上ノ山 1048 m 唐沢山 1243.0m
2012.12.24(月)
雨 単独 猿ヶ京スノーステーションより上ノ山経由唐沢山。下降は南尾根。 行動時間:3H49M
@猿ヶ京スノーステーション7:01→(3M)→A巡視路入口7:04→(40M)→B10番鉄塔7:44→(16M)→C上ノ山8:00〜01→(97M)→D唐沢山9:38〜45→(30M)→E948高点10:15→(21M)→F17号に降り立つ10:36→(14M)→Gスノーステーション10:50
@猿ヶ京スノーステーションをスタート。ライブカメラが設置してあり、現地で自分の姿が第三者的に見られる。 | A巡視路入口。ニホンザルが沢山降りて来ていた。 | A入口の看板。 | A車道側から見る入口。 |
巡視路は緩やかで快適。 | 水平道と鉄塔への道との分岐点。 | 途中から見る唐沢山。 | B10番鉄塔。鉄塔の先はカヤトの原。イバラ少々。 |
970m付近。 | 上ノ山直下。 | C上ノ山 | Cテプラ標と永井さんの標識が並ぶ。 |
CGさんは、標識をリボンに切り替えたのか? | 上ノ山の西側は、グリセードーで滑り降りる。 | 熊棚が沢山見られた。 | 990m付近。ルートが良く見えてこない。 |
880m付近。分岐点。 | 三国峠まで7Km標識。 | 三国峠6Km標識。ツボ足は30センチぐらい。道形の上は潜るので、ルートを逸れる。 | ツアーコースがあるのか、標識があった。 |
膝までのツボ足。かなり辛かった。 | 1220m付近。 | 振り返る。 | D唐沢山到着。 |
Dソーラーライトが二つ設置してある。 | Dテプラ標は幹が太り取れていた。 | Dすかいさんと永井さんの標識。やけに賑やかな山頂。 | D我らが達筆標識。97年3月に設置。一度は取れてしまったようだが、好事家が取り付けてくれた模様。 |
南尾根を降りて行く。1200m付近。刃物痕も多々ある。 | 1150m付近で東尾根に進路を変える。植林帯の際を降りて行く。 | 1050m付近。快適尾根。 | 1010m付近で進路を南東に変える。 |
1000m付近。切り開かれた斜面。グリセードで降りる。シリセードをしたいが、傾斜が急すぎて止まらないだろう。 | E948高点。 | E948高点には「月山」とも読める標柱がある。 | 900m付近から下。鉄塔があり、周囲が刈られ見通しがいい。 |
下の方に新三国大橋が見える。 | 770m付近。巡視路は谷形状の中にあり、雪が乗り伝いにくいので、尾根を降りて行く。 | 植林帯の中に道に降り立つ。ヌタヌタ。 | 村落の舗装路に乗る。 |
FR17に降り立つ。 | 新三国大橋には歩道がなく、この時期かなり怖い。 | 登山口とした巡視路入口に戻る。路側帯には猿の糞が沢山落ちていた。 | G猿ヶ京スノーステーションに戻る。 |
2012年も残り二日。天気が泣きっ面で残念であるが、それも自然。晴れれば最高と思え、悪天もまた自然の表情。気にせず出向く。今回は、猿ヶ京の里山を目指すこととした。スキーシーズンに入り、板を履いて三国峠側まで上がってみようと企てた。目指す山は、唐沢山と上ノ山。ネット上では、CVP氏とSJJ氏の詳細・簡潔な記録が残る。案内資料としては出来すぎであり、舐めるように地図を読み込み頭に叩き込んだ。
ゆっくりと地走りして現地入りする。猿ヶ京のスノーステーションではナトリウムランプの暖色があり、そこだけ温かく感じる。トイレ前に停めて仮眠を決め込んだのだが、そこは大間違い。立ち寄る人の多くが通過し、安眠とはならなかった。学習せねば・・・。それにしてもR17号の車通りが少ない。関越道のせいとは知っているが、物流の車も少ないように耳に聞こえていた。
6時半、熱いコーヒーを飲みながら準備に入る。一番気になっている部分は外気温。なんと7度を表示していた。雨の降る日は温かいのは判るが、この場所で7度は・・・。すぐにスキー山行は諦めツボ足で行くことにした。しかしワカンがない。上の方は間違いなく深雪、ここの判断が微妙であったが、履いて進めればいいが、この気温だとシールトラブルも考えられる。スキー靴を履くには至らなかった。
7時1分、スノーステーションをスタートする。法師温泉の看板が左に見えたら、その前が巡視路の入口になる。鋭角に入っている道の上部で、何か聞きなれた甲高い声がする。ニホンザルの群れが降りて来ていた。周囲に糞の臭いが漂い、長い間この場所に居たようだ。口笛を吹き、存在を示すように巡視路に踏み入れてゆく。サルたちは気にしつつ上部へ撤退して行く。里山の荒廃は、人口の減少からと聞くが、野生動物に緊張感を与える人間の姿が無くなったのだろう。
道形は緩やかで快適。ツボ足量は10cmほど。主尾根を右に見た西側のトラバースルート。どこかで主尾根に乗らねばならないのだが、その場所は入口から25分ほど進んだ場所にあった。巡視路標識があり、水平道と尾根道との分岐点。9番・10番の鉄塔へ向かって登って行く。この付近で20センチほどのツボ足となった。上には送電線があり、周囲が刈り払われ展望がいい場所。四万方面の山々が良く見える場所であった。すぐに9番の鉄塔を潜り、先の方に10番鉄塔が見える。
刈り払われた右(東)側に雑木林があり、そこには沢山の熊棚が見られた。彼らにとっても居心地のいい場所のよう。10番鉄塔の手前で、東に降りて行く道形も見られた。鉄塔の下を潜ってゆくと、その先はカヤトの原。イバラも多く、逃げるように西寄りに進む。カヤト地帯は30mほどで、再び雑木の樹林帯の中を進む。先の方にこんもりとした高みが見えてきた。最初の目標点に到達したようだ。
上ノ山到着。ここは地形図非記載の山。そのためか静かな山頂であった。少し息を整えて西に進んで行く。ここからの下り斜面は、一気にグリセードーで降りる。しかし、道形の在りかが見え辛く、探りながら進むこととなった。こちらにも熊棚が多い。その割りには足跡が無いようだが、鹿の足跡も少ない場所であった。
990m付近で広い地形になり進路が全く判らなくなった。なにせ西へ。Go Westな訳で、進んで行くと樹林の中に何となく道幅が確認出来た。冬季は判っていないとちと・・・。すると目の前に分岐道標が現れ、南からの道形と合流した。これで自分の居場所がはっきりと判った。ひたすら西進して行く。小雨が舞い、周囲のガスにより青いフリースが白くコーティングされる。ツボ足量は徐々に増してきている。この辺りまで来ると、スキーで来ればと思えたが、経路を考えたら履いていないで良かったと感じる。
三国峠まで7Kmの標識を見る。進むの先の唐沢山は段々と近くなっているが、やはり進度がかなり遅い。でも頑張っている自分に、少しばかり嬉しかったりする。黙々と、坦々と、後にトレースが伸びて行く。これが冬季の山登りであり、やっている感が強いのだった。9時を回った頃から、周囲が一気にガスに覆われ、気温が下がってきた。しかし足元の雪は緩いまま。標高1100mを過ぎ、ルートは九十九折になる。
三国峠まで6Kmの標識。振り返ると、ツアーコースの標識も打たれていた。冬季でここで滑るのか? この周辺で、膝上まで潜るほどになった。一歩一歩膝を入れて進路を切り開いてゆく。抜いては刺し、足を回転させるにも高く上げねばならないので、いつもの倍ほどは疲労感を抱いていた。道形上がどうにも雪が緩いので、そこを逸れて樹林帯の中に入る。枝から落ちた雪が地面を固め、この選択は正しかった。それでも、急登の一人ラッセルで少しばかりか気力が萎えてくる時があった。これ程度で情けなや、その自分の気持ちに喝を入れる。しかしゴボッと潜ってしまうと、再び同じ思いにもなった。もうすぐ山頂のはずだが、最後の標識を見てからが長かった。
唐沢山山頂。北東側に不思議なボックスが木に配置してあった。近づくとそれは、ガーデニングで使うソーラーライトであった。何かの目的の為なのだろうが、どんな使い方をするのか。三角点があるはずだが、さすがにこの雪ではと諦めた。その代りに嬉しいものが待っていた。達筆標識がかかっていたのである。今期はあまりお目にかかれておらず、一年の最後にして、嬉しいプレゼントでもあった。さて下山路を探る。CVP氏はそのまま西に抜けているが、さすがにそろそろ気力が萎えてきた。雨粒も本気になってきており、防寒具を着込んだはいいが、外も内も濡らされ不快。ここはエアリアに破線記載されている南尾根を下ることとした。
山頂から南西側尾根に切り開きがあり、それに乗ってしまった。コンパスの示す方向が違うので、途中で気づいて修正する。主尾根に乗ると、刃物跡が多い緩やかな歩き易い尾根であった。標高1150m付近で尾根が東に分かれる。エアリアの破線は真っ直ぐ南に進んでいるが、ここは東側の尾根を選んでみる。その方がR17号に降り立ったときの着地点が駐車場所に近いから。植林帯の南側を下って行く。すぐに主尾根となってその先に続いている。こちらは、その尾根の上に境界標柱が頻繁に見え、人の気配のする尾根筋であった。
1100m付近で東に進んでいた尾根筋が南東に屈曲する。気にして見ていると、その方向に切り開きがある。シリセードーをしたいような斜面であるが、滑ったらピッケルでもないと停まらないであろうと思える斜度で、慎重に足を下ろしてゆく。大きく下り、緩やかに登り上げると948高点となる。ここには綺麗な御影石の標柱があり、そこに「月」と彫られているのが印象的であった。だんだんと高度を落とすと、雪もしだいに消えてくる。
900mまで降りると、下に送電線鉄塔が現れた。ここは素晴らしく展望のいい場所で、眼下に新三国大橋が赤く見えていた。もう往来する車の音が聞こえ、下まで近い事が判る。鉄塔の下を抜けると、その先で休ん場のような丸太で出来たテーブルが二つあった。巡視路の道形は、その先は谷側へ九十九折で降りていっていた。ここは雪の乗った時季は滑りやすく、現に伝い難かった。東にズレて主尾根に戻って降りて行く。進む先側、下から番犬に吠えられている。犬はよくも察知できるものと思う。
下の方に民家が見えてくると、作業道が斜めに横切っており、それに乗る。ただしこの道、霜柱のせいか泥濘した道で、足元がドロドロになってしまった。一度西に進み、折り返して東に進む。その南側には舗装路もあるのだが、作業道はそこには通じておらず、最後は途切れていた。藪を15mほど濃いで舗装路の上に乗る。17号側へ下って行くのだが、民家脇の側溝の蓋の上を降りて行く。雪があり、公的な道がどのように上がってきていたか、判らなかったのだ。
17号を東進して行く。新三国大橋までは、立派な歩道があり安心して歩くことが出来た。しかし橋が怖かった。高速で行き来する車があり、気にしつつ渡って行くが、上から降りてくる車などは、僅か50センチほど横を高速で通過して行く。生きた心地がしないとはこのこと・・・。少しはスピードを緩めて欲しいもの。それでも橋を越えると路側帯がしっかりあり、安心して歩いて行けた。巡視路の入口には、凄い数の緑の糞。食べ物がいいのか悪いのか、かなり異臭を放っていた。息を停めて通過して行く。防寒具の庇越しに、往来する車を見る。「あんな所、この雨の中に歩いているよ」暖かそうな車内の言葉が聞こえてくるようであった。
猿ヶ京スノーステーションに戻る。トイレがあり水があるので、ドロドロになった足元を洗わせていただく(その後、きちんと清掃した)。ここを冬季に歩くなら、残雪期に入ってからなのだろう。気温が大きく関わるとは思うが、予定したルートをコンパクトにした割には疲れた感があった。もう少し雪が乗ったらスキーも使える場所と判った。その場合、短い板がいいだろう。