているようでもあった。関越トンネルを抜けると、しっかりと雪が舞っており、だんだんと気分も寒くなってくる。小出で降りるつもりが、「深夜便」(NHK)の語り内容に聞き入っていたら、乗り越してしまい、堀之内で降りる。そして17号、252号と繋いで、山間部へ入って行く。途中に見える道標には「山古志村」の表記もあり、それにより豪雪地帯に踏み入れている事が感じられる。それより何より、周囲の雪は物凄い。平均2m越え、厚い層になると3mは越えている。“スゲー、スゲー”とつぶやきながらハンドルを握ってた。それでも住宅の周囲はきちんと除雪されている。生活する為に重要な雪かき、ここの人らは、雪の無い地域の人の何十倍、体を動かしているのだろうか・・・。

 
 国道252から290に入る場所も、国道290から別れる場所も「守門岳」の表示があるので、地図を広げる事無く容易に進んで行ける。そして二分地区に入ると、除雪された一本道が奥まで進み、まるで立山道路を思わせる雪の壁が連なっていた。その除雪終点地には、8台分ほどの駐車ペースが設けてあり、地域としての山スキーヤーへの配慮のように思えた。まだ誰も来ておらず、端の方に停めて仮眠となる(3:45)。

 
 目を瞑っていると、どこからか雪崩の大音量が、ドスンと聞こえてくる。その回数の多さで、なにか山行前に緊張感が増して寝ているような寝ていないような。夜が明けだしたので外に出ると、駐車場の下は西川の流れがあり、聞こえていた重低音は、ここに落ちる雪の固まりのようでもあった。シールを張って防水スプレーを噴霧。今日の行動食は、前夜に買った「焼き芋」。それをウェアーの懐に忍ばせる。空はどんより、周囲の湿気の多そうな雪が、さらに重く映って見えていた。

 
 6:41林道終点を出発。除雪の壁で林道の延長上は進めなく、川側に階段が切られていた。ここを登ると、そこは蒲鉾状の屋根の上であった。避けるように右を巻くと、ズボッと小屋脇の雪穴に落ちてしまった。前途多難。先だっての志賀高原の再来のようであり、益々気持ちが沈んできていた。何とか這い出し、スキー板を履いて林道上に板を滑らせて行く。肉眼では雪の起伏が全く見えない状態で、日差しがもう少し欲しい状態であった。

 
 西川に架かる橋を渡り、すぐに左(北)側斜面に取り付く。起伏の複雑な斜面だが、場所を選べば勾配は緩い。ここは橋から続く林道をショートカットして、再び林道に乗った形となる。そしてその先は、北側の急峻尾根を突き上げるのが順当のようであるが、ここで急激に体力を消耗させるよりは、ダラダラと林道を伝ってみようと思い、西側に林道に沿って板を滑らせて行く。途中にはデブリも多く、山手側を気にしながら進んで行く。途中で簡単に北側の大地に這い上がれるだろうと思っていたが、ほとんどそんな隙のないまま東に進んで行く。

 目の前の景色が広がると、その広大な大地に大平地区に入った事が判る。緩やかに右にターンして、折り返すように西に進み始める。平原の中には電柱が連なり、そこに道がある事が判る。その電柱も、碍子が手の届くような場所まで埋まり、ここでの雪の量は2・5mを超えているようであった。ここでの雪原に電柱の連なる様子が、まるで北海道の平原に居るかのように見えていた。夏道はこの先の谷部に有るようであり、そこへ向けて足を進めてゆく。しかし、ダラットした高みがその谷の北側にあり、そこを伝った方が楽なのでは・・・とそそられる。

 
 谷部を行くと、古いマーキングがちらほらと点在する。ここでの沈み込み量は15センチほど。もう少しラッセル気味かと思っていたが、意外に楽に歩けていた。それでも楽と言うものの、近いであろうと思えていた長峰には、まだ着かない。全行程の僅かしか進んでいない状況に、ここを少しなめていた自分に反省する。地形図に書かれている林道には突き上げず、途中から北側の尾根に乗って進み、再び林道らしき道形に出合った場所が、長峰三角点の場所のようであった。当然これだけの雪、点を掘り出すことなど出来ない。

 
 長峰の三角点からは、白い絨毯が敷かれたかのように、細長く尾根上を伝って行ける。歩きながら南東側の斜面が見えるのだが、そこに綺麗な滝が見えていた。断続的な流れの音も聞こえてきており、それがオカバミ沢の滝のようであった。山名事典の長峰山頂に立ち、まだ遠い大岳側を見上げる。ふと気づくと、今日は全く風が無い。不思議なまでに無風状態であり、周辺の木々の雪も、落とされずにキラキラと日の光を受けていた。ちょうど光線の具合で周囲がダイヤモンドダストとなり、眩いばかりの自然のもてなしを堪能する。

 
 長峰からは250mほど滑り降り、降り立った鞍部の北側に、雪の烏帽子を被ったような保久礼小屋があった。通常なら内部を覗くところだが、入り口は雪に埋まり・・・。ここからは気持ちよいブナ林の中の登り。少し天候も良くなってきているのか、そのブナの木々の間から日が入るようになってきた。ヒールサポートを一番上にして、シール任せに登ってゆく。この上にはキビタキ小屋があるはずであり、へばりながらも時折顔を上げてはその姿を探す。


 下の小屋から50分、目の前に意外な姿の小屋が現れた。目に留まった時、標識が有るのかと誤解したのだが、見えているそれはまさしく小屋の一部で。屋根の部分の端面が、僅かに60センチほど顔を出しているだけであった。さすが豪雪地帯。目の前の様子に、小屋を当てにした冬季の入山はご法度と感じる。さあ次の目標物は大岳。懐から焼き芋を出し、白湯で流し込む。この焼き芋、平地で食べるのに比べ、倍ほど美味い。何で山で食べる食事はこんなに美味いのだろうか。どなたか脳の仕組みを研究してもらいたい。


 純白の斜面にトレールを刻みながらゆっくりと上がって行く。1050m付近から、本当に気持ちの良い尾根歩きとなり、随所に絵になる風景が見られた。雪の上に落ちる影絵を楽しんだり、青空をバックに霧氷を楽しんだり。ただここには、動物の足跡が少ない。よって純粋無垢の穢れの無い雪の上に足を置いて進める。なんとも至福の時間が続いていた。右(南)を見ると、大岳分岐からの尾根が、雄大な広さで下に落ち込んでいる。そろそろ周囲地形を見ながら下山路を考える時間にもなっていた。この時は十分な視界があったので、こんな事を思えたのだが、このあと稜線に上がった時には、トレールの無い他のルートを進む事など考えられない状況になったのだった。


 下から見ると1330m付近が山頂に見え、あと少しと思って上がると、まだ先に高みはあった。この周辺で酷く雪がクラストしていた。クトーの刃を立てて対応する。ガリガリと言うより、もっと高音のキーンともカーンとも言えぬ軋み音を響かせながら上がって行く。山頂が近づくと再びフカフカの地形になる。それと同時に、完全にガスの中となり、視界が得られなくなった。どんどんと前進して行き、ハッと思った。その先が無かったのだった。一瞬にして下半身が震えだし、その動揺を抑えるかのようにゆっくりと踵を返す。


 大岳山頂到着。スキーを履いていたので、ちょっとの風や勾配で今の今は危ない場面であった。東洋一の雪庇からダイブするところであった。雪面の起伏も、周囲の様子も全く見えず、慎重に進んでいたものの判断できなかった。その時、「自然には勝てない」と強く思ったのだった。何とかここまで到着したが、この天気は行動範囲を狭まらせる。当然のように守門岳側に行く準備をするのだが、何せ全く見えない。下り勾配であるから、本来なら滑り降りたいところである。しかしボーゲンの姿勢のまま、ずり落ちて行くような下降の仕方であった。と言うのも先ほどの体験からして、下手をすると雪庇の上を進んでいるのではないかと思え、怖くて進めないのであった。何度も地形図を眺め大岳から青雲岳へ向かう地形に見入る。ただそれは夏場の様子であって、冬の今では全く違う地形になっている。それがこの地で有名な雪庇なのだが、重力に任せて降りてゆけばいいものの、スキーでありながら牛歩と言えよう遅さで下って行く。


 途中でほとんど平衡感覚が無くなるほどにガスに巻かれた。後には薄っすらとトレールが見えるからいいものの、完全にホワイトアウト状態。ここまで来たら守門岳は踏んでおきたいが、その気持ちを完全に押さえつけるほどに不安が大きくなっていた。立ち止まって少し待ってみても状況は変わらず。足の下はクラストした状況にもなり、シールのままでは怖い状況にもなっていた。時計を見ると、12時前であり、まだまだ狙える時間。さりとて周囲に蔓延るガスの中では流石に進めない。こんな時は、「ワカン行動なら」と思ってしまうのだが、浮力のあるスキーでの移動速度の速さが、ちょっとした障害にもなっていた。踵を返す。久しぶりのホワイトアウト。何度も目をつぶっては平衡感覚を修正するが、それも治るのは一瞬で、次の瞬間は目が回るような状況であった。


 大岳山頂まで戻り、こうなると是が非でも中津又山は踏んで帰らないと・・・と言う気が強くなる。幸いにも北方面のガスは少し薄い、よって視界が20mほど有った。意を決して降りて行くが、降り始めの20mほどの距離はクラストしてガリガリの斜面。エッジを利かせながらずり落ちてゆく。右側の雪庇に最大限注意しているものの、やはり視界が無いとルートコントロールは上手くできず、気づいた時には雪庇の上に居た。全身の汗が一瞬にして凍りつくような思いになり、急いで西側に逃げる。今日はこんな思いをしたのは何度目だろうか。そんな反省をしていると、不届き者の行動を自然が許してくれたのか、ガスが晴れ目指す中津又山の向こう側に青空が見えてきた。大きく東に張り出した雪庇のうねりの先にピークがあり、ここも絵になる景色となっていた。やや西側に巻き込むように上がって行くと、こんなところにウサギの足跡があった。それを追って山頂に立つ。


 中津又山山頂。今ほど追っていた兎の足跡は、な、なんと雪庇の先へ消えていた。人間は愚かであり落ちることはあるだろうが、自然界の動物が落ちるのかと、目の前の引き返した様子のない兎の足跡を不思議に思う。新雪の上につけられた真新しいものであり、今日の今日、それも数時間内のもののように見えた。「おまえも一歩間違えば・・・」と言い聞かされているような感じであった。確か2月の月干支は兎だったはず。私の代わりに・・・そして助けてくれたのかも・・・。先ほどの青空は、またまたガスの中となり、再び不安になる。今日はまだ雪庇の写真がまともに撮れていない。ここで「一瞬」をしばし待つ事にした。懐に入れてあるカメラのシャッターボタンに指をかけ、ガスが切れる瞬間を待つ。すると願いは叶うもので、少し大岳側が晴れてきた。するとそこには、雪庇の上を伝ってきている我がトレールがヘビのように見える。「おいおい馬鹿が・・・あんなコース取りして」と、書いてしまった書初めを卑下するように見上げていた。すると、大岳の山頂にポツンと見えた黒い点が動いた。どうやら単独のハイカーが登頂したようであった。こちらは相変わらずガスの動きに合わせてシャッターを切っていたのだが、ふと大岳からの尾根を見ると、先ほどの黒い点が動いている。その間3分もしないか。シールを外して滑り降りているのである。どうやら本格派のようである。登頂の休憩も入れずに、それもクラスト地帯の移動スピードも速い。「視界があるうちに」と降りたのかもしれないが、登頂からの行動の速さに、唖然として黒い点の移動の様子を見ていた。大岳に登り返せばこの御仁に会え、会話も出来るだろうと、のんきな事を考えていたのだが、完全にふられてしまった。大岳に向かう。


 中津又山からは緩斜面で、一気に鞍部まで滑り降りる。登り上げは緩やかで、ヒールサポートは1段目くらいでちょうどいい。そして大岳直下でクラスト地帯。慎重にクトーを利かせながら、大きくターンしながら上がって行く。大岳に戻ると、やはりそこには一人分のトレースが加わっていた。またまたここでは視界は15mほどとなり、滑りにならないような状況。それでももう下るしかない。シールを外して下降の準備に入る。ありがたいのは、先に滑っている御仁のシュプール。それを伝えば、だいたいのバーンの堅さが判り、的確なコース取りの判断が出来る。滑りに自信がないので、下降に際しては不安要素が一杯なのであった。


 バックルを締め込み、いざ滑走。と格好良く行きたいが、やはり視界が無いと、怖くてスピードが出せない。それより降り始めは広い地形であり、南西側の尾根に引き込まれやしないかと心配でもあった。恥ずかしげも無くボーゲンスタイルで、ゆっくりずり落ちてゆく。先に行った御仁のシュプールは直線的な細かなターンで続いている。視界の有る無しで、スピードに乗れるか否かが違ってくるのだろう。クラストしたややアイスバーン斜面も、御仁のシュプールはエッジを立てて綺麗に通過して行っている。完全な玄人の滑りである。それを塗りつぶすかのように、私の板がガリガリと言う音をたてて移動してゆく。


 1300mほどまで下ると、雪質もパフパフの状態になり、尚且つ視界も開けてくる。やっとここで楽しい滑りが始まった。下界も見下ろせ、これぞバックカントリースキーと思えるような、そんな気持ちよさがあった。途中、単独で登り上げて来た方が、にこやかに挨拶をしてくれる。今日の一番トレースを着けたのが私であり、それに対する自負があるものの、後ろに伝ってきているシュプールには、あまりの汚さに目を瞑りたい。御仁の脇を一目散に通り抜けて行く。すると1268高点付近で、大きな雪洞を掘っている二人のパーティーが居た。彼らの足はスノーシューであり、スノーボードを楽しみに来た方のようであった。早々に幕営地を確保して、さて明日の天気は・・・。西側に防御壁のようなブロック雪を積み重ね。慣れた様子で作業をしていた。この後はどなたにも会わず、入山したのは私を含め5名だった様子。


 ブナ林の中を縫うようにシュプールを刻む。キビタキ小屋付近から、その下にある保久礼小屋付近までが、私には適当なバーンで、雪煙を巻き上げながらの楽しい滑りとなった。そして保久礼小屋前まで降りると、次は長峰までの登り返しであり、シールを張って登ってゆく。登りながら大岳側を振り返る。上層はやはりガスの中、今日は守門岳を踏めなかったが、まあしょうがないかと天候のせいにする。長峰はその名の通り長くややアップダウンがある。三角点ポイント側に近づいてシールを外し、後は一気に谷部へ降りて行く。


 618高点の西側で往路の大平地区側に向かわず、林道に沿うように南進する。100mほど林道を進んだら、右(南西)側に続く尾根に乗って下り、最後は急峻を降りて往路の林道に降り立った。そこは往路で見上げていたショートカットすべきか迷った尾根末端であった。橋まで一気に滑り降り、緩斜面の林道上はスケーティングで滑り降りて行く。除雪終点まで戻ると、そこには私の車を含め3台のスキーヤーの車が停まっていた。それと、先に滑り降りて行った方のだろう轍が一台分、駐車スペースに残されていた。


 いやはや楽しいスキーとなった。やはり紹介誌に出る場所は、それ相応に楽しめる場所であるのだと体感する。守門岳を残した事で、また行けるかと思うとワクワクする。次回は、もう少し天気を気にして出向こうか。山をなめて入った訳ではないが、今回も人間のちっぽけさをガスの中で体感したのであった。

chizu1.jpg

chizu2.jpg

chizu3.jpg 

   

                                         戻る