星穴岳 1073m
2011.9.19(月)
晴れ 単独 星穴新道から星穴岳を経て中之岳神社に抜ける。 行動時間6H22M
(中之岳神社と国民宿舎間は自転車で移動)
@国民宿舎前ゲート6:18→(17M)→A星穴沢橋6:35→(82M)→BP2コップ状岩壁7:57〜8:26→(43M)→C星穴岳直下分岐9:09→(15M)→D星穴岳9:24〜10:05→(45M)→E西岳10:50〜57→(12M)→F一般道に乗る11:09→(30M)→G中之岳神社11:39→(1M)→H中之岳神社駐車場11:40〜44→(56M)→I国民宿舎妙義前12:40
@国民宿舎前。ゲートは開いていると思ったのだが、閉じていた。過去の台風の影響らしい。 | A星穴沢橋。馬頭観音に首を下げ、女学生の慰霊碑に手を合わせる。 | この時期はかなりモシャモシャ。女坂の分岐道標まで進んでしまうと少し進みすぎ。 | 取り付き点を見過ごしてしまい、適当に斜面を駆け上がり尾根の乗る。 |
星穴新道に入り、最初の構造物。金属の丸棒が打たれている。 | ここからスイッチを入れる。すぐに本気モードにならないと・・・。 | 黄色ペンキから7mほど右にずれると最初の鎖場。 | 2番目の鎖場が、這い上がるのに苦しい。要腕力。 |
トラバース気味に3つ目の鎖場。この先の通過箇所もやや厳しい場所が続く。 | ここで進路が無くなるのだが、行き過ぎで、6mほど戻ると、北側に道標がある。 | この道標を見つけて、北側を巻いて進むと、コップ状岩壁に出る。 | Bコップ状岩壁だが、木々が生い茂り全容が見えない。 |
B星穴新道の正規ルートは千切れた鎖の場所。そこより9mほど尾根を登るとテラスあり。 |
Bテラスの西側には雨よけも出来そうなハングした岩もある。 | Bテラスの東側に支点を取れる場所がある。 | B今日はまじめに岩装備。肩がらみでもいいが、振り子トラバースする場合は、これら道具を使ったほうが無難。 |
B核心部に入り。少し東側に降って行く。足場が濡れていて滑るので、要注意。 | B滑る岩壁。古いザイルが渡してある。 | B越えてきたコップ状岩壁。 | コップ状岩壁を過ぎたら、すぐに急下降。上側に惑わしの鎖があるが、垂らす為の基点であり、下に進む。(少し降りてから撮影) |
急下降の先、降りて行く道。 | P3の鎖場 | P3への痩せ尾根。鎖も流してある。 | 壁に当たったら左に降りる。 |
ザイルを垂らしたいが、残置された鎖を掴む。垂直落下なので、本来はザイル下降がいい場所。 | ここも厳しい場所。コンパスの広さを要求される。足の短い人は、靴を壁にグリップさせないとならないか。(通過してから振り返る) | 鎖に掴まりながら横移動。靴を凹凸に引っ掛けながら進んで行く。 | 登って来た下側。鎖場の連続。朽ちた鎖ばかりなので、グローブは必携。 |
C星穴岳直下の古い道標。 | P5でいいのか、360度の展望場。 | すぐ東側に星穴岳最高所がある。 | 道標のある分岐点に戻り、壁の際を行く。 |
足場の悪い岩壁のトラバース。 | 星穴への基点直下。ここを登らずとも東にずれて行くと、登り易い場所がある。 |
D星穴岳。 | D果敢に岩壁に取り付く。 |
D最高所の木にKUMOが縛られていた。 | D星穴岳から裏妙義。 | D星穴岳から西岳側。 | D星穴岳の支点。 |
星穴岳下降中。 | 星穴岳DEヤキソバパン | 星穴へ降りる基点が痩せ尾根に打たれている。 | 星穴岳から西岳に向かうのだが、最初は南側の通過が多い。道があやふやになる場所にはKUMOも見られた。(下から撮影) |
タイガーロープが流してある場所もある。 | 星穴岳東側にある岩屋。人一人分。 | 途中から星穴岳を振り返る。 | 足場のあまり良くないトラバース。 |
夏の日差しのぶり返し、木陰が涼やか。 | 鋭利な岩壁に当たったら左に。 | 倒木のある場所を越すと、岩壁を巻き込むようなルートになる。足場は濡れていて滑りやすい。(通過後に振り返る) | 岩壁を右にしてひたすら進む。 |
E西岳山頂。 | E西岳から金洞山側。 | E西岳から星穴岳。 | E西岳から裏妙義。紅葉も始まりだしている。 |
Eなぜか西岳には大型の蝶が多かった。 | 西岳の東側も垂直降下が待っている。 | 痩せ尾根に補助ロープのある場所も。 | 途中で北側にずれて岩壁を下る。下ったら再び南にルートを修正。 |
F一般道に合流。 | F入るな! | 中之岳神社奥社。 | G中之岳神社は、相変わらずの人出。 |
Hデポしておいた自転車でダウンヒル。 | I国民宿舎前まで戻る。 |
遡る事7年前の2004年、石川の雄である山中山の会のI氏に同行いただいて星穴岳に登頂した。おんぶに抱っこの山行な訳だったのだが、我が力量以上の場所に挑めた事に当時は嬉しかった。星穴岳。この魅力的なネーミングに誰もが惹かれるが、その誰もが登れる場所ではない。1970年2月に起こった女学生2名の不慮の事故により、ルートが閉ざされてしまった場所。その後ルートの管理はされず、好事家のみが入る場所となった。その結果、敷設された鎖はサビ、痩せ細り、時に千切れ・・・。岩屋装備をしないと入れない場所となってしまった。
上信越道を走りながら裏妙義の谷の先を高く望むと、黒い岩壁に宝石が埋め込まれているかのような白い穴が見える。この一つが星穴であり、山名の由来ともなる。一度はその星穴も降りてみたいが、今回は単独。星穴に降りるためのザイル量を一人で持つほど元気はなく、前回同様に星穴新道で星穴岳に上がり、そのまま中之岳神社に降りるコース取りとした。入山口と下山口を結ぶには自転車を利用。中之岳神社からはほとんど下り勾配で裏妙義に行く事が出来る。反対コースだったら、到底無理だが・・・。
コース取りは良いとして、やはりP2のコップ状岩壁の通過が大きくのしかかる。ここの通過が一番のネック。通過には、ソロの場合は「振り子トラバース」をするしかない。まあこれも、実際に出来るかできないかは現地で判断するしかないと思っていた。ダメだったら戻れば・・・。勇気の無い撤退ともなるし、技量の足らない撤退でもあり・・・。その裏では、ちょっとだけ通過できる自信もあった。だてに毎週登山を続けているわけでなく、要するに継続は力となって、技量にもなっている(少しだけ)。きちんと装備さえすれば、行けると踏んだ。あとは、最悪の場合の「落ちる」事も考える(オイオイ)。
麓のセブンイレブンでヤキソバパンを仕入れ、本気モードの山の時も遊び心を欠かさない。道の駅の前を通り、中之岳神社に上がって行く。ワインディングでは、いつもながら早朝の走り屋が爆音を上げている。しかし、中之岳神社の駐車場は封鎖されている。よってそれらの騒音源が溜まるような場所はなくなり、幾分か状況はいい。大駐車場のゲート前に車を停めて自転車をデポ。急いで裏妙義に降りて行く。妙義インターの方へ進み、途中にある裏妙義の道標に導かれ妙義湖の方へ進んで行く。その妙義湖では、早朝からの釣客の姿がある。のんびりまったりとした敬老の日なのであった。国民宿舎前の分岐点で、ハッと・・・。なんとゲートが閉じていた。星穴橋まではここから1.2キロほどであるから、別段問題はないのだが、思っている状況と現地が違うと少し戸惑う場合がある。国民宿舎の駐車場を借りても良かったが、僅かにある路肩スペースに寄せて駐車。装備を確認して出発となる。
ゲートの先は、河川側と山手側の両方で治山工事がされているようであり、一帯にキャタピラーの跡が残っていた。まずは谷急山への登山口を右に見る。そして林道が封鎖されている原因となっている場所が現れてくる。幅2mほどだが、道幅が2/3ほどになって崩落している場所があった。水によって削られたようだが、復旧には当分掛かるだろう。そしてしばらくすると星穴沢橋に到着。まずは馬頭観音様に挨拶し、次ぎに遭難碑に手を合わせる。その東側にお地蔵さんもあり、「気をつけろよ」と言っているような表情をしていた。「行ってきます」と深く頭を垂れる。
沢に沿って入山し、すぐに渡渉して対岸の林道のような道幅の中を進んで行く。まだ秋に入りかけ、夏草がたくさん足に纏わり着く。確か右側斜面に九十九折の入口があったはず。気にはなっていたのだがボーッとしていて、その先の「女坂」の道標分岐でさえも左に進んでしまった。普通に渡渉して、普通に尾根を登り始めていた。蜘蛛の巣が蔓延るのを手で避けながら登って行くのだが、右手を見ると尾根筋が上がっており、すぐにルートを外している事に気がついた。かなりボーッとしていたようだ。急いで駆け下り、再び渡渉して「女坂」と書かれた道標分岐の場所まで戻る。7分ほどのロスタイムだった。そこから取り付きの場所を探すのも面倒になり、適当に西側の斜面を駆け上がる。ここはとても緩い土の場所で、靴の中に・・・。しっかりルートに乗って進んだ方が無難と言う事になる。尾根に乗り、懐かしきかな星穴新道に乗る。7年ぶりであるが、その時のままの出迎えようであった。こちらも蜘蛛の巣が多い。廃道であり、好事家の足跡のみがここを存在させている。細いルートが尾根上を先に進む。少しアップダウンが出てくると、そろそろハイキング気分から、少し登山の気分に切り替える。
昔に敷設した鉄の杭が現れると、とうとう星穴新道に入った気分にもなった。そこから右(西)を巻くように進むと、その先湿り気の多い黒い谷となる。やや進路が判り辛いが、その谷に沿って這い上がってゆく。上の方に行くと朽ちたマーキングも見られルートが合っていることが確認できる場所。前回はここでI氏から夏みかんを戴いた場所。不思議と昨日の事のように思い出される。登り上げた場所がコルになっていて真北を向く形で尾根に乗った。ここから東に尾根を進むと、すぐに壁に当たり、そこには黄色いペンキで「星穴→」と書かれている。前回は下に書かれた「岳」も読めたのだが、7年の歳月は見づらくしていた。
さてここでスイッチを入れ本気モードにせねばならない。黄ペンキから7mほど右(南)にズレルと、右斜め上に鎖が登っている。前回はこれが目に入らず、その先をズンズンと進んでしまって迷った場所。すぐに鎖に取り付き這い上がる。するとすぐに次の鎖場。体を持ち上げ難い岩場もあり、ここで無理だと思ったら、この先に進まない方がいいだろう。3つ目の鎖場も、適当な足の置き場がなく、攀じり上がる恰好であった。這い上がって進むと、岩壁となり進路がなくなる。間違った方が多いのだろう、薄っすらと岩壁に沿うように踏み跡が南に進んでいた。ここは6m〜7mほどルートを戻ると、判読は出来ない無記名になった白ペンキの道標が北側に付いている。この指す方に従い山腹を北側に巻いて進む。あまり明瞭なトラバースではなくなっている。するとその先が、P2のコップ状岩壁となる。
さあコップ状岩壁。しかし対岸のトラバース終了点は見えるものの、樹木や草で経路の壁が良く見えない。千切れたチェーンは、最初の一本しか目に入らないほどであった。ここで思ったのだが、葉が落ちた時期に入る場所なんだと思えた。岩壁は濡れていた。単独での千切れた鎖を拾ってのトラバースは到底無理。突っ込んだらそのまま落ちるだろう。ここで痩せ尾根をP2に向けて這い上がって行く。先ほどの場所とは高度差8〜9mほどか、上にハングした目立つ岩があり、その東側にテラスがあった。さらにその脇には支点の捨て縄とカラビナがあり、ここが振り子トラバースに支点と判断できた。下を覗きこむと、先ほど下で見たのとは別のコップ状岩壁が見え、そこでのライン取りが見えてきた。と言うのも、ここから朽ちたロープが対岸側へ渡されており、その弧を描く様子が、そのまま進路に見えたからだった。ハーネスを着けエイト環で懸垂下降に入る。スルッと降りだすのだが、なにかあっても戻れるように、降りながらも這い上がれる場所は探しておく。15mほど下ると、やや安定した地形があり、そこからピョンピョンと左(東)側にずれて行く。途中がとても濡れており、ザイルに繋がったまま通過するのだが、万が一を思い流してあるロープにもスリングをひと回しして体に固定した。このロープ、途中に飛んだボルトがぶる下がっている。その昔はもう少し壁に寄り添って流されていたようだ。コップ状岩壁の2/3ほど進んだ辺りでザイルを回収。潅木を掴みながら斜面を駆け上がる。対岸側の尾根に通過してきた壁を振り返る。見た目は厳しそうに見えたが、そう難しい通過点でなかった。一応これで最大の危険地帯は通過したことになる。と言っても危険箇所は続くので気は抜けないのだが・・・。
コップ状岩壁を越えたら、その先に上の方から鎖が垂れている。ここは上に進むような踏み跡があるのだが、鎖を垂らす為の支点になる岩壁があるために上から垂れている。進路は下側。垂直に降り、岩壁に沿うように緩く下って行く。今度はP3の通過点。こちらも鎖場が続く。岩場に付けられた鎖場の次は、痩せ尾根のブッシュの中の鎖を掴みながら這い上がる。振り返るとなかなかの高度感。妙義に居る雰囲気100パーセント。そして上で壁に進路を塞がれる。そこから左を見ると垂直に鎖が伸びている。それに沿うように朽ちたザイルもある。安全通過にはザイルを出したい急下降なのだが、残置されたそれらに体を預ける。降りきり少し水平に進むと、壁に打たれた丸棒を足場にして進む場所となる。手前の丸棒から次の丸棒までが距離が長く、かなり気合を入れて、そして勇気を出して足を出してゆく。壁を巻くようにして鎖場をどんどんクリアーしてゆく。足場は自然石の出っ張りのみ。鎖に掴まりバランスをとりながらの通過となった。
一連の壁をクリアーすると小さなコルがあるのだが、谷からの吹き上げの風が気持ちいい。再び壁を右にして進んで行く。最後は鎖に掴まり這い上がると、星穴岳直下の古い道標のある分岐点となった。まずは西に進んで岩峰に上がり大展望を楽しむ。星穴岳の最高点は樹木が茂る場所であり、展望を楽しむなら西側の岩峰がベスト。カメラを構えながら30度ぐらいづつを回転しながらパノラマにして行く。やや暑い日であったが風もある。気持ちいい限り。そして分岐まで戻り、最後の登り上げ。鎖が欲しいような岩場を通過し、その先が星穴へ下降する為のシュリンゲが巻かれた岩に突き上げる場所。潅木に足を引っ掛けて前回は登ったが、周囲の木々が綺麗に剥げ落ち手がかりの少ないルートになってしまっていた。西側の溝に握りこぶしを入れてはみたが、溝の脇の岩が動いた。無理をすれば登るのだが、容易には足を上げられる次の一歩が見出せなかった。ここはそのまま棚を西に進むと、問題なく尾根に乗り上げた。先ほどの場所で喘がなくていいのだった。
星穴岳の星穴の上に立つ。懐かしい場所であり感慨無量。事故なくここまで来たのは、あの星穴沢のお地蔵さんを拝んできたせいか・・・。そして最後の岩場を攀じり出す。前回はI氏に引っ張り上げてもらった場所を、今日は自分で・・・。上まで上がると、立木に朽ちたkumoが縛られていた。ほとんど同化していて、判る人が見ないとkumoと判らないものとなっていた。西端に進み、浅間側を楽しみ。東に戻り西岳側を楽しむ。そして懸垂下降して下に降りる。妙義の紅葉ラインを爆走するエキゾーストノイズがひっきりなしに響く。遠く奥秩父の山々が静かに並んでいる。間違いなく西上州の景色。大休止をを入れ西岳の方へ進む。この時、かなり厳しい腰痛状態になっていた。どうも、P2通過でザイルを回収するときの綱引き状態が、腰に負担を与えたらしい。柔な膝に柔な腰を持つと、いろんな場面で面倒なのだった。電気が走るような状況。今度は根性の登行となる。
ルートは尾根に対して南側にある。南を常に気にしていると見出せる。ただし、進んですぐに3mほど下がった場所に道が続く場所があり、そこには目印にkumoが縛られていた。タイガーロープが流された場所は、かなり足場が心許ない。そこを過ぎると星穴岳の東側に出て、岩壁の基部に岩穴がある。穴は人一人分の大きさ。かなり居心地のいい場所で落ち着く場所でもあった。この基部から少し進み、振り返ると星穴岳の岩峰が大きく聳える。この先も南寄り通行。色褪せたタイガーロープの流してある場所は、一本ボルトが抜けてしまっている。あまり頼らずに通過したい。この岩場のトラバースを終えると北側に巻き上げるように進む。乗り上げた場所には、青いストックがぶら下がっている。確かこれは7年前もあったのを記憶している。乗り上げた場所から5分ほど東に進むと、目の前に鋭利な岸壁が現れる。ここは左(北)側に降りて行くのだが、少し戻るように降りる踏み跡で、ややルートファインディング力が必要。降りた先で倒木の絡んだ岩壁となるが、その倒木の上の岩棚を進む。ここは濡れていてとても滑りやすい場所。慎重に足を運び右手に岩壁を置きながら巻いて進む。この先も少し道が不鮮明。よくよく広い視野で進みたい。千切れ落ちたkumoも見られたり、氏も注意箇所としたらしい。この先も右手に岩壁を置きながら這い上がってゆく。谷の中央辺りを前回は登ったのだが、今回のルートの方が容易だった。
西岳到着。なぜか山頂でアゲハチョウが無数に待っていてくれた。その中にカラスアゲハも入り、それが目だって極彩色に見えていた。この山頂も360度の展望。お腹一杯になるほどに展望を楽しむ。金洞山の方から人の声も聞こえだしてきた。もうすぐ一般道。この山頂からは南側に道形が下りているが、登ってきた延長線上にそのまま東に降りて行くのが正解。岩壁をザイルに掴まり急下降をしたら、その先で高位置のロープに捕まりながら痩せた岩尾根を渡る。この先、一見通ってきた延長上で南寄りを行きたいのだが、北に15mほどズレて行くと、岩壁に青い細引きが掛かり、その下にタイガーロープが下がっていた。ここを下ると5分ほどで一般道との出合。進入禁止のテープを跨ぎ、そこでハーネス類を外す。無事生還って感じ。
中之岳神社に向けて登山道を下って行く。石門からのルートが合わさると、観光客の姿があった。それらの綺麗な身支度の中を、枝葉や岩場で薄汚れた私が降りて行く。奥社まで戻ると、さらに多くの観光客がいた。急な階段を降り、御神水で喉を潤す。ザクザクと玉砂利を踏みながら駐車場に向かう。ちょっとドキドキしていたのだが、デポした自転車には鍵がかけていなかった。在るのか無いのか・・・覗き込むように置き場を伺うと、朝のまま在った。良かった。すぐに跨り紅葉ラインをダウンヒル。気持ちいいことこの上なく。自転車で車を追い越せる事など、こんな時しかない。車体を倒しながらコーナーを楽しむ。爽快。駐車場入口から東雲館の方へショートカットし、鳥居の前から妙義インターの方へ下る。そして裏妙義の道標に導かれアップダウンに喘いで進む。日頃自転車に乗らないので、たまにの自転車はひどく堪える。工事関係者の車も行き交い。それにより月曜日なんだと再確認。そして妙義湖への分岐まで来ると、あと残り2.3キロ。最初は湖面を見ながら、後半は中木川の清らかな流れを見ながら。暑い日であり、水浴びをしている家族連れ、若者の姿があった。今日の暑さなら・・・そこに混ざろうか、などとも思えていた。最後はギヤを一番軽くして歩くようなスピードで漕いでいた。けっこう自転車も大変。国民宿舎前に到着した。
振り返る。ハードルが高かった星穴新道だが、今回2回目の通過でかなり状況が熟知できた。しかし2回出向いてはいるが、まだ星穴に降りていない。どなたかザイルパートナーでもいれば・・・。と言うか、ザイルをもう一本持つ元気があればいいだけなのだが、40m2本は流石に・・・。でもいつか星穴の下に立たねば。
地図は2003年登行時の物を一部流用
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