聖天山     14m                
   

 2011.2.2(水)   


   晴れ     単独           行動時間:不明


 天王寺駅前のホテルからテクテク散歩


  
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東側の登り口に「聖天さん」の看板も。 鳥居を潜って登る。 お百度石。最近、関東エリアではあまり見なくなっている。 北側の社
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池のような、堀のような場所もある。 立像がライトアップされている。 西側の正圓寺の参道入口



 大阪への出張が急に予定された。当初はあまり山を意識してなかったのだが、たまたま宿を押さえた天王寺周辺に、低山がちらほら目に入った。ただでは転ばないのが、この私。そうと判ったら、登らない手は無い。出張道具の中に周辺地図をプリントアウトして忍ばせ出向いた。

 前泊、翌9:30からの商談の為、朝の時間は十分。それこそ朝飯前に登ってしまう事とした。前夜は地元の山仲間との宴に興じ、ホテルに戻ったのが1:15。これを御前様と言う。そして4時間ほど寝て、なぜかシャキッと目を覚ます。狙った獲物を前にして、このあたりの行動は、我ながら動物的に思う。そして暖房の効き過ぎた乾いたホテルの部屋を後にする。

 ホテルの前で地図を広げる。その横をいかにも路上生活者らしい方々が、大きな荷物で通り過ぎる。“そっか、ここが西成区か”と気づかされる。まずは阿倍野墓地の南にある聖天山を目指す事にした。土地勘がないので、こんな場合は方角を意識して進むのみ。当てずっぽうで西に緩やかに下って行く。歩いて行く先に高速の「阿倍野IC」の看板が見える。前に見える高架が松原線のようだ。となると、と現在地が把握できてきた。次に、南へ行くような聖天山へのルート取りを考えるのだが、現地の明るい場所をと、通天閣側から続く、明るい商店街を歩いて行く事にした。

 国道43号を渡り、黄色い明かりの下、南に向かう。時計は6時。商店街の中は、なぜか喫茶店やうどん屋さんが営業している。そして客が居る。もしやエンドレスなのか・・・。これらの様子に、なにかバイタリティーとか強さを感じる。てくてくと我が靴音が商店街に響く。それは、気持ち熊避けの鈴のような役割をしていた。黒い服装の、それもビニール袋を提げた髭面の方々が多いのだった。どうにも我が動物的本能が、警戒反応をしてしまう。日頃見かけない人たちであり、未体験な部分がそうさせている。これも慣れなのだろう。

 商店街を抜け一度大通りを跨ぎ、またまた小路に入って行く。しばらく行くと線路に合流し、これが阪堺電気軌道阪堺線。ここで東に進路を変え、住宅地内へと行く。先ほどの商店街にも住宅が有るのだが、この周辺はやや新しい感じの建物が多い。所謂新興住宅地的な場所であった。そんな家の前を通過すると、防犯ライトがパッと点く。暗い住宅地内を歩いている自分が、何となく犯罪者のようにも思えてしまう。それも地図を片手にフード付きのジャケットを着てうろうろ。早く夜が開けて欲しい願うのだった。

 歩いている周辺には、地番標に「聖天下」の文字も見える。もう少し。○○病院の脇を南に入り、しばらく行くと、ライトアップされた明るい場所に出た。そこでは地域の方なのだろう、地面に水を撒いている姿があった。どう見ても公園。そこに水を撒いているのは、ゲートボールをするが為の準備であった。夜明けから始めるのだろうか、まだ周囲は暗い中、沢山のご老人が賑やかに語り合っていた。さあここが目的地。高いところを探すのだが、暗くてよく見えない。適当に西に行ってみると、その先に神社らしき社が見えた。進んで行くと、そこに「聖天さん」の文字も見えた。参道と言うべき階段を上がり境内に入る。

 聖天山到着。いくつかの社殿が有り、そのほとんどがライトアップされていた。よってここでは、暗い中でも行動が楽であった。そして社の前にはお百度参り用のお百度石も見られる。関東側ではあまり見ないこれらに新鮮さを感じる。それを見ると、この明るくしてある配慮はお参り用なのかと思えてしまう。北側に進むと、ライトアップされた立像があり、その東側には、橋の掛けられた堀のような場所もあった。狭い場所の中に、いろいろが凝縮された山頂部なのだった。一帯を歩き回り、自分なりに登頂感を増させ自己満足。

 帰りは西の正圓寺の方へ下り、阪堺線に当った所から、往路の商店街の道を戻って行く。時間の経過とともに行き交う人も増え、白いビニール袋を下げた方々も多くなる。髭面の黒い顔から沈んだ眼を投げかけられると、思わず目を逸らしてしまう。やはりまだ、短時間では慣れない。でも、夜が開け、食うために動き出す。姿は違えど、皆同じであろう。国道43号に戻る。

 次は天王寺公園内の茶臼山を目指す。

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