双子山 21804 二ッ塚 1929m 小天狗塚 1913m
アザミ塚 1630m
2011.8.13(土)
ガス(少雨) 単独 御殿場口より、ハイキング道を伝う。 行動時間3H28M
・御殿場口第三P9:09→(2M)→@御殿場口9:11〜15→(9M)→A大石茶屋9:24→(33M)→B双子山9:57〜10:02→(17M)→C二ッ塚10:19〜20→(6M)→D二合分岐10:26→(24M)→E小天狗塚10:50〜51→(9M)→F幕岩上分岐11:00→(21M)→G1合5勺11:21〜23→(10M)→Hアザミ塚11:33〜36→(8M)→I1合5勺帰り11:44→(7M)→J幕岩直上分岐11:51→(42M)→K御殿場口12:33→(4M)→L第三P12:37
@御殿場口 | @トイレは特異形状 | 歩き出してすぐの分岐。右へ進むと大石茶屋へ。 | A大石茶屋 |
富士山で初めてシカを見たような・・・。 | ガスの垂れ込めた周囲 | 双子山下分岐 | B双子山ケルン |
B双子山の白い鳥居 | B「始祖」と彫られている。 | B双子山の御料局三角点。 | Bちょうど3名のパーティーが登頂。 |
双子山側から見る、二ッ塚。 | フジアザミ | 二ッ塚へのザレ斜面。 | C二ッ塚ケルン |
C二ッ塚から富士山頂側 | C二ッ塚の御料局三角点。 | D二合分岐 | ルート側から見る小天狗塚側。 |
E小天狗塚の標柱。 | E小天狗塚から見る二ッ塚。 | E小天狗塚から富士山頂側。 | F幕岩上分岐。この下側が少しルートが見出し辛い。 |
二合への分岐 | 幕岩直上の分岐 | G1合5勺。下から見ている。上から降りてきた。 | 平坦な林道を進むと、広いカーブの場所があり、ここから東に進む。 |
カーブの場所からアザミ塚までは倒木帯。 | Hアザミ塚 | Hアザミ塚のテープ。かの藪山登山家の残した物だろう。 | I1合5勺帰り |
J幕岩直上分岐帰り | 幕岩から、広い沢の中のような場所を降りて行く。 | 木橋があったり。 | 駐車場側にはハイキングコースの案内もある。 |
最上部、左から三枚目の写真の分岐を左に進むと、ここに。 | K第一駐車場到着。 | L第三駐車場に戻る。 |
この日は、富士山に登る為に石川から仲間が集結する。私はそのパーティーの清涼剤的役目(と思っている)。今回の登山形態は、世に言う「弾丸登山」の予定で、吉田口を夕暮れからの登行予定であった。となると日中の時間が空く。ここで富士登山前の暖機運転をしようと企んだ。そして折角なら、富士山寄生火山、または富士山側火山と言われるピークを踏みたいと思えた。集合場所は須走口。ここから近い場所で・・・と探すと、御殿場口付近にいくつか点在していた。即決。
圏央道を通って中央道経由で行けば早いのだが、時間も十分、野辺山を越えて須玉に下りてR20号に乗る。そして旧鎌倉往還のR137に入り、御坂峠を潜って進む。お盆であり、どんな混み様かと思ったが、全くストレスなく御殿場口まで到達できた。各登山口がマイカー規制している中で、ここはその規制がない。その点だけ見れば便利な登山口。ただし登行距離は長いが・・・。賑わう登山口駐車場。第3駐車場に突っ込み、長靴スタイルになる。ここからが面白い。舗装路をてくてく歩いてゆくと、「御殿場市役所の方ですか」と声をかけられる。ここでは見慣れない長靴がそう思わせているのだろうが、そう声をかけられたのは、一回だけでは無かった。長靴=市役所の人。ん、何処かのエリアで、そんな人を知っている。いつも白いタオルを頭に巻いた・・・。
かまぼこ型の特異なトイレで用を済まし、いざ入山なのだが、いまひとつルートが判らない。当てずっぽうで西側に進むと、登山道らしき雰囲気のゲートがあった。おそらくこれで間違いないのだろうと跨いで進むと、幕岩と双子山の分岐道標が見えた。ここで少しホッとする。周囲は濃いガスが垂れ込めて遠望が利かないような状態。少し気分が塞ぎがちだが、行くと決めたからには結果は出す。そう、仕事きっちり。最初の分岐は「双子山」と書かれた方に進む。ここでの進路は「幕岩」と書かれた方(左側)が正解だった。その次にある分岐を「双子山」に進むのがいい。判らないまま、最初の道標を「双子山」方面に進むと、すぐ横を富士山に向けて登って行く方が見えてきた。この事により予定よりだいぶ北に逸れて歩いているのが判った。そして登って行くと大石茶屋に到達し、登下山者が温かい飲み物を飲んでいた。
小雨混じりの少し寒い天気になってきていた。茶屋に到達した事で、現在地を把握。なにせ双子山の方へズレて行かねばならない。茶屋の西側には、その双子山へ行くルートの方へは、ロープが張られ塞がれていた。多くは富士山頂を目指すわけであり、間違って入らないよう、そのための配慮のようであった。そのロープを跨いで進む。富士らしい柔らかい砂礫を、ザクザク、ジュリジュリと踏みしめながら行く。前方のガスの中から声がするのだが、先行者も居るよう。ふと西側の斜面を見ると、鹿が2頭こちらを向いて立っていた。富士でシカを見るのは初めて。黒い山肌と緑の植生に、その姿が映えていた。ズリズリと深く沈む砂に、回転よく足を踏み入れてゆく。周囲の広大さに、ガスが晴れて欲しいのだが、しっかりと白く覆われ何も見えない。
斜面を登りあげると、双子山への分岐。この双子山は登る予定ではなかったが、現地では登山対象の山になっている。となれば踏んでおかないと。登って行くと、先行していた3名のパーティーに追いついた。「恐ろしく速いですね。なにか市役所の方ですか」と声をかけられる。「あっ、いえ」、頭の片隅では、もうこの際だから市役所の人になってしまおうかとも思えていた。双子山の山頂部は広く、西側にケルンがある。東側に「始祖」と彫られた白い鳥居を従えた石碑があった。その南側には、赤と黄色に塗られた御料局三角点が鎮座していた。3人のパーティーと話すと、彼らもこの後二ッ塚を目指すようで、こんな日にこんな所に登る人は、やはり好事家となるのだろうと思えた。北西側に下って行き、そのままニッ塚に突き上げてゆく。ザレた斜面に難儀するのだが、そこに紫色のフジアザミの出迎えがある。大きな丸い花弁がなんとも愛らしい。それらの植生を踏まぬように九十九を切りながら上がって行く。地面には人の足跡と、そこに混じってシカの足跡が残っていた。
ニッ塚到着。北側に細い木柱が立つケルンがある。南側には、先ほど同様に御料局三角点が、淫らな色に塗られていた。目印としてはとてもいいが、その黄色と赤に塗られた状態は、あまりいい気がしない(あくまでも個人的意見)。さあ次は、小天狗塚を目指す。視界が無いので適当に進むのだが、下の方が少し見えても迷うような場所であった。無難に先ほどの双子山への分岐点に降りてから西進した方が良いと思えた。なんとか二合の分岐道標を見つけたが、そこまでが荒野を歩いているような感じで、周囲地形による錯覚なのだろう、方向を見誤りやすい場所であった。その2合分岐から御殿庭へのハイキング道は、やや道形が薄い場所もあり、「ここでいいのだろうか」と、疑ってしまうような場所もあった。少しガスが晴れてきたからいいものの、巻かれていたら本当に迷うかも。そして進む先で「幕岩上」の分岐道標が現れ、現在地が把握できた。その先に見える黒い塊の場所が、小天狗塚となる。しばらく開けた場所を来ていたが、この先から樹林帯の中に入り、ハイキング道が北西に進路を変える辺りから、ルートを離れて南に向かう。緩やかな斜面を登って行くと、開けた山頂部が待っていた。
小天狗塚。山頂の東側に石柱が立ったケルンがある。人工物はこれのみ。ガスが晴れたので、先ほど登ったニッ塚が見えていた。ここから見ると、けっこう見栄えのする山に見える。富士山側も少し見えてきて、優しい穏やかな斜面が登って行っていた。居心地のいい山頂で、レジャーマットにおにぎりが似合うと思えた。さて次は、アザミ塚を目指す。
幕岩上分岐から南東に進む道に入るのだが、ピンクのマーキングが無ければ、完全に道を外す場所であった。そのマーキングを追いながら進むと、次第に道形も濃くなる。そして最初の分岐が、先ほどの二合からのルートが合わさる分岐点。その先で、御胎内への分岐があるのだが、この先の進路は慎重に。御胎内の方へ降りて行くと、1合5勺の場所には何も道標が無く水平道が分岐している。一言あると判りやすいが、何も無いので、「ここでいいのか」と迷うのだった。調度下から登って来た方に問うたが、地図を見せたが細かくて見えない・・・と、やはり最後は自分の判断となった。
水平道は軽トラなら余裕で通れそうなほどに道の状態がいい。危険箇所にはタイガーロープなども施され、よく管理された道のよう。分岐してから400mほど進むと、大きく右にルートがカーブする、左(南)を見ると夥しい倒木。その倒木の先がアザミ塚となる。倒木を避けながら緩やかに登って行く。山頂部に到達しても、あまり登頂感のある場所ではなく、ダラッとしている。なかでも最高所と思しき場所に、絶縁テープが巻かれ残っていた。そこにMLQの文字を探したが、日に焼けて消えてしまったよう。往路を戻る。
一合5勺からの登りは、微妙に太腿に堪える。その先の分岐から幕岩の方へ下って行き、砂礫の沢の中に入る。幕岩の前では、双子山で会った3名が休憩していた。手を上げて挨拶をしたが、「誰だろう」と言う目でこちらを見ていた。「あの〜さっき会った・・・」と目で訴えたが、三人のうちの一人も気がつかず・・・残念。下に降りて行き、ナメ岩のところからタイガーロープに導かれ山道に入って行く。
木橋などもあり、面白みのあるハイキング道。そこへ、前から大群のパーティーが現れた。その数、100名ほど居たか。リーダーが、パーティーの子供らに、「ちゃんと挨拶しようか」なんて言うものだから、1対100。相手は子供らでありちゃんと配慮はしたい。まじめに挨拶するとかなりの疲労度となった。やはり山での大パーティーは迷惑を・・・。そうこうしていると、駐車場上の分岐点まで到達した。駐車場に降りて行き、入口の湧水サービス所で水を一杯頂く。そこから麓側の空を見ると、完全なる雷雲。既に雷光が見えていた。駐車場に急ぎ、汗を落としに御胎内温泉へ。駐車場に突っ込んだ瞬間から、豪雨。雷鳴を伴い、1時間ほど続いたか・・・。いいタイミングで入山できた。そしてこの時間に雷なら、夕刻からはそれらが回避できる。砂埃も抑えられ、お膳立ては十分で富士に入山となる。