笠山 1553m 大頭山 1093.6m
2011.1.29(土)
晴れ 単独 大久保茶屋西より 行動時間3H45M
@美笠湖側ペンション入口7:06→(30M)→A林道横断7:36→(77M)→B笠山8:53〜9:01→(35M)→Cバードラインに出る9:36→(13M)→D大久保バス停9:49→(31M)→E大頭山10:20〜23→(28M)→Fペンション入口三度10:51
@ペンション入口の道向かいにこの表示があり、遊歩道が奥に続く。 | A途中で地形図に書かれている林道を横切る。クロカントレールが残る。 | A林道に出た場所には、この札が下がる。 | 1360m付近。雑木の斜面。だんだんと勾配が増してくる。 |
1400m付近。大岩がゴロゴロとしており、それらを縫うように進む。 | 山頂大地の西側直下には、大きな「虫よう」が見られる。 | もうすぐ山頂大地。 | 山頂大地の西側。開けていて気持ちがいい。 |
B笠山到着 | B笠山唯一の標識。シンプル イズ ベスト。 | B今日は TOUR FREERIDE OFF LIMITS(ハーガン) |
B笠山から飯綱山 |
B山頂から西側。 | 1270m付近の植林帯の中の滑走(振り返る) | やや密生した場所もあるが、周囲を探すと滑り易い空間が見出せる。 | 林道から下ると、この碑があった。雪を詰めて判読。この地に在った、芋井分校のもののよう。 |
1180m付近の快適斜面(振り返る)。 | 1150m付近。まだまだ楽しい斜面が続く。 | Cバードラインに出る。 | D大久保茶屋前の大久保バス停裏から林道に入る。 |
林道の最初。正面のこんもりした雪山には、かまぼこ型の扉の付いた施設がある。 | 途中で林道を離れ大頭山を目指す。 | E大頭山山頂。ダラットした山頂で、あまり登頂感がない。 | E大頭山から見る飯綱山。 |
E大頭山の西側。 | E山頂の北側には絶縁テープの巻かれた木もある。 | F大久保茶屋西側のペンション入口に戻る。 | Fペンション入口からはバードラインに沿うように遊歩道があるようであった。帰りはその道を伝って戻って来た。 |
前夜は残業が長引き、遅い帰宅となった。いつものように行き先を探すのだが、なかなか気持ちが乗ってこない。仕事のし過ぎか・・・。そんなことは無いはずだが、まあバイオリズムってのがあり、こんな時もあるだろう。この週末は、戸隠での新年会の予定であった。こうなると、もうその周囲で未踏座を探す。と、運良く適当な場所が見つかった。飯綱山の南麓にある前衛峰の笠山。取り付き地点にちょうどいい大久保の茶屋辺りからだと、標高差は500mもない。これだけでは流石のこの気分でも満足感は得られない。ありがたいことに南に目を移すと、寄生火山の大頭山がある。これを抱き合わせにして目指せば、適当な遊びが出来ると思えたのだった。地形図からは、その8割が緩い等高線の場所。いつもとは違い、少し楽な気持ちで出向く事になる。深夜にバタバタと宴会道具と装備を準備して、出発となる。
3:30家を出る。いつもの出立時間より2時間遅れで高速に乗る。やはりこの時間になると交通量が多くなる。下道も高速も、絶対的に1時頃が空いている。天気は今晩から急激に下降線。先だっては白峰で雪の缶詰状態。その時の様子が脳裏に甦る。それこそ「当たり年」な感じ。更埴ジャンクションを上越側に向かって長野インターで降り、善光寺を掠めるように七曲へと上がって行く。高度を上げる毎に周囲の雪の量が増して行き、冷蔵庫の奥の方へ入って行くような感じ。我がカーナビは未だにCDナビ。そこには戸隠バードラインがまだ有料で表示されている。なんかそれが懐かしかったりする。道中のコーヒーが、用足しをもよおさせて飯綱山の駐車場のトイレに行くが、冬季閉鎖中。少し戻って大座法師池の所は使用可であった。
出る物も出て大久保の茶屋の処に行くが、ここでは駐車場所が問題となった。お店の前に置いておくことは忍びないし、かと言ってバードライン沿いには除雪してある余地など皆無。少し周辺を探して行ったり来たり。そんな中、大久保のバス停の中から冬山装備のハイカーが出てきた。着替えるのに使用したのか、“ああ、そういう使い方もあるな”と感心したり。もしかしたら寝ていたのかも。このバス停は扉付きで、内部は広い。余地探しに美笠湖の方へ下ってみたりもしたが、全く見出せない。唯一有ったのが、その美笠湖に降りて行く道の入口。除雪車が雪を捨てる為に出来たスペースがあり、車体を傾けるようにそこに突っ込む。外気温はマイナス12度。いい感じに冷えている。雪の状態はいいだろう。しばし夜明けまで仮眠を決め込む(5:45)。
早朝は尖ったような寒さだった。その冷たさで起こされ準備に入る。空はどんよりしており、さらにまた寒く感じる。そして7:06スタートする。道を渡ると、向かい側に「戸隠小学校学校林入口」の看板があり。チェーンゲートがされた林道が奥に延びていた。そこを伝ってゆく。雪の状態は良く。沈み込み量も少ない。かと言って硬い感じもなく、それこそ程よい雪質であった。緩やかに左にカーブして行くと、目立つ谷が見えてくる。林道を離れそこを伝ってゆく。水が出ているのか、雪が割れている場所もあり、谷の右岸側を緩やかに上がり、途中から西側の尾根側に登りあげる。緩斜面であり、この辺りは何処を伝ってもいい感じ。そして進んで行く前の方に、黄色いカーブミラーが見えてきた。そこが地形図の実線で示される林道であった。細いトレールがついており、クロスカントリースキーを楽しんでいる跡のように見えた。
そのまま林道を横切って先に続く尾根状の上を行く。相変わらずの緩斜面。全く疲れず、どんどんと足が進む。歩きながら迷っていたのだが、まともにこのまま突き上げると、等高線のきつい斜面に入ってしまう。三角点の設置してある肩を目指すように進めばコース取りとしては何となく形になるが、それにしてもその先が急過ぎる。となると、西を巻き込むように進むのがベストと答えが出る。適当に伝って行くも、西を意識して東に寄らないように高度を上げてゆく。
1300m付近は雑木の中を行く。進路を邪魔するほどではないが、視覚的な邪魔にはなっていた。次に1400m付近になると、辺り一帯に大岩が点在していた。この雪が無かった場合、歩き辛い場所に見えた。幸いにも今は雪の上、それらの岩を縫うように、右に左に九十九を切りながら登って行く。東の方からは朝日が差し込み、悪天予報にしてはいい感じ。時計を見ながら経過時間と高度を照らし合わせる。これならこのまま飯綱山まで行ってもいいほどの快調なペースであった。“もう少し長いコースにしておけば良かったか”歩きながら考えるが、たまにはこんな楽な気持ちの登山もいい。本当に快適に、そして気持ちよく歩けていた。
山頂をもうすぐにして、その直下の西側には、ダケカンバの木に大きな虫ようが出来ていた。直径700mmは有ろうかという大玉。ここでの名物に成り得る物だろう。そして広い山頂部に乗る。だだっ広いそこには東側から差し込む朝日が、西に長い影を作っていてなんとも幻想的。ちょっとした造形美も、逃さず楽しむ。北にどんどん進んでゆくと、その北端と言えよう場所に、雪面から400mほどの高さの場所に標識が見えた。
笠山到着。仰ぎ見るように飯綱山を見る。ここからならあと1時間。もし、この山だけだったら今日は先に進んだかもしれない。今日は大頭山もあり、そこに託けて板からシールを外す作業に入る。そして飯綱山に背を向け滑走開始。最初は緩斜面の山頂大地を西にズレ、勾配が増した辺りから滑り出す。岩の多い場所を、モーグルのように大きな起伏を越えてゆく。滑ると言うよりは、何とか通過して行く感じ。そして傾斜が緩む頃、雑木も少なくなり樹林間隔が広くなる。広尾根をそのまま南西側に下るのだが、スキー場にしてもいいほどに平でなだらか。気持ちよいふわふわの雪にシュプールを刻んで進む。滑りながら我に帰るのだが、“あれっ、ちゃんと新雪を滑ってるじゃん”となる。少し前までは、下手糞で新雪など滑れなかったのだった。いつから滑れるようになったのか。曲がりなりにも継続は力か・・・。
快適さと重力に任せて降りて行く。途中でトレールの付いた林道を横切ると、その先僅かに下に、石の記念碑が建っていた。そこに雪を詰め文字を判読。読むと「芋井小中学校」とあった。帰って調べたら、ここにあった分校名であった。ここからも気持ちの良い斜面で、どんどんと高度を下げてゆく。これほどに滑れるとは思わなかった。上部のように雑木の中を難儀しながら滑る予想を立てていたのだが、意外にいい。そしてバードラインに出た場所は、入山口より600mほど西の場所。ここにも山手側に林道らしき道形が入っていた。
バードラインを東に戻るのだが、車道を歩くのでやや怖い。スキーに行くのか、けっこうに往来があるのだった。駐車場所で僅かに呼吸を整え、その東の大久保の停留所に着く。ここで再びシールを張る。そして停留所の裏手に滑り降り、林道に乗る。この林道が地形図の破線路。50mほど進むと、かまぼこ型の小さな施設が林道上にあった。なにかの倉庫か。林道はほとんど勾配がなくほぼ水平動。モッサモッサと雪の上を板を這わせてゆく。そして途中で道は右に尾根を見ながら左に進んでいる。この右の方角が大頭山であり、ここで林道を離れる。
雑木や雑草でやや衣服を引っ掛ける植生であった。ただしダラダラとした斜面はそのままで、山に向かっている感じは全くない。そろそろ山頂部かと思う頃、目の前に赤い絶縁テープの巻かれている木が2本見えた。なにを意味していたのか。そこから15mほど南に行くと、周辺一帯での一番高い場所となった。
大頭山到着。三角点ハンターか一部の好事家しか来ない場所であろう。展望もなければ、登頂感も全く伴わない。山と言うにはちょっと・・・なんて思う場所であった。北を見ると、先ほどの笠山を従えた飯綱山が見える。この眺望が辛うじてでも見えたのが幸いだったか・・・。緩斜面に付いた我がトレールを戻って行く。途中に地形にない林道が横切っていた。おそらくは美鈴湖側へ降りて行く道なのだろう。復路もシールを外す事は出来ず、モッサモッサと雪の上を歩いて行く。
大久保茶屋の所に戻り、道形を追って行くと、ここで気づいたのだが、車道に沿うように遊歩道らしき道形があるのだった。真っ直ぐに西に進んで行くと、駐車してあるペンションへの入口に到着。そして足許には、今伝って来た道形に入れないように黄色い車止めが顔を出していた。往路は気づかなかったのだが、最初からここを伝えば往来する車にビクビクしなくても済んだのだった。
12時にはあと1時間ほどあった。少し短時間であったが、まま満足。