夫婦山   1341.7m            月山   1287.3m 

  
  
   2018.1.20(土)


  晴れ     単独    日蔭牧場から夫婦山に上がり、そのまま尾根を繋げて月山側へ   行動時間:3H40M


@夫婦山登山口6:45→(46M)→A夫婦山7:31〜33→(19M)→B1320ピーク7:52→(9M)→C1204高点8:01→(28M)→D栗山ダム北東湖岸8:29→(11M)→E湖岸を離れる8:40→(44M)→F月山9:24〜31→(22M)→G尾根コース入山口9:53→(12M)→H栗山ダム下10:05→(20M)→I日陰牧場駐車余地10:25



   
@入山口のみ判ったが、道形はほとんど追えず雪を伝う。 笹の上に雪の乗った斜面を登る。 大岩の場所。これが夫婦岩なのか? 大岩の場所からの尾根。
       
山頂までの様子 途中から月山と栗山ダム A夫婦山 A夫婦山から霧降高原側
     
A夫婦山の標識 A山部3D A夫婦山から東側へと進む A東側にかかっていた矢印道標。
       
B1320mピーク。ここで屈曲。 C1204高点峰 1180ピークからの南東尾根にはマーキングが乱打。 D湖岸に降り立つ
       
湖岸の道はスケートリンク状態 E湖岸の道を離れ月山へ 北尾根の最初。ここで初めて月山の標識を見る。 北尾根は勾配の強い場所が連続する。
     
1270mの肩から栗山ダムと歩いてきた外輪。 1270mから高原山側。 F月山 F月山標識。3Dは見当たらなかった。
     
F屋根が異形の祠 西尾根鎖コースが通行止めと書いてあったので、西尾根コースを下る。 G尾根末端 G入山口から見上げる。
   
H栗山ダム下 Hゲートを越えて振り返る 夫婦トンネル内は照明があり歩き易い。 I日蔭牧場の駐車余地に戻る。




 久しぶりに栃木の山を計画してみる。片道150kmほど走らないと未踏座は無くなってきており、同じ走るにしたら信州や甲州側へ行った方が運転ストレスが少ないのが、なかなか出向かない理由でもあった。北関東道が東北道に繋がり、大きくアクセスが変わったのだが・・・。まあこれは居住地の条件ってことが加味されるが、あとは栃木の山に見える七夕みたいな山頂標識を好まないのも2番目の理由であった。

 
 前日は来客が遅くまでおり、行き先探しに時間をかけられず、エイヤーで決め夫婦山と月山を歩いてみることにした。適期はつつじの時期のようであり、この厳冬期での記録がほとんどない。栗山ダムへの道が冬季封鎖されているのかと思ったが、そうではないよう。下調べ不足を時々感じる昨今、バタバタしながらもアプローチには気を使った。封鎖は無くても雪により車が入れない場合もある。林道を歩く覚悟を持って決行となった。

 
 1:00家を出る。50号を経由し、久しぶりに122号を走り足尾を経て日光に入って行く。有料道路を無料で突っ切り、川治地区から奥鬼怒側へと進んでゆく。途中、栗山ダムの案内表示があり左折してゆく。スタッドレスを新調したばかりだからいいが、古いままだったら登れないであろうツルツルの路面が待っていた。登ったはいいが降りられないのではないかと心配するほどで、そう思うのなら止めておけばいいのだが、タイヤが氷を掻き食いつく様子が心地よくどんどん登って行く。

 
 日蔭牧場の牛舎の先が入山口で、山手側の高い位置に小さな道標が見られた。ゲート側に戻って路肩の余地に停める。牧場なので当然なのだが、拓けた場所で星空が綺麗であった。毛布をつっ被りしばし仮眠とした。外気温はマイナス5℃。温かくて嬉しいのは寝る時だが、冷えて嬉しいのは雪を締めてくれる事。冷えてくる車内に、時折ブルっとしながら夜明けを待った。

 
 6:45道標のある入山口から歩き出す。しかし道形を伝えたのは10mほどで、あとはどこに道が在るのかほとんど判らなかった。適当に雪を拾いながら登るのだが、最初はフェンスに沿うように登って行く。フェンスに塞がれたシカのものか、うっすらと歩いた幅が出来ているのだった。上部は灌木が覆ったりしているので、やはり獣が歩いた跡って事だろうと思えた。途中ではマーキングを見るも、そこに道形を追える所は少なく、灌木を分けながら雪の上を進む。雪があって歩き易いのか、雪が無い方がよく道形を伝ったほうが歩き易いのかは判らない。

 
 明るい場所に出ると、進む先左側に大岩が見えてくる。これが夫婦岩なのか、地形図の示す場所より上の様な気がしていた。そこからの尾根には雪庇の出来損ないが続き、硬いその上を進んでゆく。ツボ足にならない場所も無いわけではないが、概ね硬い雪を拾って進むことができた。ザックの中にはアイゼンもあり、外にはワカンジキも結わえてある。一応は臨機応変に対応しようと装備してきていた。大岩からは終始展望のいい場所で、振り返れば霧降高原側が見事だった。進路右手には月山と栗山ダムが見え、水を湛える場所と山とのマッチングがとてもいい。7時を回りその月山の上から来光がある。尾根上に植生が無いので、標高よりも高い場所を歩いているような錯覚を抱く。そしてスキーでも良かったかもしれないと思うのだった。

 
 南側から見る夫婦山の山頂部はのっぺりとした表情をしていた。山頂からの眺望も経路と変わらず素晴らしい。霧氷が山頂の景色を良くしてくれており、久しぶりに山部さんの3D標識を拝むことができた。当初予定では、一度車に戻って栗山ダムへと移動して月山を狙おうと思っていた。しかし林道の路面状況と、この日の山の雪面の状態を考慮すると、このまま尾根伝いに行ってしまったほうが安全で楽しいのではないかと思えた。東に進んでみて、また気分が変わったら1320mピークから夫婦トンネル側に降りてしまおうともエスケープルートも考慮した。人工湖であるが、外輪山を伝う面白みが出てきた。

 
 東へ踏み出すと、黄色い矢印の道標が出ていた。すわっ尾根筋に道が在るのかとも思ったが、地形図に読める破線路の事だろうとも理解した。アップダウンはあるものの、概ね状態のいい雪を伝え1320mピークに到達する。眼下には栗山ダムが湛えているが、ここから降りる気は全くなく、快調に進めるのでさらに先をむさぼり歩きたいほどであった。途中途中には緩い雪がありツボ足にもなったが、辛いと思うほどではなかった。北東側へと進んでゆく。

 
 1204高点峰は、その東の1180m峰と地形が似ており、見間違えてしまいショートカットして南下する尾根に乗ってしまった。まだ東側に長く尾根が続いていたのが見え、1204高点を踏んでさらに東に行く。そして1180m峰の場所まで進むと、ここからの南東尾根には、ピンクや黄色のマーキングが乱打されていた。ここまでの経路に何もなかったのにいきなり現れたとなると、大日向山を狙うためのものなのかと理解した。広い尾根には道形があるのか、そんな雰囲気の幅が見える。鞍部まで降りたら西側の平地を突っ切り湖岸の周回道路に乗る。

 
 穏やかな湖面を右に見ながら進んでゆく。日の当たる場所は溶けていいのだが、日陰の1140峰がある西側は、見事にスケートリンクのようになっていた。足を上げては進めない場所で、摺り足で進んでゆく。ザックにはアイゼンがあるのだが・・・。そして地形図に見える二重線が山側へと入る場所から周回道路を離れる。何か道標でもあるのかと思ったが、湖側にはそれらは無かった。進んでゆき、北尾根の末端部まで行くと、この日初めて月山に対する道標を見る。

 
 尾根を伝って登って進むのだが、やや勾配の強い場所でこの時期の下り利用は気を使う場所となっていた。痩せた場所も多いので、雪と木の根には十分注意を払う。展望のない中を伝ってゆくと、1270m付近で視界が開ける。伝ってきた湖の外輪山を目で反芻できるのだった。高原山山塊の鶏頂山も目立っていた。すると、これまでトレースが無い中を歩いてきたが、突如トレースが現れた。山頂を踏んで北側の展望を求めにこちらに来たのだろうと思っていた。そのトレースに足を乗せてツボ足で登って行く。

 
 月山登頂。大きな屋根が特異な祠が置かれていた。山部3D標識があるかと思ったがここには無かった。展望は微妙で、霧降高原側は見えるが背伸びしても先ほどの夫婦山は見られなかった。そして存在する踏み跡は、山頂以南側にはついていなかった。どこから上がってきているのかと不思議に思い、戻るように北側に進んでみる。すると展望地の手前に青い道標があり、尾根コースを示していた。大して調べずに来ているので、トレースの主がここを往復したと判らなかったのであった。さらにまだ無知なので、1170高点を経由して降りるのかと思い降りだすと、その尾根が分岐する場所で西に振ったので、ここでやっと尾根コースの全容がハッキリと見えてきた。尾根筋はたくさん木の根の蔓延るルートであった。

 
 尾根末端の林道を跨いだ向こう側に四角いものが等配にたくさん置かれているのが見える。すぐに蜂の巣箱と見立てたのだが、林道に降り立ちよく見ると、その類のものではなかった。尾根末端には「月山入口」とあり、登りに使った北側入口に対し判りやすい場所であった。西尾根鎖コースの情報しか得てなかったので、ここにルートがあることを訪れて初めて知ることとなった。林道をダム湖へと降りてゆく。

 
 ダム湖には四駆が一台上がってきていた。四駆ならいいだろうと思う反面、傾斜が続く林道であり車重があると凍った路面には怖いようにも思えた。こちらに進んだリスクとして、長い夫婦トンネルの通過があった。ライトは持つものの、それはそれとして650mの距離はそこそこ長い。覚悟を決めてトンネル内に入って行くと、何のことは無い電灯が設置してあり自前のライトは不要であった。それでも外は明るく、暗さに目が慣れない運転手が入ってくる場合もあり、往来には注意をしていた。でも実際にトンネル内ですれ違った車は無かった。反対側に出て最後の登り。

 
 夫婦山の入山口を右に見て、ゲートの先の駐車余地まで戻る。雪の状態からしても大笹山を狙っても良かったが、いい場所なのでまた訪れよう。あとは、ここから麓までの林道がなにせ心配で、早くに降りたかった。そう思うのなら入って来なければいいのだが、既に入ってしまっているので仕方がない。車に乗り込み、横滑りの警告灯を常時点灯させつつ下って行く。カーブの入りを甘くすると、自重でツーと谷側に滑ってしまう場所もあった。ヒヤヒヤドキドキしながら降りてゆく。そして無事麓まで降りた時の達成感。山と同様に自己満足。ダート林道や雪上走行が好きなのであった。根っからのオフローダーとも言いたいが、2駆のハイブリッド車でトライするのはいかがなものかと自分でも思う。


 
 
 


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