雲取山 2017.1m
2011.8.16(火)
晴れ 同行者あり 後山林道でピストン 行動時間8H47M
@駐車スペース5:55→(2M)→Aゲート5:57→(30M)→B塩沢橋6:27→(51M)→C林道終点7:18→(24M)→D三条小屋7:42〜52→(108M)→E三条ダルミ9:40→(29M)→F雲取山10:09〜40→(22M)→G三条ダルミ帰り11:02→(61M)→H三条の湯12:33〜55→(22M)→I林道終点帰り13:17→(52M)→J塩沢橋帰り14:09→(31M)→Kゲート14:40→(2M)→L駐車スペース14:42
@駐車余地から歩き出す。 | Aゲート前に2台分のスペースがあるが。ユーターンの余地のように見え。 | 林道は4箇所ほどで工事中であった。 | 釜ノ沢橋 |
釜ノ沢の中は、わさび田になっている。 | B塩沢橋 | ミタケ沢の所は、両岸に立派な建物が造られていた。 | C後山林道終点地 |
林道終点から、僅かに進むと水場あり。 | 青岩谷橋。この橋のひらがな表記は「あをいわたにばし」となっていた。 | 快適な山道 | 三条小屋直下。山女魚橋から見る上流側も綺麗。 |
D三条小屋 | 小屋への取水地 | 水無尾根の展望場 | 三条ダルミが近くなると、水平道が続く。 |
E三条ダルミ | 山梨百名山ピークから避難小屋。 | 小屋内部 | F雲取山山頂 |
F山座同定盤と | F日本に三箇所し現存しない、原三角点。 | F富士山側。朝方はクッキリ見えたらしいが・・・。 | F山頂でヤキソバパン。 |
F一等点 | 下山開始 | G三条ダルミ帰り | シカがおどけた表情で出迎える。 |
H三条の湯でひとっ風呂あびる。 | I林道終点地。自転車やバイクが入っていた。 | 林道から見える自然を楽しみながら・・・。 | J塩沢橋帰り |
涼やかな流れが、周辺空気を冷している。 | Kゲート帰り | L駐車スペース |
お盆休みの最終日、予てから要求されていた雲取山登山を決行。起案者は、当初は小屋泊を含めた周回コースをガイド雑誌から見て要求を出していたが、1日の予定になった事で三条の湯経由のピストンとした。山に登りたいと同時に温泉にも入りたい欲求がある。小袖経由の尾根ルートも当然選択肢にあったが、温泉は外せない。
いつもは秩父経由で雁坂トンネルを潜って行くのだが、初めて圏央道経由で奥多摩に入る。結果は1時間ほど速い。時は金なりとは言うが、利用価値は十分。ただし、現地での買出しにおいてコンビニを見落として進んでしまい、大きく戻って食料を仕入れ、30キロほどロスをしてしまった。後山林道入口には、「通行止め」の表示がある。かなり威圧的に置いてあるのだが、かまわず突っ込んで入って行く。
林道に入って、2.2キロ地点。ここでゲートが閉じていた。その前に駐車余地は2台分。しかしユーターン余地のようであり、150mほど下って広見に停めた。サッと準備をして、サクッとピストンを決行。ゲートを越えて進んで行く。かなり見栄えのする林道の周囲。小滝や深い苔は、夏場において涼やかに歩かせてくれていた。最初に黒滝橋、次ぎに釜の沢橋。この橋の南側の谷には、びっしりとワサビ田が出来ていた。後山橋からの上流側は見栄えのする流れがあり、苔生した深い緑の色合いに、真っ白な流れが光って見えていた。立ち止まって、橋を巻き込む上流からの冷気を浴びる。
塩沢橋がこの林道の中間地点か。右岸側から林道塩沢線が分岐しており鉢焼場尾根に続くこのルートも、一度は伝ってみたい場所。それを右に見ながら本道を詰める。次が蔦久保橋。そこから30分ほど進むとミタケ沢が右岸側に深くあるのだが、林道を挟んで両岸に、立派な管理用であろう施設が建っていた。そして「広場」と書かれた標柱が現れると、僅か先が林道終点地となった。そこには1台の自転車が置かれていた。それを見るまで忘れていたのだが、林道を自転車利用する手もあったわけで、ちょっとハッと思わされた。
山道に入ると、最初に水場があり、程よい流量で流れ出ていた。歩き易い遊歩道のような道が、山の地形に沿って登って行く。そして目の前に山女魚橋が現れると、上を仰ぎ見ると三条小屋が見えた。この橋から見る上流側もけっこう綺麗。流れの脇にテントサイトもあり、涼やかに過ごせるテント場であろう。九十九折を足早に登り上げ三条小屋に到着。長らく気にしていたが、やっと訪れることが出来た。そして小屋前で休憩していると、上から単独者が降りてきた。「今日の上は最高です。富士山がばっちり見えます」と言われる。ありがたき言葉だが、上まで2時間以上あり、すべてを鵜呑みにするのは・・・。それでも登って行く者に対しては嬉しい清涼剤となる。小屋から進むと取水沢(三条沢)があり、冷たい太い流れを木橋で通過する。この先が水無尾根と言われる場所。その尾根を登山道が乗越した場所に、バリケードされたルートが右にある。これが青岩鍾乳洞への道らしい。右に見ながら一級の道を伝ってゆく。緩いアップダウンを繰り返すものの、全く疲れないほどに快適。途中の展望場のような開けた場所で水分補給。しかし既に周囲はガスが垂れ込めてきていた。山頂での展望は・・・。
シカや蛙やゴミムシや、色んな出迎えを楽しみながら足を進ませる。三条ダルミに着くと、一人の男性が地図を見ながら首を傾げていた。そこには判り過ぎるほどハッキリした道標があるのに、こちらが首を傾げる光景だった。「どうされました?」「二人とすれ違いませんでしたか」「お仲間ですか」「いや、そうじゃないのですが」。よく判らなかった。さあラストスパート。少し急峻になるので、ギヤを入れ替え駆け上がる。これまでがなだらか過ぎたので、心地よい登りとも思えた。そして前方の空が開ける。
山梨百名山の標柱が出迎え、ここが山梨側の最高地点。残念だが、雲取山の最高峰は山梨の敷地外となっており、甲武信岳のように3県には跨っていない。避難小屋を掠めて登って行き、雲取山最高峰に到着する。すぐに周囲展望を見るが、やはりガスでほとんど楽しめないレベル。ま、これもしょうがない。視線を山頂部に落とし、原三角測点を拝む。国内に3点しかないうちの、ここが一つ。こんな点も、気にして見る人と見ない人が居るだろう。百名山の雲取山だが、三角点マニアにおいても重要ポイント。腰をおろして大休止。周囲のハイカーとにこやかに会話を交わし交流を深める。そしてお盆と言えば、もう秋。沢山のトンボが舞っていた。そこに指を上げると、意思の疎通が出来るのか、彼らのうちの一匹がぴたっと止まって来た。どうやら自然に歓迎されている様子。ヤキソバパンをほうばりながら、しばし汗が収まるのを待つ。お盆休みであり、もう少し賑わった山頂を思っていたが、この時で3名。予想外なほどに静かな山頂であった。
帰りは避難小屋に寄って行くが、丸ログで作られた立派な小屋は、東京都の懐の暖かさを感じるものである。下降に入るが、同行者は下りが苦手、何度も立ち止まるようにしては歩調を合わせ、しなしなと高度を下げてゆく。三条ダルミからは緩やかだから・・・と少し足を速めたが、ブレーキをかけるように降りて来ていた。
三条小屋到着。念願の「三条の湯」に入る。小屋の脇から下に進み、右に折れると男性の浴室。きれいな浴室で、湯壷のカランを捻ると大量の湯が出てきた。この場所でどのように沸かしているのかと、耳を澄ますと、ボイラーの音がしている。この場所にしてそこまで近代的に設備されていたのか・・・。ほどよく湯壷に湯が張られた中に、どっぷりと浸かる。僅かにヌルスベの湯がとても心地いい。窓の外の森林浴をしながらの入浴。極楽の極み。ただし、ここからもうひと汗かかなければならない事が頭をよぎる。入りすぎてふにゃふにゃにならない程度に、三条の湯を楽しんだ。所謂秘湯であり、このお湯だけを目的にここに足を運んでいる人も見られた。
山女魚橋をふわりふわりと上下動しながら渡り、林道に向かう。沢の中には、往路では釣客が見えたが、もうその姿はなかった。ここの急流で釣れるのか・・・。林道に乗り、あとは惰性でテクテクと進む。幸いしたのは、夏の日差しがない日で、意外と涼しい山歩きとなっていた。沢の中の小滝を見たり、綺麗に生え揃った苔を愛でたり・・・。このルートは水分量が多い場所が多く、シダ類やコケ類が綺麗に目に映っていた。そして工事現場が見えてくるとゴールは近い。ここでの作業者への注意掲示に「マムシに咬まれても2時間は大丈夫」と言うようなニュアンスの表記があった。咬まれてからの時間を気にした事が無かったのだが、そんな時間設定があるのか・・・と勉強になった。
ゲートに到着すると、その脇にワゴン車が停まっていた。三条の湯に居られた方の物だろう。ここに置かれてみると、ここに置いても良かったのかな、なんて思ってしまった。この日はdocomoのスマートフォンの通信状態に異常出た日。通信可能エリアを見つつ歩いていたのだが、常に不通だった。ましてや青梅に戻っても不通で、携帯が壊れたのかと思ったほど。開けてみるとdocomo側の不具合だった様子。