水ノ塔山      2202m      東篭ノ登山      2227.9m       西篭ノ登山      2212                                                                                                                                            2020.7.11(土)


  雨     単独    反時計回りに周回      行動時間:3H12M


@ログ小屋4:26→(9M)→A高峰温泉入山口4:35→(40M)→B水ノ塔山5:15→(29M)→C東篭ノ登山5:44〜48→(19M)→D西篭ノ登山6:07〜08→(19M)→E東篭ノ登山再び6:27→(23M)→F池ノ平6:50 →(39M)→G高峰温泉帰り7:29 →(10M)→Hログ小屋7:38 


   
@アサマ2000のゲレンデ途中のログ小屋から出発。 A高峰温泉「ランプの宿」 A入山口 大岩を巻く
       
ガレ場。既に風雨が強い B水ノ塔山 B水ノ塔山の前後の通過は犬には厳しい場所がある。 横殴りの雨で暴風雨に近い状態となった。
     
C東篭ノ登山。南風が強く北側で避難。 C東篭ノ登山最高所。 C一等点 C朝飯。ヤキソバパンが入手できず。
       
D西篭ノ塔山到着。暴風雨。 D標識 コマクサの群生地は、生えている南側にカメラが向けられなかった。南から真横に雨が叩いていた。 E東篭ノ登山に戻る。耳が風の強さににあおられている。
       
E池ノ平へ下降してゆく。 経路は1km 一級路 F池ノ平。6:50にして、駐車場にはスタッフが居た。
     
F高峰温泉側にも同じものがある。 G高峰温泉帰り H戻る。ドロドロ。




 北の方に行きたかったが、北に行くほどに降雨予想の日となった。九州など各地で大きな豪雨災害が起きている中、山で遊ぶのは忍びないが、だからって影響されて自粛する事もないと思っている。災害が起こっていることに対し何も思わないことは無く、ただしそんな突発的な災害が多い昨今、この先短い人生かもしれないから遊べる時に遊ぶと言うスタンス。

 
 迷犬を2000m峰に連れ上げてあげたく各地図を眺めていた。高峰(有名座)になると犬苦情が出やすい事もあり、出来る限りそのリスクを排除したかった。他のハイカーに遇わないようするのはもちろん、現地の犬連れ事情も調べ上げる。一休さんは「はしを渡ってはいけない」とある中、堂々真ん中を歩いて渡った。現世は、立ち入り禁止をしゃがんで入ったら怒られる世の中、自分が納得できる犬連れ可の裏付けが必要だった。

 
 浅間山西の篭ノ登山に照準を定め、ここでの犬事情を調べる。するとドンピシャと言うか見事入山口に「禁止」看板があることを知った。何も意思表示がない場所ほど面倒で、この様な意思表示がある場所ほど判断しやすい。普通はここで引き下がるだろう。ただし掲示してあることに対しどなたかが動いているはずと探ると、Yahooに掲載された記事を発見した。ライターはジモティーのようで、自分が納得するまで信州域の犬連れ禁止看板を関係する団体に問い合わせ回答を得ていた。篭ノ登山の記事を読むと、看板を掲げている団体自ら、掲示内容は本意ではない旨の回答をしている事と判った。看板に効力を持たないと解釈出来た。よって決行。

 
 1:45家を出る。そう遠くはない距離なので低燃費走行をしてゆっくりと地走りしてゆく。浅間サンラインから車坂峠に上がって行くと、下界は25℃であったが峠では12℃を示していた。スタートは車坂峠からでもよかったが、ここでも出来る限りハイカーとの接触を減らすために、駐車場への駐車を止め高峰温泉側へと進んで行く。一応高峰温泉を見ておこうと進むと、林道は温泉の場所でゲートされていた。そして温泉前の駐車場は県外ナンバーでいっぱいになっていた。余地には「駐車禁止」の立て札が乱立していた。峠に戻りつつ余地を探す。高峰山への入山口にも在ったが、高峰温泉に近い場所であり憚れ、もう少し東に戻ってアサマ2000ゲレンデのログハウス前に停車し夜明けを待つ。

 
 少し明るくなってくると、一帯が濃いガスに包まれていることを知った。晴れていれば、この場所からゲレンデの西側に水ノ塔山が見えるはずであるが見えていなかった。既に雨が降っていた。予報では7時くらいまでは降るのを伝えていたので、そこまでの我慢と雨具を着込む。林道には星空撮影だろうカメラマンが来ていた。それほどに晴れていた1時間ほど前であった。4:26出発する。

 
 高峰温泉の駐車場はセンサーライトでパッと明るくなった。浴室の灯りだろう、南側に暖色の灯りが煌々と見える。相対する暗い入山口から山道に入って行く。この場所に「東信地区高山植物等保護対策協議会」の前記の掲示がある。知らないで犬を連れてきて、ここで引き返した犬連れハイカーもゼロではないだろう。そしてまた、この掲示だけを読んで犬連れを注意した人も少なくはないだろう。笹の中に切られた一級路を伝って行く。前回入山した時は、高峰温泉まで車を入れて入山していた。それが可能だった時代であった。懐かしい道を、「そうそうこんな道だった」とスルメを噛みしめるように懐かしみながら登って行く。

 
 ガレ場付近になると、もうこの頃は暴風雨に近くなり、わずかな雨を予想していた中では予定外の負荷になっていた。足場も犬にとっては酷な空間と段差があり、迷犬は進路を探しながら登り、場所によっては登れずに薮の中に入り、“登るの嫌だ”とアピールしていた。抱き上げるようにして通過させてゆく。ここの意味もあっての看板だったのかも、と入山口のあの看板の文句が反芻された。

 
 水ノ塔山到着。展望ゼロ、南からの横殴りの雨が続いていた。迷犬の登頂記念撮影をしたら、すぐに西側へと進んで行く。ここの進路も抱き抱えないと通過できない場所が2か所あった。この先にこのような場所が無いことを祈りつつ通過していた。尾根の北側通過時はいいが、尾根上に戻ると途端に風雨に曝され、体が北側に持っていかれる。こんな時に犬はどうかと観察していたが、さして風に困っているふうではなかった。二足歩行と四つ足歩行の耐風能力の差を知った時であった。よろよろしながら西進してゆく。

 
 東篭ノ登山は、北側から最後を登り上げるルートであり、最高所に立つと真正面から風を受ける格好となった。後ずさりして大岩の陰に隠れる。さりとて撮影はしたいから、意を決してダイブするように風に抗い北側に行く。ここまでと知っていたなら防水カメラを持ってきたのだが、ここまでと思っていなかったので持ち合わせていなかった。それが為に南側にカメラを向けることができなかった。少し割られているが、まま状態いい一等点であった。岩陰に隠れ、朝食のメンチカツパンを迷犬と分かち合う。ここまでの天候なら、もう池の平へと降りてしまおうかとも考える。ただ迷犬を思うと、もう一座2000m峰を踏ましてあげたい。犬はまだ辛そうにはしていない様子からも・・・。

 
 西進しコマクサの群生地があるが、残念ながらそれがある方向である南側にカメラを向けられなかった。肉眼で楽しみ記憶に留める。東と西間は犬に酷な通過点は無く、連れてみて負担なのは水ノ塔山前後のみと判った。この稜線は南側展望のいい場所であったと思うが、全く南側を向かせてもらえず、何度もはぎ取られる雨具のフードを片手で抑えつつ進んでいた。

 
 西篭ノ登山登頂。ここは南風から隠れる場所が全くなく耐えるしかなかった。長居は無用で記念撮影したら踵を返し東進して戻って行く。上からでもなく斜めでもなく、終始きっちり真横から雨が叩いていた。ザックカバーも何度もはぎ取られ、都度掛け直さねばならなかった。

 
 東篭ノ登山に戻り、急いで南側の池の平へと降りて行く。南なので最初の下りが向かい風で、5〜6回ほど雨具のフードを外された。樹林帯に入り風が遮られると嘘のように平和になった。足元には一級路が続き快適そのもの。経路2か所にある標識からは、東篭ノ登山と池の平間は1kmと判る。この雨ならだれも登ってこないとは思うが、脚則歩行に近い形で一匹と進んで行く。

 
 池の平に出てすぐに管理棟に目を向けると、7時前であるが雨具を着たスタッフがもうやってきていた。ここにも高峰温泉側同様にペットに関する掲示があり、やや後ろめたい。それがあり、スタッフと目が合ったようにも見えたが、すぐに林道を東進始めた。三方ヶ峰の入山口には、「湯の丸・高峰レクリエーションの森環境整備運営協議会」のペットに関する注意書きも見える。なんともペットに優しくないエリアであった。掲示内容の一字一句に、異議を唱える人は団体には居なかったのだろうか・・・。

 
 あまり降らないであろうなんて思っているので、雨具は適当にチョイスして持ってきていた。それが為に浸透し、中もずぶ濡れになっていた。冷たく感じることしばしで、やや足早に林道を進んで行く。雨量が多いので林道上が川のようになっている場所もあり、迷犬の白いシャツは雑巾のような色合いになっていた。ここも19号の影響なのか、沢筋からの押し出しの土砂が集積してある場所が目立つ。それを見ると、林道不通の期間も在ったように思えた。

 
 駐車車両が見え、ゲート前に来ると既に開門していた。暖色の高峰温泉の玄関があり、山小屋が見えたときのような心境となった。もうチェックアウトしたのか、出発準備をしている夫妻が言い争っている。「木道歩きなのだから、そんなの着なくていいよ」と旦那らしき人が言っていた。雨具のことのようであったが、「いや今日は着た方がいい」と言いたかった。木道って何処のことを言っているのだろうとすぐに答えが出なかったが、見晴岳(2095m)からの絵を思い出した。池の平で散策するので間違いないのだろう。一人と一匹のこちらの存在に全く気付いていないようであったが、こんな人がクマに襲われてしまうのだろう。アウェイの場所って認識が薄い。

 
 車坂峠側に進んで行く。そして8時前にはスタート地点に戻ることができた。道中に誰にも会わなかったが、車坂峠の駐車場には2台のみ確認できた。浅間側への入山者だったのかもしれない。小諸側へ降りてゆくと、風は弱く小降りになっていた。上層だけが強かったようだった。

 
 振り返る。ここでは篭ノ登山への犬連れの話と限定するが、最終的には自己判断となろう。看板に法的拘束力はなく、管理団体も無効判断をしている。そうは言っても未だに外さないのには理由があり、政治に見る、片手は握手をしながらもう一方の手ではで殴り合いをしているようなものだろう。全員が同じ意見にはならず、賛成と反対が居るのだろう。文句を言うのは犬ではなく人であり、私のように人に遇わないのが一番いいだろう。会わない限りは文句は言われない。いま北アの山小屋が予約でいっぱいになったそうだ。新型コロナの最中では、この状態の方が犬連れどうこうよりはるかに問題視されるべきであろう。

 
 



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