鉢山 2041m
2012.2.19(日)
快晴 同行者あり 横手山スキー場内経由 行動時間:5H17M
@硯川ホテル前9:05→(68M)→Aリフト頂上駅10:13〜23→(62M)→B鉢山11:35〜12:05→(38M)→C大休止12:43〜13:44→(43M)→B麓14:27
@硯川ホテル前から | @笠ヶ岳が見事 | スキーハイカーがにこやかにスタート。 | 学生のスキー旅行も天気に恵まれ。 |
Aリフト頂上駅。ここから無垢の雪の上を行く。 | 雪が綺麗に演出。 | 途中から鉢山。 | 楽しそうに滑るメンバー。 |
B鉢山山頂。 | B鉢山から横手山。 | B鉢山の樹氷。 | 今日はオフリミッツ。 |
この天気。 | C麓に下山。 |
パーティー行動の山スキーなど、どれだけぶりか・・・。酒宴の延長線上で、翌日は猛者諸氏と志賀高原の鉢山を目指す。澄み渡った青空。そこに鉾先のような笠ヶ岳が自己主張している。前日は、酷く荒れた天気であり、それこそ一転して天地が入れ替わったくらいの好天になった。まさしくスキー日和。アウターのジャケットを着ないでも暖かいほど。4月くらいの雰囲気だった。
9時を少し回った時間に硯川ホテル前をスタートする。照り返しの眩しさが心地よく、しばらくは裸眼で行く。これが雪目の元なのだが、晒していると目も強くなる(まねはしない方が・・・)。リフトを左に見上げながら、ゆっくりとした歩調でゲレンデ斜面を登って行く。スキー教室の高校生が、3学校入っていた。同じ衣装を纏って、さながら雪中行軍をしているかのように集団が動いていた。今日も左肺からのエア漏れが強い。右も漏れている。肺活量がもたず、会話が続かず途中で途切れてしまう。でも頑張る。
草津峠に向かうように、ゲレンデを拾って登って行く。その横を不思議そうに学生らが通過して行く。「何でこの人ら登れるの?」と・・・。シールの存在を知らないのであった。滑っているのを楽しそうに見ていたが、逆に向こうも、登っているのを楽しそうに見えたかもしれない。途中の中継駅から係りの男性が飛び出してくる。「ゲレンデを登っていいですが、コースからはずれる時はつぼ足にしてください。利用者がコースがあると間違えてしまうので・・・」と言う。咄嗟に、“外れる時は登るようなコース取りにすればいいじゃない”と思ったが、争いは避けたい。「判りました」と良い返事をする。
少し斜度が増し、陽射しを背中に受けながら登って行くとリフト頂上駅。その間もひっきりなしに学生が滑り降りて行く。元気な挨拶を交わしながら・・・。ここで小休止。みなはビーコンのチェックをしている。私の日ごろは単独行。ビーコンを持っていても意味を成さない。よって買っていない。ここからはビーコン基準では別行動となる。しかし、私の持つ改造無線機では受信は出来るはず。周波数を聞いたが、だれもビーコンに割り当てられた周波数にピンときていなかったよう。チャンネルしか判らないようだった。八木アンテナも携行しているので、誰かが埋もれた場合は、この指向性で的確に探し出せる事になる。上を見上げると樹氷が見事。前日の悪天がすばらしいお膳立てをしてくれていた。
さて突っ込む。ここからが本番。10mほどつぼ足をしてから板を履く。一般スキーヤーが入らないよう登り勾配での侵入。草津峠を目指してガツガツとラッセルして行く。沈み込みは20センチほど。前日の場所より標高が高い分、締まっているようで雪が堅い。トラバースするように東進して行く。強い日差しがあるので気持ちいいこと限りなし。樹林が映え、雪面が映える。旧草津街道の谷を挟むようにして、向こう側にデンとした鉢山が見えてくる。1980mの肩の場所で足を揃える。滑りも楽しみたいパーティー、ここでシールを剥がして草津峠に滑り降りる。新雪の緩斜面。我が板では滑らないのは見え見えで、シールのまま降りて行く。
草津峠下でしばし後続を待つ。寒くないのでこの時間がとても心地いい。前夜のアルコールのせいで心地いいのもある。そして続々と滑ってくる。絵になる風景。そして1966高点の山腹をトラバースしながら鉢山に取り付く。ファットスキーにトップを変わっていただくと、この上ない楽さ。そして自分の番になると、フロント過重の板のせいで、潜る潜る。潜らせつつ進むノーチラスラッセル。呼吸を荒げないよう注意しながら、当然肺も気遣う。背中側の横手山が、どんどんいい姿になっていく。山頂部の鉄塔が白くモンスターのようになっているのも見えてきていた。急峻が楽しく、ラッセルが楽しい。シールが雪を咬む感覚が嬉しいのだった。
鉢山山頂は、モンスターになりかけの状況。2000mを越える場所であり、それ相応の出迎えで心地がいい。東側に出ると白い岩菅山が見事。そして白砂山だろうか、東の方に顕著に見えている。舫っておらず遠望も見事な日であった。南に少し戻ると、浅間山の噴煙も見えていた。記念撮影をしたあとは、南西斜面を滑って降りる。やや緩斜面の山頂部。しっかり南西にズレてからシールを外すも、それでもまだ緩斜面が少し。
そしてドロップイン。浮力がなく浮かない。皆はファットスキー、気持ち良さそう。これが道具は道具と言う部分。でも覚悟の上の選択であり、現状を最良に楽しく過ごす。より急峻を選びつつ、緩斜面はシュプールを追うように滑り降りる。黙々と登り黙々と滑る日頃、今日はワイワイと雪と戯れる。これまた楽しや。目指すシンボルとしての笠ヶ岳が、その滑りによって右へ左へと移動する。ある程度滑ると滑れる斜面は終わり、緩斜面に。そこで大休止。スノーテーブルを、慣れた足捌き手捌きで造り上げ、短時間で宴会場が出来上がる。アウターを脱いでも寒くない状況下、ビールがより美味しく喉をくぐる。そして寒い時期には燗酒。次々と下界張りの食材が御開帳に・・・。
1時間ほどの大休止の後、ゲレンデまで緩斜面にトレールを伸ばしてゆく。シール無しのラッセル。トップは大変そうに進んで行く。途中で旧草津街道に乗り、それに繋がりゲレンデに出る。長い時間の緩斜面だったので、硬いバーンが爽快。そしてワックス無しでも良く滑る。最後の最後まで心地よく、爽やかな風を受けながらリフト麓駅前に滑り降りる。
12年ぶりの鉢山。樹林帯の中を縫うように進んだ記憶の場所だったが、雪が乗りまた違った表情を楽しむことができた。緩斜面が多い為、もう少し締まった時期の方が滑りになるよう。と言うか、今はファットスキーの時期か・・・。