川場尾根        1660m付近までで撤退                                                                                                                                                 

 
 
2020.4.29(水)


  晴れ     同行者あり      川場尾根往復     行動時間:3H46M


@登山口6:10→(42M)→A1297高点6:52→(47M)→B川場キャンプ場下降点分岐7:39〜42→(26M)→C最初の鎖場を抜けた先で引き返す8:08 →(15M)→D1570m付近で大休止8:23〜42→(4M)→E分岐帰り8:46→(36M)→F1297高点帰り9:22 →(34M)→G登山口9:56 


   
@川場尾根入山口 @昔から設置されている案内看板 発心の不動 造りたての木橋
       
講の石碑 旭小屋 小屋内部 林道から離れ小尾根に取り付く。振り返り撮影。
     
笹原の中に道形が続く。 A1297高点 賽の河原 B野営場への分岐
       
Cこの絵の先、20mほど進んだ地点でアイゼンが必要になり撤退。 Dヤキソバパンと E野営場分岐帰り。野営場側の道は残雪でほとんど判らなかった。 賽の河原帰り
       
F1297高点帰り 林道に出合う 出てきた場所を振り返る。道標無し。 林道がカーブする内側に山道が存在した。
       
旭小屋からの道が林道幅に出合った場所。往路は林道を跨いで進のが正解だった。 旭小屋帰り  クールダウンしている。 G戻る。駐車は縦列。




 古道の川場尾根を登ってみる。昔は経路だっただろうが、今は登山口に山小屋が位置する。分かり易い場所と思っていた。

 早朝の太陽は夕日のような赤さで、肉眼で見ることが出来るほどに関東平野側が靄っていた。新型コロナのせいだろう、関越道はレジャーカーの姿はほとんどなく、いつもの祭日の混み合いは全く無くなっていた。祭日料金も封印され、「出ないよう」に仕向けられている中で、私は「出ている」のであり、少し後ろめたい。沼田で降りて川場村の現地に向かう。下道もほとんど車が走っていなかった。沼田もまたクラスター感染でニュースになっている場所であった。

 朝日小屋前の荒山沢左岸には、細長く駐車余地がある。3台分だろうか4台分だろうか、縦列駐車で停める細い敷地であり、川側の地盤が緩いので注意であった。入山口のコース案内は、だいぶ古くなってきており、近くでよく見ないと判読できない表記の場所も出てきていた。

 6:10階段路を降りてゆく。「発心の不動」に挨拶をしてから橋を渡って行く。この橋は、最近架けられたようででり、ここも2019年の19号台風により壊れてしまっただろうことが見えた。丁寧な作業での丸木橋が再建されていた。右岸には下側にトイレ舎があり、講の石碑を見ながら上がってゆくと朝日小屋がある。信心のルートであり、山小屋の位置取りは、その信者がよく利用する場所だったのだろう。中には毛布も用意されていた。

 北東に進む道形を伝ってゆくと東側から上がってきている林道に乗った。さてどちらだろう。地形図の破線路のようになっておらず、破線路に近づけるには東側に下って行くような形となる。道標はここにはない。判らないながら経験値から西側へと上がって行く。尾根を巻き込むように切られた林道は、次に北東に進みだす。枝道が西に派生し、それを左に見送りながらさらに進むと、尾根に対し道形は西に曲がって切られていた。ここには黄色いマーキングが縛られ何かを示していた。林道から尾根に這い上がると、道形が存在した。半信半疑で乗って進む。

 道形を進むと切通の道が横切りる場所が出てくる。この一帯はシラカンバの植生が白く目立つ。それらが終わると周囲に笹が目立つようになり、大型動物がガサガサと動く音も聞こえていた。明瞭な道形が尾根上に続き、川場尾根に乗ったことを確信した。100名山のルートなのに道標が見られないことが不思議であった。たぶん、以前は分かり易いルートだったのだが、作業林道が新たに切られ判り辛くなり推移しているのだろうと思う。

 やや勾配の強い中を登ってゆくと、1297高点の場所が尾根の肩で、ここから緩斜面に変わる。ここから8分ほど進んだ先に白さの目立つお地蔵さんが立ち、彫られた戒名からはここで遭難でなくなった方が居たと理解した。冬季の事だろう。厳冬期に伝う人がいるのか、高さ2.5mくらいの枝にビニールひもが縛られ続いていた。

 「発心の不動」と同じ仕様で「賽の河原」を示していた。ここには講の石碑が4つ数えられ、全てに「霊神」と彫られている。やはり修験者の登った信心のルートで間違いない。ここを過ぎると、ルートを伝いだして初めて見る道標があった。でもそれは朽ちて地面に落ちているもので、用途を成している状態とは言い難かった。書かれている文字も、辛うじて「旭小屋」と読めるくらいであった。残雪の量がだんだん増え、それも結構に固い。これだと迷犬には酷な状態になってゆくことが予想できた。一応目標点は思ってきたが、無理をせず行けるところまで進んでみよう。

 尾根を右に巻いて進むと、キャンプ場からの道の分岐点に辿り着く。水休憩を入れてから、そこからの雪面をキックステップで這い上がって行く。雪は固くアイゼン装着が適当であった。がしかし犬用の物は無く、犬に合わせると人間がアイゼンを着けずに行ける場所までとなる。トレースは皆無で、最近は誰もここを歩いていないようだ。前回通過時の記憶にもある倒木の場所で、迷犬が抜けられずに難儀していた。32Kgを持ち上げて通過。その先の鎖場は鎖が千切れていた。ここは雪が着いていない岩場なので、なんとか上がる。しかし上がった先の細尾根が、進路が雪面のトラバースしかなく万事休す。犬には無理な斜度であった。

 引き返し日の入る平坦地で大休止。久しぶりに山頂を踏まない山行となってしまったが、コーヒーを淹れ雪山でのんびり出来るだけでも心地いい。分岐まで戻り、キャンプ場側への道を入ってみたが、べったりと雪があり道の場所は全く判断できないようになっていた。斜度があり雪も固い。予定では周回路を計画していたが、悩まず往路を戻ることとした。

 迷犬は残雪の上で腹ばいになりクールダウンしていた。汗腺が無い犬は人間より体温が高くなっているのだった。この尾根は西側に笹の原があり開けていたりする。東側より少し展望のいい西側を見る時間の方が長い感じであった。賽の河原の帰りでは。石碑をつぶさに見てゆく。講の事を一切知らないが、いろんな仕来りや決まりがあって、ここに石碑が建てられて居るのだろう。

 林道との出合まで尾根を降りると、ここからは旧道を探すこととした。まず尾根の上をそのまま進むと、林道を右にして山道が同じようなカーブRで存在し、その場所を黄色い絶縁テープが示していた。カーブの後に東進してゆくと、最初に旭小屋から登ってきて林道に出た場所であった。往路は林道しか目に入らなかったが、クロスするように道が在ったのだった。ここは道標が無いと初めての人は判らないだろう。

 旭小屋に戻り、迷犬は荒山沢で水浴びで山行の最後を締めくくっていた。気持ちよさそうにも見え、至極冷たそうにも見え・・・。
 


 
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