雨降山東峰        950m         雨降山(西峰)        1012.6m                                                                                                                                         
   2020.1.5(日)


  晴れ    単独   反時計回りに周回。      行動時間:1H46M


@登山口9:38→(5M)→A林道終点9:43→(27M)→B906高点峰10:10〜12→(7M)→C東峰(琴平神社奥の院)10:19〜22→(12M)→D雨降山10:34〜38→(32M)→E林道に降り立つ11:12→(12M)→F登山口11:24


   
@南東麓の登山口。駐車余地は2〜3台。 A林道終点 掘れた山道を進む コルに乗り東へ
       
906高点へはロープが流してある。 B906高点の新しい紙垂 B祠 B龍王大神
     
山中の全ての石塔に新しい紙垂が巻かれていた。 C琴平神社奥の院 C綺麗な鏡が見える祠 C物置小屋のように見えるが・・・。
       
C内部はベッドがあり全てが整っている。食料・水も。 C東峰最高所からアンテナ施設。 C最高所から西。 D雨降山
       
D雨降山道標 D三等点 Dヤキソバパン D南尾根を下って行く。
     
南尾根に道形は無い。 破線尾根を逸れ南東尾根に進むと露岩帯が出てくる。ここの通過が少し危険だが、全て西側を巻ける。 E尾根末端はよう壁があり降りられないので、少し東側を下り降り立つ。 E降りてきた斜面。
       
F登山口に戻る。




 鬼石の雨降山。前回は2001年4月の登頂で、それから19年が経過している。この当時は西峰である雨降山本峰のみが有効座だった。東峰も事典に掲載されているので、琴平神社奥の院のあるアンテナピークも有効座になった。東峰も登っているような記憶もあるが、気にして登っているのと気にしていないとでは大きく記憶に差が出ており、曖昧な今の記憶がそれを物語っている。記憶に残すために再度登ってみる。

 
 西上州の前夜は雨と雪、朝になり国道はテカテカに凍っていた。出発したものの迷犬用のリードと首輪を忘れたことに気づき一度取りに戻る。どうにも忘れ物が多い昨今である。準備に時間をかけなくなったのも原因かもしれない。鬼石町も藤岡市と合併し、雨降山のある地域も藤岡市となり、奥多野地域に入って行く場所が多野郡でなくなり少し違和感を抱くのは私だけか・・・。462号を下久保トンネルの西側で離れ御荷鉾林道に入って行く。

 
 南東麓の登山口に到着するも、駐車されている車は無かった。正月向きな楽に登れる場所と思うが、展望のない山頂だからかマイナーな場所で推移しているのだろう。9:38迷犬を連れて出発する。当初は東と西の破線路を繋げて周回と考えていたが、往路は地形図に描かれていない現地の推奨コースを伝ってゆく。

 
 林道幅の道は5分ほどで終点となり、鳥居を潜って掘れた山道を登って行く。見える道標には雨降山までの残り距離が記されており、自然と進度が判る。先行する迷犬は匂いを嗅ぎつつ90パーセントの精度で登山道を伝ってゆく。残り10パーセントは指示して方向を示してやる。この10パーセントが完璧になれば「迷犬」を返上する予定。上に行くほどに雪が残り、コルに乗り上げると足跡が残るほどに積もっていた。今日は雨降山本峰より東側を踏査しようと来ているので、905高点にも進んでみる。

 
 尾根上の露岩の多い場所にはタイガーロープも流してあり、そこを登りきると905高点峰で、祠と石塔が待っていた。それらには新年を迎えるための新しい紙垂が縛られていた。ホッとさせてくれるのが脇に置かれた箒である。清掃管理されている場所で、ここをきれいに保とうとする信心を感じるのだった。東に進みたがる迷犬を呼び戻し踵を返す。

 
 コルに戻り真新しい足跡を西に進めてゆく。ここからの西進途中にも石塔がいくつも立つが、全て大事にされているように紙垂が丁寧に巻かれていた。それも紙垂だけではなく白磁の皿に塩も盛られているのだった。これらは琴平神社奥の院までに9つ数えられた。これらが見られただけでも、このタイミングに登れてよかったと思えた。塩の量は一つの石塔に150gほど盛られているのだった。

 
 琴平神社奥の院は、石塔と並んで立っているので石祠でも良さそうなものだが、木製の雰囲気のある造りで、中を覗くと鏡がきれいに磨かれた状態で置かれていた。この鏡も正月用に磨いたようだ。ここには青い物置があり、大ぶりな掃除用具入れかと思って開けると、内部は山小屋そのもので、ベッドも備えられ、2名がしっぽりと過ごすには居心地の良さそうな空間となっていた。ストーブもあり非常食も水も備えられていた。扉には優しい言葉で注意書きがされていた。そしてトイレは少し下った場所に在り、ここにして全てが整っている山頂なのだった。

 奥の院のある西側に大きなアンテナ施設があり、とても違和感を抱く。その前を通過し、階段を上がると東峰の最高所のようであった。ここより以西には石塔は見られなかったので、信心の場所としては東峰以東ってことになるよう。もっとも、琴平神社は北麓に存在するので。以北にも何かしらの石塔は並んでいるのだろう。昔の参道が在ったはずであるから。

 
 雨降山の東は、少し北側を通過させているが、踏み跡が薄く乱れているので、ここでの迷犬の正解率は50パーセントくらいであった。そして雨降山登頂。前回から19年経過しているが、当時とほとんど変わりない山頂で思い出深い。その日は雨だったので先代の迷犬は連れていなかったが、2代目を連れるようになり、ここでの連れた写真でも残っていたらと思うのだった。西側は針葉樹に遮られているが、広葉樹のある北側からの風がだだ洩れで寒く長居は無用であった。それでも迷犬に水を与えヤキソバパンを分かち合う。そして南に下って行く。

 
 南への破線路は858高点を経て690m地点で林道に出合っている。この破線路をトレースするつもりで降りていくが、全くと言っていいほどに道形が判る場所は無かった。だからと言って伝い難い場所では無く伝いやすい尾根で、だからここに道を付けたのだろう。900mの肩で破線は南西を向くが、そのまま主尾根が進む方角として南東側に伝ってゆくことにした。降りている途中で西側で銃声が聞こえ、西に行くのは嫌に思ったのが一番の理由であった。

 
 850m以降で尾根が痩せてくると、ここには露岩が多くなり尾根通しでは伝えなくなる。3度ほど西側を巻くようにして降りて行った。落ち葉の多い流れやすい地面に踵を入れながら進んで行く。迷犬は終始前傾姿勢でグリセードするように出した足を滑らすように上手に降りて行っていた。

 
 尾根の最後はよう壁で降りられず、少し登り返し西側へと降りてゆく。よう壁の切れている場所があり、舗装林道に安全着地できた。犬連れの場合、ザイルがあるから万能とはならず、地形に倣って歩かねばならないのでバリエーションルートとした場合はリスクが伴うのだった。東に戻って行く。迷犬もだいぶ頑張ったようで登り勾配の林道にやや息が荒れていた。

 
 登山口に戻ると、2台増えていた。後から入山者がいたようだ。後にならずに先行してよかった。なにせ犬連れなんで・・・。

 振り返る。雨降山は、西峰(本峰)だけではもったいなく、東峰も踏んで琴平神社をお参りするのが、この山を全て味わう登り方となろう。そして一番の適期は、信心の供え物が見られる正月なのかも。






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