牛伏山   1990m      王ヶ頭  2034.1m    王ヶ鼻   2008m      
    


 2012.11.4(日)   


  晴れ        同行者あり       美ヶ原美術館より       行動時間:5H13M


@美術館前8:58→(10M)→A牛伏山9:08〜15→(19M)→B美しの塔9:34〜36 →(30M)→C王ヶ頭10:06〜10→(18M)→D王ヶ鼻10:28〜55 →(18M)→E王ヶ頭(ホテル)帰り11:13〜58→(54M)→F美術館前到着12:52 →(39M)→・王ヶ頭ホテル13:31→(40M)→G美術館前14:11


bijyutukanmae.jpg  ushihuse.jpg  doutei.jpg  utukushinotou.jpg 
@美術館前をスタート。 Aすぐに牛伏山到着。既に大展望。 A同定盤で周囲の山々を確認。 B美しの塔の鐘を鳴らして・・・。
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王ヶ頭へ向かって C王ヶ頭三等点 C王ヶ頭から王ヶ鼻。 D王ヶ鼻
ougahanaougatou.jpg  hougahanakitaa.jpg  yariho.jpg  ougatouhaika-.jpg 
D王ヶ鼻から王ヶ頭 D北ア側。 D槍穂稜線 E王ヶ頭に戻る。
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E王ヶ頭ホテルのデッキでビールを嗜む。 F美術館に戻るが、ウエストポーチを忘れており、王ヶ頭ホテルまでもう一往復する。 G駐車場は観光客の車で賑やか



 久しぶりの美ヶ原。声を掛けられたから出向いた訳だが、私の日頃の行動だと、一度出向いた場所には・・・であるから自発的に訪れる事はなかっただろう。他人行儀であるが、その点では声を掛けていただいてありがたく思う。


 岐阜の山ガールから声が掛かった。山に行くというより、美術館メインですとのこと。でもそうは言いながら美ヶ原を王ヶ鼻までしっかりと歩くよう。達者な足の余裕さえ感じ、二つ返事で同行を決めたのだった。


 池ノ山を登り終え、その足でビーナスラインを上がって行き、美術館の駐車場に着く。目の前には北アルプスの白き神々の座が並んでいる。すばらしい景色に見惚れていると、その手前にカメラを構えている女人が・・・。美的感覚の長けた山ガール、一足先に到着し待っていてくれた。


 久しぶりに再会したのはいいが、足先から首元までカジュアルウエアー。足元は長靴ではあるが、それはスウェードのブーツ。「用意しなくていいの?」と聞くと、「これで行きます」と。「あっ、あ〜」と苦笑い。こちらはしっかり山装備。同行にはちょっと不釣合いか・・・。ま、観光地であり、服装など何でもござれでもある。


 9時、定刻にスタートする。何年ぶりだろうか、スマホをタップすると1999年の登頂と残っていた。13年ぶり・・・“当時この木道はあったっけ”などと内心思いつつ、山ガール二人と談笑しながら足を進めてゆく。周囲はアミューズメントスポットのような美術群がある。色艶やか。


 すぐに牛伏山。大きなケルンが林立し、それ越しに周囲の大展望が広がる。八ヶ岳の肩の辺りに富士山の姿もあり、何処を見ても素晴らしかった。特に北アの白さは凄い。しっかりと立山の頂も見えていた。まだ遠くに王ヶ頭のアンテナ群が見える。あの先まで今日は行かねば・・・。


 下りこんで山本小屋。ビーナスライン沿いであり、ここからスタートする人が多い。思い出した。前回はここからのスタートだから、木道の記憶がないのだった。小屋前から美しの塔側へ行く。小屋と言っても、今はレストランとか売店とかの風味が強い。一般者にとっては歩道であるが、この先のホテル利用者にとっては車道。往来する客を乗せたグリーンのバスには至極気を使う。埃を巻き上げ、さながら昭和初期の車道事情のようでもあり、懐かしく埃から逃げていた。「ほら風上に・・・」と若い二人に逃げ方を指南。


 ポツンと立っていた美しの塔が、スクンと立っている位置になる。小さかったそれは近くに行くと、相応の大きさがある。草原に響くいい音色。牛がいればもっと良かったが、もう麓に降ろしたようであった。先に進む。前を行くハイカーは登山装備、こちら二人はやはり暑そうであった。学習して次は違うだろう。体験して学ぶ。これでいいと思う。塩くれ場を過ぎて、緩やかに登って行く。王ヶ頭ホテルとアンテナ群。完全なる人工物がそこにあるのだが、今日のブルーの空に、それらが映えていた。見送りのスタッフが12名ほど並び、バスを送り出していた。朝の風景。


 王ヶ頭到着。当然の大展望。“そうだそうだ、こうだった”と懐かしんでもいた。最終目的地が先に見えている。下りこんでゆく。こちらに来ると、ややハイカーの数が増えてきた。登山口を違えてアプローチしてきている方だろう。日が上がり、足元が緩んでいる。霜柱が融けヌタヌタな場所も・・・。


 王ヶ鼻到着。来て良かったと思える展望。ここでの岩部の自然地形のお膳立てなのだが、展望台的この場所は、かなり居心地が良く、そのためか人口密度も高かった。コーヒーを入れ談笑を交えながら展望を楽しむ。いい天気、いい景色。大休止をして往路を戻って行く。


 王ヶ頭ホテルでは、我慢できずに缶ビールの自販機に手を伸ばす。この展望、この天気に飲まない手は無い。デッキの特製椅子に座り、さながら泊り客気分で飲む。贅沢な味がするのであった。周囲の紅葉に併せ、山ガールもほんのり紅葉してゆく。周囲の各ベンチにはパーティーが陣取っている。美ヶ原人気を目の当たりにする。

 さて戻って行く。この時間になると、行き交う車はなく、ハイカーと観光客が行き交うのみ。山本小屋に戻り、牛伏山を経て美術館前に戻る頃、腰の付近がスースーする感覚を覚えた。すわっ、ウエストポーチを忘れてる・・・。車で山本小屋まで行って・・・などと考えたが、キーもその中、歩いて行くしかない。


 もう一往復。この間、山ガールは本来の目的の美術館観賞。こちらは王ヶ頭まで急ぐ。通常はコースタイムに対し8掛けくらいの時間で歩くが、この時ばかりは7掛けか6.5掛けくらいを目指していた。急いで向かうと遠いもので、それより向かった先に、目的のブツがあるのかどうかが心配になった。行ったはいいが・・・では困るので、歩きながらホテルに電話を入れると、フロントに届けられているとのことであった。一安心で向かって行く。


 途中からは
Tシャツになる。場違いな族が、厚着する観光客をすり抜けてゆく。「みてみてあの人・・・」通り過ぎた後、背中から聞こえていた。そして40分でホテルに到着。登山靴が容易に脱げないのでフロントまで行けず、「たのもう」とばかりの大声で、「すみませ〜ん」と叫ぶと、女性スタッフが出てきて手渡してくれた。よかった・・・これで帰れる。心配している山ガールに一報入れてから戻って行く。


 追い抜いた方が、まだ齷齪歩いておりすれ違う。やや天気がかげりを見せ、夕刻に近いような色合いになりつつあった。観光客も帰路につきだしているようで、山本小屋の駐車場も半分ほどに減っていた。牛伏山に駆け上がり、木道を伝って行くと、前方の橋の上から「おーい」と聞こえる。にこやかに観賞途中の二人が手を振っていた。終わり良ければ全てよし。


 こんな大展望の中、ここを歩けるとは・・・。本当に「美しい」「原」だと思った。



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