横岳  1574.0m      大川入山  1907.7m     
            
 2011.8.6(土)   


  晴れ(朝方少雨)     同行者あり       治部坂峠登山口より          行動時間5H55M


@登山口6:13→(53M)→A横岳7:06〜08→(95M)→B大川入山8:43〜57→(81M)→C横岳帰り10:18〜22→(46M)→D登山口11:08


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@登山口。駐車スペースは1台分のみ。 最初の廃林道。 第一級の登山道。 水を持たない場合は、ここで汲むのが適当。
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A横岳。展望はない。綺麗に刈り払いがされている。 A立派な道標が建つ。 A三等点。 横岳から先は、スカイラインと言っていいほどの快適さ。展望尾根。
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南アルプス方面。 草刈機がデポしてあった。周辺は、刈り払いしたて。 昔からの古い道標も見られる。 大川入山手前の最低鞍部。
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1800m付近から。笹原が、視覚から気持ち良さを与えてくれる。 振り返る。虫の多い日で、防護ネット装着中。 もうすぐ山頂。 B大川入山山頂。北に登山道は続く。
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B二等点。 B北側に進み、稜線を見る。 B一番上の道標は、離れた場所に落ちていたのを拾ってきた。 下案開始。
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笹が銀色に光る。 日陰は涼やか。この様な状態なので、登りは露払いとなり、ズボンはビショビショ。 C横岳帰り。 レッドカーペットと言っていいほどの尾根道。
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帰りはここで汗を拭う。 D登山口に降り立つ。 駐車スペースは1台分のみ。


 

当初は、雲取山へ三条の湯から上がる予定であった。緩やかなルートを歩きたいとの、同行者の希望があってのコース取り。しかし、台風の絡む天気になり、さらには息子が帰省して来ると急遽連絡があり、予定変更。泊まりは中止。それなら日帰りで・・・とも思ったが、同行者には楽しく歩けないことになる。「程よい山行」、連れて行く場合の基本コンセプトはこの部分。辛く厳しいのは一人の時だけでいい。

 

次ぎに目をつけたのが奥三界岳。しかし今年は山腹林道の伐採作業で、日曜日のみ通行可。他の曜日は公式に通行止めとしている。よって土曜日に入ることが出来ないからダメ。探していると、だんだんと日が変わるような時間になり、集中力が無くなってくる。日本地図をスクロールさせながら、それと同時に天気図と雨雲の動きも観察。恵那山のところの焼山も、登山道が開かれ面白いなーなんて思いつついたが、その南にある大川入山で目は止まった。ここなら距離こそあるが、なだらかで当初のコンセプトに合致する。時間的に後がない事から、瞬時に決定。登山口は治部坂峠からとした。

 

3:35家を出る。高速が1000円で無くなったので、ジュース一本でも浮かすために、ひと区間先まで地走りする。上信越道から長野道、そして中央道と乗り継ぐ。レジャーカーに混ざって、大型トラックがやたら多い。木金休みの弊害か。時折雨粒がフロントガラスを叩く。見上げる中央アルプスは濃いガスの中。今日の遊び場は少しは標高の低い場所、好天の一縷の期待を持ちつつハンドルを握る。飯田ICで降りて、R153三州街道に乗ってゆく。外気温は既に27度。雨予報の日でありながら気温も高い様子。なんでもござれと覚悟を決める。

 

治部坂峠の現地に着くと、立派な信州百名山の看板が出来ていた。その後に小さな駐車場的場所があるのだが、ラインも引かれておらず、停めていいのかどうか判らずにそのまま登山口の方へ入って行く。林道を登りきると車止めの脇に登山口発見。そこから南に30mほど戻った場所に馬入れのようなスペースが出来ていた。下の様子、ここの様子を加味すると、このスペースに突っ込むのが無難。バスでも入れそうなスペースに、乗用車1台では忍びないが入れさせていただく。そして雨装備をして入山して行く。

 

登山口からのしばらくは、土が流れに寄って掘られたような中を行く。両サイドには、林道を整備した時の土留めのコンクリートが縦に並ぶ。すぐに山道となり、貯水施設を左から巻き込むように進むと、その先に橋がある。この橋が枯葉堆積して泥濘状態。足場を選んで通過して行く。そうそう、水を持たなかった場合は、この橋の所で給水可能。その前に、登山口の少し手前でも流れがあり水が取れる。沢水なので、気にしない人のみ・・・。沢を渡ったら軽い九十九折があり、その先で尾根に乗る格好になる。ここは帰りに注意。進行方向が90度曲がる場所。

 

尾根に乗るとそこは、物凄い根の蔓延る場所。なるべく踏まぬように左側を登って行く。最近思うのだが、植物だって踏んだら痛いと思っているはず・・・。この先で少し急峻な場所もあり、ロープが流してある場所も見られた。その他は往々になだらかで歩き易い。登山道上には、刈り払われたばかりの草が乗っていた。つい最近に作業がされた様子。その床屋したての登山道を気持ちよく進んでゆく。管理する人が居て、このように気持ちよく歩くことが出来る。感謝。

 

横山到着。ベンチが二つ。展望が無いにしては居心地のいい場所。僅かに呼吸を整えるくらいで先に進む。全く疲れはない。それほどに一級の道とも言える。さあここからが最高のスカイライン。僅かな起伏があるが、そのなだらかさは、温い湯に長く浸かっている様な気持ちよさがある。周囲展望も良く、信州と美濃の県境がすぐ南に連なっている。そして北東側には、南アルプス山々が黒く並んでいた。雲の垂れ込めた中にポコポコと姿を現している。なんとも可愛い南アルプスの山々であった。途中気にしていたものの、1683三角点を確認できずに通過してしまった。各ピークではそれなりに展望がよく、歩速が自然に緩む感じだった。

 

大川入山を目の前にして、標高1640mの最低鞍部がある。この鞍部の西側からは涼やかな沢音がしており、よほど喉が渇いた場合は、稜線から3分ほどで水を得られるであろう。残りの標高差は270mほど。緩やかに九十九折に従って行く。しかし、こちらはまだ刈り払いがされておらず、朝露でビッショリになっていた。どうやら私は、今日の一人目の入山者らしく、しっかりと露払い役だった。雨具を履くのも面倒で、そのまま突き進む。当然のように下半身は・・・。

 

標高1750mほど辺りから、山頂部の低い笹原が周囲に広がる。所謂ササの海。綺麗に生え揃った様子に、この山塊が柔和な表情に思えるのだった。昨晩の雨のせいか、アカガエルなどが登山道上に沢山出てきていた。アキアカネも多く、それより多いのがブユ。この時期なので、覚悟はあるのだが、やたらと襲ってきていた。そう言う私の方は良いとして、同行者に凄く群がっていた。体が発する成分により、間違いなく好みがある様子。珍しく防虫ネットまで被っていたから、本人にはよほどの量だったのだろう。一方で、虫除けスプレーを忘れてしまっていた。不覚。

 

大川入山到着。ちょっと意外な山頂で、登山道は北に進むものの、先ほどの場所が最高点であった。恵那山側展望は、25mほど北に進んだ方が連なる稜線が良く見えた。山頂には二等点が鎮座。東側の展望台からは・・・生憎のガスが見えるのみ。こんな事もある。いつも綺麗な景色を楽しませてもらっているので、たまには・・・。それでも西側はガスが取れ、緑の山並みが気持ち良さそうに連なっていた。ベンチに腰掛け休憩とするが、シートを片手にパタパタと仰ぐ作業をしないと、彼らの襲来が忙しい。持ち上げたパンを齧るも、一緒に食べちゃうほどに舞っていた。流石に長居とはならずに、「動こう」と下山となる。

 

下界を見ながらの気持ちよい尾根歩き。最低鞍部の僅か上で、2名のご夫妻とすれ違う。この方はスタートした時に、登山口に到着された方。のんびりと上がってきた様だ。日差しが出ると、夏の暑さ。首筋がジリジリと焼かれているのが判る。これを体感すると、今日のような少し曇った環境下で、ここを歩けたのは幸いと思えた。朝露が靴の中でじっとりとしてきている。スパッツでも着けとけば・・・全ては後の祭り。

横岳で少し水休憩。ふと見ると、木の枝にコールサインの書かれた緑のチューブが結ばれていた。インシュロックを使った物で、これは木の成長に合わせて伸びるから、マーキングの選択素材としては合格だろう。ただしあるのはコールサインのみ。治部坂高原スキー場のリフトの音が絶え間なく続いている。少し耳障りに思えてしまうのだが、奥多摩などのエキゾーストノイズよりはまし。横岳からの最後の下りをゆっくりと下って行く。

 

根の蔓延る尾根が終わり、沢に降りて行く下降点。少し距離が開いたら、後続の同行者は、真っ直ぐ尾根を伝ってしまっていた。判ると思ったが、このように判らない人も居る。まー真っ直ぐ進んでも降りられるから問題はないものの、正規ルートから逸れてしまうので要注意。橋の所で汗を拭って、水も飲んでみる。あまり冷たくなく、いまひとつ。でも得られるだけでありがたい。貯水施設を左に見ながら廃林道を下り、登山口に到着。

 

こんなに気持ちよく歩けるとは思わなかった。距離こそあるが、何せ気持ちいい。危険箇所はゼロ。優しい山歩きが出来る場所と言えよう。

 
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