鶴峯山  899m       風穴尾根ノ頭   1050m                        

 
 2011.10.23(水)   


   快晴     単独       裏妙義国民宿舎より         行動時間:4H35M


@国民宿舎10:09→(6M)→A登山口10:15→(1M)→B登山道を離れる(巡視道)10:16→(13M)→C540m植林地10:29→(36M)→D鶴峯山東直下の壁11:05〜14→(10M)→Eコル11:24→(11M)→F鶴峯山11:35〜50→(4M)→G鶴峯山から西の最初の岩峰で迷う11:54〜12:15→(17M)→H風穴12:32〜34→(54M)→I風穴尾根ノ頭13:28〜31→(14M)→J三方境13:45→(59M)→K国民宿舎14:44 


kokuminsyukusya.jpg  rindoukara.jpg  jyunshidou.jpg  480.jpg 
@国民宿舎から。左が鶴峯山。そしてその先が風穴尾根。 A丁須の頭への登山口。ここを右に入ったら、入らず林道を進んでいいと思う。 B登山道を離れ「巡視道」の方へ進む。道は荒れていて不明瞭。 谷が分かれ、左の涸れ沢に入る。標高480m付近。
500.jpg  540.jpg  560.jpg  570.jpg 
ザレタ中を詰めて行く。標高500m付近 C540mで植林地に飛び出した。よって林道を詰めて、植林地が見えたら這い上がるのでいいだろう。 植林地には作業道があり、それを伝う。そして主尾根に近づいてゆく。 植林地上部。尾根に取り付く。
640.jpg  660.jpg  700.jpg  720.jpg 
標高640m付近 標高660m付近 標高700m付近。これを左の棚に登ったが、落ち葉で足元が見えずヒヤヒヤ。 標高720m付近。安全地帯となる。
760.jpg  790.jpg  800.jpg  kabe.jpg 
標高760m付近。岩部の連続。 790m付近。鶴峯山手前の核心部に入って行く。最初は左(南)を巻いて直登しようと試みた。 D左に巻いて直登壁に向かって登って行く。 Dここしかルートがないのなら登るが、かなりいやらしい壁。土が流れ、草つきも掴む場所が乏しい。ビレーも取れない。
migihe.jpg  tabako.jpg  iyanaiwaba.jpg  sakihodono.jpg 
D諦めて右(北)を巻く。こちらが正規ルートのよう。 マイルドセブンがマーキングにされていた。 見難いが、ややいやらしいヘツリ箇所。涸滝を乗り越える感じ。(通過後撮影) 途中から見る、先ほどの直登ルート。直立している岩の右上辺り。行かないで良かったかも。
korukara.jpg  haika.jpg  hidariwomaitaga.jpg  turuminesankara.jpg 
Eコルに到着し、鶴峯山側を見る。 Eコルに居られた、新潟・東京の混成猛者パーティー(3名) 鶴峯山の北側の岩場。左を巻いたが、枯れ木が多く、体を持ち上げるのに掴めず難儀。右巻の方が良かったのか? F鶴峯山から見る国民宿舎側。
turuminesannkita.jpg turuminesankaraomote.jpg  turuminehoxtupou.jpg  oridashi.jpg 
F鶴峯山から北側の様子。 F鶴峯山から表妙義 F鶴峯山北峰 鶴峯山から風穴尾根へ向かい、最初の岩峰。尾根ルートはザイル必要。北巻はルートなし。南巻なのだが、かなり深く巻く。
hidarimaki.jpg  ru-tocyuhuku.jpg  minamimaki.jpg  kazaanasyou.jpg 
尾根からの最初。ここから深く巻いてゆく。 途中で岩壁が出るが、ここを通過するとザイル必要(通過してから撮影)。ここよりさらに下を巻くのが正解。 巻いて来た斜面を見上げている。 巻いてゆくと細い顕著な谷が入っている。そこを登る。登って行くと、岩のトンネルを潜る。
taniwo.jpg  iwabatuuka.jpg  minamimaki2.jpg  kazaana1.jpg 
谷を登って尾根に突き上げた場所。 巻き道で先行し振り返ると、猛者パーティーが2ピッチほどザイルを流して確保しながら通過していた。尾根ルートは難儀。 鶴峯山からの2峰目も南を巻いて進む。 H途中で尾根北巻になり進んで行くと、風穴に出逢う。感激!!
kazaana2.jpg  kazaananosaki.jpg  chimuni.jpg  noboxtutekita.jpg 
H表妙義の第5石門のような感じだった。明るく休憩適地。 風穴の先は南を巻く。 巻き終わりは、小尾根に取り付き上がり、最後はクロアールの中を登る。 登ってきた場所。見ての通り、赤い絶縁テープが、必要最小限で打たれている。
870.jpg  nadaraka.jpg  cyoxtuka.jpg  noboxtutekita2.jpg 
870m付近。これが見えたら、北側を注意。北側の尾根に伝い降りてから、危険箇所を巻いて主尾根に戻る。尾根ルートは岩場のトラバース。複数人なら確保して通過可能。 900mを越えると、なだらか地形が続き、危険箇所は皆無。 登山道にもうすぐ。 I登山道から風穴尾根の入口を見る。下りに使うのだと、鶴峯山の下が判り辛いだろう。
kazaanaoneno.jpg  shinano.jpg  sanpouzakai.jpg  kouyou.jpg 
I風穴尾根ノ頭 I烏帽子岩と赤岩を見ながらシナノゴールドを齧る。  J三方境 付近はちょうど紅葉の見ごろだった。色づき始めた頃。
tosyou.jpg  rindouni.jpg  cyuusyajyou.jpg   
ジャブジャブと渡渉。 林道に這い上がり。 K国民宿舎前に戻る。  


 
 勤労感謝の日。久しぶりの週末と被らない祭日となった。いつもなら出かける前日にはアルコールは飲まないのだが、嫌な事にボジョレーヌーボーの時期。まんまとその毒牙に嵌り、翌日はノンビリを決め込むことにした。深夜も読書に耽り、翌朝も陽射しを受けながらゆっくりとした朝食をし、活字に目を走らせていた。しかし窓の外は濃いブルーの空。植木の緑葉の上では、陽射しが弾んでいるかのように輝いていた。“こんなところでじっとしている場合では・・・”と本を畳み、その代りに地図を見出す。


 こんな時の西上州。そして妙義。楽しませてくれる場所をいつも持っている。妙義には廃道となった興味深いルートが多々あり、少しづつ踏もうと思い気にしていた。その一つに、「風穴尾根」があった。途中には「風穴」という景勝地もあるようであり、残している中で一番気になっている場所でもあった。決めた。冬用タイヤに換えようと予定を組んでいたのだが、今日は先延ばし。


 妙義神社に突き上げ、妙義インターの方へ向かい、T字路を左折したらすぐにある裏妙義への道に入る。その先にあるラジコンコースでは、モーター音が乾いた唸りを上げていた。五料からの道と合流し左折。妙義湖の上では、気持ち良さそうに泳いでいるカモが見えた。その泳ぎの波紋があちこちにある。なんとものんびりした日。国民宿舎の駐車場に突っ込み、今日はここに置かせていただく。ハイカーの車だろう、越後や江戸からの車が並ぶ。国民宿舎の建物越しに見上げると、妙義らしい岩峰が見える。その左の方に聳えるのが鶴峯山。我が力量で行けるのか半信半疑。今日はそんなこんなであり、予備学習ゼロ。全くゼロとは言わないが、以前に情報を集めた時の記憶が全てだった。


 10:09歩き出す。中木川の左岸を伝うように林道を進む。5分ほど進むと丁須の頭への登山口があり、ここから入山。伝って来た林道は、川沿いにさらに先に進んでいる。次ぎに登山道に入り1分ほどで、杉の木に「巡視道」と黄色く書かれた表示がある。ここで登山道を離れ南に向かった。巡視道と有るものの道形は判らず、適当に沢の中を上流に向かった。途中で沢がクッキリと左右に分かれ、その左(南)側を選んで入って行く。落ち葉の下はナメ岩のようで、さらにはザレた小石も堆積していた。ただし静かでマッタリとしていて気持ちがいい。紅葉もそこそこあり、ゆったりとした気持ちで登っていた。


 谷を登りだし、尾根に突き上げる形になるとかなりの勾配となった。足元が緩く一歩登ると半歩はずり落ちるような斜面。両手を使いながら這い上がってゆく。標高にして520mくらい。小尾根に乗ってそれを突き上げてゆくと、その先で驚いた人工的な光景。植林地が目の前に広がった。今までの苦労はなんだったのか。ちょっと拍子抜けなのだった。標高は540m。という事は、林道をもう少し進めばこの植林地と林道が接している場所があるだろうから、そこから登りだせばいいことになる。とは言うが、ここまでの労力を無駄とは思わず、楽しみながら来ているので、より自然の中を歩けたことをヨシとする。そこから見る鶴峯山は綺麗だった。植林地のために遮るものが無く、綺麗に見えるわけであった。その植林地の中には杣道があり、それを伝いながら高度を上げてゆく。向かう正面に谷が見え、その方に吸い込まれるように道が進み、その沢の中で途切れていた。ここから南に尾根頂部へ駆け上がる。ここも柔らかい土で、ズリズリとしながら這い上がって行く。


 やや薄くらい細尾根を行く。すると前の方で声がしていた。ここでの声。どう考えても風穴尾根を狙いに来ているパーティーが先行しているようだった。誰も居ないと思って、かなり緊張していたが、その声が聞こえた事で、少し気が緩む。なんとも判りやすい性格。高度を上げるごとに岩場が増えてくる。標高700m付近にある岩場は登り辛く、左側に棚が見えたので、そこを狙うように上ったら、棚と思った場所が落ち葉が堆積していて、足場が有るのか無いのか判らない。かなり難儀しながらの時間をかけての通過となった。右を巻いた方が良かったような。そしてここを最後に、しばらくはなだらかな落ち葉の尾根に変わる。


 標高790m付近。目の前に鋭利な岩が現れる。その上の方が鶴峯山のピークだった。その岩の基部まで行くと、赤い絶縁テープが左右どちらでもOKと記すように、両側に付けられていた。右は巻き道とすぐに判り、それでは左と選んでゆく。鋭利な岩を南から巻き込むように進む。もっと深く巻いて南からアプローチするのかとも思い見たが、それはなさそう。直登するように鋭利な岩を右にしてクロワールの中を這い上がってゆく。そして上がりきると、その視界の向こうに3名の岩装備のハイカーが見えた。こことはだいぶ離れた位置を登っている。向こうが正規ルートなのか・・・。さてこちらは直登壁を目の前にしている。ここで落ちれば命無し。どうルート取りしようか・・・見上げながら悩んでいた。やや右側に先人が伝ったような地形が見え、そこが良さそうだが、僅かなミスも許されない、より危険度の高い側となる。南寄りの方が、落ちても伝って来たクロワールの中なので良いと思ったが、難易度が高い。迷っているうちに、体が動き出した。中央突破。妙義であり、そこそこの突起岩が有り、それにより5mほど体を上げる。しかしその先に手掛かりが乏しい。イワヒバや、岩の上に軽く乗っている草などがあるだけで、体を上げるのが難儀だった。降りるにも難儀をするのだが、左右、そして上を見ながら、それこそ数分セミように貼り付いていた。ここさえ抜ければ・・・でも。そして先ほどのハイカーの姿を思い出した。向こうなら安全通過できる。今度は慎重に下る。背中には40mザイルとギア類。ザックのウエストベルトをしていなかったら、体を動かした瞬間、その重みに振られてドキッ。指先と足先に全神経を集中させて一歩二歩と降りた。そして突起岩の東側に戻る。少し生きた心地。


 直登ルートを左にして、岩壁の基部をトラバースして行くようなルート。その途中には青いマイルドセブンの空き箱がマーキングとなっていた。長いトラバースの途中、何処か上に這い上がる場所は無いものかと何度も上を見上げつつ通過。岩屋でない限り、安全に行ける様な壁ではなかった。その壁の基部が終わると、目の前に涸れた谷が現れた。少し岩に抱きつきながらヘツルように進まねばならない場所がある。体が空中に出る場所というのは嫌なもんで、しっかりと手掛かりを探し、掴みながら通過。その先1〜1.5mほどの段差の岩を乗り上げると、落ち葉の堆積したコルへの登り。顔を上げると、こちらを見下ろしている顔が三つあった。先ほど見えた方がコルで休んでおられたのだった。


 コルに到着。猛者諸氏の腰周りには、ハーネスに付けられたガチャの数々。その汚れ様、傷つき様からして、かなりの猛者集団と思えた。それでも皆さんとても人柄の良い方ばかりで、挨拶を含めたこの先のルートに対しての会話が弾む。ただし、未開の場所であり、スタート時間も遅い事から気持ちに余裕無し、すぐに先を目指す。コルからは南に進む。雑木が邪魔をするような尾根で、そこを抜けると、目の前に岩壁が出てきた。右か左か、直登もあるが手掛かりが乏しい。左(北)を巻いてゆくが、かなりいやらしい斜面で、掴む木の半数が枯れていて折れる。岩こそ無い崖地形を慎重に掴む木を選んで体を上げて行く。そして上がりきった場所が899高点。


 鶴峯山到着。眼下に小さく国民宿舎が見える。なにせ絶景。僅か下に突起した岩峰が見え、なにか仙人にでもなった気分であった。よく見ると、南側にも高みがある。南峰と言うべきか。僅かに下って、かき分け進むとこちらも展望地。ここからは表妙義が良い感じ。そうこうしていると、先ほどの猛者諸氏が山頂到着。赤いヘルメットが藪の山頂に見え隠れしていた。さてここからが風穴尾根本番。ハーネスにギア類を装備し腰に強く巻く。ザイルもすぐに出し使えるようにしておく。一度高点の場所まで戻って挨拶をしてから先に行く。途中で助けてもらうはめになるかもしれない、些細な礼儀も大事。


 鶴峯山から西進開始。僅かに下って、鞍部にマーキングがあった。何を示しているのか・・・。分岐するのだと思うが、尾根上に踏み跡もある。伝ってみると岩峰の上の危険地帯に入った。通過には確保と、その先は懸垂下降も必要になった。となると先ほどのマーキングは・・・。一度戻って南側に下りて岩壁の基部を巻くように進んで行く。途中でゴツゴツとした岩壁になり、落ちぬように慎重に5mほどを抜けた。しかしその先も懸垂下降をしなければ進めない。降りようと思ったが、尾根上で声が聞こえた。ルートは上なのか・・・。再び戻って尾根を行くと、上で先ほどのパーティーが難儀していた。やはりザイルのお世話にならないと・・・との判断であった。残すは北巻ルート。降りて行ってみるも、巻き込むような不思議な踏み跡がある。しかし深いナメ岩の谷が有り、到底行けそうに無い。ここでは北側ルートはまず違うことが判った。

 またまた鞍部まで戻り、もう一度南側に下る。今度は先ほどより深く降りてみた。すると下の方に先ほどの絶縁テープが見えた。ここか・・・確かに良く見ると踏み跡になっている。これならザイルは不必要。ただし予想以上に深く巻く。先ほど貼りついていた岩壁を見上げながら西にズレてゆく。するとルートが小さな谷によって止っていた。と言う事は、これを登るのか・・・。枯葉の堆積する谷を登って行くと、「えっ、これが風穴」と思ってしまう穴が先に見えた。こんな小さなはずは無いのだが、岩で出来たトンネルがその谷の中にあった。そこを潜るとザレ地形で、足を取られながら這い上がる感じだった。ちょうど上を行く確保しあっているパーティーも見え、声をかける。「そんな所を行くんだ」と聞こえてきていた。小谷を這い上がって行き、主稜線の上に乗る。いやはや、こんなに迷ったのも久しぶり、答えを出すまでに時間が掛かったが、その答えが導けたので大満足。ただしまだ始まったばかり。次の岩峰に這い上がり振り返ると、まだ先ほどのパーティーは岩場の通過をやっていた。ザイルを一度出すと時間が掛かる。既に60mほど距離で開いていた。ここを通過したら、次は南側を巻くように進む。この辺りもかなり広い間隔で絶縁テープが打たれている。この広い間隔がルートファインディングの楽しみを邪魔しない、適度な打ち方で感心するのだった。要所にあり、見事なまでの完璧な残し方に思えていた。


 途中で尾根を乗り越え、北側斜面を進む。すると目の前にポカンと口を開けた穴が見えてきた。その大きさから、間違いなくこれが風穴であった。なにか表妙義の第五石門のような感じに見えていた。とうとう出逢えた。まだ星穴に出逢えてないのだが、この風穴も同じほどに嬉しい場所であった。南からの陽射しもあり、休憩適地ではあるが、先を急ぐ。穴を今度は北から南に潜り抜け、南側のトラバースルート。乾いた少し滑りやすい地形で足許に注意。この先で鋭角に右に方向を変え、小尾根に乗って尾根に付き上げる格好になる。ここでの判断が必要。横にズレて来たのを、90度方向を変える形となる場所だった。突き上げて行とクロワールとなりその隙間を這い上がり進む。今度は尾根のやや北側に出て、その先は尾根ルートは岩壁のトラバース。斜度は緩いが、滑ればその岩壁は40mほど下まであるように見えた。どうしようか迷うのだが、かなりリスクが高い。そして先ほども深く巻いたのだからと、北側の尾根を降りてみることにした。すると尾根上には顕著な踏み跡があった。どうやらこれが正解のよう。ただし気持ちよく伝っていると、どんどん主尾根から遠ざかってしまう。適当な所から藪の中に入り、主尾根に戻るように南に駆け上がる。岩壁さえ巻いてしまえば、このあたりは危険箇所は無いので安全に通過できる。


 主尾根に戻ると、そこに熊の糞があった。彼らの生息域であり、より静かに歩くことを心がける。この先は岩場は皆無で、危険地帯は終了。もう少し岩場があるのかと思ったが、まあこの辺りが適当、腹八分目な感じがちょうどいい。サクサクと落ち葉を踏みしめながら登って行く。時折振り返りながら、鋭利な岩峰を見てほくそ笑む。越えて来た・・・。縦走者が居るのだろう、辺りで声がしだしてきた。登山道が近いことが判る。突き上げて登山道に出たところには、赤い絶縁テープが二重に打たれていた。岩装備を外しザックに詰め、その代わりに、持ち上げてきたシナノゴールドを出す。風穴尾根ノ頭ピークまで行き、染み入る酸味と甘みを堪能しながら目の前の烏帽子岩と赤岩を眺めていた。その途中には縦走ハイカーが通過して行く。「風が無くて良い天気ですね」と声をかけると、「ホント良い天気に歩けたわ」と、この人も自然からの恩恵を楽しむハイカーのようであった。


 さああとは下山。三方境経由で降りて行く。すると、意外にも紅葉が見ごろ。何度も登山道を外して彩りに吸い寄せられカメラを構える。その何度目か、いい気になって落ち葉斜面をトラバースしていたら、斜面が流れ出し、滑落開始。やっぱりこの時の動きは、本当にゆっくり、スローモーションを見ているかのように落ちて行く。数度岩にぶつかったが、落ち葉のおかげか無傷。ありがたい事に笑い話で済んだ。この先も紅葉のオンパレード。こんな遅くにこんなに綺麗に見られるとは・・・。紅葉の終わりでなく、やっと色づき始めているものも多く、これからの場所のようであった。もう雪の便りも有るのに・・・。

 中木沢に降り立ち、石を伝わないで、ジャブジャブと渡渉。遊び心満載。自然と遊ぶ。濡れや汚れは気にしない。林道に這い上がり、のんびりと国民宿舎まで下って行く。その途中には風景を写すカメラマンの姿。50mほど前には、岩装備のパーティーの姿もあった。そして国民宿舎に到着すると、我が車の周りで風景画を描いている方々の姿があった。すべてはこの天気からだろう。乾いた晴れやかな天気。そして無風。気持ちいい一日となった。


 振り返る。風穴尾根をやるにあたり、ルート取りを見極めればザイル不用。ただし安全のために20mほどは持った方がいいかもしれない。行き詰ったときに有るのと無いのとでは大違い。全体として踏み跡は薄く、ルートファインディング能力が試される。そして好事家が楽しむ為には、現状以上のマーキングは不要。今がちょうどいいと思えた。なにせ風穴尾根においては風穴の存在が光る。自然の物と出逢えて感動する。とてもすばらしい事と思った。
 

 

chizu1.jpg

chizu2.jpg 


                          戻る