前三ッ頭        2364.6m      三ッ頭        2580m         権現岳        2715m                
 
  奥三ッ頭        2590m        
  
   
        
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.9.25(土)


  くもり時々雨    単独     里宮平より     行動時間:6H4M


@駐車場3:14→(11M)→A天の河原3:25→(112M)→B前三ッ頭5:17→(32M)→C三ッ頭5:49〜53→(42M)→D権現岳6:35〜57→(10M)→・奥三ッ頭7:07→(25M)→E三ッ頭帰り7:32〜35→(23M)→F前三ッ頭帰り7:58〜8:00→(70M)→G天の河原帰り9:10→(8M)→H駐車場9:18  
                                             


 
@駐車場からスタート A天の河原。小雨が降り出してきた。 急峻が始まる。 B前三ッ頭から3分ほど進んだ辺り。
     
この日の来光は5:40。 前三ッ頭分岐。三ッ頭の前なので「前三ッ頭」なんだろうけど、前三ッ頭との位置関係が・・・。 C三ツ頭 C標識と。そう言えば、南八ッには、あの赤い標識を見ない。
   
C唯一の山名表示 C三ッ頭から権現岳側 途中から赤岳と権現岳 ガスが巻いたり晴れたりを繰り返していた。
       
急峻の岩斜面 赤ザレの登路 核心部の岩場。 最初の一段目は上がれるが、その先が無理だった。細いクラックの見える上まで抱き上げる。
     
直下の祠 D山梨百名山の標柱。 D権現岳登頂 D標識の下には、たくさんの御賽銭が見られた。
     
Dヤキソバパンと D南側の展望 D東のガスが晴れ、西にブロッケンが現れた。 D少しガスの取れる時間があり、編笠山と手前に青年小屋。
       
Dギボシ D中央の岩の間に権現小屋が見える。 鎖場帰り。帰りも下側で抱き下ろす。帰路に奥三ツ頭を踏んだが、撮影せず。石塔と西に木柱あり。 E三ッ頭帰り
       
三ッ頭下の、前三ッ頭分岐。 F前三ッ頭帰り F往路に通り過ぎてしまったので、改めて記念撮影。 F三等点
       
Fここもこれが唯一の標識。 Fリンゴで水分補給。シナノドルチェはラフランス風味。 倒木にカービング加工した椅子。 G天の河原帰り。幼児を連れた家族連れが散策に上がってきていた。
       
H駐車場に戻る。夏場は東側の駐車スペースが日陰になり適所。




 しばらく北八ッが続いていたので、南八ッの迷犬にとっての落穂を狙う。大型犬なので、天女山から伝えるのは三ッ頭までと思い計画していた。がしかし、小型犬や中型犬は権現岳まで元気に足を進めている記録が読める。ネックとなるのは檜峰神社下の鎖場の岩壁。そこを登る前から諦めていたわけなのだが、これでは行動する前から可能性を奪い取ってしまっているようであり、ダメもとで目標地を権現岳とした。権現岳まで行ったらギボシまで進みたいと欲が出るが、ここは欲張らない事とした。

 

 1:15家を出る。日中は曇り予報の日で、天女山駐車場は13であった。まだ駐車場は閑散としており、車中泊だろう2台が停まっているだけだった。日陰を考慮し東側のスペースに入れる。ここも瑞牆の里宮平の駐車場同様に車線幅が狭い。角を選び少しはみ出すように停めた。そして仮眠は入れずにすぐに準備に入る。

 

 3:14天女山駐車場をヘッドランプでスタートする。天の河原までは散策路風味で、その先しばらくも緩斜面の尾根上を伝う。登山道脇の海抜の刻まれた石塔が遭難碑のように見えてしまい、ヘッドランプに照らされるたびにドキッとさせられる。1900mを越えた付近から急登が始まるが、ここまでが楽すぎる感じだったので、脹脛への負荷が心地いい。旧有料道路のナイトランを楽しむバイクのノイズがまだ上がってきていた。自然を楽しむ者にとって、やはりノイズでしかない。

 

 前三ツ頭に東から乗り上げたら、ルートは北に屈曲する。うっかりして、ここはただの下降点だと思って立ち止まらずに通過してしまう。尾根の肩で山らしくなく、本当のピークはもう少し先と思い込んでいた。前回に対し21年も経過すると、記憶もこんなザマである。5時頃から小雨が降り出し、前三ッ頭からは西風が左半身を冷やすようになる。外気温は9となっていた。ガスが濃くなり、今日はこんな天気なのかと山頂でも展望を楽しめないだろうと腹をくくる。

 

 前三ツ頭分岐の場所は、なぜにこの名称なんだろうと思ってしまう。「三ッ頭分岐」でいいんじゃないだろうか。設置した時の誤記のような気がしてならない。ここまで来ると、三ッ頭に上がった時に、はたして権現岳は見えるのかどうかと言う賭けが発生する。見たい欲求がある中で、このガスだと無理かもしれないとも思えていた。さて実際は・・・。

 

 三ッ頭登頂。すぐに北に進むと、権現岳の尖峰が見えていた。ただしガスの動きが早く、じっくりと望めるのではなく、ガスの向こうにぼんやりとだったり、濃く隠されたりだったりで、それでもここから矛先が見えただけでも嬉しかった。行政の標識の場所まで戻り、迷犬の記念撮影をする。ここまで2.5時間ほど費やした。標識には権現まで1時間と刻まれている。もう迷わず行くしかない。

 

 ハイマツの中を緩く下って行く。次に登り返しが始まると、その先で尾根道と西巻の道が二分する。往路は西巻の道を選んだ。赤ザレの地形を経ると、ついぞ鎖場の岩壁が現れる。鎖場の下まで進むと、迷犬は登れないことを悟ったのか、西側の灌木の中を巻き上げようと試みたが、すぐに登山道に戻ってきた。無理だったようだ。私が先に登って、登れる場所を示したが、下から聞こえてきたのは「クンクン」と言う降参の合図だった。左上に斜上するように進めればいいのだが、判っていても自分の体重を上に持ち上げられないのだった。抱きかかえ1.5mほど上に持ち上げてやる。ここさえ抜ければもう問題個所は無かった。

 

 先に檜峰神社の石祠があるので、お参りに上がる。祠の内部には真新しい木札が見られた。日のいずる側を向いた祠であり、麓のどの村落の設置なのかと考えるが、東にそれらしい集落は無く、南の大泉村の設置なのかと勘ぐった。そのまま上にも行けるが、一度下って山梨百名山の標柱から上に向か合う。東側から巻き上げるように岩場を上がり、鉄剣の立つ山頂に到達する。

 

 権現岳登頂。360度真っ白で視界は閉ざされていた。高度感は先ほどの山梨百名山の標柱側を見降ろして感じるくらい。三ッ頭に居た時には少し晴れたが、まあ想定内の展望の無さだった。狭い山頂部の居ても居心地が悪く、山梨百名山の標柱の西側に下って休憩とした。すると下から声が上がってきて、女性一人と男性二名のパーティーが上がってきた。そして西側経路にはギボシの鎖場がある為だろう、「ここまでワンちゃん上がれるんだ」と驚いていた。交代するように3人が山頂に上がる。ガスの中に立つ3名の姿が恰好よかったので見上げるように撮影していたら、彼らから「ブロッケン」と声が発せられた。久しく出逢っておらず強く気になった。下からは現象は見えず、すぐに上がって行く。東側のガスが取れ陽が射すようになり、クッキリとではないがブロッケン現象が現れていた。犬でも出来るだろうと考えたが、東へ体を晒す場所は足場が狭く、立たせるのは憚った。

 

 天気は回復傾向なのか、西側のガスが取れ、ギボシや編笠山も見えるようになってきた。青年小屋と併せて見ると箱庭を見ているかのようだった。赤岳も見えるようになったのかと、西から回り込むようにして望むが、まだ濃いガスの中だった。西の岩峰の向こうに権現小屋の屋根が見えていた。三名はキレットを抜けるようで、61段の梯子を話題にしつつ北へ進んで行った。さて下山。

 

 鎖場の帰りは、飛び降りてくれるかと思ったが、降りられず「抱け」とばかりに身体を預けてきた。足場が悪く、抱きかかえたら振られてしまいそうなので、ビレイを取りたかった。が適当な場所は鎖しかない。段差分を考慮し細引きをフックしてから迷犬を抱き下ろす。登山は登りより下りで事故が多いと言うが、ここも登らせるより降ろす方が大変だった。気にしていた鎖場が終わり肩の荷が下りた感じだった。ザレた中を降りて行く。

 

 復路は、往路に西側山腹を通過したピークは山頂を通過してゆく。ケルンのようになった最高所に文字の刻まれた石塔が横になり、西の巻き道側には木柱が立っていた。この時は全く気付いていなかったが、ここが奥三ッ頭山頂であった。復路も西を通過したら迷犬は未踏になってしまうが、意識せずにも踏んで通過した貴重な1座であった。下って行くと単独のハイカーがすれ違う。

 

 三ッ頭に戻り小休止。少し賑わっているかと思ったが、まだその時間ではないようで静かなままだった。前三ッ頭分岐を経て前三ッ頭に戻っても静かで、往路に撮り忘れた分を改めて撮る。そしてリンゴを齧りながら急峻を降りて行く。ポツリポツリとハイカーがすれ違う。なかには8名ほどのパーティーもいた。

 

 緩斜面となりのんびりと足を進めていると、男女のパーティーが登って来て、男性が女性に「この人3時頃に出た人だよ」と伝えていた。出発時に停まっていた2台のうちの1台は、こちらの様子を見ていたってことのようだった。まあ観察は大事であり、常に周囲に目を向け情報を自分なりに精査するってのが、自然の遊びでの大前提だろう。挨拶を交わしすれ違う。

 

 すれ違う人がほとんどかと思っていた中で、先を降りて行く女性が居た。何処まで進んでの帰りなのだろう。フレンドリーな人なら声をかけようと思ったが、こちらに背を向けるように道を譲ったので黙って前に出させてもらった。その先、見るからに苦虫を噛み潰したような顔ですれ違う人が上がってきた。そして物言いたそうに、すれ違いざまだけゆっくりとした歩調になり迷犬を睨むように見ていた。すれ違いはスワレかフセの姿勢ですれ違うようにしている。この時はフセだった。スワレだったら小言を言われた事だろう。装備からは玄人山ヤだった。犬嫌いの人を感じた時だった。

 

 天の河原まで下ると賑やかな子供の声がしていた。駐車場から短時間で登れる展望地であり、観光地としての天の河原だった。ちょうど三世代と思しき家族が降り始めるところだった。生憎のガスで展望は楽しめなかったよう。ここまで降りたら、もう一座の天女山をも踏んで帰ろうかと迷っていた。ただ、どうしても下って山頂に立つ場所が苦手で、答えは早かった。また次回にしよう。

 

 駐車場に戻ると8割ほど埋まっていた。これから出発してゆく人の姿もあり、この時間帯は夏のような日差しになってきていた。予報通りと言えば予報通り。もう少し遅くに行動すれば、より展望を楽しめただろう。そして東側駐車場も、予想通りに日陰が作られ広い駐車場の中では一等地であった。

 大型犬と権現岳は、抱く覚悟があればOK。抱けなければちと厳しいだろう。小型中型犬は問題なしとなるだろう。



 
                         戻る