七尋石   1110m           釣鐘石   1220m 

  
  
   2018.3.18(土)


  小雪のち晴れ     単独    七尋石前より   行動時間:1H21M


@七尋石柱前8:43→(1M)→A七尋石8:44〜45→(12M)→B馬頭観音8:57→(13M)→C御代田三石林道分岐9:10→(11M)→D1243高点分岐9:21→(4M)→E釣鐘石の場所9:25〜36→(11M)→F蛇堀川渡渉9:47→(7M)→G馬頭観音分岐帰り9:54→(10M)→H七尋石10:04


   
@林道側より見る七尋石 @撮影している側にこの標石がある。「七尋」と刻まれている。 北側から登る A大ぶりな祠
       
A最高点の標柱 A七尋石から西側 A東側 駐車余地は5〜6台か。
     
B馬頭観音の石碑。清水地区への分岐点。 B石碑の東側に新しい基準点が造られていた。 B製作中の2級基準点 Bモノレールの始発駅があった。
     
林道の東側にある道形を伝ってゆく。 二つ目の基準点を見る。 C林道に出る C出た場所が林道分岐点
       
C御代田三石林道が分岐している。 C古い道標も立つ。 1300m付近から上は雪が降っている。 蛇堀川を橋で渡る。
     
蛇堀川は黄褐色の流れ。 橋を渡った左岸にはJRC製の鉄塔が立つ。 林道は崩落しており車での通過は不可能。 D1243高点のT字分岐。
     
この右側が釣鐘石の場所なのだが・・・。 Eそれらしい石も岩も無い E地形図では40mにわたり岩部があるように描いてある。 E谷側から見上げる。ない。
   
地形図の破線路をまたぐ。 蛇堀川へと降りてゆく。 蛇堀川の左岸に道形があったような雰囲気。 F蛇堀川渡渉。下流は右岸に道形があったよう。
       
F氷も褐色風味 モノレールがここに降りてきていた。 右岸側の林道大地から降りてきている様子。 植林帯の中の道形を伝う。
       
G馬頭観音の場所に出た。 H七尋石に戻る。    




 浅間山の南西麓にある七尋石と釣鐘石を訪ねてみることにした。浅間山荘を経由した浅間山への古道沿いにあり気になっていた場所であった。七尋石は高みになっているようであるが、釣鐘石の方は岩壁ともとれる表記なので七尋石だけにしようかと思ったが、これだけ近接してあるのだからと抱き合わせにして歩いてみることにした。

 

 浅間サンラインを経由し、石峠の所から小諸高原病院へと上がって行く。その先でNPO法人所有の青年の家を右に見たら、特異な円形の施設が目の前に見えてくる。これはこの地域の配水施設であった。その脇道を山手側へと登って行く。途中でダートになるものの、よく踏まれた道で先に続いている。ただし踏まれ過ぎて中央が高くなり、普通乗用車だと腹を擦る場所もあろうかと思う。予想して地上高の高い車で来たのでズンズンと奥へと進んでゆく。衛星画像で見た時は、ストリートビューの行き停まった場所までの情報しかなく、そのあたりに停めようとも思っていたが、上層は降雪していた中でこの標高は積雪が無く進んで行けたのであった。

 

 七尋石の前に停車する。予定外だが労せずここまで入ってきてしまった。この分だと釣鐘石までもマイカーが入ってしまうのではとも思われたが、迷わずこの場所に停めたほうがいい。この先の分岐まではいいが、その先は軽トラや軽四駆御用達の道となっているのだった。すぐに準備をして、目の前の七尋石に駆け上がる。

 

 特に踏まれたような登路は無いが、地形からは北側から上がるしか方法は無い。停めた場所からの標高差は地形図からは10mと描かれているが、実際はそこまで無いような感じであった。石の上には、いやこれだけ大きな石だと岩と呼びたいのだが、その上には大ぶりの祠が二つ並んで立っていた。その西側に頭の赤い標柱が埋められていた。毎年祭事が行われるようであり、祠には新しい供え物が見られた。次に釣鐘石に向かう。

 

 林道を進んでゆくと分岐があり、その場所は佐久森林組合の貯木場があり、ちょうど檜を満載したトラックがすれ違った。七尋石前に停めた私の車は、普通車を意識した停め方であり、ここまで大きなトラックが通るとは思っておらず、麓へ降りてゆくのに我が車が邪魔をしないかと気になった。風花と言える雪が舞い、気温はマイナス3℃くらいを示していた。

 

 二つ目の分岐には馬頭観音の石碑があり、刻まれた文字からは道標の役目をしているものであった。そして清水地区には清水山荘なる場所が在ったことを知ることにもなった。ここの東側には、真新しい2級基準点が設置されコンクリートを乾かしている最中となっていた。ここには蛇堀川に降りてゆくモノレールの発着場も出来ていた。林道に対し一本東に使われていない林道幅があり低い笹を分けつつその中を進んでゆく。進む先には2つ目の基準点も見え、自然しかないような場所の中で強く目立っていた。

 

 左側の林道との合流点には緑のロープがされていた。その先が分岐点で、御代田三石線が分岐しており、東側へと進んでゆく。緩い下り勾配の道を北に進んでゆく。向かう先には降雪した1300m台の白い雪景色があり美しい。蛇堀川が黄褐色の特異な色を魅せ、その酸度を知っている私は、見ているだけで唾液が出てきそうでもあった。もっとも味わったのは東の濁川なのだが、その鉄泉と同じ色合いのここも、おそらく同じであろうと判断できた。その流れの上を無名橋で渡ると、左岸には日本無線製のアンテナ施設が立っていた。浅間山の監視的役割のものだろう。南に戻るように進んでゆくと、その途中が大きく崩落しており車では通過できない林道となっていた。

 

 林道が東にカーブする場所から南に道形が降りていたが、これが地形図の破線路で間違いない。そして東に行った先のT字路が1243高点の場所で、北の浅間山荘側へと広い登路が上がって行っていた。右折して南に進む。そろそろ林道の西側に目的地があるはずであり、その場所を探し始めるように林道から西側の谷へと下りだす。本来なら、地形図に見えるような岩の場所が在るはずだと思うが、そこにそれらしい形成物は無い。無いわけは無いと一帯の棘の藪を分けながら北に南にと歩いてみたが、大きくて500kgほどの石はあるが、名前となっている釣鐘に見えるような石は見えてこなかった。谷から見上げるようにして探してみても無いものはやはり無く完全に拍子抜けであった。

 

 釣鐘石は存在しない・・・。残念だが現地での判断ではこのようになった。見ずに判断したのではなく見ての判断なので納得はいく。地形図に見える40mもの範囲が岩形状ってのに対し、見落としようがない場所であり、見えてこないってことは無くなったとしか言いようが無いような。また、落ち葉や土が堆積して埋まってしまったとも思ったが、現地はそうなるような緩斜面ではないのだった。摩訶不思議だが、無い。それでも見た人は居るのだろう。地形図に描いてあるくらいなのだから・・・。
 

 足元を掬われたとか梯子を外された感じの釣鐘石となってしまい、山旅に満足を得るには物足りなくなった。復路は道のない所を歩いてみようと思い南西側へと進んでゆく。途中であまり踏まれなくなった破線路をまたぎ蛇堀川を見下ろすような場所になる。川面までは25mほど標高差があるだろうか、急降下するような崖地形をズリズリと降りてゆく。

 

 蛇堀川の左岸に降り立つ。その昔はここに道形があったのか、そんな雰囲気の場所であった。そして途中で右岸に移った場所は、そこで左岸が無くなり右岸に道形が在ったような地形になっていた。そのまま右岸を進んでゆくと、檜の植林帯の中となり、そこから踏み跡に沿って抜け出ると、そこは往路に見た馬頭観音の分岐点であった。薄いが清水地区とは反対側にも道形が分岐していたのであった。

 

 貯木場では作業がされていると思ったが、降りて行ったトラックはまだ戻って来ていなかった。小雪模様だった空は完全に青く晴れ上がってきていた。登山日和であり、本当なら雪山にでも出かけたいところなのだが、まあ時間の制約がない限りは今日のような場所には目を向けなかったかもしれない。怪我の功名とまでは言わないが、満遍なく自然を楽しむには良かったこととなる。

 

 車に到着し着替えていると、林業関係者らしいトラックが登って行った。そう長い伐採作業ではないとは思うが、林道脇に駐車する場合は大型車両が通過する配慮はしたい。よく幻の滝なんて場所があるが、釣鐘石の場所はまさしくそれで幻の石(岩)の場所となっていた。


    



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