駒ヶ谷   1594.2m 
           

 2012.11.10(土)   


  くもり       単独        石仏林道峠部、巡視路から       行動時間:2H27M


@石仏林道峠(不動明王)7:22→(27M)→A1513高点7:49→(38M)→B駒ヶ谷8:27〜47→(34M)→C林道に降り立つ9:21→(28M)→D峠に戻る9:49


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@峠から送電線鉄塔まで切り開きがある。 @No10の鉄塔に向かう。 鉄塔の南側斜面は、気を抜けない所ばかり。落ちる危険性のある場所。 やせ尾根に乗る。
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石を抱いた倒木もある。 A1513高点に到着。 1513高点の南側の尾根は下草がなく快適。 中間峰付近から再びササが濃くなる。
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ササが切れると山頂が近い。 驚いた事に切り開きがあった。巡視路のよう。 B駒ヶ谷到着。 B道形は反射板用の巡視路・作業道だったよう。
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B「石仏山反射板」となっている。 B三角点を見つけるのに11分を要した。写真中央に見えるが、発見時は落ち葉に埋もれ、探すのに難儀した。 B時間がかかった分、見つけた喜びはひとしお。三等点。 Bみるみる海老の尻尾が伸びてゆく。
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Bヤキソバパンを朝食に。 下山は往路を戻らずに東尾根を伝って降りる。かなり急峻だった。 途中で谷に入る。この先危険地帯があり。ザイルが欲しい場所もあるので、尾根筋を伝った方がいい。 最初のナメ岩。流れがあり、滑る。高低差10mほど。左岸側を巻くが、沢の中を降りるにはザイルが欲しい。
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二つ目のナメ岩。写真では危険に見えないが、距離15mほど。ここもザイルが欲しい。左岸側を慎重に下る。 C林道に降り立つ。 もうすぐ峠。左に1523高点への急峻。 D峠に戻る
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D戻った後に気づいたのだが、峠の北側に石碑があった。 Dこれらの石仏もある。下山の無事を感謝し、頭を垂れる。    


 
 
石仏山の後は、その南に位置する駒ヶ谷を目指す。ここは地形図には名前は載らず、山名事典掲載の山。

 

 石仏林道を東に戻り峠に到着。ここには綺麗な標柱が立ち、そこから南に切られた道が、尾根上に続いているのかと思え、ほとんどルンルン気分であった。”短時間で踏める・・・”峠の西側の余地に停めて、いざスタート。この時まで、上の方を見ていなかった。

 

切り開きの入口には、送電線の巡視路を示す道標があった。ここで初めて顔を上げる。すぐ前に送電線の鉄塔があった。“なんだ、そこまでの道か・・・”完全に糠喜びであった。伝って行くと、案の定鉄塔の場所で道は途絶えた。そこからは急峻を這い上がる事となった。獣道なのか、人間様の物なのか、薄い踏み跡はある。バンドを伝ったり、岩溝を伝ったり、かなり厄介な危険箇所が続く。落ちる危険性が伴う場所で、足場の緩い場所は両手を木々に巻きつけながら這い上がっていた。大岩もあり、東側を巻き込み進んだりするのだが、いきなりこの洗礼だと、出掛けの楽な気持ちとのギャップで、息が上がってしまうほどであった。

 

復路に使うことを考え、何度も振り返りながら地形と植生を頭に叩き込み、帰るルートを覚えてゆく。微細にクネクネとルートを選ばねばならないので、本来はマーキングをするのが正しいだろう。しかし、着けたはいいが帰りに通らなかった場合はゴミとなる。絶対に通る確証がある場合のみ着ける事にしている。やや西に振るようにして南に這い上がる。最初の目指すピークに到着。

 

1513高点にやっと到着した。もう少しサクッとアプローチできると思っていたが、そこそこ歩き応えのある経路であった。ドキドキした分の楽しみを感じたわけである。このピークから南側は、広葉樹の中の下草は皆無。快適ななだらか尾根であった。時折東側の集落が望めたりし、里山の雰囲気が十二分に体感できていた。その快適尾根も、次ぎにある1460m峰辺りから再び笹薮の尾根となる。ガッツリと深い場所もあり、泳ぎながら進んで行く。先ほどのまま山頂まで届けばと、再び甘い気持ちで居たのを、またまた正される。これが自然。自分が頑張らねば、到着はない・・・。

 

しばらくササ漕ぎをしている中で、再びササが切れた。山頂が近いのかと思ったのだが、やや南寄りが植生が薄かったようだ。逆に北寄りにはササが続いていた。南寄りを進んで行くと再び薄いササの中に入る。するとその先で明瞭な切り開きが南から上がってきていた。登山道と言えよう道で、それを見た途端、ルート取りをミスったかと思えた。そのまま伝って行くとあっけなく山頂部に到着する。その先の方に道形の答えがあった。

 

駒ヶ谷到着。山頂の西側には大きな反射板が設置されていた。この為の道形のようであり、巡視路だったわけである。その西側には、霧氷がかなり着いていて、みるみる育っているようであった。気温はマイナス1度。エビの尻尾が育つほどではないように思えていたが、吹き上げの風の影響もあるようであった。さてここには三角点がある。当然のように探す。しかし最高所と言えよう場所にはゴロゴロと石があり、落ち葉があり、なかなか探し出せなかった。ほとんど鑑識の様相で掘りつつ探すのだが、四角いそれがいっこうに見えてこない。“諦めようか、埋まってしまってるんだ・・・”そんな気持ちにもなった。でも諦めない。何度も何度も猪のように土坑をして行く。すると・・・四角いそれを・・・発見!! 最高所よりやや東側のササの根元に在った。全く見えてこなかった場所。周囲三箇所を石で覆われていた。完全に落ち葉に埋もれた状態であり、意地と根性の結果であった。大満足。ヤキソバパンを白湯で流し込み朝食とした。

 

下山は、巡視路があったことで伝ってみることにした。少し伝うのだが、途中から有耶無耶になった。おそらくは南西に向かう尾根上に切られ続いていると推測できた。これだと戻る方向と180度違えてしまう。しょうがないので東尾根を降りて林道で戻る事にした。この東尾根は植生が濃く、なかなか急峻。下りだからいいが登りには使いたくない場所。途中から北側の谷に入ってしまおうと降りて行く。谷の中は細い流れがある。上の方はよかったが、下の方へ行くとナメ岩が現れた。それを巻くように左岸側へ逃げる。そのまま谷を伝うなら40mほどのザイルが必用だった。ここの一難を過ぎてしばらくすると、さらにもう一箇所出てきた。先ほどは10mほどの危険箇所であったが、今度は15mから20mほどはある。滑れば一気に・・・。ここも左岸側を巻く。無毛地帯に入り、楽をしようと谷に入ったわけだが、危険度は増えた感じであった。尾根通しの方がよかったようだ。それでも高度を下げて行き、進む先に林道が見えてきた。一安心。なかなか見えてこなかったので、自分の場所が把握できず不安でもあった。そのドキドキ感がバリエーションルートでは楽しいのだが・・・。

 

林道に降り立ち北に戻って行く。しっかりとした林道で、崩壊箇所は皆無。山手側も植生が密生しておらず適度な空間があり、谷側ともども開けた感じで閉鎖感がないのがいい。1513高点の北東でヘヤピンカーブになるのだが、ここは沢の中を直登して北に向かって行く。歩き易い沢で、少なからず踏み跡もあるような感じ。再び林道に乗り、僅かに進むと峠に戻った。

 

峠に戻り北を見ると、スタート時に気づかなかった石碑があった。「不動明王」と書いてある。さらにその奥に何か小屋がある。恐る恐る進んで行くと、何体もの石仏があった。これぞ乗鞍、やっと逢えた。これが見たくて出向いていた訳である。その一体一体を具に眺める。みんないい表情をしている。中には木彫された仏様も置かれていた。信仰心の熱い地域である。

 

駒ヶ谷。高根乗鞍湖側の尾根末端から伝うのが正解だったのか。巡視路入り口が何処かにあるはず。入口さえ判れば、登山道のある山同等に歩けるだろう。バリエーション好きなハイカーなら、1513高点経由が楽しいと思う。

 


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