当間山   1016.5m               
                    
                                                  
                                      

   2018.4.30(月)


  晴れ    同行者あり   ベルナティオの先、天文台付近より      行動時間:3H18M


@送電線鉄塔分岐10:12→(29M)→A水場10:41→(48M)→B展望櫓11:29→(19M)→C当間山11:48〜12:02→(14M)→D展望櫓帰り12:16〜17→(32M)→E790m付近の谷でルートミス12:49〜13:04→(5M)→F水場帰り13:09→(21M)→G鉄塔下13:30


   
@当間天文台南東の分岐点。駐車場に置くなら天文台駐車場が広い。 @分岐道標 @開山前で整備はされておらず、道標は全て外され地面に置かれていた。6月3日が開山日。 640m付近。ここまでのブナ林があるとは知らなかった。
       
660m付近。しばらくブナのシャワーを浴びる。 途中の積雪計。定点観測で3月15日が毎年の測定日。 2018年は例年に比べると少ない。融雪が速いって見方もある。1.6mくらい。 2017年は2.5mを超えていた。
     
近年で多いのが2015年の豪雪の年。3m超え。 670m付近。まだまだブナ。 イワウチワもたくさん見られる。 700m付近から残雪が現れだす。東の小谷に雪があり涼やかに歩ける。
       
A770mの水場。 780m付近。夏道が追い辛くなってくる。 800m。まだまだブナ。 810mで開けた平坦な場所に出る。
       
860高点南 870m付近から山頂側 870m付近はやや広く視界が悪い残雪期は注意が必要。 中央やや右に櫓が見えてくる。
     
櫓アップ 950m付近 B960mの展望櫓 山頂を西から見ている。夏道は見える尾根通しに切られている。
     
C当間山到着。 C三角点を前に出した標柱。 C二等点だが角が割られてしまっていた。 C東側が開けている。
   
Cヤキソバパンと西側。残雪期に大人数で上がっても楽しい場所となろう。 C下山は尾根通しに北に進んでみる。 途中から見える建物。上越国際スキー場の施設であろう。 分岐。スカイライン側を示している。
     
反射板横を通過。 D展望櫓帰り。 D櫓から山頂側。 D櫓から北側
       
940mから北の谷。これは当間川右俣の源頭部。 930m付近からブナ林帯に入って行く。 800m付近。夏道が判らないので谷を伝う。 790mの橋。ここで判断ミスをしてしまい東側に進んでしまった。登山道に乗ったので下る側の道を選んでしまい、途中で間違いに気づき戻る。
       
E水場帰り。流量は多い。 各道標は農業用ポリ袋の中に入れて横になっていた。 F鉄塔下に戻る。  




 リクエストがあり十日町の当間山を予定してみる。魚沼スカイラインから狙えば30分ほどだろうが、それでは登山として充実しないので麓から歩いてみることにした。前日の立山では、大して歩いていないのに疲労度が大きい。これも火山性ガスをそれなりに吸ったせいなのか。もしくは相応に急いで往復したせいもあろう。

 
 8時に家を出る。関越道を石打丸山まで乗って、県道76号で大沢山トンネルを潜って当間地区のヘヤピンカーブの出口の分岐点に着く。ここには当間山の散策マップが掲示され、周辺の道の様子が色分けして描かれている。ここまで案内があるなら分かり易いと、十二社を経て田んぼの中の林道を登ってゆく。しかし以降で道標は無く分岐点は多い。描かれていた道をはっきり記憶しておらず迷ってしまった。近くで農作業しているおじさんに「当間山に行けますか」と尋ねると、「車はべとべとになるくらいに道が悪いよ」と伝えてくれた。行けるようだ。判らないがそれらしい道を進んでゆくと林道工事がされていた。これを言っているようだ。さすがに進めず一度戻る。また別のジモティーが作業していたので声をかける。「ここから当間川左岸の道に乗りたいのですが、行けますか?」と尋ねると、「行けるかなー当間山まで道が無いはずなんだけどなー」などと、案内看板があったにしてはジモティーのドキドキする言葉を貰う。そして「ベルナティオから道があると思うから、あっちに行って聞いてみな」と言う。ベルナティオって何???

 
 ベルナティオと言う施設は西側に存在した。連休をここで楽しむ人の車で駐車場は溢れていた。敷地内を通り過ぎ西側に出て南に進む一本道を伝ってゆくと、やっとここで当間山を示す道標が現れだした。左に天文台のある広い駐車場を過ぎると、大ぶりの送電線鉄塔が立つ分岐があり、ここが山道の入口のようであった。余地が多くここに停めたが、公には天文台の場所がいいのだろう。送電線下の台座コンクリートが腰かけ靴を履くのにちょうどいい。

 
 分岐点の場所には立札があり、6月3日が今年の開山日となっていた。おそらく6月の第一週の目の日曜日とされているのだろう、日にちの場所だけテプラで貼られていた。なだらかな広い道を行く。滑りやすい場所にはグリップのいいマットが敷かれている場所もある。こんななだらかな道だと味気ないと思っていると、目の前の景色が一変する。ブナ一色の出迎えであった。混合林でなくブナしか生えていない。これは見応えがあった。こんな素晴らしい出迎えがあるとは知らずに来ているので、感動しきりであった。それも、歩いても歩いても途切れることのないブナ林で、暑い日であったが完全に陽射しを防いでくれていた。夏でも涼やかな登路となる。

 
 途中に積雪量の定点観測場所があった。毎年3月15日に計測しているようで、今年は1.7mくらいで、見られる計測履歴からは2番目に少ない記録となっていた。融雪が速いのか、そもそもの雪が少なかったのか・・・。近年では2015年が多く3.6m程と読めた。ブナの下の下草としてイワウチワがそこかしこで可憐な花を咲かせていた。700m付近から残雪が見えるようになる。周囲空気が数度下がった感じになり心地いい。

 770m付近に水場があり、冷たい水でのどを潤すことが出来る。融雪での流れではないようでキンキンには冷えてはいないが、それでも冷たく美味しい水であった。ブナ林に湧く水は美味しいと言われるのを体感する。この先は少しくねるような進路になる。やや残雪が覆いだしたので夏道の場所が判らないのだが、地形に沿うとくねって進む。まだブナ林は続き、展望のない尾根ではあるが清々しさが持続していた。残雪が多くなり時折ベンガラを撒いた跡があるが、追えるものではなかった。

 
 860高点を過ぎるとやせ尾根になり、しばし夏道を伝ってゆく。870m付近はやや広い場所なのでガスでもかかっていたらやや迷いそうでもあった。ここを過ぎると、尾根筋の先に櫓が見えてくる。これは960mの高みに設置された展望台であった。まだ塗ってそう年月が経過していないのかクレオソートの匂いが強くしていた。わずかに下って緩やかな広い地形の中に入って行く。向かう左側に尾根筋があり、そこに並走するように南に進み、最後は5mほどの急峻を東に這い上がる。

 
 当間山到着。三角点に重きを置いた、「当間山三角点」と書かれた特異な山頂標柱が立っていた。しかし残念なことに、折角の二等点は角が割られてしまっていた。悪趣味とはこのことだろう。展望は伐採により東側が開けており、上越国境の白き高みがよく見えていた。この時期にしてもうブユが舞いだしており、休憩するのに虫よけスプレーを大量に噴霧するほどであった。山頂の西側には広く明るい緩斜面があり、大人数での登頂でも、その場所でわいわいでき居心地のいいだろう場所に思えた。

 
 下山は破線路を北に進んでみる。向かっている途中、先の方に赤い屋根の洋風の建物が見えてくる。場所からして上越国際スキー場の施設と判断できる。地形図に読める十字路の場所に、北と南に標識が設置されていた。ここから西に降りて往路のトレースに乗る。反射板を西に見ながら降りてゆく。雪の下になっているのだろうが、ここには池があるようで、大きく無毛の空間ができ明るく心地よかった。

 
 展望櫓に戻り、その上に乗り展望を楽しむ。展望もそうだが、谷から吹き上げる風が心地よく暑い時季にしても休憩適地にこの施設を設置したのだろうと体感できた。940m付近からの北の谷は、当間川右俣の源頭部で、スキーで降りて行けそうなほどに雪が詰まっていた。ここから3分ほどで、930m付近で再びブナの植生となる。何度通過しても新鮮で心地いい雰囲気であった。

 
 途中ルートが判らなくなり、流れの音がする顕著な谷を伝って降りてゆく。790m付近で、その谷に橋が見え、下って行く側が東側に進んでいたので、迷わずその方向へ足を向けた。“登山道に乗ったので下り路を選べばいい”と判断したわけであるが、伝ってゆく夏道がどうにも記憶にない雰囲気があり、もう一つはそろそろ水場の場所のはずで、それが出てこないのはおかしいと思えた。地形図にも分岐路は書かれていないので、ここに枝道があるとは思っていなかったのだが、北西に進まねばならない所を北進していたので一度戻る。

 
 橋の場所から西に進むと、そこに水場が現れた。分岐があり、地形図に見えない枝道が存在したのだった。この水場の場所も残雪が多く、少し迷い気味に谷を進んで夏道に乗る。あとはブナ林の中の緩斜面で、ブナの落ち葉を踏み鳴らしながら闊歩して降りてゆく。本音を言うと、もう少し山菜が採れる場所なのかと期待したが、この部分は期待外れであった。こんな場所もあるからこそ、有った場合に嬉しかったりする。この緩斜面に切られた登山道を登っている時は、これは楽過ぎると思ったが、意外と気の抜けない山であった。鉄塔下に到着。

 
 振り返る。残雪期や積雪期の場合は、夏道の場所を知っていないと進路を迷うだろう。そして里山の部類の山であり、枝道が多い。開山前の道標が立っていないタイミングだと、より迷い易いだろう。これは、登山道があるがばかりに迷うのであり、全く無ければ迷わないかもしれない。惑わしの道が見え隠れするので迷うって感じ。ブナが芽吹き、まだ残雪が多くある辺りがとても美しいだろう。そして梅雨時期の雨に濡れたブナもまた最高に美しいだろう。雨具を着てもう一度登りたいと思えてしまった。




   



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