オコウ山   1379m        
                        

 2012.3.10(土)   


  雪       単独      真田バルブステーションから         行動時間:2H41M


@真田バルブステーション(鳴尾沢)10:21→(15M)→A取り付き点10:36→(33M)→B1170高点北11:09→(64M)→Cオコウ山12:13〜14→(38M)→D取り付き点(林道に出る)12:52→(10M)→E駐車余地13:02


barubu.jpg  cyuusya.jpg  ge-to.jpg  torituki.jpg 
@鳴尾沢沿いの真田バルブステーションの先に駐車。 @駐車風景。これ以上進むとスタックしそうであった。 一の沢林道のゲート。ここで右の林道に入る。 Aクリーム色の施設が見えたら、ターンして、その先の谷に取り付く。
tani.jpg  1170kita.jpg  shitagawa.jpg  1170.jpg
最初はなだらか。後半から急峻。 B1170高点の北側で主尾根に乗る。 B谷側を振り返る。 1170高点。進路を誤り南に登ってしまった。
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1290m肩で進路を東に変える。 軽い雪庇尾根。 Cオコウ山山頂東側。 Cオコウ山西側。登ってきた側。
1170kikakaeri.jpg  nishigawa.jpg  oritekita.jpg  1030.jpg 
1170高点北側に戻る。 1170高点北から降りて行く側。ここからは北に膨らんで降りたほうが良かった。南側は急峻になる。
何度もコケた急峻尾根。雪(新雪)の状態が悪かった。雪の下は倒木が多い。 1030m付近の谷。林業用の道形が残る。
deru.jpg  shisetu.jpg  ge-tokaeri.jpg  moodru.jpg 
D林道に出る。 D出た下側には、この施設が見える。 ゲートに戻る。  E到着。 



 

 谷川岳側の山の予定をしていた。しかし太い降雨が西上州を覆っていた。これだと山間部は普通に雪。しかも大量。1時、出かけようと思ったが、サッと予定をご破算にしてしまった。そして再び行き先を探す。少し意欲も落ちている状況、探す標高も自ずと下がる。窓の外にはボトボトと降る雨。“休養日にしようか”、そこまで思わせる降雨となっていた。でも、行かねば・・・。仕事のような、義務感のような、もう一つは「馬鹿は死ななきゃ・・・」な感じなのかと思う。で、行き先と選んだ山はオコウ山。少し前に松代の山巡りをした時に下調べをしており、こんな状況下でもサッと行きやすい場所に控えてあった場所であった。

 

 上信越道に飛び乗ると、既に渋滞。インターの電光掲示板には、そんな事は書いていなかった。判っていれば18号で向かったのに・・・。それより、八風山トンネル付近からの、一気に雪景色となったのには驚いた。急な豪雪と言うのが相応しいような・・・。これは、今日はオコウ山の標高でも難儀すると思えていた。上田で降りたのだが、渋滞のおかげで通常より1時間以上費やしてしまった。真田の街中は、雪すかしをする風景があちこちであった。それらを横目に地蔵峠へと向かって行く。この分だと林道も埋まっていると思え、付近路上駐車の事、または場所変更までをも考えていた。

 つりぼりの看板が見えると、その先の右側に鳥居が見える。その脇から鳴尾沢に沿って林道が入っている。ちょっとやばそうだが、突っ込んでみる。ドアミラーから後ろに流れるタイヤトレースを見ながら、その深さを確認して行く。柔らかくタイヤをとられる。慎重に、帰りのための轍を作るように、下りでも谷側に流されないようにルート取り。全てに細心の注意を払う。雪の重みによる倒木が道を塞ぐも、そのまま突っ込んでゆく。すると、途中右側に「真田バルブステーション」と書かれた水源施設があった。その先にユーターン余地のような場所がある。ギャンブルはここまでとした。歩きに来たのだから歩けばいい・・・。

 

 既に後悔。これほどの雪ならスキー装備で来ればよかった。登山靴を履きながらブツブツと・・・。前週に続き、2度目の後悔だから・・・。それでもワカンでなくスノーシューでよかった。歩き出すが、20センチほど潜る。最初の橋を渡り、さらに先で2本目の橋を渡る。するとその先にゲートが見えた。ゲート入口には「一の沢林道」と書かれている。その手前から東側に林道は別れており、緩やかに登って行く。すると目の前にクリーム色の建物が見え、ここで進路が180度変わる。この場所が地形図の913.7三角点の場所となる。この場所から北に登って行くと、50mほどで右側に小谷が入っている。これも地形図で読み取れる顕著な谷(沢)の入口となる。そこには流れもあり、マーキングも振られていた。この谷を入って1170高点の北側に乗り上げる事とした。

 

 沢の最初は植林帯の杣道のような感じで道形があるように見えていた。緩やかに気持ちよく登って行く。途中途中にマーキングが残り、それを拾うように行く。しかし途中からそれらも無くなる。何処かに巻き道になっているようで、その分岐点を見逃している。その先は急峻があり、無積雪期も登らない場所のよう。北に逃げるのが順当かと思えたが、あえて急峻を行く。スノシューを蹴り込みながら、ツーステップで足場を固めつつ這い上がる。けっこう難儀。数歩に一回は、ズルッと落ちる。それでも工夫しながら、こんな時の対処法を思案しながら登って行く。滑るのを恐れて体がやりたがらないが、スノーシューの面全体で踏みつけると、滑らないのだった。これはこの時の雪質も関係する。

 

 乗り上げた場所は1170高点の北。ここで何を思ったか、南に登り始めて1170高点に立つ。手っ取り早く高い方へと思って、何も考えずに登っていたのだった。本当は逆の北側に進まねばならない場所。登りきって、周囲にこれ以上の高みが無いので、ハッと気づいた。北に降りて、北東に登って行く。尾根のようでもあり、斜面のようでもあり、何となく踏まれた道形があるようにも感じた。笹が出ている場所も多く。無積雪期の様子が想像できる。

 1290mで、オコウ山から西に続く尾根の肩に乗る。雑木の多い尾根で、それらを少し逃げるようにクネクネとトレースを残して進む。けっこう冷えているのか、アウターが堅く強張っている。懐からカメラを出すにも、バリバリとする感じ。そして最後は、雪庇の出来た痩せ尾根のような場所を伝い最高点に到達。ピンクとブルーのリボンが待っていた。

 

 オコウ山山頂。展望は全く無い。なにか標識でもあるかと思ったが、前記のリボンしか見当たらない。静山なのだった。地形図上からは広い山頂部を予想していたのだが、東西に細長い山頂で狭い印象があった。この尾根に乗ってから風が強くなり、汗が冷やされる。1分ほどの滞在で下山に入る。苦労して登ってきた我がトレースに足を乗せてゆく。雪が足の裏に固まり、数歩歩くとヒールサポートが出来上がる。登りなら歓迎だが、下りは勘弁して欲しい。アイゼンの雪団子を叩くように、数歩歩いてはストックで叩き落していた。固まりやすい雪質なのであった。

 

 1170高点北側に戻り、ここからは等高線の緩い場所を降りて行くこととした。1050mほどまでは快適であったが、その下側が密生した雑木の斜面となった。往路のトレースがあるのは南側の谷。そちらに進路を変えるべくトラバースして降りて行く。しかしここで足場が悪かった。一番にスノーシューに向かない斜面であり、グリップも悪ければ、倒木も多く引っ掛ける。しかも急峻。2mほど、ハッと一気に滑落したり、判っていてもズルッとやった場所もあった。立木に掴まりながら腕力で降りて行く。雪質と斜面と装備と・・・ちょっと合致していなかった。

 

 谷に降りた場所は1030mくらい。ここは山腹に杣道が2本くらい見えている場所。境界標識の赤いのも見られた。あとはトレースに乗って闊歩して行く。林道に降り立ち、やはり下りは速いと実感。もしかしたらスキーより速かったかも・・・。この時は、降雪は少し小康状態だが、しっかりとトレースはかき消されていた。またはっきりと刻むように足を乗せて進む。そして先の方に我が車が見える。雪の中、じっと待っていてくれる相棒。この見えた瞬間、いつも嬉しかったりする。

 

 

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