中岳 2925m 駒ヶ岳 2956.3m 伊那前岳 2911m
2012.8.26(日)
快晴 同行者あり 千畳敷経由 行動時間:4H45M
@萱の台6:00 →(62M)→A千畳敷頂上駅7:02→(42M)→B宝剣山荘7:44→(12M)→C中岳7:56→(19M)→D駒ヶ岳8:15〜34→(23M)→E宝剣山荘帰り8:57〜9:05→(12M)→F勒銘石9:17→(5M)→G伊那前岳9:22→(7M)→H乗越9:29→(19M)→I千畳敷駅9:48〜10:00→(45M)→@萱の台10:45
@5:45分で、180名ほどが並んでいた。 | A千畳敷カールを行く。 | A一礼をして入山。 | シナノキンバイと宝剣の稜線。 |
タカネグンナイフウロの綺麗な発色。 | 秋の花、トリカブトのブルーも綺麗。 | B宝剣山荘。この時間ではまだソフトクリームは販売していなかった。 | 山荘上から三ノ沢岳側。 |
C中岳通過。 | C中岳から駒ヶ岳。 | テンバの花はまばら。 | 木曽前岳側。 |
D駒ヶ岳一等点 | D東側 | D南東側 | D南側 |
Dヤキソバパンも陽射しに輝く。 | 下山開始。 | テン場帰り。 | 中岳巻道から三ノ沢岳側。 |
巻き終わり | E宝剣山荘にてソフトを・・・。 | うどんや峠側に東進して行く。 | F勒銘石で踵を返す。 |
稜線には測量痕があったり。 | G伊那前岳の稜線は岩の堆積。一応侵入禁止。植生に気をつけ足場に注意。 | H乗越に戻る。登山道は大渋滞。すり抜けるように駆け下りる。 | I頂上駅に戻る。 |
この週末は木曽駒をリクエストされた。台風が沖縄で大暴れの中、本土はドピーカンのよう。思っていた場所もあったが、中アの主峰であれば異存なし。そして労せず到達できる事も、背中を押してくれている。
前日は奥三界岳に入り、やや歩いた感を得る。こうでもしないと、1時間ちょっとで到達してしまうこの日は、展望の気持ちよさがあるとしてもフラストレーションが溜まってしまう。事前に馬の背側に進む周回計画もしてみたのだが、同行者に二つ返事で却下された。案内役の意見が通らないのも淋しいものである。
松川町の公園で幕営をと思っていたが、結局は萱の台の駐車場を選ぶ。しかしそこは駐車場。24時間運営している場所であり、車の音、人の声とで寝るのに一苦労。そう、ひと手間かけて別の場所を探せばよかった。ただし入った利点はあった。東側の木陰の下を陣取れたので、登山後の車内は冷ややか。陽射しの下とは雲泥の差。夏場は早めに駐車場に入り、東側の斜めに切られた駐車余地を選ぶことが得策。その最高級席の数は20台分くらいか。
夜に煩いパーティーは、朝も煩かった。名古屋弁が飛び交う中、申し訳ないが「煩〜い」と叫んでしまった。夏時間を知らないのか、バス利用じゃないのか4時には行動開始していた。混雑期ダイヤから変更され6時台の始発に変わっている。長蛇を避けての2時間前行動なのか・・・。こちらは5時頃からテントを畳んで、5時半から列に並ぶ。後続の列も長くなり、トイレ前まで到達している。ざっと200人弱か・・・。普通に臨時便が用意されゴッソゴッソと運ばれてゆく。始発から数えて3台目のバスに乗り込みしらび平へ。北御所で降りる人が居たりし、各々の中アを楽しんでいるようだ。
次のロープウェーはぎゅうぎゅう詰め。外など見られたものでない。ただし今日は快晴。外にさえ出れば、相応の景色が待っている。そして千畳敷に到着。キリッとした冷たい空気が出迎え、駅舎から東を望むと雲海の綺麗な事。富士山も雄姿を見せている。ただしここは観光地、当然の煙草の煙が漂ってくる。ぐっと我慢の時であり、逃げるようにカールの中に出発して行く。
千畳敷カールの中は、お花畑が見事。空の青と、輪郭のクッキリした稜線と、絵になるものばかり。こんな時はカメラの腕がなくとも綺麗に撮れるので嬉しい。歩き易い超一級の道を上がって行く。家族連れの子供がかなり顔色を悪くしていたりし、励ましながら上がるのだが、バスとロープウェーで急激に高度を上げたせいであろう。「深呼吸して、ゆっくり」そんな声を掛けてあげる。
乗越に到着すると、30名ほどが休憩していた。そこに煩かった名古屋弁のパーティーが居た。相変わらず賑やかで楽しそう。そして懐かしい宝剣山荘に到着する。1999年以来の久しぶり。ロープウェーを同じくした7名ほどで、ラッセルを交代しながら到達したのを思い出す。中に入るも、当時のまま。ここに座って語らってと・・・演説をぶっていたおじさんの顔、それを真摯に聞いていた若者の顔を思い出す。驚いた事に、ここではソフトクリームを売っている。それならと頼んでみたが、まだ時間が早いようであった。
中岳に登って行く。気持ち登行者はまばらになる。その中岳に登り上げて駒ヶ岳を望むと、テン場にちらほらとテントの花が咲いている。ここで幕営なら、さぞ涼しかった事だろう。萱の台はなんとこの時季にして24度であった。もう少し涼しいのかと思ったが、寒くもないちょうどいい気温だったのだ。ゴツゴツとした中岳から降りて行く。すでに登頂して戻って行くハイカーも多い。今日のご来光は気持ち良かったであろう。久しく山頂から来光を拝んでいない事に気づく。テン場まで下り、駒ヶ岳への登り上げ。一級の道は汗しらず。展望の良さが後押ししてくれての快適さ、こんな短時間の歩行で、これほどの景色を見させてもらうのは、もうしわけない気持ちにもなる。
駒ヶ岳到着。祠に挨拶をし、裏手のお地蔵さんにも挨拶をする。一等点がニョキッと生えており、山頂としての全てが揃っていると思えた。厳冬期での到達は、防寒具のフードを押さえながらたどり着いた記憶がある。今日は天と地ほどの環境の違いがある。すぐさま360度の方角をカメラに収める。空のブルーが綺麗、その下の雲海が綺麗。特に南アルプス側は綺麗であった。ジーッと眺めていても飽きない景色と言おうか。同行者に、ここでも馬の背側に進もうと投げかけるが、既に最高峰を踏んで満足してしまっているようで、どこぞのピークハンター紛いに「ここを踏めれば、同じ道を戻るのでいい」なんて言う。内心、“もっと山を楽しもうよ”なんて思っているのだが、それは一人の時に・・・との思考になる。大休止をして戻って行く。
中岳は西側の巻き道を利用。こちらの方が景色的にはいい感じ。そして宝剣山荘に戻り、念願の天空ソフトをゲットする。なめていたが、かなり美味しい仕上がりで、手抜き無しの美味しい一本だった。さてここで、同行者と別行動とする。先に千畳敷に向かわせ、一人うどん屋峠側に進む。なだらかな稜線が気持ちのいい場所。この先の勒銘石を見たことがなく、それが目的であった。伊那前岳を掠めるように進むのだが、最高所側はグリーンのロープでガードされていた。植生保護もしくは、崩落回避のためであろう。こちらにもちらほらとハイカーの姿がある。うどん屋峠経由で黒川平に下る人なのか、逆に登ってこられる方もちらほらとあった。
勒銘石は、碑の様な大岩があり、その手前にロープで囲われた場所に標柱が立つ。よく知らずに行ったので、その碑が勒銘石だと思ってみてしまった。帰ってから確認したら、そこにある自然石に書かれているようだ。また出向く口実が出来た。戻りながら伊那前岳の頂稜を伝って行く。植生を気にして、石の上を伝うようにして進む。山名事典では2911高点で伊那前岳としている。ゴツゴツとした岩部を天狗のように駆ける。
乗越三度。見下ろすとカールの中は大渋滞だった。同行者は先に降りているし、急がねばならない。さてどうしよう。最初は我慢して後尾についていたが、スイッチが入り一気に抜き降りて行く。この時ばかりは、トレイルランナー紛い。池側を経由しても乗越から19分で駅に到着。この区間の快足に、ちょっと満足感があったりする。
頂上駅に到着。麓からの吹き上げの風があり、涼やかですぐに汗が引いてゆく。そして10時ちょうどの便に乗り、しらび平での乗り継ぎもよろしく、10時45分には萱の台駐車場に到着した。真夏日で暑いのだが、東側の日蔭に駐車した為に車の中は涼やか。夏においての、この駐車場所のノウハウは有益。サッと踏んできた木曽駒。文明の利器のおかげで、短時間で快適な避暑を楽しむ事が出来た。