猿面山   1832m        


 2012.08.18(土)   


  晴れ     単独      大赤沢新道ピストン         行動時間:3H


@登山口林道分岐5:42 →(11M)→A山道入口5:53→(47M)→B4合目6:40→(44M)→C猿面峰7:24〜35→(57M)→D山道入口帰り8:32→(10M)→E登山口8:42


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R405号からの林道入口。 @大赤沢新道の基点?舗装林道からダート林道入口。 @入口に道標あり。次のポイントまでの時間が書かれ、優しい配慮。 ダート林道は崩落した石も多く四駆でも入らない方がいい様子。
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A山道入口 2合目。3合目までの時間が書かれている。 やや不明瞭にも見えるが、ロープが導いてくれる。 急登だが、落ち葉がフカフカと歩き易い。
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大きな倒木があり。根の部分。 3合目は展望台。 3合目から見る横山。 B四合目通過。
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クワガタが居たり。 五合目。苗場山までの半分ってことか。 六合目。もうわずか。 タイガーロープが各所で流されている。
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途中から檜ノ塔側。 途中から鳥甲側。 C猿面山 C7合目の標識。
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C僅か先に苗場山が聳える。 C日蔭山側。 ヤキソバパンを挟み込み。 鳥甲牧場か?
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ヤマハハコの群生地。   ガレ場の場所がお花畑。  D林道に出る。
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Eスタート地点に戻る。地元の山ガールの車が・・・。 林道途中から大赤沢への下降点。    


 

 2007年1月、大雪をスキーラッセルしながら突き進んだ。目指すは猿面峰。安易に届くだろうと狙ったのだが、そう自然は甘くなかった。西にある横山まででやっとやっと、冬季の厳しさを思い知らされての敗退となった。膝上くらいの深い雪、これが豪雪地帯の雪でもあった。

 

 このエリアには猿面峰はもう一つある。200名山である佐武流山の北西にある2000m峰。パイオニアであるMLQ氏が記録を残し、少し季節を違えてその跡を追った。残す猿面峰は一つ。ずっと気になっていた場所であった。

 

 お盆の連休明けの土日、山は間違いなく静かになる。こんな時にメジャーな山を狙うのが適当なのだが、大気の様子が不安定のよう。こんな時はあまり逆らわず行動する。より天気の良さそうな場をと苗場山エリアの猿面峰を選んだのだった。この判断は正しかったようで、この日の落雷被害は各所で尋常ではなかったよう。自然に逆らって行動してはいけない。そして予知と予測もしないと・・・。

 

 関越道を塩沢石打で降りて、R353で津南に入りR405で秋山郷に入って行く。有名な豪雪地帯。冬季に恐る恐る進んだ道は、なにか亀裂が多い。昨今の地震のせいなのか、そこが少し気になった。蛇淵の滝のところに大赤沢新道を示す道標があるが、さらに先に進み、生コン工場の700m先から左側に入る林道に入る。道なりに進んで行くと、その道が下降しだす右側にダート林道が分かれている。この前には余地が4台分。ここが今回の登山口。入口には白い標柱が立っている。

 

 さっと準備して歩き出す。冬季の急登が頭にあり、それ相応の覚悟でいた。昔のエアリアしか持っていないのだが、そこの実線に見るように、すぐに斜面に取り付くのかと思ったら、しばらくダート林道歩きが続いた。途中の沢からはやや強い硫黄臭がしていた。北には硫黄川と名がつく場所もあるだけに、付近一帯からは硫黄が産出するのだろう。路上には崩落の岩が多い。車で入ってしまおうかとも思ったが、これを見ると歩いてよかったとの判断になった。

 

 歩き出しから11分。右側に山道の入り口が見えた。標柱に空色で案内が書かれている。心配なのは下草で、雨具を履くべきか迷っていた。この時はスパッツのみの装着。ギャンブルだがそのまま入って行く。各道標には、次の号目までの時間が書かれていてハイカーに優しいルート。大体であるが、そこに書かれている7掛けから8掛けくらいで、そのポイントを通過して行く。

 

 2合目の先は、少し迷いやすい場所で、そのためだろう細いロープが流して道案内となっていた。少し急登になり、ちょっとだけギヤを入れ替える。道の様子からして、足許は濡れないと判断できた。よく管理された一級の道であった。針葉樹が堆積してフカフカとした弾力があり歩き易い。これは下山時に膝に優しい。大きな倒木がある場所は、根の下の岩がゴロゴロと白い姿を見せていた。この先の3合目が第一展望所。右側に横山らしき高みが見える。既に理解しているが、地形図やエアリアに書かれている道の場所とは違っているようだ。顕著な、それも緩やかな尾根を狙って開きなおしたようであった。

 

 四合目を過ぎると、ふと黒い生き物が目に入った。黒いダイヤのように見えるそれはヒラタクワガタ。なかなかいい個体で、その大きさを見られただけでも大満足。自然は採るものでなく見て満足、撮る物でいい。だんだんとルート上の補助ロープが増えてゆく。やや不思議な設置と思っていたのだが、これは帰りに判った。5合目を過ぎ、タイガーロープが益々増える。

 

 6合目を過ぎると、ルートはややなだらかに変わる。振り返ると、羽根を広げたような鳥甲山の姿があり、見事。その横の方の台倉山を探すのだが、ややガスに覆われた状態で、ただでさえ同定が苦手であり、何処なのか判断が難しかった。展望ルートで、南側の檜ノ塔の尾根も綺麗に見えている。2008年の4月に伝った場所。往時の、天狗の庭の広さが脳裏に浮かぶ。各所を登り、いろんな記憶が縦に横に繋がるようになってきている。これがまた楽しからずや。足元がややネマガリの切株が邪魔をする場所があるが、ほんの僅か。予想外に立派な道で、これなら苗場山まで行ってしまってもいいか・・・とも思えていた。

 

 7合目到着。そう、ここが猿面峰。その表示こそ無いが、それなりに居心地の良いピーク。目の前にすぐ苗場山が見える。ここまで2時間かからずに到達している事から、ここからなら1時間ちょっとで苗場山に行けるだろうと思えた。ただしこの日は、地域行事の提出物期限。家に戻って机に向かい書類作成が待っていた。ほどほどに行動しないと・・・と言う理由を楯にここまでとする。実際に上まで行きたかったが、この歩き易い道を体感し、いつでも来れると判断したのだった。パノラマ写真を撮ったりして下山となる。展望を楽しむなら、山頂よりやや西に下った場所が最適。西側が開け気持ちのいい場所であった。

 

 ルートの良さに託けてグングンと降りて行く。その途中の補助ロープ。これは下山用に付けられた場所が多い。降りる側でより掴みやすいように工夫されている場所も見られた。ここでの危険度が高いのは下りということだろう。ガレ場のところでは、ヤマハハコなどが最盛期で、白い群生が綺麗であった。

 

 5合目を過ぎた辺りで、前方から女性の声がしてきた。降りて行くと山ガールの二人連れ。「今日初めて人に合いました」と嬉しそうであった。カメラを片手に、登りながらの景色や植物を堪能しているようで、山の楽しみを十二分に知りえているようであった。猿面までで降りてきたことを伝えると、「次ぎに別の山に行くのでしょ」などと、心の中を読まれているようでもあった。そう判断できるって事は、山に慣れている人ってことになるか。「気をつけて・・・」と分かれる。

 

 快適さに託けて一気に降りる。ダート林道に降り立ち戻って行く。やはり沢の所では硫黄の臭いがした。これで加熱すれば、じゅうぶん温泉になるような気もする。ダート林道歩きでは、やけにブユが取り付いてきた。今日は団扇を忍ばしており、それの出番。虫除けもいいが、ブユには風が効果的。左団扇で快適にテクテクと戻って行く。

 

 入山口の場所には、長岡ナンバーの四駆が、我が車の後に置かれていた。先ほどの女の子の車で違いない。山が好きなのだろう、マイカーに四駆の選択。その前に土地柄の雪対策でか・・・。

 

 予想外に早くに降りてこられた。5時間ほどを思っていたが、新ルートの効果かも。逆に旧ルートを伝うと思って、松ノ峰へ藪漕ぎをしようと思っていた計画が消えた。大きく横山と離れてしまっている今の登山道。旧道の方を伝う人もいるのだろうか。麓側も尾根側でも、その在り処が良く見えてこなかった。

 

 

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