天ヶ峰 1813.7m 横道 1748.1m
2012.03.03(土)
曇り時々晴れ 単独 保平つりぼり前から 行動時間:4H58M
@わらじ小屋前6:20
→(16M)→A水場6:36→(23M)→B林道を離れ谷登り開始6:59→(67M)→C稜線に乗る8:06→(8M)→D天ヶ峰8:14〜17→(48M)→E1739高点9:05→(24M)→F横道9:29〜39→(9M)→G1680m鞍部(下降点)9:48→(20M)→H林道に乗る10:08 →(21M)→IR39号ゲート10:29→(43M)→Jわらじ小屋前11:12
@わらじ小屋(つりぼり)前の林道から入山。 | @林道入口には、いくつもの石碑があり、昔からの道だったと解釈。 | 入ってしばらくで、水源施設のような建物がある。 | A途中で水も得られる。この時期でも凍っておらず使える。 |
林道は1350m付近から沢を逸れて東に進む。地形図の破線ルートは廃道のように見えた。見えている尾根(右)を最初伝おうと思った。 | 1574高点の南で、尾根に取り付くバンドがあった。ここから取り付けば、1574高点を経て天ヶ峰の西のピークに突き上げる事が出来る。 | B今日は谷登り。最初は僅かに水が出ているが、やがて雪が覆う。 | 途中までフェンスが上がっていた。鹿除けか? |
1650m付近から急登斜面に変わる。スキーでの下りなら気持ちのいい場所。 | C稜線に乗る(1770m) | C乗り上げた場所から振り返る。 | D天ヶ峰山頂。居心地のいい広い山頂部。しかし展望は無い。 |
DMLQの絶縁テープが残る。ちょうど3年前。 | 天ヶ峰から横道に向かって行く。 | 経路はなだらかな尾根が続く。 | 沈み込み量は10cmほど。今日はスノーシューを使っている。 |
E1739高点には、立派な大木が待っていた。 | 途中でガスが晴れ、下界が見えるように。 | F横道山頂。 | F横道のMLQの絶縁テープ |
G横道の西側鞍部。ここから谷を下る。 | 最初は急峻だが、雪が柔らかく歩き易い。 | スキーなら快適な谷。スノーシューを滑らしながら降りる。 | 林道への最後は、状況によってはザイルが必要。両側を沢に挟まれ、急峻の狭稜を下る。途中で沢に逃げたが、ナメ岩の沢。 |
H下ってきた場所。最後の30mのみ危険地帯。 | H林道の上。西側に進んだが、東に進めばオートキャンプ場の方へ出たのかもしれない。 | 小さな渡渉を一回。 | 県道39号に出る。橋の袂。 |
Iゲート。工事中であり、施錠はしてなかった。 | 川浦集落の所には、橋があった。この事から、横道から尾根を南東に下っても良かったようだ。 | J駐車余地に戻る。 |
「ミスは長引かせない」。これが信条であり、前週のミスをきっちり修正する。一方で、我慢弱いのかも。思ったら踏まないと気がすまないとも言えるかも。そんな時に、山は動かじと言われ、「焦る事無いよ」なんて外野から言われるのだが、こんな行動が生き急いでいるように見えるらしい。でも、人の人生の長さなど神のみぞ知る。今を最大限楽しく生きる。これももう一つの信条。
1:30家を出る。前週と全く同じコースであり、カーナビの軌跡をなぞるように走ってゆく。佐久では、民家周辺にニホンジカが出ていた。本当に鹿が増えている。何とかしないと山の生態系が大変な事になるだろう。長野県が大きな駆除会議を持つのも頷ける。国道158号は梓湖の所から県道26号のトンネル群に入って行くと、毎回の事だがマラソンをしている人が3人居た。時間は4時前後。なぜにここで、この時間にやっているのかが判らない。確かにトンネル内は暖かい。そして足元の心配はない。交通量も少なく明るい。そのためかと思っている。
寄合度の三叉路を野麦峠側に進み、保平地区のつりぼり(わらじ小屋)前の余地に突っ込む。除雪余地で4台ほど停められる。外に出て雪を確認すると、かなり柔らかい。これだとスキーの選択の方がよかったか。前週のガチガチの雪を体験しているので、今日は足で歩き上げる装備で来ている。色んな準備で出向いた方が良かったようだ。しばし仮眠。予想できない場所であり、スタートが林道歩きなので、暗いうちのスタートでも良かったが、難しそうな地形の場所は無く夜明けを待った。
ザックにスノーシューを括りつけ、わらじ小屋前を出発する。山腹から谷に伸びて行く林道入口には、古い石像(石碑)が何体も残る。軽く礼拝。ゆっくりと足を上げて行く。最初こそ雪は無いが、すぐに雪の上に乗る。やはりスキーの選択の方が良かったかも。5分ほど歩いてスノーシューを装着。つぼ足量が増していた。スタートから7分ほどして、右側に別荘のような建物が見えてきた。こんな場所に・・・と思って近づくと、水源施設のようなものであった。中からモーター音が唸っていた。さらにここから7分ほど登ると、小さな沢があり、ドラム缶が置かれ引水してあった。山師の水汲み場なのだろう。冬季でも凍らず、勢いよく流れだしていた。この伝っている林道は、やけに急勾配。谷に沿って一直線に北西に突き上げている。ほぼ地形図の破線通りに進むのだが、途中1350m付近で道は東進し出す。そのまま谷を詰める道は雪の中には見出せなかった。どうやら廃道のよう。もしくは、私の見方が悪かったか・・・。
沢を離れ山腹を巻き進む林道に乗ってゆく。この道は、先週の末川尾からしっかりと見ている。高度を上げず、最後は寄合渡側に降りている様子。よってあまり先に伝い過ぎても良くない。適当な所から尾根に這い上がるのを順当とした。その一番の候補は、進む先に見えている1646高点を有する尾根。なだらかそうで残雪のつながりもいい。もう一つは、既に取り付きタイミングとなっている1574高点を有する尾根。どちらもさほど変わらないような選択肢であった。悩みつつも足は進む。スノーシューのプラスチックと雪が擦れる音が辺りに響く。
1574高点から南に下った尾根を林道は巻き込み進む。すると、進路が北東に変わって僅かで、山側斜面に取り付き用のバンドが見えた。既に雑草が生い茂り伝って行くのを拒んでいるが、雪が乗っており、その在り処はしっかりと判った。ここから尾根歩きにしようか・・・。迷ったがさらに先に足を進める。大きなこの先の尾根(1646高点のある)が手招いているようにも見えたからだった。そして二つの尾根に挟まれた谷の所に到着。ここから入り、途中から南東へ枝尾根を伝って行こうと考えた。谷の入り口は雑草・雑木があり入りづらい場所。少し流れが出ていて、左岸側を行く。それもしばしで雪に覆われる。“オヤッ”と思ったのが、谷の中に古いフェンスの支柱が続いていた。何が張られていたのかは判らないが、支柱のみが続いていた。
途中で枝尾根に入るつもりでいたが、谷の様子が快適でそのまま詰める事にした。スキーなら快適に滑れる場所。末川尾から見ると、白くスキー場のように見えた場所が二筋ある。ここがその一つのようにも思えた。快適にスノシューの刃が雪を掴む。1600m付近で笹の濃い場所があり、それを避けつつ進む。この時期にしてこれだけ出ているのだから、無積雪期にこの谷を詰めるのは大変なのだろうと思えた。この笹帯を抜けると、急峻地形に入る。それまでのスピードがガクッと落ちるよう。細かい九十九を切りながら登って行く。それでもスキーなら休憩を入れるタイミングを、履いていなければ休憩しらず。やはり足で歩く方が私の場合は速いのかも。この急峻に入ってからの時間が長く感じた。見上げる先に稜線があるのだが、なかなか遠く感じる登りの場所であった。
1770m地点の尾根に乗る。西へ進めば僅かで天ヶ峰。でも、尾根上はフカフカで、スノーシューでもよく潜った。ここでもスキーのほうが良かったか・・・などとなった。下手に物を持っていると、色んな場所で後悔や迷いが生じるのであった。登って行くと、広い場所に乗り上げる。太い木にピンクのリボンが縛ってある。どうやら到着したようであった。
天ヶ峰到着。よくよく探すと、MLQの絶縁テープも残っていた。唯一の山名を記すもの。日付を見ると、ちょうど3年前の登頂。的確な適季に登っている。この山頂は広い山頂で、展望こそ無いが居心地のいい場所であった。もう少しアプローチに時間がかかると思っていたが、意外や早くに踏めてしまった。さて次は、西進して横道に進む。
急下降して乗り上げた場所に降り、そこから先はポコポコとした小さな高みをいくつも越えてゆく。快適な尾根歩きとなるが、1734高点を前にしての下りが急下降。スノーシューのエッジを使うようにして降りるような感じであった。その先は、またなだらか地形。その1734高点を過ぎ、次の1739高点がいい。立派な大木が出迎えてくれる。なにかここの主のようにも見え話しかけたくなるほどの存在であった。ここまで来ると、横道はもう僅か。この尾根にもフェンスのがあり、時折有刺鉄線が見え隠れしていた。でも、冬季はそれらは雪の下になり意味を成していない。獣の足跡は縦横無尽に残っていた。
横道到着。南側が明るい山頂で、ここにもMLQの絶縁テープが残る。ザックに腰をおろし、小休止。スタートから3時間ほどで最終目標地に着いてしまった。雪質がよかったと言えるかもしれない。辺りからはチェーンソーの音。麓で薪用の切断作業でもしているのだろうか。地図を見ながら下山路を探る。奈川の流れは太くないので渡渉しても知れている。だからどこを下ってもいい。往路に、横道と1739高点の間にある鞍部から南に降りている谷が、すばらしくいい谷に思えた。スキーなら快適。ここに気持ちが揺らぐ。どうしようか・・・。もう一つは周回ルートとして大きく周回したい。このまま西に進んで、一筆書きを大きく広げる事も少し思う。迷ったが後者を取った。
横道から下降して行く。下降点とした鞍部は顕著な場所でなく、これまでの経路にあった、ちょっとした低い場所と言えよう場所であった。そこから南西に下って行く。最初は樹林帯の中。凍っていればアイゼンが欲しい勾配。雪が柔らかいおかげでスノーシューでも快適。急斜面が終わると、しばらくは本当に快適斜面。スキーが欲しいほど。少し滑らせるようにスノーシューを前に出して行く。しかし快適に思っていた谷も1500m付近から怪しくなる。谷が狭まり、その先が切れ立っているのが付近の様子で判った。覗き込むと、下に林道が見え、高低差30mほどの急峻地形の上に立っていた。さて逃げようかどうしようか。沢を両側に擁し、その中央に中州的地形があり、行くならそこを伝うしかない。幸い雪は柔らかく行けそう。凍っていれば、かなり神経を使い、アイゼンとザイルは欲しい場所。雪を踏み固めて場所を作りスノーシューを脱ぐ、そしてグサグサと足を雪に刺しながら、潅木を掴みながら降りて行く。最後が降りられず沢に入るも、岩が崩れ、土が流れ、沢の底はナメ岩であった。慎重に下って林道に降り立つ。さてこの林道。地形図には載っていない。どちらに進めばいいのか判らず。西に進んで行く。ここで東に進んだら、もしかしたらオートキャンプ場の方へ出たのかもしれない。再びスノーシューを装着し、西に進む。
林道は崩落も多く、白い雪の上に大量の土砂が乗っている場所も在った。この林道、途中から登り勾配になっていて、そこを避けるように谷に降りて行くことにした。適当に下り、渡渉を一回し進むと、目の前に県道39号線が見えてきた。ただしササの植生の濃い場所に入り、足をとられる。林道をそのまま伝った方が良かったような感じであった。ガードレールを乗り越え車道に出ると、東側を見るとゲートの場所であった。あとは車道歩き。少し凍った場所もあるが、スノーシューが外せるので快適。ゲートは施錠してない状況で、峠側で工事をしているようであった。
川浦地区に入り、奈川側を見て進むと、橋が一本掛かっていた。このことから、横道からの最初のルート取りも可能だったようだ。あの谷を滑れれば快適だろう。村落内には、お年寄りが歩いている。なにかいい風景。テクテクと車道を進むが、ほとんど行き交う車は無い。天気も回復し太陽の温かさがある。快適も快適。そして保平地区に入ると、わらじ小屋が見えてきて、道向かいに我が車が見える。到着。
意外や楽なルートであった。スキーでもスノーシューでもいいだろう。面白いか面白くないかは、その人それぞれだか・・・。