日向山 1660m
2012.6.30(土)
晴れ パーティー 時計回りで周回 行動時間:4H14M
@登山口8:56→(47M)→A錦滝9:43〜53→(71M)→B日向山11:04〜12:01→(5M)→C三角点12:06→(64M)→D登山口13:10
@駐車スペースは全て埋まり、林道路肩駐車。 | ゲート手前は林道工事中。 | 崩落箇所も多い。 | A錦滝休憩舎。林道歩きから山道へ |
A錦滝。夏場は涼やかな場所。 | 階段を登る。 | 鞍掛山への道を左に見て、右側に進む。流れあり。 | コルに向けて上がって行く。 |
コルに乗り上げる。 | 砂に足をとられつつ登って来る。 | コルから山頂へ | 雁ヶ原では各人が好みの場所で休憩している。 |
B日向山の標柱。 | B北側。残念ながら八ヶ岳はガスの中。 | B大岩山側もガス。 | B今日のメンバー。 |
久しぶりにヤキソバパン。やはり山ではこれが美味しい。 | C樹林の中に三等点 | 炭焼き釜が残る。 | D登山口に下山。 |
これから山を始めようとする人の依頼を受けた。何事も最初が大事。1回目如何で、その趣味に対する意識が大きく変わる。ある意味責任重大であった。参加者の中には、小学校4年生の女の子が居る。大人だけなら無理をさせてもと思うが、子供の場合そうはいかない。子供中心に物事を考え、全体のバランスは大人も楽しく・・・と構想を練る。そして山だけでなく、周辺域が遊べる場所が多いと「楽しい」印象が濃くなる。ガイドする裏方として、各人の力量を知らない状況で、いろんな場所を計画してみるのだった。
八ヶ岳もネームバリューがあり、それによる登頂感もあるだろう。登り易い100名山などもいくつか構想に入れてみた。で、出した最終計画は「日向山」。近々になって女の子が肺炎になって入院していた情報が入った。そこでロングコースは消え、なだらかなコース取りが選べる場所とした。そして日向山なら、近望から遠望までの全てが楽しめる場所。
参加全員が上州発。7人なら我が車1台でいいのだが、なにせエアコンが壊れている。接待風に乗せるには・・・。このことにより各人で出してもらう事にした。集合場所は佐久南インターを降りた場所にあるルートインとした(6:30)。向かっていると、予定時間に対し20分前に各人到着しているメールが入る。「やる気」を感じ嬉しかったりする。そのルートインで一度顔を合わせ、次の集合場所を「道の駅はくしゅう」として、各々のコースで現地に向かう。普通なら隊列行動であろうが、連なって走る事ほど気を使う運転はないし余計時間もかかる。登山前に疲れることはしたくなく、各々の走り方で現地へ向かう。携帯電話があるおかげで、こんなことが出来るのかとも思う。「なにかあれば連絡が取れる」。このことは強み。
ほぼ予定時刻に道の駅はくしゅうに到着(8:00)。湧水を汲みトイレを済ませ準備完了。駒ヶ岳神社側に車を進める。11年ぶりに訪れるここ、懐かしい経路の景色であった。そしてクネクネと登って行くと登山口に到着する。予想はしていたがロープで仕切られた駐車スペースは全て埋まっていた。やむなく先に進ませて林道の路肩に停める。後続車も次々とあり、ハイシーズンのメジャーコースの登山口を体感する。女の子の体調は道の駅に到着した時から観察していた。呼吸、顔色、話し声・・・。周回で行けるか・・・。大人を満足させるにも錦滝側へ進みたかったのだった。尾根ルートのピストンでは、やはり面白みは半減だと思っていた。時計回りの周回で行く。
賑やかに会話をしながらのパーティー行動。絶対に熊は近寄ってこないだろう。ゲートまでの間は、工事が進行形で重機等が置かれていた。そして先に続く林道だが、以前より崩落が進み、車で入ることは出来なくなっていた。十数年の歳月は、林道をここまで・・・。元々岩が脆い地形。それがあっての白砂の美しさもあるところでもある。木々を説明しながら・・・タイムリーに蛇なども居て、行動に面白みが増してゆく。食べられる山菜が少ないのが玉に瑕だが、もう少し早い時期なら違ったであろう。ハシバミやらカタクリがあれば、酸っぱかったり甘かったりと、自然の味を楽しめたのに・・・。
目の前に東屋が現れ、錦滝に到着。ここで小休止。滝に降りて行き、飛沫を浴びながら涼を得る。甘いお菓子を提供して、この先の急登へのエネルギー補給。「さあここから本番ですよ。でも短い距離ですから」気分の負荷を減らす言葉も忘れない。いきなりの急登に、これまでの会話が経るかと思ったが、意外や話し声は続く。大人は大丈夫のよう。女の子は少し辛そう。タイガーロープの場所では、腕力がついていっていない。でも助けず自分の力で上がらせる。山では甘えは許されず、自分は自分で守る。厳しいようだが、この部分は貫く。ここの急登は子供のコンパスには厳しいのは判る。フィールドアスレチック的で面白いと踏んだのだが、さて女の子にはどう感じていたのか・・・。ゆっくりと高度を上げて行く。追い上げてくるパーティーには全て道を譲る。それにしても涼やか。吹き上げてくる風が火照った体にそれこそ涼風。
急登が終わると鞍掛山との分岐点が現れる。ここに日向山を指す道標は無く、鞍掛山への道を左に見て、右に下がり気味にトラバースする。進んだ先の谷の中には流れがあり、手を浸すとかなり冷たく気持ちがいい。上を見上げると白砂の・・・雁ヶ原。九十九を切りながら、砂に足をとられつつ細かいピッチで進んで行く。コルに着くと懐かしい鞍掛山側の風景。11年前、ここから突っ込んで行った場所。今では大岩山までも開かれている。山梨の作道も富山に続いて盛んにされているようである。さて最後の登り、雁ヶ原の奇岩ポイントで休憩する人らを左に見ながらてくてく。この辺りは海岸を歩いているかのような雰囲気。今日のパーティーも感動しきりであった。
日向山山頂。既に5パーティーが休憩していた。生憎のガスのかかった周囲展望。それでもそこそこ楽しめる状況。近望から遠望までカバーするここであり、白砂と言う近望が十二分に楽しめるので不足は感じない。集合写真の撮影後、祝杯。本物といきたいところだが、安全を考慮しノンアルコール。それでもこの場所なら、幾分か本物になり変わる。シャボン玉を忍ばせてきたので女の子と一緒に遊ぶ。しゃぼんの中に周囲の緑の山並みが入り込む。万華鏡のような絵面でもあった。それにしてもメジャーピーク。山ガールの姿も多い。1時間ほど休憩して下山となる。
周囲ではエゾハルゼミが輪唱状態。我が身を自己主張するべく大きな声で鳴いている。三角点を拝み、緩やかな下降路に踏み入れて行く。すれ違う人も多い。短時間で大展望を得られる場所。早朝帯での早出行動をしなくともいい場所のよう。ステンレスプレートに振られた数字が、登山口までの距離を示している。登りで喘いでいた面々も下りでは快適のよう。話し声は絶えず賑やか。楽しく行動できれば何より・・・熊よけの鈴要らずとも言えようか・・・。もう下の林道が見える大岩の場所で小休止。一気にと思っていたが、子供は疲れるようだ。見ていると女の子は加速と減速を繰り返す歩行。子供らしいのだが、普通に疲れると思えた。
炭焼き釜の場所でクイズを出した。誰かしら判ると思ったのだが、回答は出なかった。防空壕のように見えるそれは、山に入らないと見ないもの。ガスや電磁調理器世代であり、炭が疎遠になってしまったためか・・・期待した回答は皆無。ここで適した材質や作り方を教える。これぞ山で学ぶ。ここで釜に出会わなければ、この先もそれを知らないで過ごす事となった事だろう。本当なら順番からいくと登りなら良かった。大岩の場所にも石組みがされない跡があり、目を肥やすには最適の教材でもある。下に車列が見えゴール。皆一同に喜び、感謝の言葉をいただいた。企画者としては嬉しい反応であった。荒療法ではないが、あの急登をやっておけば、他の場所は楽に感じるだろう。
帰りは尾白の湯で疲れを解す。この森も一大観光地。多くの家族連れで賑わっていた。