位山   1529m        川上岳   1625.9m
                        

 2011.11.3(木)   


  曇り       同行者あり         ダナ平林道終点より         行動時間:6H26M


@ダナ平林道終点登山口6:28 →(34M)→A天の岩戸分岐7:02→(12M)→B位山7:14〜15→(76)→C三角点峰8:31→(73M)→D川上岳9:44〜56→(137M)→E位山帰り12:13〜26→(28M)→F登山口12:54


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@ダナ平林道終点登山口 @トイレの水は出るが、御神水は枯れていた。モンデウススキー場の分水嶺の水を汲んできたほうが良い。 巨石群を縫うように 各石へのネーミングを楽しみながら・・・。
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A天の岩戸でモンデウスからのルートと合流。 やや湿った登山道は丸太が並べられ、滑りやすい。 山頂園地の案内図 B位山
ookinahyoushiki.jpg  santouten.jpg kaoredakehenobunki.jpg  skyline.jpg 
B大きな標識・標柱 B三等点 川上岳への分岐 スカイライン
2.jpg  yamazumi.jpg  sankakutenhou.jpg  santouten2.jpg 
やっと2キロ。ここまでかなり長く感じた。 リンゴの原種であるヤマズミ。食べると酸味が強く、そのままリンゴ。果実酒にいい。 C三角点峰 C三等点
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彼らの生息域。出会えるかも・・・。 2キロ地点からこの4キロ地点は近かったような・・・。 6キロ地点。残り1.4キロ。 D川上岳到着。最高の展望ピーク。
ixtutou.jpg  hakusangawa.jpg  yakisoba.jpg  hakusangawa2.jpg 
D一等点 D白山側 Dお約束。今日はローソンの・・・。セブンと詰め方が違うよう。 D白山側アップ
toire.jpg sankakutenhoukaeri.jpg  kyukei.jpg  kyuukeichikara.jpg 
山頂北側に原野トイレあり。大キジは持ち帰りだろうが、小キジはここで垂れ流し? 三角点峰帰り E位山に戻ると、ハイカーで賑やかに。 E位山展望地から白山側。
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巨石群ルートの展望地 F駐車場に戻る。 F駐車場には四等点あり。



 名残惜しいように残してあったのだが、これで加越・濃飛の300名山の19座を踏み終える。いつでも行けると思っていたり、優しい場所であり、あまり登行意欲が沸かなかった場所でもある。ただし2座を抱き合わせるとそこそこの距離があり、歩き甲斐はあるようには思えていた。訳あって月曜からこの日まで食事をしていなかった。普通なら食べてから元気を付けて動く・・・となるが、食うがために動くのだった。歩けるのか・・・体の悲鳴なのか酷く発熱もあった。食わないから体温なんて低いままで良いと思ったが、体のエラーサインなのだろう。でも行く。半ば修験者の気分。

 
 1時20分出発。いつものように松本から平湯に抜けて、その先は久しぶりに高山に降りて行く。何年ぶりの高山だろうか。新聞配達のバイクにすれ違いながら街中を通過して行く。なぜだろう、高山にセブンイレブンがない。探し回ったがない。たまたまなのか・・・。しょうがないのでローソンでヤキソバパンを仕入れる。そしてモンデウススキー場に到着。位山だけみれば、ここから登るのが最適。ただし川上岳までとなると、巨石群遊歩道があるダナ平林道終点地からアプローチしたほうが良い。ここでは暗闇の中、ハイカーが食事を摂っている姿もあった。ダナ平林道の方へズレて行くと、その途中に「分水嶺の水」と称して湧水が出ていた。暗いので素通りしてしまいそうだが、これは気づいてよかった。地図では、林道終点地に水が出ているとされていたが、実際は枯れていたのだった。ここでしっかり水を汲んでから、林道に入って行った。舗装とダート混じりの道。通行量も多いようで、走りやすい林道であった。ただし狭い。帰りの事を考えて、すれ違い余地を確認しながらアクセルを踏んでいた。

 
 林道終点地(6:15)。予想よりは狭かったが、十分な駐車スペース。それより特異なオブジェがあり、それに目が釘付けになる。何かを祀ってあるようだが、その全ての表現が特異であった。トイレは一段下がった場所にあり、見えない場所にある。これが良いのか悪いのかは判らない。そして湧水を見るも枯れていた。途中で汲んできて良かった事となった。終点地の西側には四等点も埋められ、国土地理院の標柱が白く目立っていた。すぐに準備をして歩き出す。

 
 よく整備された道を、大岩に付けられた名前を拾うように縫って進む。その名前と岩の形状を照らし合わせながら楽しんで行く。「ナイスネーミング」「えっ、これは・・・」なんて自分の中でチャチャを入れていた。非常に体が熱く、本当に大丈夫だろうかと半信半疑。この状態で歩くとどうになるのかも見物であった。そして11個目の奇岩が「天の岩戸」であった。ここはモンデウスからの道との合流点。岩の周囲に真新しい白いロープが張られ、それにより特別な場所と言う感じが強くしていた。この先は少し泥濘地形なのか、ルート上は丸太を踏んでゆく。よく水を吸っていて滑る。スケート場を歩くような神経の使い方で足を出してゆく。すると目の前に山頂園地の案内図が出てきた。それを見ながら右回りで進んで行く。広い展望休憩地を通過すると、次ぎに川上岳への分岐、さらに進むと位山山頂となった。

 
 位山の山頂からは展望が無く、各種の標識が林立していた。休む事無く踵を返し先ほどの分岐から川上岳の方へ進んで行く。一級の道。歩き易い道幅がありそこにゆっくりと足を乗せてゆく。ふと気づくと発熱感が消えて、いつもどおりの山歩きになっている。いつもの事だが一番の、そして万病の治療薬のようだ。大きく下り、笹原の中に切られた九十九折を進む。当然目は目的地となる川上岳を探している。どの高みが川上岳なのか、遠くを見やる。いくつものアップダウンを順番にこなすと、最初の標識が現れる。そこで目を疑ったが、まだ位山から2キロしか歩いてきていないようであった。残りはここまでの約3倍。少し後ろ向きな考えも出てきたりしていた。


 進んで行くと、登山道の上に無数の赤い実が落ちていた。見慣れた実であり、すぐにそれがヤマズミの実と判る。これはリンゴの原種でもあり食べられる物。季節を感じる為にも齧ってみる。納得の酸味が口の中に広がる。決して美味しくはないが、不味くはない。山の恵に僅かに元気を貰ってさらに足を進める。緩やかなアップダウンの繰り返し、麓からは生活もしくは作業の音が聞こえてきていた。そしてやっと目の前に三角点が現れた。ルート上の中間地点と思っていた場所であり、なかなか現れないので、今か今かと待っていた場所であった。じつは今日は不躾ながら地図を持って居なかった。よって現地のこれらが場所の把握に多いに役立つ。この三角点峰の南には、大きな熊の糞もあった。居る事が判り、ちょっと嬉しかったりする。遭うのが嫌な人が多い中、私はなかなか逢えないので逢いたいのだった。


 4キロの標識の場所で、位山からちょうど100分経過。この体調にして良いペースと思えた。残り3.4キロと表示がある。この先で宮大イチイへの分岐点があり、ここには残り2キロと表示されていた。先ほどとの間は1.4キロだが、何か違っているような体感であった。そして位山から6キロ地点。ここで残り1.4キロ。もう僅かと思って少し足早に進む。進めるような緩やかな地形でもあった。山頂をもう僅かにして、右側に降りて行く道があった。タイガーロープもあり、なんだろうと見ていた。


 川上岳到着。すばらしきかな360度の展望。障害物が何もなく風があれば辛い場所であるが、この日はそれもなく居心地は良い。白山側も三ノ峰から連なる様子が、見たことのないシルエットであり新鮮であった。誰か訪れていると思ったが、歩いてくる気配も無く、静かな山頂を満喫させてもらう。ただしじっとしているとやはり寒い。折角長い距離を歩いてきたのだが、12分ほどの滞在で往路を戻って行く。そして山頂手前のわき道に入る。その先はブルーシートに覆われたトイレがあった。トイレと言っても、そのような場所が設けているだけであって、処理は各自。人気の場所であり、このような施設も必要なのだろう。案内表示をしていないのは、暗黙の場所って事だろうか。


 復路は一度歩いている場所であり、全ての経路が頭に入っているので楽であった。幾人かはすれ違うのかと思っていたが、位山から2キロ地点を過ぎて九十九折を下って行く時にご夫妻が登ってこられた。旦那さんらしき方から「あとどのくらい掛かりますか?」と予想通り聞かれる。「時間は判りませんが、残り距離はここまでの4.5倍から5倍ほどありますよ」と言うと、奥方らしき方から、「もう私、ここまででいいわ」と・・・。確かにちょっと行くには構える距離。ちょっとハッと思ったのは、道を譲ってあげたら、「前をごめんなさい」と言って通過していた。品の良い方なのであった。これだけ歩くとそれ相応に疲れも足にきていたが、それでもガツガツと地面を蹴っていた。


 位山到着。賑やかに集うパーティーが居り、これぞいつもの位山なのだろう。ベンチに腰をおろし、脇でカップラーメンを啜る人の匂いを嗅ぎながら休憩する。その匂いに少し食欲が出てきた。良い傾向。ビールを煽っているパーティーに、飲みたいとも思えるようになった。少し、いやだいぶ体調回復。大休止のあと、巨石群コースへ降りて行く。このコース。岩を楽しむには登りが良いと思えた。上から見下ろす感じだと、そのほとんどで迫力に欠けるのだった。下に駐車場が見えたところで、脇に特異な太陽御神殿があるのだが、若い女性が、靴を脱ぎお百度参りのような感じで礼拝を繰り返していた。どんな信教なのだろうか、その様子が不思議でならなかった。


 林道終点地に戻り山行を終える。駐車場には車が7台。上に居たパーティーの数は、確認できただけで6パーティー。よって、ほとんどの人がこの最短ルートを伝って上がった事になる。位山だけならモンデウスからでも良いと思うが、手短に山頂を・・・と言うのがここなのだろうか。林道を戻りモンデウスの登山口に行くと、そこには2台のみ。私の雑感は当たらずも遠からずなのだろう。


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