笠丸山東峰   1170m            笠丸山西峰   1189.3m 

  
  
   2018.1.27(土)


  晴れ     単独    住居附より時計回りで周回   行動時間:2H7M


@表登山口9:46→(57M)→A笠丸山東峰10:43〜47→(5M)→B笠丸山西峰10:52〜58→(24M)→C地蔵峠11:22〜23→(17M)→D林道終点11:40→(8M)→E新高畑橋(高木さん宅前登山口)11:48→(5M)→F表登山口11:53



   
「笠丸トンネル」ができアクセスが向上していた。 @表登山口から入山。 突起した岩の場所まで鉄砲登り。 途中のなだらかな場所
       
ロープはあってありがたかった。足元がグリップせず掴みながら登る。 東峰への最後 振り返り撮影。大岩の下が流れやすい雪面。 A東峰
     
A東峰から両神山側 A東峰から二子山 岩尾根を西峰に進む。 B西峰
       
B西側 B北側 B東側 B状態のいい三等点
       
B西峰西端より南西側 B西端から東 地蔵峠への下降点。グズグズ。 場所によっては夏道がタイガーロープで見えるが、積雪により不明瞭。ロープの欲しい場所に設置していない所もある。
     
降りてきた急峻地形。 途中でルートは西を向く 林道に出合う C地蔵峠
     
C地蔵峠のお地蔵様。ここからの植林帯の中は冬季不明瞭。 判らないながら下ると標識を見つける。 降りてゆく谷の様子。夏道がどこにあるのかは判らない。 D林道終点地
   
E新高畑橋の登山口。高木さん宅は住まいしていない。 途中のこちらのお宅は住まいしていた。 F表登山口側に戻る。




 前夜は知人と午前様になるほどに飲んでいた。金曜日は飲まないと決めていた中では、重要な人物だったって事になる。家に戻り3時間ほど寝てから行き先探しを始める。22日月曜日に関東に降った雪により、そう遠くへ行かずとも雪山を楽しめることとなったので、近場でどこかないかと探していると、上野村の笠丸山東峰が有効座になったと判った。前週に続きつつじの山繋がりってことも面白い。迷うことなく行き先となった。

 

 8時を回り、テルモスにお湯だけ入れて出発する。南牧村から上野村に抜ける湯の沢トンネル前後の雪が気になっていたが、凍った場所があったものの怖いほどの場所は無く通過できた。299号に出て父母トンネルを潜ったら左折し、役場をかすめ今井屋さんを左に見ながら住居附川沿いの林道へと入って行く。こちらは通行車が少ないのと日陰が多いようで、ツルツルの場所があり四駆にして登って行く。

 

 途中には真新しい笠丸トンネルが出来ていた。交通量が少ないために複線ではなく単線の交互通過仕様のトンネルだった。もう学校に通う児童は住居附には居ないのだろう、洞内には灯りは無かった。その住居附の村落内に入る。まだ廃村ではなく暮らしているお宅が見られる。役場側からの距離は4.6Kmの山道、買い物をするにも医者にかかるにも大変な場所に思えた。仮想通過なんぞとは縁のない場所であろう。雪がありどこに停めていいのか判らず、除雪の為に出来た路肩スペースに突っ込む。

 

 前回は2002年の2月、ほぼ同じ時期なのでまる16年ぶりとなる。結局ここのつつじは一度も見ていないのであった。廃屋を右に見て植林帯の中を登って行く。雪が乗りどこに道が在るのか見えないが、なんとなく尾根を行くと、それらしい九十九折に乗ることができた。柔らかくグリップしない雪面に苦労しながら這い上がって行く。突起的な岩までは鉄砲登り的な場所で、その先で傾斜が緩む。シカが私の存在に追われた格好なのだろう、南の岩壁の下で身動きが出来ないのか警戒音を出し続けている。外気温はマイナス5℃、風があり目視温度よりさらに寒い体感であった。

 

 途中からタイガーロープが現れる。最初は「別に使わなくても」と意固地に触らずにいたが、長く続く歩き辛い雪面に、思わず握ってしまう。その瞬間から楽な事・・・。そして在ってありがたいと強く思った。下りだとさらに思うであろう。ただしやや細く、掴み伝うには握り辛く、輪を作ってその中に掌を通し2本にして太くしつつグーに握った前後で制動をかけながら登って行く。途中でこのやり方に気付いたのだが、最初からやっていればよかったとも思う。

 

 東峰が近くなり意外と長いロープ場が終わり大岩の下のトラバースとなる。ここは痩せた地面の上に雪が乗っているので、足場を探るように渡って行く。この一歩で踏み抜くんじゃないかと心配しながら・・・。そして最後の場所も雪が乗っていると嫌らしく、タイガーロープを握りながら滑らないよう注意しながら這い上がる。

 

 東峰到着。管理されなくなったと思える木の祠が待っていた。東京の山岳会の某氏のいたずら書きも見えちょっと恥ずかしい思いになる。ここは上野村商工会では南峰と表記している。南に対し最高点は北峰表記、どう見ても南北ではなく東西が正解であろう。少しでも南北に振っていれば理解したいが、真一文字に東西位置である。東側からは上武国境側がよく見え、その中では二子山が目立って見えていた。このまま降りても良かったが、せっかくなので周回コースにしてゆく。

 

 岩峰の上は概ね歩き易いが、一か所大ぶりな岩を乗り越える場所に雪が乗っていて、グリップしないのですんなりとは越えられなかった。西峰山頂手前の下降点からのルートは、雪がグズグズに崩れていていやらしい。周回を決め込んだが、見えるその様子にちょっと降りてゆくには嫌な感じだった。

 

 笠丸山西峰登頂。三等点の他には人工物は一切なかった。ほぼ360度の展望があり、登頂感のある山頂であった。西に進むとさらに高度感が増して心地いい。ただし思い切り吹き曝しとなり、寒くて岩陰に逃げ込む。上信国境側に目を向けると、雪を纏った山並みがあり、それが大波小波に見えるようであった。この時期に登る人は居ないようで、雪の上にも、雪の下にもトレースは無かった。地蔵峠側へと進んでゆく。

 

 下降点からは細いタイガーロープに体を預けてずり落ちてゆく。この先も悪い場所が続き、夏道の場所をタイガーロープが示しているのだが、優しい場所がなく常に気を抜けない場所が続いた。これが笠丸山の冬季の表情であった。タイガーロープが欲しい場所に、タイガーロープが無い場所もあり、ここまでならザイルを持ってくればよかったと素直に思った。1160mからの北尾根には進まないようロープで塞がれていた。東へ戻るのに西に進むので違和感を抱くのだが、地蔵峠越えの昔道がより安全な経路なんだろうと思えた。

 

 西に進み1150m峰を乗り越え行くと、その先で林道に出合う。ここまで車が入ってきているのが轍で見えた。猟師なのだろう。そして楢沢からの林道がここまで伸びてきていることを知る。1130m峰は林道で南を巻いて進むと、右の尾根に白い標識が見え、そこが地蔵峠であった。大木の根元にお地蔵さまが微笑んでいた。ここからスーパー林道への登山道は整備中の為に立ち入り禁止と表記されていた。古い道標が示す住居附へと降りてゆく。

 

 植林帯の中の道は、長いトラバースから九十九折になるまでは追えたが、その先は判らなくなった。一度通過しているのに記憶も思い出せないでいた。左岸なのか右岸なのか、探りながら適当に降りてゆく。雪があって自由度があるのだが、道が在る場所でその道が見つけられないのはもどかしい。地形図に破線路でも入っていればいいものの、北側のルートは記載がない。990高点の西側で道標を見つけ、なんとなくだが夏道の辺りに居ることが判り、そのまま谷の中を降りてゆく。逆ルートだったら、西峰に辿り着けただろうか、ここは知っていないと残雪期は判りづらい。利用する人が居ないこともそうだが、マーキングもほとんどないのだった。とどのつまり、こんな場所がとっても楽しいのだった。

 

 谷部を進み林道終点地に出る。東向きとなり西風が山に遮られ日差しの温かさを感じられる通過点であった。心地よく、もっと歩きたいような気分になるがもうゴールは近い。新高畑橋を渡り、目の前の高木さんのお宅は住まいしていないようで締め切られていた。それでも家の周囲には住まいしていた時の管理の良い畑が見え、それがために途絶える寂しさが感じられた。車道を降りてゆく。簡易トイレが置かれた場所が上側登山口の駐車場なのか。雪で多くが覆われており無積雪期の様子が判らなかった。

 

 表登山口北側のお宅には、乗用車が2台見られ、雪面に轍も見えた。この凄い急傾斜地に住んでいるのだった。郵便配達や新聞配達者には、この一軒だけでも負荷が大きいだろう。雪がある時は急坂を30mほど歩かねばならないのだった。駐車余地に戻る。



 
     
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