富士見台 1739m 湯舟沢山(横川山) 1620m 南沢山 1564m
神坂山 1684m
2012.06.02(土)
くもり 同行者あり 神坂峠より 行動時間:4H14M
@駐車場8:18
→(2M)→A登山口8:20→(1M)→B神坂峠8:21→(22M)→C神坂小屋8:43〜45→(7M)→D富士見台8:52〜55→(21M)→E横川の名水9:16→(36M)→F湯舟沢山9:52〜54→(19M)→G南沢山10:13〜24→(22M)→H湯舟沢山帰り10:46
→(66M)→I富士見台帰り11:52〜54→(7M)→J神坂小屋分岐12:01→(9M)→K萬岳荘への下降点12:10→(4M)→L神坂山10:14→(2M)→M下降点12:16→(6M)→N萬岳荘12:21〜25→(7M)→O駐車場12:32
@駐車余地は満車で、路上駐車がちらほらと。 | A富士見台登山口 | B神坂峠通過 | しっかりと切られたトラバース道。 |
笹原の中のスカイラインが続く。 | 萬岳荘への下降点。 | C神坂小屋 | C休憩舎内部 |
C小さい小屋 | C小さい小屋内部 | 富士見台へ向かう | 振り返り恵那山側 |
D富士見台 | D富士見台の標柱 | D富士見台から神坂山側 | D富士見台から湯舟沢山側。 |
途中に池塘群。 | 途中から湯舟沢山側。 | E横川の名水 | E冷たい水がトクトクと・・・。 |
富士見台と湯舟沢山とのほぼ中間点。1.6Km⇔1.7Km | スカイラインはくっきりと続く。 | F湯舟沢山にある「横川山」の標識。 | F最高所を東から見ている。 |
F少し下った場所に二等点が鎮座。 | F「横川山」標識。 | F湯舟沢山から南沢山 | 鞍部へ向かい高度を下げる。 |
G南沢山山頂。笹原の展望のない場所。 | Gこちらの標識は文字が消えてしまっていた。 | G行政の標識。 | G南沢高原頂上 |
H湯舟沢山に戻る | 横川の名水帰り | I富士見台帰り。 | J神坂小屋上分岐。分岐道標は朽ちて見えない状況。神坂山への案内もない。 |
途中の落雷遭難碑 | もうすぐ神坂山 | K萬岳荘への下降点分岐。 | L神坂山山頂にある大岩。 |
L神坂山 | L神坂山標識。こちらは富士見台と好対照の静山。 | L三等点 | M下降点帰り |
萬岳荘への道は、このルートで始めての樹林帯の中。 | N萬岳荘。ちらほらと人影がある程度。 | Nデッキで小休止 | O駐車余地に戻る。 |
名古屋向けの日、その経路に山に立ち寄る計画を入れる。本来は名古屋市内の低山でも良かったが、時間の制約のある中で何とか高い場所を計画にねじ込んだ。中央道沿い、経路時間の読める場所として登山道のある場所としたのだった。
中津川インターを降りるのだが、長野側から向かうので園原インターからの経路が自然。ただし崩落の修繕は進んでおらず廃道状態。戻るようにして現地へ向かう。10年ぶりの神坂峠への道は、各所が懐かしい。前回は暗い中に登り、疲れた体で運転して降りてきた記憶が甦る。周辺景色は往時と変わらぬ出迎えであった。強清水を力水として喉を潤す。しょうがないのだろうが、「生水を飲まぬよう」との注意書きがある。この先の途中途中の登山口には、ちらほらとハイカーの車が置かれている。頑張って上がっている人が居るのに、車で高度を稼いでしまっている状況、やや忍びない気持ちで横目に通過して行く。
峠下駐車場には、1台分のスペースを残すのみで、満車状態。何とか路駐を避けられ滑り込む。すぐに準備に入るが、続々と登って来る車は、右往左往駐車場所を探すのに迷っていた。外気温は10度。高度を稼いだ分、涼やかであった。完全に晴れきらない曇天。今日のような樹林のない場所において適当とも言える天気であった。多くの人は恵那山に向かっているのであろう。それでも中京圏での有名エリア、富士見台側へのハイカーも多いはず、登山道のある場所であり、心して入山。なにを心するのか・・・。
駐車場前から峠に向かっても良かったが、舗装路を登り上げ登山口からきっちりと周回と決め込む。登山道に入ってすぐに、本来の神坂峠がある。遺跡の敷地の渕を辿るように進み、その先の綺麗に管理された登山道に足を乗せてゆく。一級の道で快適も快適。路面自体がゴツゴツしておらず、山においてのエスカレーターの上のようでもあった。周囲ではしきりに鶯のさえずりが聞こえる。ササの斜面に切られたトラバース道を進むと、前方の視界が開けてくる。霧が峰とか久住とかを思わせる山の様子。景色からして快適であった。
萬岳荘への分岐点を経て、その先が神坂小屋。トイレ併設で綺麗に管理されている。小さい小屋の方も開放小屋で、こちらはこじんまりとしたサイズであった。この小屋の先が神坂山への分岐点となるが、標柱が立つもののその全てが朽ちていて見えない。さらには植生保護の緑のロープが張られ、一見進入不可のようにも見て取れた。それらを右に見て緩やかに進んで行く。先の高みに岩が沢山見えてくる。あと僅かで富士見台。ただし今日は富士見にはならないだろう。下界に一足早く、一帯は天気が下降線に入っていた。
富士見台到着。近くの恵那山もガスの中であり、近望を楽しむ程度であった。富士が見えての富士見台であるが、多くを求めない。それでも湯舟沢山側は見えており、スカイラインがくねる先に、その山塊がデンと見えていた。その間3キロ強。けっこう遠くに見える。時間が読めない場所であれば、躊躇するような距離であった。しかしここは一級の道がある。状況によっては、ここまでで引き返そうとも思っていたが、進める状況にある。緩やかに下りだす。
途中池塘群があるのだが、覗いてみるも生物の姿が無い。蛙くらい居ると思ったのだが、それもなかった。大くだりというのが適当か、県境尾根に乗るまでの間はどんどん下る。昔の作道の様子が丸太で構造された朽ちた木道で見て取れた。これらを見ると、この道の最高に管理された時は、今よりもっと以前だったのであろう。右下に沢の音がしだす。陽射しを遮るものが少ない今日のルートの場合、水の存在はありがたい。湧出しているその場所は「横川の名水」と名付けられていた。苔生した岩の中を、白く清らかな水が流れている。見ているだけでも涼しく感じる。手で掬って喉を潤す。この先で再び県境上に乗った登山道となる。相変わらず道の様子は超一級。ほとんど疲れを感じない。それほどに快適なのであった。
それにしてもルート上に蛇が多い。見える多くはヤマカカシ、たまにマムシが見えるのだが、天気がちょうどいいのか登山道上で日向ぼっこをしている。おっとりとした個体が多く、あまり逃げようとしないのが困った。富士見台と湯舟沢山との中間点標柱を経て、その先から見る湯舟沢山側の雰囲気がいい。笹原と山腹に切られたルートとのバランスが綺麗に見えていた。そうそう、この付近で一本のコシアブラがある。まるでクリスマスツリーのように若葉を着けており、帰りに少々恵をいただく。相変わらず鶯が賑やか。その鳴き声が登山道脇数メートルの場所でも聞こえる。先ほどのヘビもそうだが、鶯も人馴れしているのかも。最低鞍部を経て、緩やかに登って行く。
湯舟沢山到着。これは山名事典からの名前で、現地では完全に「横川山」となっている。湯舟沢山と言う方が混乱を招くであろうと思えた。最高点は通過点のような場所で、白い標識が下がっていた。そこから20mほど進むと、行政の標識と二等点が立っていた。先ほどの富士見台が遠くなった。北に南沢山の稜線が見えるが、どこが山頂なのかはっきりしないようなどんぐりの背比べのような山塊が広がっていた。最終到達地点までもう少し。
このルート、なだらかと言えどアップダウンは多々ある。南沢山へも一度大きく下る。鞍部から登りに入り、樹林帯の中に入ると僅かに泥濘地帯となる。足許を気にしつつ進むのだが、補助用の渡り木などが置かれていないところをみると、いつもかも泥濘ということでなないのかと見えた。ふと顔を上げると、前から単独の男性が来られた。なにか話しかけたそうであったが、「こんにちは」と交わすだけですれ違う。その男性の足許はずぶ濡れ。このルートの露払いをしてくれたと言う事か・・・。僅かに進むと「南沢高原頂上」の標識が現れた。
南沢山到着。これまでのピークに対し、ここは展望が得られない場所。笹薮の中に白い標識がかけられていたが、文字は消えていた。経路約2時間。過不足ない予定通り。休憩とするのだが、生憎ブユが多い。立ち止まる時間が長いと餌食になりそうであった。ザックに突っ込んだまま忘れられていた虫除けスプレーが大活躍となる。ここまでの経路に10匹以上のヘビを見ていた。最低でも1キロに2匹居る計算になる。猛禽類が少ないのだろうか・・・。さて戻る。
往路を伝うだけなので、知れた道筋は歩きやすさをさらに増していた。数パーティーすれ違うのかと思ったが、やはりこちらはマイナールートなのか、目を凝らすもルート上に人気は無かった。湯舟沢山を越えて、楽しみはコシアブラ。先ほどの男性が収穫・・・とも思ったが、そのままの姿で残っていた。採り過ぎない程度で山の恵をいただく。これはコシアブラの好きな息子へのお土産になるのであった。やや黒い雲が出だしてきていた。降りだしてもおかしくないような天気、やや足早になる。
横川の名水で帰りも力水を貰い、富士見台への登り上げになる。湯舟沢山に向かうに対しても富士見台に向かうにも、適当なポイントにこの水場はある。ろくに調べずに入山しているのだが、これなら水を持たずとも大丈夫だった。名水の名に恥じない、美味しい水であった。富士見台に戻ると、カラフルな山ガールが屯していた。集っていたとした方がいいか。でもそこから聞こえる言葉の汚いこと。女性同士の会話はこうなのかと残念に思ったり。下界がここまであがってきてしまっているようで、ちょっと残念。一方で、二人寄り添ってランチをしているカップルも居た。その姿越しに見える景色は様になり綺麗であった。神坂小屋に降りて行くと、続々とカラフルなパーティーが登ってきていた。当然山ガールも見える。若い人がこれほどに山に・・・いいことだと思いニンマリ。ここまで同行していたが、この先の神坂山へは単独で向かう。同行者はそのまま萬岳荘へ向かってもらう。
往路、なぜにこんなに避雷針が建っているのだろうと、周囲の景色を見ていた。その答えが神坂山へ向かう途中にあった。「落雷遭難の碑」が建っていた。そう言う事か・・・。気持ちよい高原、逆を返せばその時は狙われ易いとも言えるだろう。ここを過ぎると、こんもりとした高みが前に見えてくる。同行者が西側の登山道を伝って降りてくるのが見える。少し急がねば・・・。萬岳荘への下降点を経て駆け上がって行くと、目の前に大岩が現れる。そこを乗り越えると山頂だった。
神坂山山頂。三等点が鎮座する静かなピークであった。賑やかな富士見台に対し好対照である。この静けさの方が好きだったりする。同行者は山荘に到着している頃、急いで降りて行く。分岐から先は樹林帯の中。暗く陰湿な感じがし、途中には朽ちた小屋があり、中には鍋なども見えた。萬岳荘を前にして、この裏手には水場があった。表側に回りこみデッキに上がり同行者と合流。ここでは、恵那山は元より富士見台の登山バッジもあったそうだ。他のハイカーはおらず、静かな静かな萬岳荘であった。これからがハイシーズン。ここも賑わうのであろう。
舗装路を降りて行く。中津川のような雰囲気があるのだが、この道路は長野は阿智村管轄。その表示がちらほらと見える。前の方に駐車場が見え、今日の山旅も終わる。なだらかで快適な場所であるが、このような場所の場合、後になって記憶薄な場合が多い。しっかり記録を残しておかないと・・・。