金時山  1212.5m     
            
 2011.10.15(土)   


  曇り(ガス)    同行者あり       金時神社から時計回りで周回          行動時間2H15M


@金時神社登山口14:26→(18M)→A明神林道を跨ぐ14:38→(6M)→B金時宿り岩14:44→(42M)→C金時山15:26〜44→(27M)→D矢倉沢峠16:11→(16M)→E仙石原側登山口16:27→(16M)→F駐車場に戻る16:43


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@金時神社に向かってスタート。 登山道、参道の様子。 A明神林道を跨ぐ。 金時神社奥社に寄り道。
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金時の宿り岩 よく管理された歩き易い道。 もうすぐ C金時山。生憎の天気。
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Cこの角度で富士山が見えるわけだが・・・。 C祠に一礼。 Cこのプレートは50m毎に設置されており、ここが終点。 C小見山さんの茶屋に呼ばれ・・・。
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分岐から仙石原側へ下る。 D矢倉沢峠分岐。 D矢倉沢峠茶屋。 E仙石原側登山口
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国道からここに入る周囲が、ゴルフ場施設があり、判り辛く思えた。 F駐車場到着。



 圏央道から東富士五湖道路に入り、最終の須走りで降りて愛鷹山の十里木登山口に向かっていた。凄い雨に凄い風、視界は20mほどしかなく登山口を見過ごして子供の国へ行ってしまうほどであった。そして登山口の駐車場に入るも、横殴りの風と雨に、流石に外へも出られない。折角ここまで来たのに・・・。スマートフォンで雨雲の動きを見ると、東日本は濃い雨雲の中だった。ラジオからは、現在地が記録的な雨量だと伝えていた。「諦めよう」、残念だがこの時ばかりは楽しめない。箱根側にズレて観光を決め込む。

 

箱根で遊んでいると、昼くらいから明るい日差しが射すようになった。これなら箱根山くらいなら登れるかと、駒ヶ岳ロープウェイの方へ移動してみる。しかし天候不良で運休のまま。「行くな」とばかりに再び周囲はガスの中となり、登山意欲も減退。それでも何処か1座踏みたい。なけなしの頭が、夕暮れにカウントダウンしている中で獲物を探す。「そう言えば、金時山もあった」と思い出した。地図を用意していないので、カーナビに完全異存する。入山は公時神社の登山口とした。

 

現地入りすると、短時間で登れる山らしく、こんな日でもハイカーの車が置かれている。全ては地元ナンバーの車だった。「少し晴れた、手っ取り早く金時山へ」ってな感じだろう。急いで準備し、神社への参道に足を乗せてゆく。最初にある東屋では、5名ほどのハイカーが集っていた。既に降りてきた様子。生憎の天気であり、上では場所が悪く下界で集っていたのだろうと思えた。歩き易い道を行くと、左側に公時神社がデンと構えていた。大きな鉞もあり、金太郎さんを意識させてくれる。参拝は帰りと思い足を進める。前の方から、白地に「kintokiyama」と書かれたTシャツを着た方が降りてきた。“こんな山にもオリジナルシャツがあるのか”と率直に思えた。遊び心と好事家度が伺えた(この時は)。

 

明神林道を跨ぎ、その先でルートから右に逸れる道に入ると、金時神社の奥社がある。しかしそこには祠があるわけでなく、大岩が御神体となっているようであった。ルートに戻る。濡れた足元が、やや滑りやすくなっている。目の前にスパッと割れた大岩が姿を現す、その岩を支えるかのように、杖のような無数の支え棒がされている。どういう意味合いなのだろうか。ここが金時の宿り岩。撮影のために立ち止まるくらいで、また降り出す前にと、ワンピッチを決め込みやや早足で駆け上がって行く。よく管理された道で、箱根町が設置した50m毎の白いプレートが頻繁に目に入る。高度を上げるごとに、だんだんと風が強くなってきていた。視界も40mほど。判って上がってきているが、残念な天気なのだった。そんな中でも、ちらほらとハイカーがすれ違う。なんかここは違う・・・と思えた。

 

仙石原への分岐標柱を右に見て、あともう少し。すると前の方から20名のパーティーが降りてきた。見るも綺麗な山ガールばかり、しかし姿とは別に足元が覚束ないような、足の置き場も膝の使い方も初々しい歩き。その前に、表情を見ると硬い。この天気での不安と、現在の歩いている状況への不安が読み取れた。リーダーから道を譲る指示が出て、ザーと脇に避けていただき、その中を足早に抜けて行く。吹き上げの風に乗って、横殴りにガスが流れてゆく。動いてはいるがちょっと寒い。そんな状況下だった。それでも足許は一級の道、不安要素は全くなし。完全に鼻呼吸のまま歩いて行けた。タイガーロープや注意書きの看板が見え出し、その先が山頂であった。

 

金時山山頂。ガスに覆われ視界なし。何も情報なしに来ているので驚いたのだが、茶屋があり立派なトイレまであった。その山頂でガスに殴られながら行ったり来たりしていると、茶屋の扉が開いて、中に入るよう声がかけられた。その前に、茶屋の壁にある「金時娘」の解説文を読む。中に入ると、まさしくそこに書かれた金時娘の小見山さんが目の前に居た。独特の方で、止る事無くよくお話になる方であった。昔の写真を見せてくださったり、本の紹介もしてくださった。さらには、先ほどの大パーティーが、連絡なしで訪れた事を嘆いていた。最近は連絡なしで来るので、対応が大変と・・・。一人で切り盛りしているからなのだろう。天井には登頂回数と名前の書いた札が下がっている。3000回に近い数字も見える。金時信仰があるように思え、ここで下で見たTシャツが存在するのが頷けた。知らずに内部の写真を撮っていると、傍らに居たおじさんから、「あれ見て」と撮影禁止の張り紙を指示される。“まずった”と思ったのだが、壁には芸能人と一緒に写る小見山さんが沢山掲示してある。断れば良いのか・・・と思ったが不要な諍いはしたくない。懐にカメラを戻した。「ほら、晴れたらこんな風に富士が見えるのよ」と小見山さんが写真を出してくれる。悪天に登って来た人への温かい配慮。ありがたい。すばらしいバイタリティーであり、顔の皺に人間味の深さを感じる。この先も元気で頑張って欲しい。16時に近くなり、下山となる。誰にでも言うのであろうが、背中からかけられる「またきてくださいね」の言葉が温かい。また来たくなる。それが天井にかけられた数字となるのだろう。

 

降り出すと、驚いたことに20名のパーティーがまだそこに居た。その後に着くと、そこでリーダーから山の歩き方をレクチャーされているところであった。またまた避けていただき、その中を快速で通り抜ける。リーダーの脇を通り過ぎた辺りで、舌打ちが聞こえた。教えてる事に相反する良しとされない歩きだったのだろう。ドタドタト降りる様が不届き千万ってところだろう。分岐からは仙石原方面に降りて行く。途中にはマツムシソウやアザミが強風に揺れていた。展望があれば箱根山側が良く見えるのであろうが、周囲の秋の景色を見るだけとなっていた。

 

矢倉沢峠に着くと、こんな場所にも茶屋があった。茶屋をするほどに往時はハイカーの往来があったと言う事だろうか、寂れた店を見ながら色んなことを考えるのだった。分岐道標があり、仙石原方面へ進んで行く。道はだんだんと薄暗い湿気の多い中となり、ガスの中から別荘のような建物が現れた時は、少しドキッとした。玄関の電燈が黄色く光っているのが、寂れた様子に不釣合いに見えた。全ての窓は雨戸が閉ざされていた。その先で舗装路に出て、そこには登山口道標があった。降りて行くと別荘地。道標があるものの、無視して適当な場所から右(西)に向かう道に入って行く。住んでいる家もあれば、全く生活感のない家も多い。車道が近づくとマンション形態の建屋があるが、外観はコケが生え、居住者が少ない様子が伺えた。喫茶店の裏手に出るだが、漂う甘い香りに誘われる。しかしまだ我慢。

 車道に出て側溝の上を歩いてゆくのだが、山手側の笹などの繁茂が酷く、歩く幅が狭い。車道側は大型バスなどの往来が多く、ここは怖い通過点となっていた。そしてゴルフ場の所から右手に入るのだが、ここには特に道標が無い。このゴルフ場、登山者用に駐車場を開放しているのだが、有料駐車場だった。山頂で金時信仰の様子を見てきたばかりなので、ここをそうしている意味も良く判る。日によっては溢れんばかりのハイカーの車となるのだろう。金時沢橋を渡ると、その先が駐車場となった。

 
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