御巣鷹山 1521.8m 中津森 1475m
2011.12.30(金)
晴れ 単独 黒平地区より時計回りに周回 行動時間:5H41M
@旧黒平小学校前7:34→(3M)→A荒川渡渉7:37→(14M)→B山道終点7:51→(37M)→C1290mコル8:28→(64M)→D御巣鷹山9:32〜40→(82M)→E中津森11:02〜22→(66M)→F荒川東橋に降り立つ12:28→(47M)→G旧黒平小学校13:15
@現在は小沢建設の営業所となっている。 | @以前は黒平小学校が在った。 | @小学校跡地前から荒川へ下降して行く。 | 朽ちた橋が連続する。足場に注意。 |
A荒川に掛かっていた橋は崩壊。見る影もない。 | A凍った場所を注意しつつ渡渉する。 | A左岸側から。左岸には往時の名残も。 | 左岸側には九十九折に山道が続いている。 |
Bここで山道も終わり。適当に谷部を進んで行く。 | 途中には立派な炭焼き釜があった。この先にもう一箇所。 | 大きな岩屋もある。7人ほど入れる大きさ(正面)。獣の足跡が多かった。 | 風化による紋様で見栄えのする岩。 |
1290mのコルもうすぐ。 | C1290mのコルから南に突き上げて行く。ここから核心部に入る。 | 大岩が連続する。登れるものは登り、ダメな時は東側を巻く。 | ゴジラの背中のような場所。かなり危険度が上がってきている。 |
東側を巻くにも、急登斜面で難儀。 | 1420m付近。岩尾根が安定するのかと思ったら、ここからが正念場。尾根伝いは命がけ。 | 岩尾根が通過できず北側を巻くが、岩壁の基部は切れ立っており危険。足場が狭い場所が連続。 | クロアールに入って行く。半泣きで登る。セルフビレーをとるようにして登らないと命が・・・。 |
岩尾根の上から御巣鷹山側。陽射しの出ている所が山頂。 | 岩尾根の上から西側。 | 岩尾根の上から南アルプス。 | 岩尾根が終わり、御巣鷹山直下。 |
D御巣鷹山北西から。 | D好事家の標識が残る。 | D三角点の場所にも標識あり。これは中津森に在る標識と同じ作者。 | D南側から見る御巣鷹山山頂。 |
D東尾根にマーキングが下りて行っていた。 | D南尾根を進む。 | 1470m峰 | 1470m峰から見る中津森。 |
1420m峰にも大岩が。 | 1370m付近。尾根筋が複雑に入り乱れる辺り。沢の源頭の場所に湧水地が在った。 | 1400mピークから中津森。もうすぐ。 | 周辺は笹枯れが多い。 |
1344高点。無残に割れた一升瓶。これが山梨。 | 1344高点。空き缶もかなりの数ある。 | 中津森の北東斜面には雪が多く残る。 | E中津森。東側より。 |
E中津森の唯一の標識。 | E途中で拾った水晶を太陽に透かす | E中津森から御巣鷹山。この時季に限って、何とか見える。 | 途中から御巣鷹山の岩尾根を望む。見えている岩の上を通過して来た。 |
中津森の北西尾根を下り、この奇形の木の場所から北に下る。 | 下った先の最初の谷には、見栄えのする大木が待っていた。 | 荒川へ落ち込む主谷へ向けて枝谷を下る。凍てついており、凍っている箇所が多い。土の部分は、30センチほど霜柱が出来ていて、至極歩き辛い。 | 一番大きな谷の中に入る。歩き易い場所、そうでない場所が混在。 |
途中に作業小屋跡が在った。完全に建物は崩壊。陶器や湯たんぽなどが落ちていた。 | この小滝は、北側を巻くようにして、尾根一つ北の谷を降りる。 | 凄く大きな氷瀑がある。下から上までの距離は50mほどはあろうと思われる。完全に凍れば、いいゲレンデになるだろう。 | この絵で、既に下に林道が見えている。ただし林道に出る場所には堰堤がある。谷を左にして尾根通しで下って行く。 |
F降りてきた場所。最後はザイルが無く、ドキドキの下降。 | F荒川の東橋の袂に降り立つ。 | G歩いて登り上げ、旧黒平小学校前に戻る。 |
以前にここを登頂した報告をKUMO氏から拝受した。相変わらず凄い所を狙うものと感心していたのだが、それ以降ずっと気になっていた場所。KUMO氏は昼夜問わず歩くので、小中津森までも登頂しているが、周辺の3山を日帰りでやるのは厳しい。1山残るか2山残るか、雪や氷の様子で違ってくるだろう。そもそも現在の道路状況が、麓までアプローチできるのかも判っていない。バタバタ続きでなにも準備が無い状況下で出発。
野辺山ではマイナス12度を示していた。圧雪路面ではないものの通過して行くトラックはノロノロと進んでいた。韮崎に下り、インターの所から県道27号線に乗りホッチ峠を越えて行く。宮沢橋で左折して金桜神社の前を通り荒川ダムを目指す。そして荒川ダムの所からは、112号に入り黒平地区を目指すように進んで行く。今回のアプローチは、山塊の対して西側からとし、黒川地区から東に延びる破線ルートを使うことにした。近年のエアリアには載っていないが、少し前のエアリアにはそこが破線で示されている。その破線が御巣鷹山直下まで延びているので、それを使えば容易に登頂できると考えたのだった。
下黒平地区の今は、廃村状態で人気が無かった。そこを過ぎてしばらく進むと、「小沢建設黒平営業所」と書かれた敷地が出てくる。その先右側に余地があり、その脇から下に向けて道が降りていた。これが破線ルートなのか。その手前(西側に数百メートル行った場所)にも一本あり、厳密にどちらなのかよく判らなかった。そして小沢建設の場所は、どこか郷愁があるので違和感があった。敷地に入って行くと、まさしくここは小学校だったようだ。その名残の石碑と、朝礼をしたであろう踏み台が残っていた。急いで準備をして下降路を降りて行く。
往時はよく利用されたと思える道で、木の橋が沢山あり、道幅も広い。下の方には棚地形の広見も多く、民家がここに在ったと言う事なのだろう。倒木に阻まれ通過できない場所もあるが、何となく道形を追って進んで行ける。そして荒川に降り立つ。往時は長い橋が掛かっていたようである。川幅も広く、35mほどの橋があったようだ。しかし今は、その残骸すら見えず自然に戻っている。左岸を見ると、延長線上に道形が見える。そこを狙うようにして凍てついた荒川を渡って行く。凍った場所が多く、かなり慎重を期する通過点であった。左岸に行くと、これまでに続いていた木橋がこちらにも残っていた。しばらく九十九折が続く。これほどにいい道だと、この先に何があるのか・・・気になっていた。九十九折のターンの場所に、その都度広見が設けてある。と言う事はそれなりの重機か車両が上がる為に切られた道だと判る。意外なほどに快適な道。しかしそれもあっけなく終点地となった。南側斜面一帯が土留工事をされ、中央の谷は凍てついて氷塊となっていた。さて何処を行けば・・・。エアリアを見る限りでは、南の尾根側に進まねばならないのだが、それらしき道形が見出せない。となれば自由に歩くのみ。本能が選ぶ場所が進むべき場所となる。ここからはそのまま谷を詰めて行くことにした。ちょうど1107高点の北側に位置する谷となる。
登って行くと、意外にも炭焼き釜などが見られた。立派な物で遺構と表現したいほど。そのまま詰めて行くと、足許に水晶が落ちていた。これは嬉しい産物。まだ朝日が当たらないエリア。これを陽射しに翳してみたいと思うのだった。この水晶の発見に、昇仙峡エリアを再確認となった。そのまま谷部を詰めて行くと、目の前に折り重なるような大岩が現れる。熊の巣穴があるかのような暗部が見え、近寄ってゆくと岩屋のようになっており、その土壌には沢山の獣の足跡が残されていた。大人が7名ほど雨を凌げるほどの広さがあった。この上にも。先ほど同様の炭焼き釜が在った。1320m峰に突き上げるようにルートを選んでいたが、いつしか大岩の折り重なる岩場となってしまった。少し伝ってはみたが、ここで時間をかけるなら、安全を考え下を巻いてしまおうと1250m付近の斜面を横移動し、東進して1290mのコルに乗り上げた。ここに上がると、目の前の東に広がる地形が伝って来たこれまでとは大違いな事が判る。至極なだらか地形。“北側の林道からアプローチすればよかったか”内心そんなふうに思った。それでも御巣鷹山はもう射程圏内。もう僅かであり、この時はわけなく到着できると高を括っていた。
コルからの最初はなだらか斜面で優しそうに思えたが、次第に藪化して行き、その後には岩場が現れてきた。岩場と言っても大岩の乱立するような場所で、注意しながら這い上がって行く。西側は切れ立っており、巻く場合は往々に東を巻き上げることが多かった。ちょっと上級者のバリエーションルートとなってきて、意識のギヤを入れ替える。簡単に踏めると思っていたが、ちょっと本気モードに切り替えないとやばくなってきた。そして南に進んでいた進路が南東に変わる辺りから、本当に真剣勝負。岩の連続する頂部を進むか、北側斜面のトラバースしかない。南を覗き込んだが完全なる岩壁。これは参った。ゲジゲジマークは見てきているが、これほどまでとは・・・。でも本音はかなり楽しい。このドキドキ感、ゾクゾク感はたまらなく刺激的で、スリリングな場所を楽しんでいる自分がいた。
もう目の前に御巣鷹山の山頂がある。岩壁の西側を覗き見ると平らなのっぺりとした谷地形が見える。ルートはこっちだったのか・・・。戻るにも戻りたくないような所を伝ってきてしまった。もう進むしか・・・そう思って岩壁の上を伝って行く。それでも少し直立したような岩が現れ進めなくなる。ルートは北側を巻くしか残っていない。岩の基部の細いバンドを伝うのだが、足の幅くらいしかない場所に足を置いてゆく。掴めるものは岩でも立木でも掴むのだが、それが出来ない場所も出てくる。単独では危なすぎる場所で、確保しながら伝うような所だった。この先で行き詰る。その先に歩ける地形が無くなってしまった。進むには直上にあがるクロアールの中か、戻って深く北側の谷を巻くしかなかった。もしこのクロアールを登って行き詰ったら・・・と思うと判断が渋るのだが、意を決して登ることとした。ハラハラドキドキの登り。いつしかこんな所を登るようになってしまった。楽しみが増えた半分、危険度は間違いなく増している。ゆっくりと這い上がりながら、そんなことを考え自問自答していた。そして乗り上げると、大きな一枚岩の上で、すこぶる展望のいい場所。南アルプスが綺麗に見え、周囲も邪魔するもの無く見渡せる場所だった。登って良かった。ただしこの先進めるのかは半信半疑。この先も岩の北側を巻かねば進めない場所であった。ここさえ抜ければ、すぐ先からは岩場が無くなるのが見える。“ここさえ・・・”と何度思ってここまで来たか。こんなに岩場が連続するとは思ってもみなかった。木々を抱きながら慎重に通過。そしてやっと安全地帯となり、這い上がってゆくと平らな地形が待っていた。
御巣鷹山到着。三等点が鎮座し、その脇に朽ちた標識が立っていた。もう一つ、北側の立木にも掲げられていた。この山頂には、南、東、そして今伝って来た尾根とが降りているが、伝って来た以外の尾根には道形が見え、ピンクのリボンも降りていっていた。やはりアプローチは北や東側からの方が良かったか・・・。その道形を見ると中津森へ行きたくなった。岩場の連続に怯み、御巣鷹山の1座だけをやって降りたい意識になっていた。そして中津森は切り分けて登ろうと思っていた。しかしここと繋げて行けそうに思えていた。それには冷たく吹いていた風も収まり、登山日和になってきたからもあった。青い空が背中を押しているような・・・。
伐採跡と共に道形が尾根上に続いていた。そしてかなり広い間隔でマーキングもされている。マーキングは無い方が本当は楽しいのだが、設置者も最低限の配慮をして付けている様にも見えていた。進んで行くと最初のピークの1470m峰がある。岩場の上に倒木が覆い被さっている場所で、倒木を乗り越え進んで行く。この先が複雑地形。尾根が真っ直ぐに繋がっていない。この先の1400m峰に繋げるルート取りをどうしようか迷う場所。今日は有視界だからいいが、ガスの中だったらいやらしい場所に思えた。1470峰からどんどん下っていく感じであり、見えていてもその高度の落ちようが大きすぎて、思わず進路を急変させて1420m峰を経由して進むルートを選んだほど。しかしこちらを通過しても進路がめんどくさく、降りすぎると面倒くさいことになる。谷に入る込む前に西側にズレねばならなかった。西に進んでいると、この場所にして谷に流れがあった。こんな場所にと思ってその源頭を探しに登って行くと、湧水地発見。けっこう大量に流れ出ていた。ここから少しギヤを入れ替えて登りとなる。
1400m峰に上がると、目の前にデンと構える中津森の高みが見える。ここが御巣鷹山との中間地点。ここまで来ればこの先はそう難しい地形は無い。笹枯れの斜面を大きく下って行く。1344高点を前にして、このコルの場所が至極気持ちがいい場所。荒川側に下るのに、ここから谷を下ろうかと思いたくなるほど緩やかに西側に落ち込んでいた。一方東側は、もっと緩やか。ここも東側からアプローチした方が良かったか・・・。現地を見、地形図に書かれた実線を見ると、よりそう思うのであった。
そして1344高点に上がる。本当は山頂を掠めるように西側を通過しようと思っていた。ただし地形図でも標高を取っている場所であり、あえて立ち寄る。するとそこは・・・酷いゴミ捨て場であった。山梨らしい林業関係者の残骸と言おうか。それらのビンが陽射しを受けて綺麗にも見えてしまったほど大量。立ち寄らねば良かった・・・。南側には一斗缶も沢山転がっていた。これが山梨の林業関係者の文化と解釈している。なぜに山梨に限ってなのかが判らない部分。気を取り直して1344高点を過ぎたら最後の登り。中津森の東側斜面は沢山の雪が着いていた。そこに足を乗せながら山頂の様子を勝手に思い浮かべながら駆け上がる。
中津森到着。藪山らしいといえばそれまでだが、予想外にもパッとしない山頂であった。そして御巣鷹山の作者と同じ標識も上がっている。その最高所には猪の土坑の跡が残る。周囲全てが広葉樹であり、そのためにこの時季はなんとか周囲展望はあるが、茂る頃には圧迫感がある山頂であろう。南側を向きながら小休止。なぜ南側を向いていたかと言うと、暖かいからが一つ、もう一つは欲を出して小中津森も登れないかと見ていたのだった。しかし地図を見るとその間に板敷渓谷が入り、繋げることは難しい。今日はここまでであった。すぐに頭を切り替えて下山路を探す。先ほどの、1344高点北側の鞍部からの谷を下降するのがいいようだが、1344高点の汚さを見てしまったので、戻るのが嫌に思えてしまった。となると顕著な尾根が北西に延びている。これを使わない手は無いか・・・。しかしルート取りを選ばないと林道に降りる手前がよう壁になっていて降りられない場所となってしまう。後半は尾根より谷を伝った方がいいか。しかし谷の末端にも堰堤が在ったのを車で通過する時に見ている。どうしようか・・・。臨機応変にいつものように行くしかないか・・・。結局いつもこんな感じ。
中津森からの痩せ尾根を伝って北西に降りて行く。途中、先ほど伝った御巣鷹山の岩尾根が見える。こちらから見る岩壁はかなり険しい場所に見え、我ながらよく伝って来たと思えた。あまり降り過ぎると傾斜のきつい場所に入ってしまうので、北側を気にしつつ降りて行く。すると尾根上に奇形の木が立ちはだかる場所がある。その先に行くなとばかりの様子に、そこから尾根を離れて北側に下って行く。雪の乗った場所で、霜柱も高い。滑りやすい凍った斜面もあり、よくよく足を置く場所を見定めて降りて行く。そして大きな谷の中に入ると、そこにも見栄えのする大木が待っていた。ここからトラバースするようにさらに北進し、尾根を乗越ようにして北側に降りる狭い谷に入る。ここはツルツルの谷底で、そこを避けると周囲は霜柱。それが30センチほどに成長している場所もあり、霜柱のラッセルをしたのは、この時が初めてであった。なんとか降り切り、ここで1344高点北側から降りてくる谷に入った事となった。
主谷を下降して行く。すぐに右から谷が合流し、顕著な出合の場所。ここから3分ほど下ると作業小屋跡があった。完全に屋根はつぶれ、周囲に当時使われていたさまざまなものが散乱していた。薬の瓶なども残り、よく使われていた重要な拠点だったと思われた。そしてここから先が少し谷が屈曲する。流れは左側に降りて行くが、その下に小滝がある。よってここはそこを避けるように右(北)側の谷を降りて行くのが適当。嫌な予感がして流れの中を伝うのを避けたのだが、結果はドンピシャで滝を巻いたことになった。野生の勘か・・・。この小滝の場所から10分ほど下ると、今度は見事なまでの氷瀑が現れた。3段の形状で、総高さは50mほどあろうか。氷の中にまだ流れがあり今は使えないだろうが、これが完全に凍ればアイスクライマーにはたまらないゲレンデになるであろう。私にはその趣味がないので、造形美を見上げているだけで大満足であった。さらに谷を下る。
谷の先に林道が見えてきた。しかしこのまま行くと、堰堤の上に出てしまい懸垂下降しかなくなる。ザックにザイルなし。どうしようかと悩んでいると、渡りに船か尾根側にトラバースして行く道形を見つけた。獣道のようでもあり杣道のようでもあり。作業小屋があったことを思うと、後者かとも思えた。ただし細い。それが始まるのが標高1040m付近から。やや長い時間トラバースをして1118高点から西に降りる尾根の上に乗った。するとここには何となく道形があった。それを見てこっちに来て正解と思ったのだが、その先が拙かった。荒川の流れが右に見え、進む先に林道が見えるのだが、切れ立っている。そう、崖の上となった。道形は獣道であったのか・・・。もう少しで林道に降りられるのに・・・。でもどうしてもここを降りねばならない。至極ザイルが欲しい。でも無い。シュリンゲだけは持っていたので、それを使いながら少しづつ体を降ろして行く。脆い岩。崩れやすい土。土埃にまみれながら林道に降り立った。何処か正解ルートだったのかと、降りてから林道を前後して周辺を見回したが、それらしい降り易い場所はなかった。となると先ほどの作業小屋の場所へ行くには別ルートがあるのか・・・。そこまで調べれば合格であったが、ここから林道を登り返しをせねばならなく、それをしている余裕はなかった。東橋を渡って林道を黒平地区へ登り返して行く。途中のヘヤピンカーブの場所は、ショートカット道があるので利用して最短コースで伝って行く。人気の無い山村。物悲しさ全開であった。陽射しがあるからいいが、これが暗い雰囲気の中だったらと思うと・・・。だんだんと日本各地がこうなってしまうのか・・・。
この林道の車通りは少ない。地元の人であろう軽四が前からやってくる。「乗せてあげましょうか」と言いたげに停まるくらいのスピードですれ違う。“大丈夫です。歩きますから”の意味合いをこめて、あえて目を合わせないようにする。そして東橋から45分、黒平小学校跡地に戻る。少々強引であったがなんとか面白い周回が出来た。2011年の最後を締めくくるに相応しい私らしい歩き方かと・・・。
バリエーションコースとしては、上級な部類になるかと思う。同じ場所を伝う方は、ザイル必携。この時季ならアイゼンも欲しい。しっかり岩登りがあり、ハーネス類も持ってセルフビレイを取れるようにした方がいい。こう書きながらも思い出すと手が汗ばむ。そんな場所であった。黒平からの破線ルートの存在を、ほとんど解き明かさないまま終えてしまった。水晶を求めに再び出向いてみようか・・・。