追母峰 949.4m 三峰山 1122.5m
2012.04.08(日)
快晴 同行者あり 河内神社側より 行動時間:4H
@河内神社駐車場9:44
→(18M)→A河内神社10:02→(7M)→B追母峰10:09→(90M)→C三峰山11:39〜50→(66M)→D三峰沼12:56→(21M)→E追母峰帰り13:17→(2M)→Fフライト場13:19〜21→(2M)→G河内神社帰り13:23〜28→(10M)→H天狗岩13:38 →(6M)→I駐車場13:44
@河内神社駐車場の概念図(詳細)。 | @駐車場から林道を行く。水道は止められていた。 | 林道終点地。この上にはフライト場があり、その為の軌道駅が在る。 | A河内神社の鳥居を潜り左へ。 |
FM尾瀬のアンテナが見えたら、その先が追母峰。 | B追母峰一帯は緩い起伏の平坦地。間引きされ陽射しの入る場所。 | B登山道脇にプレートが見える。 | 残雪多く、道形の8割ほどは雪の下。 |
残り1.6キロ。神社から3.3キロ地点。 | 1088高点付近で、やっと目指す最終地点が見えてきた。 | 手前峰に・・・。 | 最後の登り。 |
C三峰山頂。谷川岳側が開かれており、見事。 | C雪煙があがる谷川岳。青空にくっきり。 | C武尊山側もこの通り。 | C山頂から下山。 |
黒ラブと遊んだり・・・。 | D三峰沼。かんがい用のため池なのだそうだ。大きな錦鯉が沢山泳いでいた。 | E追母峰帰り | Fパラグライダーのフライト場が、この経路で一番の開けた場所。 |
G河内神社に戻り、ゆっくりと参拝。 | H天狗岩にも立ち寄る。トラバースした先に、祠のような岩窪が在る。 | I駐車場に戻る。 |
関越道月夜野インターが近くなると、目の前に目指す三峰山が見えてくる。ここまではいいが、インターを出てからの河内神社への経路で迷ってしまう。下師地区で右往左往して、なんとか東にズレて河内神社への林道に入った。国道側には道標が無く、地図を見ながら行き着いた。一本道を登って行き、トイレ舎のある駐車場に着くと、黒ラブを連れたご夫妻が出発の準備をしていた。私の小石川ナンバーを見て、「あれっ石川からですか?」と声をかけられる。話を進めると、その女性は中能登の志賀町出身の方であった。その夫妻の連れた、生後6ヶ月のラブラドルレトリーバーがチャカチャカと愛嬌を振りまいている。ラブを連れた登山。昔の自分の山行を見ているようで、どこか懐かしい。準備が終わった所で、その後夫妻に先行して出発する。
暖かい春の日。麓側からのチェーンソーの音が、里山の雰囲気を強くしている。あまりにも道がいいので、駐車場から先へ乗り入れてしまえばよかったと思えたほど。クネクネと九十九を切って登って行くと林道の終点地となり、そこにはモノレールが敷設してあった。一般乗車用と荷揚げ用の2種があり、その荷揚げ用スペースを見てパラグライダー用のモノレールと察知する。ここから山道となる。と言っても参道でありしっかり管理され歩き易い。目の前に階段が現れると河内神社に着いた事が分かる。階段を駆け上がると、鳥居の先に社殿が待っていた。思いのほか大きいし彫刻も立派。さらには大きな社務所があり、地域に大事にされていることが判る。ここから西にズレるように進むと登山道が続いている。刈り払われた道を進むとすぐに、パラグライダーのフライト場分岐。そこからしばらくで目の前に大きなアンテナが現れる。HB9CVアンテナのような特異な形状であり、通常のアンテナ基地とは違うと判る。近づくと「FM OZE」の中継アンテナであった。帰宅時に76.5Mhzに合わせて、受信したのは言うまでもない。このアンテナの先が追母峰。
山頂と言うよりは、通過点的な追母峰。何処を山頂と言うべきなのか、迷うような場所であった。登山道脇に祠があり、そこに山名プレートが揚げられている。間引きがされた針葉樹林。日差しが入ることもあり、そこそこ気持ちがいい。足を進めると、三峰沼への分岐点が現れる。標識があり、ここで神社から1.2キロの場所。立木に刃物で「入口 沼」と彫られていた。刃物跡は標識が出来る前のものなのだろう。残り3.8キロ、足元の残雪を思うと、この距離を長く感じていた。もっとサクサク歩くはずであったが、歩調はかなり遅い進度であった。
吹返峰が1015高点とされているが、それを左に見ながら進み、その先で進路を誤った。南から北へ進みがちな場所、やや北東寄りに進路が変わる場所であり、地図を見て意識していないと北へ進んでしまう場所となっていた。夏道が見えず、まんまと・・・。進めば高度を下げてしまうので気づくのだが・・・。周囲の風景は、樋口明雄さんの「約束の地」の表表紙に書かれているような残雪風景。まんざら悪くない。メサ形状が判るように、東側は切り立っていて、その先に雪による斑模様の大地が見える。あたかも戦艦の上に居るような気にもなる。
1088高点付近も夏道がよく判らなかった。尾根筋を行くのだが、夏道はそこより東側を巻いて進んでいるようであった。ここまで来ると、目指す高みが見えてくる。もう少し。風も無く日差しは強い。照り返しの太陽で顔が薄っすらと熱いほど。これぞ春。一つ気になったのは、四足歩行の小さな獣の足跡は在るが、シカの足跡は皆無であった。山の形状からなのか、餌が無い為なのか、いつも見る足跡がここには無いので不思議であった。雪はだんだんと緩くなってきているのが判る。帰りは少し難儀するか・・・。
手前峰には三峰山までの残り時間が揚げられていた。「かんだ猿」さんのプレートを見るようで、こんな情報でもありがたい。もう僅かと、少し早足になったりする。一旦下り、やや見上げるような雪斜面をキックステップで這い上がると、ドドーンと白き峰々が現れた。
三峰山到着。ベンチもあり、よく管理された場所。管理というのは、展望がいい様に谷川岳側が開いてある。そのために、登りあげると谷川岳が現れる構図なのであった。その谷川岳の最高点辺りでは雪煙が上がっているのが見える。天気はいいが、高所は風が強そう。でも向こうの高みに居れば、ここより何倍も気持ちいいだろうと思えた。右側にターンして行くと上州武尊山の姿も在る。谷川岳に負けじと存在感を示している。そんなこんなで遠望を楽しめるピークでもあった。打たれたプラスチックプレートはここを後閑峰としているが、山名事典からは、さらに北に進んだピークで座標を取っている。迷ったが今日はここまで。往路を戻る。
トレースに足を乗せて進めばいいので、帰りはかなり楽であった。それでも踏み抜きが多くなってきていた。この天気ならしょうがない。1088高点側から降りて行くと、カウベルの音が鳴り響いてきた。”来たな”と思い、樹林の先に目を凝らすと、黒い彼女がやってきた。膝を叩いて呼ぶと、嬉しそうに駆けて来て飛びつく。まだ躾はされていないが、ラブらしいラブ。撫でてやった後は太い足と握手して別れる。ご夫妻は、先に三峰沼に寄ってきたらしい。トレースをいただくか・・・。
三峰沼0.8キロの標識の場所では、トレースが下から上がってきていた。二人と一匹分。緩やかに下ってゆき、沢を跨ぐと先の方に沼が見えてきた。2/3ほど雪の覆われ、1/3で水面が出ているのだが何か泳いでいるのが見える。こんな場所なのでマスなどかと思ったが、それは錦鯉であった。30匹ぐらいは居るだろうか。群れを成して、水面下も春らしい泳ぎであった。沼の西岸を巻き込むように進み、堰堤を東に進む。ここから少々迷う。トレースが在るから迷わないといえば迷わないのだが、無かったら迷うだろう。夏道は水路側に続いている。二つ目の沼も右巻きで進み、東岸から進路を東にとる。この辺りも残雪期は不明瞭。進んで行くと「入口 沼」と書かれた分岐に当たった。ここでルートに戻る。
追母峰の先からは、パラグライダーのフライト場に寄って行く。樹林帯を抜けると、開けたその場に出るのだが、この山塊で一番の展望場であった。大きなパラグライダーの帆を広げるのだから、この広さは然りであるが、ハイカーも喜べる場所に整備されていた。芝生斜面を下り、途中から東に山道を下り、またまた本道に乗る。そしてそのすぐ下が河内神社。ほぼ下山の無事を感謝し参拝。社殿をグルッと回って建築様式を堪能。賽銭箱側から本殿の天井を覗き見ると、その綺麗な事。無人の神社であり、一見寂れているように見えるものの、氏子衆の存在をひしひしと感じる神社でもあった。階段を下り、山道を下る。付近にはフキノトウが沢山生えている。残念だが、セシウムの関係で、手が出なくなってしまった。“何を気にしている・・・”なんて内心思う。
林道終点地から降りて行くと、途中に天狗岩を導く案内看板があった。そこから山の斜面を真横にトラバースして進む。やや足場が細い山道。ロープが敷設してある場所もある。行き着いた先は、岩屋的場所で、そこに赤い祠が安置されていた。予想では、なにか、突起した岩でも在るのかと思っていたが、「天狗が住むような岩屋」と言うことであった。再び林道に戻り下って行く。
駐車場には、今日山中に入った2パーティーの車のみ。残雪のおかげで、少し負荷を感じる行程となった。迷った場所も発生し、この辺りが楽しかったりするのが残雪期。