神成山  320.9m            


 2011.3.12(土)   


  快晴     単独       宇芸神社から          行動時間43M


@宇芸神社8:39→(2M)→A奥社8:41→(5M)→B分岐8:46→(4M)→C神成山8:50〜54→(7M)→D300m峰9:01〜3→(6M)→E神成山再び9:09→(13M)→F宇芸神社9:22


ugejinjya.jpg  okusyakara.jpg  tozandou.jpg  tiger.jpg 
@宇芸神社の参道を登る A奥社前から東へ進む。 稜線へ向かう道 途中のタイガーロープ
bunki.jpg kurenhou.jpg  sankakutenhou.jpg  sankakuten.jpg 
B稜線分岐点。 B「日本一きれいなハイキングコース」 C神成山三角点峰 C無残にも割られた三角点。等級も見えず。
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C登頂記帳箱と祠。 C山頂から東南東。 C南南西側。崖の上には防護柵あり。 C西側。
nishimine.jpg  nishiminekara.jpg  hutatabi.jpg  cyoukoku.jpg 
D300m峰。 D300m峰から見る三角点峰。 E三角点峰再び F奥社に戻る。
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参道の階段を下り。 この舞台は天井絵が綺麗。 G下山


  

 凄い事になった。こんな言葉一つで纏めてしまうのは失礼極まりないのだが、前日に起こった宮城沖を震源とする大地震は、東日本の太平洋岸側を壊滅状態にしてしまった。何が現実で何がバーチャルか判らなくなってきている。一瞬目を閉じたら、目を開けると元に戻っているのではないかと、そんな事を本当に思ったりもしてしまう。これが天災であり、自然の力・・・なのか・・・。

 

 こんな時に、「遊び」に行くのは不謹慎極まりないのだが、このような天災を見ていると、我が人生だって明日は判らない。後ろ髪を引かれる思いではあるが、「我が道を行こう」と言う判断にもなった。ただし、これだけの災害を目の当たりにし、そんなに意欲があるわけでなし・・・。惰性と言うか、習慣というか・・・。

 

 目指す場所は神成山とした。ここは「富岡アルプス」とも呼ばれている場所。以前に、天神山から茶臼山に至る安中市の里山丘陵を、「安中アルプス」と言った重鎮氏がだいぶ外野から突かれていたようだが、今回の丘陵は大丈夫なのか・・・。通常は縦走が順当らしいが、遊びの部分にあまり時間をかけているのは気が引ける。完全なるピークハントに徹し、最短コースで挑む。私はあまりピークハントと言う言葉を好まず使わないのだが、毎週末の行動は紛れもなくそれでしかない。好まないと言うのは、「ピークだけでなく経路も楽しんでるんですよ」と言いたいだけなのだが・・・。

 

 入山口は、三角点峰の直下にある宇芸神社からとした。やや狭い村落内の道を伝って行くと、その宇芸神社前に到着。神社内には「駐車禁止」の文字が見える。村落内の道路は、その狭さから路上駐車は気がひける。さてどうしよう。自分の存在が、周囲から見られているような・・・そんな村落内の様子であった。注意看板があるものの、社務所前のスペースに停めさせてもらう。立派なトイレも設置してあり、立派な神社の様子。サッと長靴を履いて準備となる。

 

ルートが判らぬまま参道の階段を登って行く。最初に神楽がされるであろう舞台が右に見える。上を見上げると、綺麗な天上絵が施されていた。その一枚一枚に目を奪われる。さらに登ると奥社になり、その一番奥の社殿にはすばらしい彫刻がされている。またここでも立ち止まり見入る事になった。“さてこの先はどう進めば”と思いつつ周囲を見ると、東側に続く道を見つける。特に道標は無いが、ここから先はこの道しかない。伝って行くと石造が建つ場所に出る。ここから北に巻き上げるような道があり、僅かに進むと予想外にもタイガーロープの場所となる。“あれっ、少し面白いかも”なんて思ってしまう。しかし本当に優しい配慮の意味合いで、そう危険箇所ではなかった。すぐに稜線に上がり、そこが分岐点。ここで初めて「神成山」の表示が出てくる。行政とは違う私的な綺麗な標識も見られる。そこには「九連峰」と見える。この丘陵は九つの峰で形成されている様子。分岐点から西に進路を変える。霜柱が融けた感じで、足元があまり良くない。ただし、とても綺麗に整備され、歩いていて気持ちいい。それには安心して歩けると言う部分がある。道幅も適当であり、勾配も緩やか。これこそ里山って感じ。

 
最短コースを狙ったので経路は僅か、すぐに山頂部に到達した。20畳ほどあろうかと言う明るい山頂部。その中央に「御嶽大神」と彫られた石碑がある。登頂記帳用のボックスも設置され、エッジのシャープな祠も見える。展望は240度くらいか。北側が塞がれるが、他の方面はそこそこいい。田んぼの時期ではないので冬色の休耕中の農村風景が眼下に広がる。いい感じ、これぞ里山。公の神成山はここでいいようであるが、山頂北側にある道標には、西側にある峰を指して神成山としている。どう思えばいいのか、とりあえず行ってみることにした。北西に進むようにして、途中から南西に進路を変えて尾根を捉える。この辺りも快適なハイキング道。不思議なくらいの気持ちよさ。今日は端折った登行だが、次は縦走したい。そう思える場所であった。

 

ひとつ西側のピークに立つ。しかし道標も何もない。地形図を見て確認しているので、先ほどの峰よりはこちらは低いはず。そう思って三角点峰を見ると、見上げるような位置関係。“なんだったんだろう、あの標識”。と言う事は、その先(西)の325高点で神成山としているのか。確かにこの山塊で一番高い場所。次回のお楽しみで往路を戻り、途中から巻き道を逸れて直登コースを辿る。里山なので色んな所に踏み跡は多い。その戻る途中、眼下に上信電鉄の「999号」の青い車体が通り過ぎる。999号は数少ない運行であり、これが見られ運がいいとも言える。

 再び三角点峰に戻り、再度小休止。本日2度目だが、やっぱり居心地がいい。冬晴れの日であり、もっと言えば春の陽気。長居したいような場所だった。ただし世の中の状況が状況だけに、サッと下山に入る。駆け下りるようにして宇芸神社の奥社に戻る。するとそこに参拝に来た若い女性が居られた。御互いにビックリしつつ、軽く朝の挨拶。それでもこんな場所での静かな挨拶は、心洗われる感じ。変なところから急に飛び出たので、驚いたろう。そして変な人に思われなかったかと自問自答。階段を下に降りて行くと、境内で3人の子供が遊んでいた。まるで昭和にタイムスリップしたかのような風景。田舎さが嬉しいとはこの事かも。

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