ジャンクション岩峰        1045m          
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.2.6(土)


  晴れ    単独     松井田町西野牧より     行動時間:2H55M


@千駄木橋6:37→(3M)→A柿の木橋6:40→(18M)→B750m四差路6:58→(13M)→C780mT字路7:11→(33M)→D1015m岩峰西7:44→(16M)→Eジャンクション岩峰8:00〜8:07→(8M)→F1015m岩峰帰り8:15→(23M)→G940m峰8:38→(6M)→H千駄木峠東の崖上8:44〜8:50→(5M)→I940m峰再び8:55→(16M)→JT字路帰り9:11→(9M)→K四差路帰り9:20→(11M)→L林道入口9:31→(1M)→M千駄木橋9:32
                


 
@千駄木橋側に7台分ほどの路肩余地がある。ここからスタート。 千駄木橋と柿の木橋の中間点付近から、林道幅が南に上がっている。帰りはここに降りてくる。 西野牧地区から見る高岩。 A柿の木橋の脇には砕石を敷かれた土地がある。最初ここに停めようと考えたが、使われている場所に見えた。地形図の破線はここが入口。
       
A柿の木橋の西側に踏み跡があるが、左岸側には明瞭な道形無し。 尾根に近い場所まで上がると、明瞭な道形に乗った。北側を見ている。 場違いな看板があり、ここに高圧ガス管が埋まっているとある。 埋まっている場所に黄色のマーキング。道形は所々崩落しており不明瞭箇所も現れる。
   
B750mの斜めに交差する四差路。谷側へと道が降りており、山手側への右の道を進む。 770mの鉄塔下のY字分岐。左右どちらの道を進んでも同じ場所に行きつく。 送電線鉄塔下にY字分岐。 C780mのT字路。先ほどのY字を左の道を選ぶとここに出る。
       
CY字分岐を右側の道を選ぶとここに出る。道は南に続いているよう。 C立入禁止看板から東へ道が分岐しているが、長くは続かない。犬の見える場所がT字分岐。 T字分岐から東に10mほどオフセットした場所に千駄木峠に行くと思われる峠道が見られる。 875高点南のコルに向けて薄い道形を伝う。
       
875高点南のコルには、コンクリート標柱が埋まる。尾根を乗越し東の谷へと入って行く。 コルから谷へ獣道が見られる。杣道かも。ここから小尾根を3つくらい跨ぎ、東へとトラバース気味に進んで行く。 1015m岩峰の西尾根を登ってきた。この尾根にもコンクリート標柱が見られた。 D1015m岩峰を西側から見ている。ホールドが多く登れるが、東側は絶壁。
     
D岩峰の西側基部から南側は2mほど落ち込み、人間は下れるが犬は無理。 D岩峰の北側は伝い易い。 岩峰の北側基部に6畳ほどの大きな岩屋がある。熊の糞が残る。 北側から見る1015m岩峰。尖って見える。
       
岩屋の先で一枚岩の場所が出てくる。ここも人間は通過可能だが犬には酷で、10mほど下ってトラバース。ここの方が安全通過できる。(振り返り撮影) 1015岩峰の東側は、ほぼ危険個所は無くたおやか。 東側から1015岩峰を仰ぐ。砂岩のような礫岩のような、ハングしておりこちらから登るのは無理だろう。 ジャンクション岩峰南の、市郡界辺りから見るジャンクションピーク側。
       
妙義山塊らしいごつごつとした岩を伝う。 両側が切れ落ちた痩せの場所に二本のコンクリート標柱が埋まる。  南峰から見る北峰。 Eジャンクション岩峰(北峰)
       
E北東(谷急山)側 E東(金洞山)側 D南東 D最高所から北に行くと、北西(浅間山・高岩)側が開ける。
       
E古いザイルが東側の壁に垂らしてあった。  Eヤキソバパンと  Eジャンクション岩峰で犬が撮影された最初かもしれない。 E南峰。ヤセの通過は、犬とアンザイレン。 
       
F帰りは1015岩峰の南を通過してみる。北面より安全通過出来た。最後を岩峰基部に2m這い上がらないでいい。  1015岩峰の南巻きで出た場所。西側を見ている。  1015岩峰の南巻きで出た場所。東側の岩峰側を見ている。東進の場合は、岩峰基部まで進まず、早めに植林地内に入れば容易に通過できる。  たおやかな尾根で、970mからは間違って西に下る尾根には行ってしまい修正。 
       
市郡界の尾根に戻り、途中の見晴らしのいい伐採跡地。  G940m峰。手前に偽ピークあり。 G940m峰から見る千駄木山 振り返ると、ジャンクション岩峰からの南尾根に起立した岩峰が見られた。 
       
H920m付近で尾根上は進めなくなり崖上に出る。ここからは懸垂しか選べない。  H南に尾根が下るが、南西に小さな小尾根があり、そこへと下り、乗越すように西へ下れる。ここを使えばザイル不要。ただし段差が大きく犬は無理で引き返す。  I940m峰再び 940m峰から875高点峰への尾根を下って行く。痩せ尾根の急峻。 
     
往路に通過した875高点南のコルに戻る。  JT字分岐に戻る。 K750mの四差路からは、北西に進む林道を伝ってみる。往路の道は雪面のある右側にある。  Lスタート時に気になった、林道幅の場所に出た。経路には崩落個所がいくつもあり、廃林道状態。 
       
M千駄木橋に戻る。       




妙義山塊の最西端と言っていいだろう。裏妙義としたら最南端とも言える。奥裏妙義と言う表現があれば最適であるが、そこにジャンクション岩峰が鎮座する。先人の記録がいくつも読め、多くはザイルワークをしながら通過している。岩ヤ風味の人が目指す場所とも言えよう。そこに今回は犬連れで挑む。


 多いのは中木沢経由のコース取り。林道でアプローチ出来、国民宿舎もあった(過去形)ので計画がし易いからだろうと思えた。当初は同じように中木沢を林道で伝いながら攻めようかと思っていた。これが北東からのアプローチ方法。この北に対しての南は、西牧の中野地区からの計画。全て廃道のようではあるが、林道幅や実線路、破線路などが地形図に読め、かなり近い位置までそれらを使えるように見える。実際はだいぶ薮化しているようではあるが・・・。WEB上で見えるのは概ねこの二つ。千駄木山や大烏帽子山や小烏帽子山と絡ませ登頂している。


 しかし天邪鬼がここにおり、違うルートで伝ってみたいと思えた。軽井沢側の和美峠側を眺めたり、東の小坂川沿いの林道はどうだろうかと眺めたりした。どちらも長い林道歩きに面白みを感じず、最後に北の西野牧は千平地区からの破線路を伝ってみようと思った。色々場所を絞っているのは、冬季と言う背景もある。降雪後でもあり林道に雪が載っていたら負荷が大きくなる。もがくにもなるべく短距離でとの判断だった。


 幸い週末の土日は三月下旬の気温になるとのこと。迷犬にアイゼンは用意できないので、凍った場所があれば通過は困難になる。残雪が凍らないでいてくれれば登頂の可能性はある。北斜面で日陰が多いはず、現地に行ってみないと判らないが、ダメもとで下見がてらに決行してみることにした。


 18号から離れ92号(松井田軽井沢線)に入ると、大きな工事が2箇所でされ大型車両は通行できないようになっていた。柿の木橋がある破線路入り口に着く。そこには白い砕石を敷き詰めた広い余地がある。そこに見える轍からはUターン場所に見えた。駐車適地なのだが停め辛く、況してや今日は土曜日であり工事関係の場所であったら邪魔になる。他に余地はないかと先に進むと、千駄木橋の所に路肩余地があった。除雪された雪で少し壁になっているが、最低地上高内で吸収できる高さであり乗り越えて入って行く。


 6:37行動開始。柿の木橋側へ降りて行く。その途中、ちょうど中間点付近に南の山手側に林道幅が登って行っていた。植林地に向かっているので林業作業用の道と思って見ていた。さらに進み柿の木橋到着。ここからは北に高岩が聳える。右岸から堰堤前を横切るように左岸に進んでいる破線路であるが、沢の中は荒れていて全く道形は見えなかった。

 柿の木橋の西側からの左岸には、細い踏み跡が見える。ここから入って行くと、道形はすぐに有耶無耶になった。沢の中にも見えず。西側斜面にもない。這い上がるように南に進んで行くと、植林帯の中に北から道形が上がってきていた。山道にしては広く、このままなら楽して伝って行けると思ったが、進む先では崩落したり不明瞭箇所も待っていた。そしてこんな場所にと思えた看板が現れた。「帝国パイプライン株式会社」管轄の高圧ガス管が道の下に埋まっているとのことだった。埋設してある上なのか、所々に黄色いペンキでマーキングしてあるのが見える。


 標高750mで広い林道幅に出た。よく見ると四差路になっていて、南に向かう道は上に向かう右側と、谷側へ降りて行く左側の道となっていた。右側へと進んで行く。すると「天然ガス」と書かれた杭も現れた。どこからどこへと繋いでいるものなのか、管轄は「国際石油開発帝国梶vに換わっていた。外気温はマイナス3。残雪は硬くなくサクサクと踏んで進める程度であった。”この雪なら行けるかも”と登頂可能性の感触を掴んでいた。


 770mでY字路が現れた。すぐ手前の西側に送電線鉄塔が立っている。右側の道には杭が立ち塞いでいるようだったので左の道を進む。するとすぐ先でT字路となり、両角の場所には太いポールが立っていた。西に進んでみると、立入禁止の大きな看板が立ち、先ほどのY字路を右に進んでくるとここに出るようであった。南に林道幅が進んでいるようであったが、南に進んで千駄木峠まで行ってしまうと、そこからの東側の市郡界尾根には、通過にはザイル必須の崖地形が待っている。犬連れにはまず通過は出来ないので、今回の工夫として、市郡界の尾根を伝わずに北側山腹から深く巻き上げて行こうと考えた。


 標高780mのT字路付近はコンクリート舗装までされていた。なぜか行きたいと思っている東側へと進む道も在った。進んで行くと、T字路の先12mくらいの場所から南に山道が進んで行っていた。これが破線路だろう。それを見ながら875高点の南鞍部を目指す。平坦地には道形は無かったが、鞍部が近くなるとハッキリとした踏み跡が現れた。杣道か獣道か判断できないものだった。鞍部を乗越すと、南東に降りて行く薄い踏み跡もあった。そこから谷を挟んで東側の斜面を眺める。獣道だったかと総合的に思えた。


 875高点の東の谷から、真東に進むようにして小尾根をいくつか越えトラバースしてゆく。谷も伝えないものかと出合う都度見上げて品定めする。千駄木峠側の崖と、もう一つ1000mに存在する岩峰がこの日のキモ。下側で巻ききってジャンクション岩峰側に出れればと思ったが、875高点峰の真東の尾根に乗って、さらに東にズレようと企てていたが、地形図に読める以上に深い谷で、そのまま上に行くことにした。これだと990mの肩に乗り上げ、岩峰の前に出ることになるが、危険回避をした結果なのでしょうがない。そしてこんな尾根ではあるがコンクリートの標柱が埋まっている場所もあった。進む先左側に顕著な岩峰が現れる。


 上が平らな岩峰は、西側からは登れそうなホールドの多い岩面であった。上は平のようで登れば面白いだろうと思える。さて岩峰を南北どちらで巻くかであるが、まず暖かい南側を岩峰基部から見ると、2mほどの段差があり、人間なら掴まって下れるが犬は無理だった。次に北を見ると、なだらかな地形で続いていた。悩むことなく北側に進む。するとすぐに大きな岩屋が現れる。6畳とか8畳とか表現していい大きさで、中にはクマの糞が残されていた。この先で少し上側に進む場所があるが、1枚岩となっており踏み外したら滑落するだろう場所となる。昔なら突っ込んだが、迷犬連れでは躊躇するようになった。他にルートが無いとなると、南巻きもダメだったのでここで引き返さねばならない。10mほど下を見ると、雪があるおかげでグリップしてトラバースできそうに見えた。少し下って東にズレて行く。滑ったら危ない場所ではあったが、上側の通過よりは危険度が少なかった。


 岩峰の東に出る。岩峰の東側はハングした岩壁で、それも脆そうで登れるものではなかった。現在地を地形図で確認する。目の前の岩峰は、少し読み辛いが1000mの上に乗っている曲線と破線曲線となるから、1015mとなるようだ。南の植林地を見ながら緩やかな尾根を進んで行く。そして登り切った場所から北に進路を変える。妙義らしいごつごつとした露岩を踏みながら進み、その先のやせ尾根にはコンクリート標柱が二本設置されていた。両側が切れ落ちているので、慌てて迷犬とアンザイレンする。雪は南峰に少し在ったが、それだけであった。この尾根上に雪が載りガチガチだったら、全く難易度が違っただろう。目の前に北峰が聳える。もう少し。


 ジャンクション岩峰登頂。北側から東を経て南側に至る大展望があり、西側は樹木で塞がれていた。少し下る感じで北に進むと、ここからは西側が望むことが出来た。南北に細長い頂部で、休憩するにはちょっとムズムズする幅だった。よく見ると、西側の木に支点をとった古いザイルが東側岩壁に垂らされていた。岩ヤが下降したのだろうか。回収が出来ていないと言う事は・・・。展望を楽しみながらヤキソバパンを分かち合う。岩峰とは言え岩登りのような場所はないが、それなりの経路の場所であり、犬が登頂したことがあるのかどうか。裏妙義と表妙義が望める大展望の場所で、登って損はない場所であった。


 帰路は1000mから岩峰の南を巻いてみる。東側岩峰基部から西へと進んで行くと、南面にも小さな岩屋風の場所があった。この先、往路での調査からは尾根に戻るには這い上がらねばならない。迷犬を持上げられるかどうか。ダメなら北をもう一度巻かねばならない。進んで行くと岩峰の西側基部よりだいぶ下で通過し、難なく西側の尾根上に飛び出した。何も危ないところはなくあっけないくらいであった。


 西に降りて行く。千駄木峠東の崖地形を見ておきたかったのと、上手く危険地帯が回避できるルートは見いだせないものかと調査も兼ねていた。快適尾根過ぎて、930m地点から西の尾根に入ってしまい、940m峰が左側に見えてきたので慌てて尾根を修正する。尾根上には赤い杭がたまに打たれていた。940m峰の東側は、伐採されたまま植林されていない空間があり、その場所からは南側が開けていた。


 940mの突峰に乗る。西側の送電線鉄塔に近づくようにゆっくりと降りて行く。そして崖の上に出た。これは懸垂しかない。北側は降りられず、南側に若干脈がある。940m峰から南尾根があり、林道に降りられるようだが、最後が懸垂の可能性がある。その南尾根と市郡界尾根の中間ぐらいに、本当に小さな尾根が見られる。なにか獣が降りて行っているような跡があり、ズリズリと斜面を降りて行く。小尾根上に乗り西を見下ろすと、2mほどの段差にはなっているが、岩や木の根を掴みながら降りられる場所であった。ただし犬は抱えないと無理。中型犬くらいなら抱きかかえての行動も可であるが、さすがに大型犬は無理であった。ここが通過できれば、千駄木峠には行けただろうと思う。


 再び940m峰に上がり、ここからだと直接北に降りるのは急峻過ぎて酷で、少し東に戻ってからトラバースして北の尾根に乗った。乗ったはいいが安全に伝えるのかどうかは判らない、品定めをするように下側を覗き込むようにしながら降りて行く。けっこう細尾根で急峻で、途中にキレットでも有ったらと、登り返すことも考慮していた。降りて行く先に875峰が見え、往路に跨いだ鞍部も見えてきた。無事伝えた。


 鞍部から西側は、踏み跡と言うか道形を伝って行くと、往路のT字路から東に続く道より下側に出た。広い地形なので道形の先は有耶無耶になっていた。T字路からは立入禁止看板側に進んで、西側の道を進んでみる。道を塞ぐ格好で倒木があり、東の道の方が伝いやすい。750mの四差路からは、往路の道を右(東)に見て左(西)側の道を伝ってみる。


 林道にしたらやや狭い道幅だが、往路のガス管の埋まる道よりは伝いやすい。何箇所か崩落しており車は伝えなくなっていた。くねくねと九十九を切りながら高度を下げて行く。何処に連れて行かれるのか不明であるが、おおよそ予想は出来た。この道幅は朝に見ている。「路面凍結注意」の蛍光看板のある場所で92号に出た。やはりここだったか。往路もここから入山すれば、もう少し楽だっただろう。ただし車が入れるよう造ってあったために、少し距離は長くなるかと思う。車道を歩き千駄木橋の余地に戻る。


 振り返る。キモだった1015岩峰の通過と、千駄木峠東側の崖地形の問題は、前者は完全に不安は解決し安全通過は南巻き。後者は940m峰南西斜面から多分ザイル無しでの通過は出来るだろうと思う。いや、”ここを目指す玄人は”と付け加えておいた方がいいか。もちろん南西の場所もザイルがあればより安全に通過できる。下見予定でもあったが、冬季でも無事登頂でき満足。


 最後に、下山途中に恩賀地区側から銃声が何度も轟いていた。猟をする場所も近くにあるので猟期での入山は注意した方がいい。






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