虚空蔵山   773.6m        
                        

 2012.2.12(日)   


  晴れ      単独      多福寺より往復         行動時間:32M


@多福寺P12:58→(4M)→A不動堂(大師堂)13:02→(7M)→B虚空蔵山13:09〜19→(11M)→C多福寺13:30



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@多福寺の駐車場に停めてスタート。 本堂を正面に見て、東側に進むと登山口の道標がある。 A不動堂と大師堂がある中間地点。 けっこう勾配のある登路。雪が凍っている場所が多く、アイゼンが欲しい場所だった。
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下側。 山頂の南側には林道が上がってきていた。林道終点地。 林道終点地から山頂側。チェーンがされている。 B虚空蔵山の展望櫓。
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B四等点は忠霊塔前にある。 B最高所は忠霊塔の南側。祠が半壊状態で残っている。 B櫓側から見る最高所。 B櫓前には解説板がある。ここは四国霊場八十八箇所の写し霊場。
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B西側は、志賀高原側の山々が白く見える。 B北には浅間山。新しく出来た佐久南インターも眼下にある。
B妙義荒船佐久高原国定公園の山塊が連なる。 B東に荒船山も見えている。
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八十八体(石仏・石碑を含む)のうちの一つ。 多福寺に戻る。 C駐車場に戻る。



 

 国道142号を通過していると、毎回目に入る表示がある。「虚空蔵山・自然の道」と書かれ、誘いをかけている。しかし、調べても地形図や山名事典には掲載されていない山の名前。上州に移住してから12年が経過するが、その12年間その前を素通りしてきた。そんな中、2011年に吉報。晴れて有効座となるとの事であった。

 早々に情報を調べ、この山の謂れも知った。マイナーピークと思っていた場所であるが、かなり由緒正しい場所のよう。そしてこの場所が四国と関係あるとは・・・。内容はこう。四国霊場八十八箇所の写し霊場となっており、四国まで行けない人が、ここを霊場と見立てて参拝したと言う。山の斜面一帯には、石像や石碑が88個立ち並ぶそうな。そして話は戦国時代。武田軍の烽火台の在った場所とも言われている。やはり知らないで居るより、知っていたほうが楽しい。興味を持つと色んな新しい発見がある。とは言え、サッと短時間で上がれる場所でもあり、大事に残しておいた場所。
降雪もあり、少し負荷が増したころかと思い、出向いてみる。前日のスキー行脚でふくらはぎがかなり張る。こんな時には適当な場所。

 

 国道142号の下平入口交差点から、「虚空蔵山・自然の道」の道標を見ながら集落の方へ入って行く。各分岐点には黄色い道標があり、見落とさないように進みたい。突き当たって500mほど西に進むのだが、少しイライラするほど長い距離に思えた。ようは、多福寺に行けばよいわけで、案内道標は補助的に使えば気持ちは楽かも。後もう一つ、南側から林道を使って登る方法もあるようだが、謂れのある場所でもあり、メインルートで上がる事とした。

 

 多福寺の駐車場は細長く、沢山並んだ場合は停め辛い場所に見えた。サッと長靴を履いてスタートする。まず本堂をお参りしてから、池のある東側に進んで行くと、「虚空蔵山登山口」と書かれた朽ちた道標が現れる。その先で、北からの舗装路と合流し、南進して行く。舗装路であるが、現在は凍てついており、車で入るには度胸がいる。歩いて上がるにも、普通にアイゼンが欲しいような場所であった。そこを行くと、ひと登りで大師堂と不動堂の建つ大地に着く。各お堂をお参りして、その先の山道に入る。この山道がいくつも派生しており、どうに伝っていいのかが判らない。上に進めば頂上に行くのは判るが、どれがどう行くのかが・・・。積雪が凍り、本当に危険な参道となっていた。なるべく柔らかい雪を拾うようにして行くのだが、落ち葉の下に隠れた氷もあり、本当に牛歩状態で、足場を探りながら登っていた。さらには意外と急峻であり、そのための遅さもあった。

 

 西側、西側とルートを辿り進むと、尾根の乗り上げた場所にはチェーンがされていた。その南側を見ると林道が上がってきており、そこが林道終点地であった。これが南側からのアプローチ道のよう。チェーンを跨いで北に進むと、目の前にりっぱな櫓が見えてきた。いつも国道142号を通りながら見上げている櫓。それが目の前にある。

 

 虚空蔵山到着。忠霊塔の前に、四等点がひっそりと埋まっていた。最高所はその忠霊塔の南側で、その場所の東側に半壊状態の祠が残っている。ここが最高所なのだが、この場所の240m南には、まだ高い場所がある。当初は山としてはそこが最高所と思っていたが、ここに限っては三角点標高で標高を示している。三角点の場所より祠の場所は1m〜1.5mは高い場所であり、本当は774.5mとか775mが虚空蔵山の標高として正しいのではないかと思ったりもした。

 櫓のほうへ足を進めると、この場所の解説文があり、しっかりと学ぶ事が出来る。そして櫓の中の記帳ノートを見ると、地域の人の登頂が複数回あり、決まった人が何度も足を運んでいるよう。その櫓の階段を上がると、西から北、そして東にかけての素晴らしい展望がある。眼下には最近できた佐久南インターも見えている。国道142号の往来も良く見え。城主になったような気分。ただし、この日は冷たい風が吹いていた。ダウンジャケットを着ていたのだが、それでも寒く感じていた。この櫓の北側には、タイムカプセルのようなものが埋められているとの事。

 

 下山は北側の九十九を辿る。往路も石碑や石像がちらほら見えたが、こちらは数歩歩くと石像を拝むほどに多く設置してある。当然ながら、この小さな山に88体置くのだから、こんなスパンになるだろう。その一つ一つに手を合わせつつ参拝して行く。色んな表情があり、姿があり、見ていて飽きない感じもある。

 

不動堂まで降り立ち、多福寺の方へ向かって行くと、一人の男性が登ってきていた。年のころ70代くらいか。氷に足を取られ転びながら歩いている。驚くほど豪快にうつ伏せになる場面もあった。すれ違い様に「滑りやすいですから注意してください」と言うと、「そうですね」と返してきた。転んでも諦めずに登っている姿。登頂欲と言うより、信心からくるものなのだろう。多福寺でもう一度お参りをして、車に乗り込む。

 

やっと登った虚空蔵山。川場村の虚空蔵山に登った以来の虚空蔵山となった。


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