物見塚     657m                
   

 2011.1.4(火)   


   晴れ     単独       西側の林道より    行動時間:14M


 @入山11:19→(7M)→A物見塚11:26→(7M)→B駐車余地11:33


  
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@小沼へ向かう林道 物見塚の北側にある小沼。 山頂へは池の前を通り、東から巻き込むように上がった。 A物見塚山頂。
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A山頂から相馬が原駐屯地の演習場。 A山頂から南 A山頂から箕輪城址側。 B戻る。



 この物見塚は地形図に書かれているものの、その表記は「しょう肩体」ではない。地形図に書かれる山名は、全てしょう肩体であるのだが、そうでない書体であり、山と言うにはやや不完全な場所となる。と言ってもこれは地理院での判断なだけで、地形を見ても山の形をし、さらには山頂部で標高点を取っていることから、より山らしい場所となる。日本山名事典では、「物見塚」と2山載っているのだが、そのどちらも地形図には山名表記は無い。一方は静岡空港建設時に切り取られてしまったようであり、もう一方の長野北相木村の方は標高点のみである。この事からも榛名のここは「キングオブ物見塚」と言っても良いようにも思えるのであった。最初に気づいたのは1999年。当時は、おそらく相馬が原駐屯地の敷地内だろう、と思って諦めていた場所であった。ましてやしょう肩体でもないし・・・。そう思って推移していたのだが、本日箕輪城址に行った時に、そこに居られた方から「山頂までは無理だけど、近くまで行けるよ」なんて言葉を頂いた。こうなると遊び心が疼いてくる。近くまで行ければ、山頂も狙えそう・・・。箕輪城址から降りたら、一目散に物見塚に向かって走り出していた。

 農林大学校を過ぎ、しばらく行くと養護施設が左側にある。その先から山の中に入って行くのだが、最初のヘヤピンカーブを抜け、次のカーブの所から南東側に林道が降りている。ここに入って行く。驚くほどよく踏まれた広い林道。よほど重量車両が通るのだろう。これほどにしっかりした未舗装路も久しぶり。土煙をあげながら進んで行く。途中途中には分岐箇所もあり、ゲートなども設けられていた。行き着いた先は、榛名白川の河原。なんかのんびりした場所で居心地がいい。その川を挟んで向かい側に物見塚がある。ただし周辺は演習場。少し緊張しながら行動せねばならない。以前の話だが、各務ヶ原の航空自衛隊の敷地では、その境に監視カメラがある場所があった。それがあるので、軍事施設と隣接する場合は慎重に行動せねばならないと思っていた。

 川の右岸から歩かねばならないと思っていたが、土の乗った橋があり林道が左岸に続いていた。渡りきるとその先で分岐となり、直進は勾配のきつい道が登って行き、もう一方、東に進むダート道があった。この方向が物見塚の方向であり伝ってゆく。その途中には灯篭など古い石塔などが見られ、なにかあるのかとドキドキしながらハンドルを握っていた。すると、その先に建設道具や廃品、倉庫などがあり番犬までも居て、私有地である事が判った。よく吠える犬は居るものの人気は無く、進める所まで進んでみると、重機の置かれる場所で行き止まりとなった。急いでユーターンして戻る。通行止めにはなっていなかったが、どうも入ってきてはいけない場所に思えた。北側には物見塚の高みが見えている。どう狙おうか・・・。

 少し林道を戻ると、私有地の入口付近に北に上がっている林道があった。入口はロープで塞がれている。その前に車を停め、急いでその林道を駆け上がる。すると右側に黄色いユンボが置かれ物見塚側は崖。少し北側からなら登れそうだが、それでもかなりの急登。楽なルートは無いものかとさらに北に進むと、全面結氷した小沼が現れた。こんな沼がここにあるとは・・・。これも私有地なのか・・・。周囲には建設道具や、よく判らぬ大型部品が散乱していた。池の南側に道があり、それを伝って物見塚の東側に行く。道は小沼の東岸で途切れ、そこから南に斜面を這い上がる。イバラが多く、引っ掛かれながらの登り。尾根に乗っても道形は皆無。下に犬が居る為か、獣もここには来ないようであった。分けながら登って行くと山頂部に到着。

 物見塚から北側には、相馬が原の演習場が見える。タイミングが良ければ、ここでドンパチが見られるのかもしれない。そして武田の軍勢がそうしたように箕輪城の方を見る。現在は樹木が邪魔をするが、当時はバッチリ見えたであろうと思えた。ここはほとんど訪れる人が居ないようだ。本当に踏み跡が皆無。周囲全体の資材置き場的な感じが興醒めだが、そこそこ山の形をしているので登頂感はあるのだった。

 下山は西側に降りてみる。ユンボで削られた跡が大きくあり、その脇を雑木に掴まりながら降りて行く。下から見た通りの急峻で、かなり足元が流れる。下の林道に降りて、急いで車に戻って行く。

 帰り道、養護施設「はるな郷」の前から東側を見る。ここには琴平山があるのだが、あの伝説の藪屋であるMLQ氏と唯一登頂競争をやった場所であった。勘で登る私に対し、データ登山と言えよう堅実派の氏。はてさて結果は・・・。当時を昨日のように思い出す。それらを懐かしみながら下って行った。

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