柳木ヶ峰    1190m        浅間    1088m        


 2012.12.22(土)    


  雪      単独       子持神社側5号橋から      行動時間:3H46M


@5号橋6:44→(8M)→A7号橋6:52→(3M)→B獅子岩・屏風岩登山口6:55→(9M)→C円珠尼歌碑分岐7:04→(8M)→D屏風岩7:12〜19→(42M)→E獅子岩東側で稜線に乗る8:01→(15M)→F獅子岩8:16〜22→(31M)→G柳木ヶ峰8:53〜55→(16M)→Hオオダルミ9:11→(8M)→I牛十二9:19→(25M)→J浅間9:44〜45→(11M)→K下降点9:56→(34M)→L5号橋10:30


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@5号橋Pからスタート 6号橋の所も登山口 A7号橋。左岸側へ。 奥ノ院への道は、手前側で停められている。
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B獅子岩・屏風岩への登山口。 雪が乗った木道は非常に良く滑る。 屏風岩下に役の行者の石像がある。 C円珠尼の歌碑の分岐から、屏風岩側へ進む。
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急峻が続く。 D屏風岩の上。 D岩の上は南北に細長い。 D屏風岩から見る獅子岩。
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D屏風岩から下降。 ピンクのマーキングがルートを示す。 途中の無名峰から見る獅子岩。 降雪でガスった風景に。
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E稜線に乗る。 F獅子岩。 F下部に岩屋あり。 F南東側の風景。
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F獅子岩最上部。 鎖場を慎重に下る。 途中から獅子岩を振り返る。 柳木ヶ峰手前のピークから鞍部へ下降。
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G柳木ヶ峰到着。 G標識。 浅間へ向けて下降開始。 非常に滑る斜面。凍っていなくて良かった。
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Hオオダルミ I牛十二 浅間直下 J浅間
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J浅間の標識。 J祠は全3つ。 K5号橋への下降点。 溶岩ドームのような岩穴がある。
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尾根筋の様子。 途中から見る獅子岩。凛々しい。 L5号橋到着。




2001年2月に、大チョンボコースとも言える西側の林道を使って楽々登頂した子持山。正規ルートは南麓にあるようであり、一度は伝っておかないとと思っていた。山名事典掲載のマイナーピークも2座ほどあり、気になっていたルートでもあった。

 

天皇誕生日の3連休に入る。生憎のクリスマス寒波。「雪が降る」と喜んでいる人も、これほどに強烈寒波では行動が制限されるだろう。連休第一日目も各地で悪天模様。ここで気になっていた子持神社からのルートを伝うことに決めた。

 

いつものように1:15に家を出る。街中通過で、夜の蝶が代行で帰ってゆく姿をちらほらと目にする。これから出向くのに、いつもながらどろっとした、どんよりした気分にさせてくれる。渋川の市内を抜けたら、R353に入り北群馬橘交差点から三国街道の方へ進んでゆく。そして白水ゴルフクラブの手前を右に入り、クネクネと進んで行くと子持神社の道標が沢山出てくる。いくつも出てくるので迷うほどだが、どれを伝っても行きつけるよう。そして中郷地区から北に山中に入って行く。

 

唐沢に沿った林道を行くのだが、この日の降雪予報では、やや怖くなるような傾斜の場所がある。子持神社を左に見て5号橋の前で停車。もう一度天気を確認しようとしたが、ここでは携帯の電波が入らなかった。一度下って林道側に入って受信し、3つほどのサイトを確認して平均をとった。早朝から降る。先ほどの5号橋に行き仮眠を決める。雪が降るとなると、なぜかワクワクしてしまう。寝ているような寝ていないような・・・。雪は3時過ぎから降り出してきていた。

 

6時、身震いして起きだす。夏用のシュラフで寝ていたのだった。窓の外には2センチほど積ったのが見える。もよおしたので、すぐさま外に出て湯気の上がるそれでいたずら書きをする。男の楽しみ。今日は岩場通過もあるので登山道があるとは言え気を張って入山せねばならない。新しいグリップのいい登山靴に足を入れる。どれほど積るのか・・・そう積らない標高を選んだ訳だが、それこそ全ては運を天に任せる。さすがにワカンまで要らないだろうと、装備から外しアイゼンのみザックに放り込んだ。

 

スタート。無垢の雪の上にトレースを残してゆく。6号橋からの登山道を右に見て進む。この奥の、子持神社奥の院を見たかったのである。しかしその場所は、奥まっているのと、早い時間とで、暗くてよく見えなかった。さらには、鳥居を潜ると石のフェンスがあり、その先の参道には足を踏み入れてはいけないような造り。地形的に崩落もあるのだろう、その配慮に見えた。次が7号橋。ここで左岸側に移り、僅かに進むと獅子岩への登山口がある。降雪を見込んで服装固めをしたので、かなり暑くなっていた。

 

木道には滑り止めが打ち付けてあるのだが、なければ歩けないほどに良く滑った。そのために脹脛が一気に疲労感を覚える。太鼓橋の上はさらに滑り、景観を優先したこれらは、もう少し歩きに重きを置いた方が良かったように思えた。屏風岩の下には役の行者が鎮座している。見上げると大ぶりのツララが下がっている。視覚的にも寒くなる場所であった。

 

流れの中を滑りやすいルートが続く。円珠尼の歌碑のところで分岐となり、右側が一般コース。左が屏風岩に上がるコース。やや不明瞭になったルートがマーキングで導かれている。迷わず左に進む。雪の乗ったその場所は、けっこうに神経を使う場所も出てきていた。掴む手がかりにも力が入る。そして空が開け、尾根に乗り上げると左側に雪を纏った岩峰群が聳えている。上の方にはハシゴ場も見え、それなりに管理されているよう。ただし、この時季を想定はしていない。チェーンがある場所は伝わず、左から巻き込むようにフリーハンドで上がって行く。登りながらも下りが怖いのが判る。その上のアルミハシゴを上がると、ほぼ最上部。ただしもう少し。上側が平面になった石は、そこに水を溜め凍っていた。その上に雪が乗っている。これ以上ないほどに神経を使ってその場所で行動する。そして何とか最高所に立つ。

 

屏風岩はそれこそ屏風のようになっており、南北に細長く立っている、その東西は鋭利に切り立っており、これぞ屏風岩と言えよう。さあ下り。アブザイレンしたいほどの場所で、やや半泣きになってゆっくりと降りて行く。でもこの緊張感がたまらない。落ちれば死ぬ。平地では体験できない事・・・。岩場が終わり、尾根筋を伝って行く。踏み跡程度のルートで、やはりこちらはサブルートのよう。途中の1277とフラれた標柱のある場所から獅子岩が望める。まだけっこう先であり、楽に思っていたこの山塊も、今ほどの緊張もありハードルが上がって行く。

 

 尾根ルートは危険箇所こそ無いが、急峻な場所もあり痩せ尾根でもあり、雪がある条件下では一歩一歩が重要になっていた。途中の各ピークに上がる毎に獅子の姿が大きくなる。降雪に霞んで見えるその姿が、はっきり見えるより荘厳さを増していた。その直下となり、ルートはピンクのマーキングに導かれ東側に進んで稜線に乗る。この先、獅子岩への直登コースとトラバースルートと分岐する。右にトラバースルートを見送って、木々を掴みながら慎重に上がって行く。

 

 獅子岩。大きな岩の下には寝そべると入れるほどの岩屋がある。まずは南側に巻き込み進み、遠望を楽しむ。ここは雪だが、下界は降っていない様子で予想外に遠望が利く。次ぎに岩の上に登る。溶接構造の特異なハシゴは見た通りに良く滑る。梯子の両サイドの輪の大きさは、岩にハシゴが接しないよう工夫された物であるが、それでもつま先が岩部に当たり、ステップに足をかけるのが心許ない場所もあった。最後の石碑の場所までもう僅か、距離にして2m。しかし、色々トライしてみたが無理だった。雪さえなければ・・・と言いたいが、自分の力量が無いだけであり、本来ならアイゼンを履いていれば良かったとも言える。周囲の雪を払って努力はしたのだが・・・下山を決める。

 

 獅子岩から子持山側へ北進して行く。途中のピークから振り返ると、そこに間違いなく獅子が居る。雪を纏っての迫力ある獅子で、先ほど行動を躊躇していた山頂部が見えていた。大きく下って登り上げると、そこが柳木ヶ峰であった。三叉路になっており南西側に進むと子持神社の方へ進む。岩峰の連続であったので、ここで少し小休止。この先、本来なら子持山へ行くべきなのだろうが、ここまで来ればルートの全容は把握出来たも同然と、一度踏んでいることもあり端折る。いつもながらの行動でもある。

 

 柳木ヶ峰からの下降路は、最初は低いササの中、その次にオオダルミまでは滑りやすい地形が続く。南面であり、凍てつくこともあるだろう。溶け出した時季は下りに使うのは危ないと思えた。長くロープを流している場所を経てオオダルミに降りる。ここから8号橋に向けてのルートが降りている。この下降点から8分ほど進むと牛十二と書かれた場所となる。エアリアでは「十二」と表記してある場所。特異な祠があり、祠の開口部は小さく、そこにある小さな穴から中を覗きたくなるような造りであった。

 降雪が少しみぞれ、次ぎに雨模様になってきた。木々から落ちる雨粒が、雪を溶かし蝉の這い出た穴のように見える。先の方に円錐形の顕著な高みが見えている。それが次第に近づいてくる。浅間の名前に、浅間山を連想するのだが、確かにプチ浅間と言えよう似た容姿であった。直下の緩やかな道を上がって行くと祠が鎮座する山頂部に到着。本日の最終目的地に到着。

 

 浅間の山頂には3つの祠が建っていた。前橋ハイキング倶楽部の標識も、だいぶくたびれてきている表情。木々の間から遠望が出来、そこそこ居心地のいい場所。特に春先にいいのではないかと思えた。と言うのも春霞のような展望なのであった。ここはそこそこ広さがあり、10名ほどは受け入れてくれる場所に思えた。あとは高度を下げるだけ。南進して行く。

 

 尾根筋は西側が崩れている場所も見える。下降点から5号橋への道は九十九折の道で、その途中には登り窯のような自然石の空洞がある。なにか獣でも潜んでいるのではないかと見えてしまう場所であった。進路左には、ムッと口を結んだ獅子岩が見える。自然石として、これほどに獅子に見えるものを見たことがなく、凛々しさと美しさを兼ね備えていた。今日はその岩で遊べ、スリルを味わい、短時間であったが満足のゆく行動となる。下の方に白く広い場所が見えてきた。我が車の前に、もう一台見える。こんな日に他にも物好きが・・・。

 

 5号橋登山口に降り立つ。

 
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