南小太郎山 1410m 夜叉山 930m
2020.12.5(土)
晴れ 単独 ようらく橋から 行動時間:3H8M
@ようらく橋6:15→(17M)→Aお天狗様6:32〜34→(2M)→B藤岡北高校学校林入口6:36→(75M)→C1479高点峰7:51〜52→(12M)→D南小太郎山8:04〜11→(34M)→Eお天狗様再び8:45→(10M)→F夜叉山8:55〜57→(12M)→Gお天狗様三度9:09→(14M)→Hようらく橋9:23
@ようらく橋から。駐車余地は2ヶ所3台分ほど。 | 林道入口。荒れてしまっているが、以前はコンクリート舗装されていたよう。 | 林道から見下ろすようらく橋。 | Aお天狗様 |
Aお天狗様の社 | A往路は、「・」に気が付かず、夜叉山林道を示している道標だと思ってしまい通過。 | B藤岡北高校の学校林入口。 | Bこの先、横たわる道標が多く、指し示す側が判らない道標が多い。地図をよく見て進みたい。 |
檜の植林帯の中を進んで行く。 | 林道を跨ぐ。 | 1191高点の図根点。 | 集合解散場所 |
1460m付近。ルートをササが覆う。 | C1479高点峰。本日の最高所。 | C標識がある。 | 1479高点北側から北を望む。 |
南小太郎山北側分岐 | D南小太郎山 | DG標に鈴が加わった。 | D他の標識 |
Dヤキソバパンと | D下山は西尾根を下る。特に歩きにくい場所はなく快適。 | 学校林入口に戻る。 | Eお天狗様再び |
夜叉山への道形は細く獣道風味。 | 岩峰は北を巻く | 北巻きの道形(薄い) | 主尾根に乗ったら細尾根を南に進む。 |
F夜叉山到着。尾根の最高点ではなく、南側の肩の位置で山頂としている。 | F唯一の標識 | F夜叉山から北側。両神山の鋸歯が綺麗。 | F西側。前週に伝った山塊が間近に見られる。 |
F北側。各方面がよく見える展望ピーク。 | Gお天狗様三度。よく探すといたずら書きが案内していた。 | 林道入口帰り。入口付近は野草が繁茂していて、水が出ていて泥濘。 | Hようらく橋に戻る。 |
前週に登谷山の尾根を伝った。この時に、地形を見ようとグーグルの衛星画像を見たところ、目的地の東側に見知らぬ山名が現れた。最初はそれは栗原山の場所で、別名がフラれていると思った。しかし場所が違うし、クリックして見える山頂風景は栗原山ではない。その名は「夜叉山」。何とも興味を抱く山名で、北にある人名のようなファニーな南小太郎山に対し、鬼を連想させる夜叉の文字は強く気になるのだった。
泉鏡花で有名になった夜叉ヶ池に初めて行ったのは1997年。三周ヶ岳に登った時と、その後に三国岳に登った時に経路に見ている。南アルプスの夜叉神峠も4度ほど通過し、福井・山梨双方のその場所で少し緊張しながら通過していた。3つ目に出合う夜叉、それも山名としては初めて。鬼が出ても蛇が出てもいいが、蛇は冬眠期に入っているので、出るとしたら鬼だろう。相応の覚悟をして計画する。
夜叉山のみだと、あまりにも短時間で踏めてしまうので、南小太郎まで進み栗原山側の尾根を下る周回コースを計画した。起点はようらく橋とし、そこからの東斜面には衛星画像では植林用の作業道が見える。緩斜面の植林地であり、危険度はなく計画できると思えた。方角を見誤ると、林道今泉線に降り立つのが少し厄介だが・・・。
4時15分に家を出る。下仁田町から南牧村に入ると雪が舞いだしてきた。夜空を見るとどんよりとしている。トラオさんのパン工房の灯りを見ながら湯の沢トンネルに潜って上野村に出る。当然だが上野村も同様に小雪が舞っていた。夏タイヤのままなので、”これ以上降るな”と願いながら東へと進んで行く。恐竜センターまで進み、そこでようらく橋へのアプローチ道を検討する。境沢川沿いと東福寺沿いの2択で、近い方の境沢川沿いの林道に入ってみることにした。
三島橋の西側から北に入ると、その先は殆どすれ違いが出来ない道幅で続く。対向車が来たらかなり苦労するだろう道幅だった。舗装されている場所が続くが、途中からダートになった時は引き返そうかと思ったほど。あとは冬季は通らない方がいい。勾配が強い場所があり、凍っていたらスタッドレスでも登れないだろう。この時は水分が路面に見られず助かった。外気温はマイナス2℃であった。進んで行くと広い道に出て、これが前週に歩いた林道今泉線であった。右折してすぐでようらく橋に到着した。橋の東側に2台、そこから30mほど東に1台分の余地があった。橋の脇に停め夜明けを待つ。
6:15行動開始。ようらく橋から西に僅かに下ると枝林道入口がある。ここには南小太郎を示す道標は無い。入り口からの最初は、野草が茂り廃林道風味が強く、少し分け進むような距離が20mほどある。獣道のような踏み跡が細くあり伝って進むと、ターンした先から流れが林道を覆い泥濘地形となる。そして落石も多い。コンクリートを吹き付けた壁の上を林道は通り、ここからはスタート地点のようらく橋が良く見える。
歩き出しから17分でお天狗様の祠前に到達。峠風な地形で社の天狗面が目立つのと、社横の御神木が雰囲気を出していた。道向かいに「夜叉山林道→」と道標が出ていた。矢印側を見ると、下の方に林道が見え、この時は林道を指し示す道標だと解釈した。夜叉山への道標はまた別の場所に存在すると・・・。社の裏からの尾根の先に岩峰がある。これなのかと思ったが、道向かいに在ってこちらに無いのもおかしい。先に進むことにした。
林道をそのまま進むと、社から2分ほどの場所に分岐道標の立つ分岐路があり、「藤岡北高校学校林入口」と書かれた標柱も横たわる。エアリアに読める場所であり枝道に入って行く。檜の植林帯が現れ、尾根に合流した場所には沢山のマーキングが見られる。東側に岩峰のような高みがあり山頂部が望めるが、ここも夜叉山ではないよう。北へと登って行く。
林道に出たら、東にオフセットして山道は続いている。この林道を跨ぐ上側のみタイガーロープが流されザレ地形、あとはとても歩き易い勾配で続く。1191高点には三角点にも見える標石が埋まり、これは図根点であった。この頃には、もう夜叉山は諦めていた。また改めて登ろうと。とりあえずもう一つの目標値である南小太郎山を目指す。
高崎営林署の集合解散場所経て、熊の肩を経て進んで行く。登路は普通に南小太郎山を通過していると思っていた。ろくに地図を見ていないので・・・。進んで行くと持倉の文字が入った分岐路が現れ登り過ぎていることに気づく。ここで戻っても何か煮え切れないので、1479高点を踏んで最高点としようと決めた。笹が繁茂し登山道を隠すほどになっている。降りた霜を迷犬が露払いして進む。
1479高点登頂。20年前は、北の御荷鉾林道側から南小太郎山にアプローチし、この1479高点峰が南小太郎山だと思って這い上がった。その時見た木製の標識がまだ残っていた。当時は裏を見なかったが、裏には不思議な言葉並べが綴られていた。さて戻る。間違えた分を取り戻すように急ぎ足で戻り、1380mの尾根からの下降路を西に見ながら南に這い上がって行く。往路に間違ったのはここだった。
南小太郎山登頂。G標に鈴が取り付けられ待っていた。20年ぶりのその場所は、以前と全く変わっていなかった。予定ではここから南東に進む周回路計画だが、往路に夜叉山を踏めず南小太郎山も通り過ぎ、2回のミスしてしまっているので、取り返すように夜叉山は踏んで帰ろうと思った。往路を戻る形で味気ないが、踏めずに帰るよりいい。
南小太郎山からの西尾根には道が切られなかった。何かあるのかと伝って降りて行くが、低いササの植生があるくらいで然して負荷になるような場所もなく往路の道形に出合った。残る道形は登山道となっているが、昔は杖植峠に登る山道であり、少しでも省力と高みを巻いて切られているのだろうと思えた。落ち葉の積もったやや広い道形を、ボブスレーでもしているかのように迷犬とずり降りて行く。舞い上がる落ち葉が、まるで雪の中を歩いているようであった。一気に下り学校林入口に降り立つ。さてここからはよくよく見定めないとならない。お天狗様の東に1000mの顕著な高みがあるが、深い谷を間に挟んでいるので、こちらからのアプローチだと容易ではない。却下。やはりお天狗様の北の岩峰かと、南のリボンのたくさん巻かれた場所から少し這い上がるも、展望が得られそうな場所ではなくおかしい。ここも却下。
そうこうしながらお天狗様の場所に戻った。もう一度西側の道標を見る。なんてことはない、「夜叉山」と「林道」の間に「・」が入っていた。二つの場所を指し示す道標で、夜叉山はお天狗様の南にあるのだった。尾根の北側から西を巻くように細い踏み跡が続く。獣道のようであり、心許ないがこれしかないので信用して伝って行く。920mで尾根の鞍部に乗り上げ、そこから南は岩峰が待っている。ここも西を巻く。進む先であやふやになるが、青い荷紐が伝う場所を示していた。
尾根に戻った場所が夜叉山の山頂かと思った。それ以前に、940mの高みを巻いているので、そこに戻るような道形かと思ったがさらに南に進んでいた。ここは最高所が山頂ではないのが経路から判る。尾根に乗り上げ、痩せたその上を進んで行くと、930mの肩に標識がかかっていた。南と西の展望が良く、少し北に戻ると北側が良く見える。痩せた尾根上であることから樹林の邪魔が少なく、概ね各方面が良く見える場所であった。社でもあるかもと予想してきたが、人工物は標識のみであった。迷犬が足を踏み外しはしないかと終始気遣い、短時間の滞在で踵を返す。
地形図を見ると、このまま南に降りられそうにも見えるが、迷犬を連れてのギャンブルは出来ない。来た道を戻って北に進んで行く。お天狗様三度。西側に大岩があり、岩窟でもあるのではと降りて行ってみたが、ややハングした場所があるだけで穴のような場所は無かった。登り返しお天狗様に挨拶をしてから降りて行く。誰かとすれ違うかと思ったが、マイナーなルートのようで人気は無かった。
今泉線に降り立ち僅かに歩いてようらく橋に戻る。今度はここからの東斜面を見る。伝って降りてこようとした場所で、山中に在ったのと同じ青いマーキングがここに下がっていた。伝っているのかと、上の方を目で追ったが他には見えてこなかった。橋から境沢川の上流を見る。男性的な景観美のある沢で、夏の避暑に良さそうに見えた。