横根山  606m     

            
 2011.4.24(日)   


  晴れ     単独       小院瀬見集落よりの林道途中から          行動時間1H52M


@即成寺西側林道途中5:25→(27M)→A医王林道に乗る(分岐点)5:52→(20M)→B送電線鉄塔の場所から谷に入る6:12→(5M)→C池塘6:17→(8M)→D横根山6:25〜26→(34M)→E医王林道を横断7:00→(17M)→F車に到着7:17


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コテージを出て横根山側を見る。 @林道途中のスタート地点。この先で雪で進めなく、余地のある場所まで戻って駐車。 林道は大きな崩落箇所もあった。 作業舎なのか、田んぼを従えた「明るい農村」的な場所だった。
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A医王林道に乗る。 途中から大門山側(石川・富山県境の山々)。 B送電線鉄塔の場所で、林道の頂上部となり、少し下りだす。 B送電線に沿うように進むと、谷に入って行く。
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谷の最初は広い場所。足の下からは水の流れが聞こえる。 谷はいつしか狭まり、倒木も多くなる。 C谷を詰めた先は池塘があった。もう少しすると、綺麗だろう。
山頂の南側から、山頂を見上げる。西側を巻くように登る。
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山頂西側は藪尾根。 D横根山山頂部。広く気持ちがいい。中央の木にリボンが縛ってあった。 D横根山最高所。 D山頂から南側。
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D山頂から北側。この辺りがかなり気持ちがいい。広々している。 横根山北東にある大きな池。 手前だけかと思ったら、奥に長い。 池の東側の尾根は、起伏の激しい複雑尾根。
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池の北東側で、大きな谷が遮り、一度県境側に登りあげる。 尾根上では、掘れた道形も見られた。もしかしたら、昔の道があるのだろう。 標高560m付近から大きな谷を東に下るが、途中で崖の上となり、登り返す。 Eなんとか医王林道に降り立つ。そのまま直角に突っ切ってショートカット。
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途中にあった立派な作業小屋。少し面白い造り。通り過ぎてから、下から見上げている。付近の沢にはワサビが沢山あった。 途中にデポしてあった作業車。 ショットカットが終わり、往路の林道に乗る。 F駐車場所に戻る。



 処は南砺市のイオックスアローザのコテージ。山菜採り企画に参加し・・・いや主導し、楽しく時間が経過していた。当然のように宴が催され、全てが終わって寝静まったのが深夜2時であった。当然のように、出かける前からいくつかの目ぼしい山を頭に思って来たが、コテージに集うメンバーに迷惑が掛からない範囲で、単独行動をしてこなければならない。タイムリミットは朝の8時。そこから逆算して、早出して行ける場所・・・。刀利ダムのすぐ北側、石川・富山県境上の横根山が、周辺では唯一行けそう。そして行き先が決まれば、一気に深い眠りに入る。

 
 4時半。重い体に気合を入れて起き出す。金曜日も一睡もせずに出てきているので、この二日間での合計睡眠時間は3時間に満たない。ここで元気に山に向かう意思がある。これは我ながら嬉しく思う。根性とか、それらとは違う山に取り付かれた病気なのだろう。外に出ると、気温は5度。いい感じに冷えていて、残雪が締まっていることが予想できる。車を走らせ、野地池の脇を通過し、里山自然休養村の桜並木の下を気持ちよく潜ってゆく。そして小矢部川の左岸、小院瀬見地区の狭い道に入り、即成寺の鐘撞堂を右に見ながらズンズンと進む。すぐにダート林道になり、この先何処まで進めるのか・・・なんて思っていた矢先、すぐに積雪により進めなくなった。適当な余地まで戻り、車を停める。カーナビを操作すると、山頂までの直線距離は2.3キロ。次に地形図を見て判断するのだが、上の方は起伏が多そうな複雑地形。“行ってこられるか・・・”でも躊躇している時間はない。

 

 5時25分、スタートする。すぐに雪の上となるが、やはりしっかり締まっていて快適そのもの。何川になるのか、支流を渡ると、その先で大崩落があった。これでは雪融けしてもこの林道は使えない。駐車は、雪と関係なく、あの場所で良かったようだ。進んで行くと、朝日が上がる脇に作業小屋らしき背の高い家が見えてくる。その脇には田んぼもあり、田舎らしいいい雰囲気。ここから日影の道を行く。送電線の下を潜り、かなり足早で進む。この先で横谷峠側から刀利ダムへと抜ける医王林道に出合う。当初はここから尾根通しで行こうかと、斜面に取り付く予定で居たが、林道をそのまま西に伝って、北から巻き込むように上がろうと咄嗟に判断した。これは後々大正解だった。

 
 右に尾根斜面を見ながら、相変わらずの早足歩行。毛穴からは昨夜のアルコールが噴出してくるのが判る。進む先の方には、県境の稜線が見え、その主峰群である大門山や奈良岳が見えている様子。その白さが神々しく目に映る。日当たりがいいのか、路側帯付近が雪融けし、そこを拾うように進んでいた。美味しそうな若芽のアザミや、それこそ春の味が見ただけで伝わってくる美味しそうなフキノトウの蕾が周囲にあった。どんどんと送電線に寄って行き、この道の峠というべき高い場所から少し下りだすと、そこに目立つ大きな鉄塔が建っている。さて何処から取り付こうかと北側を見ると。やや西に進んだ先から谷が入っているのが見えた。地形図通りの谷で、その上には送電線が流されているので、より判りやすい場所。そこに足を踏み入れてゆく。

 谷に入ると、足元の雪の下からは流れの音がしていた。ずんずんと詰めて行くと、倒木が2箇所あり、それを抜けると池塘の前に出た。そこだけ雪が溶け春の雰囲気。西に進んでいた進路を北に変えて進むと、二重山稜のような位置関係で、目の前に606高点、すなわち横根山が見えてきた。直登し辛く、西側の雪に伝わるように巻いてゆく。そして上にあがり主尾根に乗ると、そこは雑木の藪。少し泳ぎながら分けて進む。薄っすらと踏み痕もあるので、全く人が入らないわけでもないらしい。もしや、獣道か・・・雪があるのではっきりとは判らない。

 
 横根山到着。広い山頂部でかなり居心地がいい。その山頂部の中央辺りに古いビニールのリボンが下がっていた。最高所はその北東側で、ハンマー投げのサークルほどの広さの場所が突出して高くなっていた。この場所から北を見ると、すばらしく広い場所がある。大勢で訪れてもここは気持ちよく、残雪期のちょっとしたハイキングに適当に思えた。樹林の間からは周囲が見え、展望も悪くない。ただし芽吹けばゼロとなるだろう。折角着いたのだが、長居は無用。簡単に考えていたが、既に1時間が過ぎていた。この時、ここまであまり障害もなく来られていたので、帰りも楽であろうと思えていた。それが・・・。

 
 山頂の北東側には大きな池がある。その池の南側を通過するように行くが、痩せ尾根があったり、起伏が多かったりして複雑地形。隙あれば、東の林道に降りてしまおうとも思ったが、覗き見ると崖のような斜面。これは上手くルート取りしないととんだことになると思えた。少し気分のギヤを入れ替える。ここでは池の西側を通過すれば良かったのかもしれないが、全ては事後報告。池の東側まで進むと、その先で大きな谷が行くてを阻む。そこで県境側に少しズレるが、この辺りも複雑。一旦深い谷に降りて、登り返す感じ。

 602.1m三角点峰の僅か南で県境稜線に乗る。行くべき方向は判るのだが、樹木があってそのために進路が見出し難い。足許は残雪で悪くはないのだが、なにせ複雑地形。最初の大きな谷に入らぬよう、南寄りに動きながら主尾根を捕らえる。そしてふと気付くと、道形があるような場所もある。どうもこの尾根には昔道がある様子。そこにづっと伝っては行けず、拾ったり外したり・・・。そして560m付近から、気持ちよい谷が東に降りていた。自然と誘われる。しかしこれも行過ぎると滝のような場所の上に出てしまい、最初の気持ちよさは「危険な誘い」の場所でもあったのだ。再び修正するのに登り返す。時間への焦りが、迷う回数を増やしているようにも思えていた。ただし、コースとしての大枠は外していない。残雪に踵を入れながら、大きなストライドで東進して行く。

 途中で杉の植樹帯に入ると、下の林道が近いことが判る。そこで気を許したのだろう、ズルッと滑る。両手裂傷。下に林道が見えた時はホッとする。ここで医王林道に乗った形。ここからはさらに時間を詰めようと、ショートカットを挑む。谷部を降りて行くと、段々畑が見られた。その脇の沢を見ると、沢山のワサビが生えている。少し拝借し口に含むと、間違いなくその味。ここには黒い直径5センチほどの導水管があり、それに伝ってゆくと山道に乗った。その道形を追って進むと、途中には立派なサッシ窓の山小屋まであった。居心地のよさそうな小屋で、なにか羨ましささえも抱く。さらに進むと、キャタピラーの付いた作業舎も放置してあった。

 
 林道に出る。往路を自分の足跡を追うように、ほとんど走るようにして戻って行く。走ると必ず肺が病むのだが、ここは集団でのルールを守らねばならない。約束の時間に急ぐ。周囲の山菜がかなり目に入るが、まあここにあることさえ覚えていれば次に繋がる。車に到着し、コテージに大急ぎで戻って行く。

 
 コテージに到着すると、寝起きのメンバーが、マッタリとした朝の雰囲気の中に居た。滑り込みセーフ。


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