祝瓶山 1417.0m 大玉山 1438.2m 北大玉山 1469m
平岩山 1606.0m 大沢峰 1484m 御影森山 1533.9m
前御影森山 1435m 中沢峰 1343.3m
2012.07.14(土)
雨のちくもり 単独 祝瓶山荘から時計回りで周回。 行動時間:12H5M
@祝瓶山荘4:10 →(41M)→A桑住平分岐4:51→(104M)→B祝瓶山6:35〜39→(10M)→C大玉山への分岐6:49〜51→(57M)→D桑住平への下降点7:48→(79M)→E大玉山9:07〜08→(47M)→F針生平への分岐9:55→(13M)→G北大玉山10:08→(56M)→H平岩山 11:04〜05→(40M)→I大沢峰11:45→(52M)→J御影森山12:37〜41→(23M)→K前御影森山13:04→(72M)→L中沢峰14:16〜20→(135M)→M祝瓶山荘16:15
@祝瓶山荘前をスタート | カクナラ橋を渡る。揺れそうに思ったが、意外にしっかり。 | トラバース道にタイガーロープが現れたら、下側を気にしているとルートが見えてくる。 | 下にカクナラ沢が見え、そこに降りて行く。 |
カクナラ沢に降り立ったら。ここで給水。左岸側の踏み跡を拾って進む。 | 桑住平。付近は倒木が多かった。ミズバショウも沢山見られる。 | A祝瓶山と朝日岳との分岐。 | 渡渉箇所は大小合わせると6ヶ所ほど。全てに飛び石があり、濡れる事はなかった。 |
渡渉し終わった右岸側の幕営適地。 | 途中から見る祝瓶山。 | 主稜線に乗る。 | 上部の方は赤ペンキが導く。 |
濡れた岩部。タイガーロープに掴まりながら。 | B祝瓶山到着。 | B二等点 | B二等点に並んで主三角点も鎮座。 |
B周回する最終ポイントの中沢峰側を見ている。 | 祝瓶山の北側には雪渓が残るところがちらほら。 | C大玉山への下降点分岐。見逃して先に進んでしまった。 | C大玉山側への道標表示は無い。この道に入って行く。 |
やや痩せた尾根上を、右に深い沢を見ながら降りて行く。 | 正面に大玉山や北大玉山が見えている。登り返しがきつそう。 | ルートは雨の中、よく滑る。笹が覆ったり、倒木が密集する場所もあった。 | D桑住平への下降点。 |
E大玉山は登山道から僅かに西に逸れた笹薮の中。 | E探さないとこの三角点は出てこない。 | E三等点。 | E三角点の場所から15mほど北に進むと山頂標識が横になっていた。 |
周辺はヒメサユリが乱れ咲き。 | ルートはモシャモシャになり、良く濡れる。 | 途中、道が消滅している。崩落した場所は何となくルートが見えるが、その手前(南)で、わずか10mほど藪漕ぎ。 | F針生平への分岐。ここから北側はあからさまに道が良くなる。 |
G北大玉山 | G北大玉山最高所 | 平岩の清水への下降点。 | 大朝日岳への分岐点。最高所は東側。 |
H平岩岳 | H平岩岳三等点。 | 周辺はハイマツの中の道。砂礫があり、道が在るように見えるが、ハイマツの方へ進む。ガス時注意。 | チングルマが並ぶ。周辺はウスユキソウなど、高山植物が多い。 |
森林限界より標高を下げ、再び樹林の中へ。 | I大沢峰。標識類はなし。 | I笹薮の中に境界標柱は立っている。 | 水場への下降点。100mほど下るよう。 |
J御影森山。立派な標柱が立つ。 | B三等点。 | J立派な標識。朝日町の施工か・・・。 | 御影森山から先の登山道は、刈り払いがされておらず、ルート上に笹が生えている。 |
こちらもヒメサユリの群落有り。ここは刈り払わない方が・・・。 | K前御影森山 | 中沢峰を前にして、登り返し。鞍部の水場の存在は判らなかった。道の様子は明瞭なのだが・・・。 | 途中から野草に覆われ、ルートが見えなくなる。ツワブキが多くなってきた辺りで注意。秋頃なら問題ないであろうが、この時期は注意が必要。 |
中沢峰の東側に乗り上げ、登ってきた道を見下ろす。ここには分岐道標がないので、進路に注意。 | L中沢峰。展望がいいと紹介があったが、ガスの中。道標類もなく、藪の山頂。 | L三角点は表面のみ顔を出している。目立たない場所にある。 | 中沢峰からの下降は、緩やかな場所が多いが、アップダウンがかなり多い。 |
途中の道標の場所。南東側に尾根道があるので下山側を間違えぬよう。 | ブナの中の快適な道。下のほうへ行くと、やや急峻。 | M祝瓶山荘に到着。 | M鍵を借りて、一晩過ごすパーティーが居た。 |
Mその他、2パーティーはここにテントを張っていた。駐車スペース到着。 |
海の日の三連休。ただし、前線が九州で被害をもたらしている状況で、全国的に優れない連休滑り出し。大きな山行を計画している人らは、かなりもどかしい金曜日を体感したであろう。そんな金曜日に、やっと行き先を決めたのが私。直前に決めた方が、天気の推移に順応できる利点がある。なんて綺麗事を言うのだが、実際は決めずにズルズルしているだけであり、計画性が無いの一言に尽きる。あとは、金曜日の終業まで仕事に集中しているとでもむず痒い発言でもしておこう。
南ア、北アと睨んでいたが、高層は荒れると読んだ。標高を少し下げて尚且つ涼しい場所。この時期に涼しい場所と言えば、北方面であり、東北側に目を向けた。そして朝日山系の祝瓶山のところでその目は凝視された。“面白い周回が出来るじゃん”野川をその中心にして、グルッと回って綺麗に登山口に降り立つことが出来る場所。マイカー登山に合致した適当な場所に思えた。不安箇所と言えば、登山口までの長いアプローチ林道。調べると不通箇所は無いようであり、決行となった。
20:10出発。北関東道を使って東北道に入る。各サービスエリアに車の多いこと。これが3連休かと体感させてくれる。吾妻パーキングエリアに11:20に入り、週末割引を有効にさせるために40分ほどの仮眠。そして0:10に福島飯坂インターを出る。広く快適なR13で米沢に入り、R287で飯豊町を掠め長井市に到着する。ナビを見ながら進み、途中から出てくる「木地山」の表示に導かれて山中に入って行く。R252は、旧道から新道に変わり、大きく迂回するようではあるが走りやすい道が出来ていた。ただし、途中からはすれ違いも儘ならないような細い林道に変わる。暗い中、路肩が見えずドキドキしながらハンドルを握っていた。
木地山ダムに到着する。ここは堰堤の上を通過して行くのだが、クランクのようになった特異な通過点。対向車が来たらどうするのだろうと思える場所。そしてダム湖の東岸に進ませると、小屋(木地山山荘)前に人陰のある場所もあった。キャンプをしているようで、釣り師のようにも思えた。さらに進むと、余地にちらほらと車があり、ガソリンランタンが輝いている場所があった。宴の跡も見え、やはり釣り師で間違いないだろう。横目に通過して行くのだが、林道はよく踏まれダート林道にしては状態がいい。ただしダートはダートで、それなりの通過点があり、オフローダーの方が優位である事に間違いない。
ヘッドライトの明かりを頼りに上流域へと急ぐ。すると目の前に小屋が現れた。2:10到着。その前辺りにある駐車スペースは3台ほど。暗くて周囲が見えず右往左往していると、一段下側に降りて行く道があるのが見えた。その先に電話ボックスがあり、間違いなく駐車場のよう。降りて行くと、その電話ボックスは登山届けのある場所であり、電話が通じているいる訳ではなかった。広い駐車場には車は皆無。あまりこちらからは登られないのか・・・。針生平側からのアプローチの方が祝瓶山に上がるには早いし、やはりこちらは裏ルートという位置付けなのだろう。大きな木の下に車を入れると、そこからボトボトと大きくなった雨粒がボディーを叩いた。夏であり日陰を思ったのだが、雨の日の木の下は、雨音を大きくするようである。我慢しつつ、仮眠をとり夜明けを待つことにした。と言うのも、スタートして間もなく吊橋が有る。雨でもあり、細心の注意えをと明るさを求めたのであった。
4:10歩き出す。小屋前の道標が示す方へと、林道を伝って行く。まだ車で進めると思うような道幅があるが、5分ほど進むと山道風になる。その前にルート上に流れが出てくる。いきなり泥濘地の通過点が待っていた。6分進むと登山口の標柱が立っていた。やや進路が西寄りに進むと、吊橋がお出ましになった。右に拉げた状況で、なにかバランスが悪い揺れやすい吊橋に見えた。しかし、いざ足を乗せてみると、案外しっかりしている。ここを踏み板が無い時期に通過している人もいるようであるが、スリル満点であろうと思えた。対岸に渡り、先に続く山道を行く。歩き易い一級の道で、ややスピードを乗せて進んでいた。
「ヌルマタ沢・野川自然・・・」と書かれた標識の場所で、本道から逸れる道も見える。沢ルートか釣り師のルートか。この場所から3分ほどでトラバース道に入りタイガーロープが現れるような道になる。水平に進む道がなくなりちょっと躊躇すると、下側に汚れたロープが見えてきた。水平から垂直に下り、カクナラ沢に降り立つ。広い瀬の場所で居心地がいい。ここでプラティパスを満たす。やや大きな流れであるが、冷たく美味しい水であった。ここからは左岸側にルートが切られている。伝って行くと、シダ類の茂る場所。その風景は亜熱帯の樹林の中に居るかのよう。西表島や小笠原の山中に居るかのような感じであった。進んで行くと右手に平らな場所が見えてくる。登山道脇には咲き終えたミズバショウが沢山見える。一方左手側にも平地があり、こちらはやけに倒木が多い。風の影響だろうが、極最近倒れた様子であり、生木の色合いをしていた。ここが桑住平となるか。渡渉を1回して、その先で大朝日岳と祝瓶山との分岐点が現れる。ここから先も渡渉箇所が連続する。その途中にはテン場に適当な広見も見られた。
水気の多い場所をしばらく歩いていたが、それが終わると、やっと登山道らしい勾配に変わった。その途中からは最初に目指す祝瓶山が見えてくる。まずはあそこに・・・まだ時間がかかりそうに見えるのであった。その山道も、すぐに尾根筋に乗った格好になる。何処かに似ている場所・・・。“そっか、鳥甲山の南尾根か・・・”などと思い出したりした。小雨の中、じわりじわりと高度を上げてゆく。途中からは赤ペンキが多くなる。岩場が増え、歩き易い場所をそれが示していた。そしてヒメサユリが現れる。場所によってはキスゲの姿もあり、ピンクと黄色が、雨により発色を増し綺麗であった。タイガーロープを掴むような場所が出てくると山頂も近い。
祝瓶山到着。5分ほど前から急にガスが覆い出し、視界を消しつつあった。やや残念な視界だが、予報からいくとしょうがない天気。遠く、下山側の中沢峰が見える。“けっこう遠いなぁ〜”と内心。でも決めたからには歩く。そして結果を出す。大ぶりな二等点と、その後に主三角点も従えていた。北に降りて行く。谷の源頭部には雪渓が残っている。少しそこで涼みたいような雨具内の体温でもあった。振り返ると円錐形の祝瓶山が見える。スクンとしたいい姿。途中、ルート西側に標柱が倒れていた。東には踏み跡が降りていて、なんだろうと思って通過してしまった。標柱には針生平と示してあるのだが、まさかここが大玉山側に行く道とは思わなかった。視界がなかったせいもあるが、そのまま北西に足を進めて行っていた。少し半信半疑・・・まさか先ほどの場所が・・・。地形図を見ると確かに分岐点は近い。歩いて行く先に、東側に尾根筋は見えない。となると先ほどの尾根筋しかない。分岐点には大玉山を示していないのであった。登り返すように戻り、分岐点から北東に進路を変える。
尾根筋はやや細く、右に深い谷が見え、そこが岩肌で荒々しく見えるために、より尾根筋が痩せているような感覚でもあった。進む先の大玉山らしき姿がガスの間から一瞬見えた。鞍部からの登り返しがきつそうに見える。ルートはマイナールートなのだろう、近年の切り開きはされていないよう。よく濡れるササの道で、おかげで火照った体のクールダウンにもなっていた。ただ、足許は滑る場所も多い。雨の日のしょうがない部分。
分岐点から約1時間ほど、桑住平への下降点となる。下の分岐を見ているので、あそこからこちらに進めば、ここに突き上げたわけである。この場所から振り返ると、ガスの中に祝瓶山の半身が見えていた。この分岐点から先は、ブナの倒木が多くなる。避けたり跨いだりしながらルート上を伝って行く。西側に水場があるはずであり、注意しながら居たが、そこへの道標は無かった。草地の中に踏み跡があったので、おそらくそこから降りるのだろうとは見えていた。
1400m峰が顕著な高みとなり、そこに突き上げるように登って行く。登り上げると境界標柱があり、この先のルートは尾根のやや東寄りを歩かせるようなルートとなる。野草が踏まれず、自然に戻りつつある。日頃の利用・通過する人数が伺える。今日は誰かに会うだろうか・・・。静かな静かな山歩き、鶯の囀りを聴きながら・・・。
大玉山三角点は、気にしないと通過してしまう。登山道から西側に踏み跡があり登ってみると、何となく広く、ササの中を探ると三等点が出てきた。宝探し的であり、ちょっと出てきた時は嬉しかったりする。ここでの標識類は皆無。こんな山頂か・・・と思って北に足を進めると、15mほど進んだ所に山名を彫りこんだ標柱が横になっていた。山頂と三角点が違う場所の所も多いが、ここ大玉山の場合は同じで良い場所。なぜにこのようにしているのだろう。北に進むと、益々モシャモシャになってきた。濡れるは濡れるは、ただしヒメサユリの群落があり、標高を上げた関係で見ごろを迎えたものが出迎えてくれる。
“おやっ、道が・・・”これまで何となく伝えた道が消滅する。藪化している周囲。向かう方向は判っているので漕ぎながら突っ込んでゆく。その先が開けると崩落地となった。ザレた中を通過して行くと、再びルートに乗った。この場所は踏み跡が見えず、この事からも歩かれる人の少なさを示している。そしてこの先で針生平からの道と合流する。合流してからの登山道は、打って変わっての歩き易い道になる。標高が上がってきているせいか、体感温度が低くなってきている。風も出てきて雨も強くなっていた。
北大玉山は通過点、さび色の境界標柱のようなものがあるのみで、人工物は他には見られない。ダラットした山塊で、そこを通過して行く。今日の最高峰はもうすぐ。ここまで来たら、大朝日岳に登らないと変わり者と思われるだろう。でも自己満足であり、登らずともいいのである。平岩の清水への分岐道標が立っている。15mほど入ってみたが、水音は聞こえずまだ先のよう。背中には汲んだまま飲んでいないカクナラ沢の水がある。踵を返しルートに戻る。この先でもヒメサユリの群落。その中にキスゲも混ざり、豪華な色合いを見せる。
平岩山分岐。ここから大朝日へは巻き道を北進して行く。薄れた道標は見辛くなっており、らしき方向の踏み跡に乗って東にズレて行く。すると先の方に三本の人工物が立っている高みが見えてくる。ここが平岩山。三本の木に囲まれた中央に、三等点が埋まっている。長居するには嫌らしいガスの濃さと風雨。休む事無く折り返し地点からの後半行程に入る。ここからのルートはハイマツの中にある。一見するとハイマツの無いザレた場所に道があるようにも見え、誘われるのだが、ハイマツの中を一途に進むので間違いなかった。見たかったこちらから見る祝瓶山側の稜線。また来いよとばかりにガスに包まれていた。そうそう、忘れてはいけない。付近には各種高山植物が多い。地味ではあるが花畑の様相であった。
森林限界が終わり、樹林帯の中に入って行く。エアリアには大沢峰北側に水場があるが、それらしきものは無かった。そして大沢峰。境界標柱が登山道脇にあるだけで、目ぼしい標識類はなし。完全に通過点。ここから7分ほど下ると、そこにやっと水場の標識が出てきた。稜線から100mの距離とある。どうも、エアリアの表記が間違えているようだ。アップダウンをしながら進むと、これまでに無いような太く大きな標柱が現れた。
御影森山到着。ここだけこの標柱となると、朝日町側の設置と理解していいか。その脇に三等点もニョキッと立っていた。明瞭な道が東の朝日鉱泉側に降りている。進む方向は南側。踏み入れていくと、ルート上から笹が生えているような場所。状態が一変した。また大玉山付近のようになるのかと構える。いつしか雨は上がったものの、雨具が乾く暇が無かった。そしてこの御影森山と前御影森山間に、この日一番のヒメサユリの大群落があった。登山道上にも生え、ここだけ見ると切り開きをしないで欲しいと思えた。歩き辛いと言ったり、見たいと言ったり、まこと勝手なもんである。
前影森山は人工物のひとつもない完全なる通過点であった。アップダウンの回数も多くなる。だんだんと高度を下げつつあるのだが、最後の中沢峰が見えてからも急角度に落ち込むのでハラハラしていた。その中沢峰の北側鞍部からは、しっかりとした道形に変わる。ここにも水場表記があるが、池塘らしきものがあったが、流れは見えなかった。中沢峰に登り上げるように、最初はやや西側に巻きこむようなルートとなる。クネクネとしだすと、その明瞭な道が途端に藪化しだした。落葉季ならいいだろうが、今の時期に通過するリスクか。進んで行くと、完全にルートが見え無くなった。野草が茂り、そこを潜るほどの植生だった。ここではやや左上(南東)側を気にしていると、何となく樹林の中に開けた幅がある。半信半疑で進むと、今度は真っ直ぐ直登する筋がある。水の流れで出来た筋のようにも見え、かなり急峻。木々を掴みながら這い上がるような場所。振り返ると、北側の暗部が広く見えていた。登り上げると尾根にぶつかりルートが横切っていた。道標はなく、方角からして西進が正解であり進んでゆく。
中沢峰到着。ここも標識類は皆無。かなりモシャモシャとした山頂で、展望がいいと紹介があるのが・・・本当なのかと疑いたくなるほど。そしてその場所から北側に切り開きが降りていた。間違いなく祝瓶山荘への道だろうが、本当に一切の案内書きは無いのであった。三角点があるはずであり、藪の中を探し回ると、足許に十字が見えた。そのほとんどが埋まっている三角点で、顔だけ見せている状態であった。これで最終ピークを踏んで、あとは降りるだけ・・・と思っていた。が、意外や下り一辺倒ではなかった。
最初は緩やかな道が続く。こんな感じで最後まで降りられれば言う事なし。そう思いつつ居たが、途中からアップダウンが繰り返される事となった。救いは、周囲のブナの綺麗な事。その見事なブナを左右に見つつ少しストライドを広げて進んで行く。ふと獣が動く音が近くでする。なにか褐色の毛皮が見えたが、はっきり判らなかった。この下りもほとんど道標が無い。このことで、下りだしての長い間、本当に下山ルートとして合っているのか心配であった。ルートとしてあるのは、もう一方の葉山側。コンパスを当てると南西側に進んでおり、間違ってない模様。
下山に入りほぼ中間地点を過ぎた辺り、ルートが尾根に乗り、左右にルートが横切っていた。この場所に来て初めて「祝瓶山荘」と書かれた標識が現れた。現地の裏づけが取れ、少し気分が楽になる。単純極まりない。ここからは緩やかさが増すが、アップダウンが無くなったわけではなく、さらに続く。途中で気づいたのだが、昔の石で出来た村界標柱がポツポツと見られる。そういえば中沢峰の三角点脇にも同じようなものがあった。これだったのか・・・。昔からの山道のようであり、それを見てからの歩きは気持ち重みを感じるようになった。下が近くなるとやや勾配が増してゆく。そんな中に右から書かれた横書きの標識が残っていた。右からであり、かなり古い標識である。どんどんと高度を上げると、緑の中に赤い屋根が見え隠れしだした。
祝瓶山荘到着。周囲から声がする。降りて行くと、ちょうど裏手に回ってきた方が居られ、私を見てビックリ。「ここを降りてきたということは、どこから・・・」付近を見知っているが故に、ルート取りが読めないようであった。「祝瓶から周回です」と言うと「ああ・・・えっ」と吐いていた。その表情が面白かった。駐車場の方へ行くと、足立ナンバーの車があり、その横で宴会中。さらにもう一台、福島ナンバーがあり、こちらは静か。単独行なのだろう。サッと着替えて木地山ダム側へ戻って行く。ダムから祝瓶山が見たかったが、「見たけりゃまたおいで」の展望であった。
麓に降りてあやめの湯に浸かり、三階の滝を拝瀑。無事ミッション完了。